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『成澤准教授の最後の恋』『好きで好きで好きで』(高遠琉加/角川ルビー文庫)

*具体的内容、結末まで触れています。


『成澤准教授の最後の恋』(高遠琉加/角川ルビー文庫)
 
フランス文学部准教授、という肩書きを持つ成澤恵。クールな美貌で
翻訳、エッセイでも人気を得ていた。友人の編集者のところの新人、
蒼井は、平凡で地味で、初対面のときにも空気のように印象が薄かった
のだが、ある雨の夜、非常階段から落ちかかるようにしていた彼を
思わず助ける。
それから、ちょっとした興味で、悪戯で、蒼井を担当編集者に指名し、
側におくようになった。
 
成澤先生はわがまま気まま、手に入らない純愛や蒼井が気になって、
欲しくなって。それがだんだん本気に。という黄金パターンですねー。
蒼井くんの片思いを知って意地悪する成澤先生とか可愛かった。
自分がもてあそんでいるつもりなのに本気になっちゃって、でも実は
自分のほうが、片思い相手、もう死んだ相手の代わりに思われてた
なんて、とショックを受けたりして、成澤先生可愛い。
えろしーんもわりと多めかもな。可愛くて愛しくてえろすでよかった。
今は死んでしまったかつての友情とか愛情とか、んーノルウェイの森
パターン~と思ってしまうけどなあ。

イラストが高永ひなこさんだった。中のモノクロのイラストのが好きだった。
 

『好きで好きで好きで』(高遠琉加/角川ルビー文庫)
 
三浦は、高三の冬、同級生の堂島に告白した。一方的な片思いに終わった
それを、忘れたはずだったが、バイト先の花屋で、5年ぶりに再会する。
堂島は、その花屋の娘とつきあっていた。
高校の時のことはなかったこととして、ただの旧友として、なんでもない
つきあいを再開したものの、三浦の思いはまた大きく膨らんでしまう。
 
ノベルスで出ていたものだそうです。「好きで好きで好きで」と、
「ラブソングみたいに」と、文庫での書き下ろし「君がしあわせになる前に」
というお話。
前半後半で受、攻の視点代えて描くっていうのよく見るなあ。そういうもん
なのか。
相手の気持ちが、相手の考えていることが知りたいちゃんと知りたいもっと
知りたい、という欲求に応える手法なんでしょうか。わかりやすくていい。

恋しちゃって、大好きになって、好きで好きで好きで、っていう三浦くん
はまあ、いい。可愛い。
恋されちゃって、大好きになられちゃって、好きで好きで好きになられて、
堂島ー。君はそれでいいのか、と、思わなくもない。
でも。「優しくしたい。冷たくしたい。触れたい。傷つけたい。大事にしたい」
その人のことをそんな矛盾だらけの感情で思って気になって眠れなくて、
まー恋しちゃったので仕方ない。

書き下ろしのは、由布子さんの結婚で、ちょっとまた三浦くんが勝手に
勘違いしてゆれて、というところ。ついでに二人も結婚シーン、みたいに
結局らぶらぶなのね、お幸せに!というお話。
由布子さん、アキなんかと結婚しちゃっていいのか大丈夫か!と、そっち
を心配しちゃうよ。まあねえ。(私がすっかり年寄りになった証だろう)
ともあれたいへん可愛いお話でした。

高遠琉加さんのって、まだ全部読んだわけではないけれども、単発のより
ある程度長いお話のほうがいいなあと思う。しっかり丁寧に描いてくれる
奴の方が好きだ。そしてたぶん、やっぱり最初の頃より格段に上手く深く
書く人になってきているんだろう。書き続けてほしいなあ。
『世界の果てでまっていて』を、書いてー。書いてー。あれの続きが読み
たいなあ。

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『愛と混乱のレストラン』『美女と野獣と紳士』『唇にキス 舌の上に愛』

*具体的内容、結末まで触れています。


『愛と混乱のレストラン』『美女と野獣と紳士』『唇にキス 舌の上に愛』
(高遠琉加/二見シャレード文庫)
 
愛と混乱のレストラン、シリーズ2、3です。
私はパティシエの一くんの番外編を先に読んじゃってるけど(『甘い運命』)
まあそれはそれで別に問題なく。1に短編として「愛のように甘い」が
入っていた。最初から一くんのお話は想定されてたのですねえ。

本格的フレンチレストラン、ル・ジャルダン・デ・レーヴ。赤字続きだった
店を立て直すべく、本社からやってきたディレクトールはまだ20代と
おぼしき鷺沼理人。美貌ではあるものの暖かさのない、ビジネスに徹して
割り切った経営をしようとする。
腕はいいものの客あしらいの評判が悪い久我修司を引き抜いてきて、新たに
店はスタートする。ことあるごとに対立するシェフと支配人。

最初は、お店をやっていくぞー、というお話。
次は、理人くんや久我の過去がらみが明らかになり、二人の距離が。
最後は本社でのパワーゲームとどうなるレストラン、どうなるの二人!
という感じ。

3冊一気読みできてよかった!すーごくよかったー!
最初は、レストラン経営でのお客様とのふれあい的な、なんかほのぼのに
なるのかな?と思ったけど、まー、お客様がらみのこともあるものの、
メインの理人くんと久我のー、二人の距離が~関係が~~どうなるのどう
するのうわああもうーばかーこのー!と、ぐいぐいつかまれました。

ヤガミという、外食事業メインな企業で若くして完璧にエリートととして
抜擢されているらしい理人。一見クールを装っているものの、捨てられた
子どもであった育ち、レストランも食べ物も嫌いだという過去の思いに
とらわれた内心の不安を懸命に押し隠し、乗り越えようとしている健気さ
が、たまらん。
久我は、父との確執があったものの、放浪してった先、パリで一杯の
スープ、パンに満たされた思いから、料理人として、食べる人の幸せを
めざし誇りを持っている。
美味しそうなんだよねー。どれもこれも。

ホールスタッフもちゃんといい仕事しているし。いいレストランだなあ
というのが伝わる。
いいよねーちゃんと仕事する男たち。
企業内での争いごとのなんだかんだも面白かった。ま、私はビジネス的な
こととかまーったくわからないんだけれども、まあなんとなく、それっぽい
ような感じには十分書かれている、と、思うたぶん。

理人のあしながおじさんだった叶本部長。いやもうひたすら優しい
保護者的立場、とはいえとはいえ!理人くんを狙ってるだろーと思ったよー。
狙ってるっていったらひどいかな。大人で優しくていい人。でも、穏やかさ
だけでは久我には勝てないよねー。可哀相。。。

一度はつっぱしって我慢きかなかったせいで、久我のばかやろー!!!と
思ったけど、やっと素直になれた理人くんが可愛くて可愛くて可愛くて。
お城みたいなゴルド。レストランに置き去りにされて捨てられた子ども。
そんな理人くんのことをとても丁寧に描いてくれてて、その痛み、それが
やっとやっとやっと、解放されて、食べ物をおいしいと思えるように、
食べられるようになっていくところ、とても素敵だった。
久我にたっぷり美味しいもの食べさせてもらって、愛し合えばいいよ!
とてもよかった。うっとりした。可愛かったー。かっこよかったー。
大満足。

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映画「探偵はBARにいる 2 ススキノ大交差点」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「探偵はBARにいる 2 ススキノ大交差点」
 
探偵のなじみのオカマちゃん、マサコちゃんは、ショーのひとつとして
はじめたマジックに凝ってしまいどんどん腕をあげた。
マジックコンテストのテレビ番組で優勝する。お店で大いに盛り上がり、
みんなに祝福され、そして二日後、マサコちゃんは殺された。
 
原作は『探偵はひとりぼっち』だそうで。
でもさすが映画。派手に作ってるな~と思いました。おのまちちゃんの
バイオリニストとか、最後人情話にもってくのはなんか違うなーと
思ったけれど、ま、映画は映画。そしてそういうベタさもあえてのあり、
なのかなあ、と思ってみる。ゲストヒロインもってこなくては、という
ことなのかと思うので、まあそういうものかと思っておく。
おのまちちゃんはさすがに素敵な涙を見せてくれるし。関西弁でまくし立て
るところは、糸子、と思って笑ってしまったけど、そうでなくきりっとして
見せるところなんかではまたさすがに綺麗で、素敵女優だわーと思う。
 
栃脇という黒幕かと思わせる政治家が渡部篤郎でもえる。胡散臭くていい~。
そしてその活動が脱原発、というのが今時にしてるんだな~と思ったけど。
その辺が微妙な気持ちもしないでもない。んー。ま、それはそこそこかな。

で、まあ。
探偵、別にひとりぼっちじゃなかったなと思う。
にぎやかキャラ映画になってるー。ナポリタンのお店の彼女のパワー
アップっぷりったら!(笑) 「あまちゃん」の栗原さんですよね。くくく。
でもキャラだちになりすぎて物語的には微妙に物足りない気分も残る。
まーそこは割り切って楽しむしかないか。

高田くんが!前よりアクションもいっぱいで!しょっちゅう探偵と一緒で!
かっこよかった~~~!
室蘭のほうに行った時か、海岸でぼそっと立ってる姿かっこよかったなあ。
足長いなあ。テンション低くていつも姿勢も悪くてぼさーとしてるけど、
スタイルいいのがふとした瞬間に見えるときゅんとくる度が増し増しで
たまらん。
ポンコツ車を可愛がっているのが可愛くてたまらん。
最後のほう、探偵にタバコすすめて、火を貸す時、ぶっきらぼーに腕を
のばして突きつけるあの距離感がたまらん。高田くんいいよなあ。強い~。
松田龍平かっこいいよー。
 
大泉さんもがんばってて(笑)可笑しくて熱くて似合ってるなあと思う。
いつもの服じゃなくてヘンな服着せられて憮然とするの、原作の雰囲気で
笑っちゃうのもあって、楽しかった。

あんなに政治家がらみか!?とひっぱっておいての、単なる妬みによる
とばっちり殺人とわかる、っていうの。
あの理不尽さなんだよなあ。
なんだそれ、と、ハシゴ外されるようなどうしようもない、そんなつまらない
そんな理不尽な、そんなクズなやろーに。殺されてしまうなんて。という
ほんとうにどうしようもなくやりきれない気分。
唐突な、飛び出しで車に轢かれて、っていうのはどうかと思ったけどな。
あれ、死んだ、ってことになってるのかな。死んだか。うーん。うーーん。
どうだろう。あんな殺し方でいいのか。うーーーん。それはそれで、償いも
反省もさせられなくてくすぶるような気がするけど。でもあいつはきっと
償いも反省もしないだろうし、死刑になるとは限らないし、ああして天罰的に
殺してしまうような決着にしたほうがよかったのか。。。んー。複雑な気分。
(原作はどうだっけ。もう記憶曖昧。原作も妬みのとばっちりだったと思うけど
あいつだったっけ。わ、忘れてる)

ともあれ、探偵と高田くんのコンビを堪能できてとってもよかった。楽しかった。
3もやるって決まったそーでなにより。楽しみ。

でも、ほどほどでやめて、3でやめて、んでまた10年後にやって欲しいなあ
と思う。原作でも途中時間が飛ぶもんね。中年よりもうちょっと上になって
しまったおっさん探偵。おっさん高田くん。それをさー、このコンビでまた
やってくれたらどんなにいいかと思う。監督脚本もこの感じで。
松田龍平が年とってまた高田くんやってくれたらーと思う。絶対いいおっさん
俳優になってくれるはず!

年とっていってほしいなあ。いいじーさん俳優に育って欲しいなあ。年、とって
欲しいよ。松田優作にはできなかったじーさん俳優を、やって欲しい。
もちろん今も龍平本人ですっごい素晴らしくいい感じに育ってる~、と大ファン
です。年とっていってほしいなあ。
10年後なんて正直誰がどうなるかわかんないから、無理な願いなんだろうけど。
この味わいで、もっとおっさんになった探偵たちを見たいなあ、と思う。
シリーズどこまで続けるのかわかんないけどね。

というか、3はどれをやるんだろうか。『消えた少年』を見たい気がするけど、
でもあれすっごい好きだったからやらないで欲しいとも思う。うーんうーん。
楽しみだ。

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「夏目漱石の美術世界展」 東京藝術大学大学美術館

「夏目漱石の美術世界展」 東京藝術大学大学美術館
行ってきました。

 序章 「吾輩」が見た漱石と美術
 第一章 漱石文学と西洋美術
 第二章 漱石文学と古美術
 第三章 文学作品と美術 『草枕』『三四郎』『それから』『門』
 第四章 漱石と同時代美術
 第五章 親交の画家たち
 第六章 漱石自筆の作品
 第七章 装幀と挿画

漱石作品に出てくる絵画の実際を見る、という企画はすごく面白い、いい
企画だなあと思う。
まずは猫の本。装幀の猫可愛いよね~。前々から好きです。好きです。
橋口五葉という人のデザイン。アールヌーヴォーだとかですかね。
植物や虫なんかもデザインされててとてもステキ。

漱石がロンドンで見たであろう絵、とか。
「ロンドン塔幽閉の王子」ダンテ・ガブリエル・ロセッティの二人の王子様。
とっても美少年で素晴らしい。暗い中、黒い服に僅かの金の飾り。見事な
金髪。青い目。うっとり。

漱石の作品に出てくる絵、のいくつか。
若冲の鶴があった。ささっとした墨の。さすがかっこい~。
「少女の頭部像」ジャン=バティスト・グルーズ とっても魅惑的な可憐な少女。
やわらかくきれいで見蕩れた。

漱石と同時代美術 のところ、面白かった。
「文展と芸術」という漱石先生の原稿があって、その、文展というのに出された
作品をあれこれ書いていて。その文章と、その絵そのものと、一緒に見られて
すっごい楽しかった。漱石先生と一緒に絵を見ているような。漱石先生に絵の
解説聞かせてもらいながら絵を見ているような、贅沢気分でした。
そういう解説みたいなのを書くのって、もうちょっと褒めるんじゃないの?と
心配しちゃうほど、好きじゃないとかいただけないとか遠慮なく書いてるのねー。
面白い。
中村不折の「巨人の蹟」に、「汚らしい唯の男だ」って書いてて笑った。
き、汚らしいって。漱石先生ヒドイ。いやちゃんとした巨人な男の絵だと、思う、
けど、どうなんだろう、私には自信がないです。汚らしい唯の男かもしれない。
 
「若き日の影」という朝倉文夫の彫像。これは漱石先生お好きだったみたい。
女性なら惚れるだろう、みたいに書いていた。
マッチョな感じのない、すんなりなめらかな、少年から青年へ、というあたりの
男の子の彫像。私も好きだったー。顔はハンサムってわけじゃないと思うけど、
きれいな体だった。いいなあ。

親交の画家たち、ではやっぱりいろんなデザインとか面白い。
不折への扱いがちょっとヒドイ(笑)仲良しだからわざと皮肉っぽいこと
書いたりしてるのかな~~と、もえる。

子規さんの「あづま菊」には泣いた。手紙を掛軸にしてずっと大事にしてた
そうです。漱石先生ー。子規さんが漱石に「僕ハモーダメニナッテシマッタ」
って泣き言書いて送った手紙。熊本は今思う距離よりもっと遠かったろう。
「あづま菊いけて置きけり火の国に住みける君の帰りくるかに」
という歌見て泣く。(手紙の読んだのでもしかして文字が違うかもだけど)

あと漱石先生の描いた絵。
あんまり上手くはない、かなー。でも素人なりに楽しんでがんばって描いて
いたんだよねえと思う。可愛い気がする。
書はさすがに素晴らしくて「帰去来辞」見蕩れる。(読めないけど)

装幀、漱石自身が「こころ」とか手がけたのねえ。そうだったのか。凄い。
でもやっぱ、橋口五葉の、すごくいいな~と思う。きれいだしかっこいい。
その上動物がユーモラスだったりもして素敵。猫すごくいいよなあ。好き。

漱石の自筆原稿があって、ぐわ、と見入ったりして、見るのも読む集中して
疲れました。楽しかった!
漱石先生の本、読み漁ったのって二十歳前くらいだった気がするなあ。
そろそろちゃんと再読してみたいかも。

グッズがとってもよくって、あれもこれも欲しい欲しい欲しい!と迷って
しまった。迷って我慢して、それでも3つ買ってしまったー。一筆箋と、
付箋と、はんこ。ハンコは何回も押せるし!猫可愛いし!
原稿用紙もあったりして、よっぽど買おうかと思ったけど、うーーーーん、
でも絶対もったいなくて使えないと思って。我慢。クリアファイルも。。。
付箋ももったいなくて使えないよな。。。と思いつつ、イラストが一番
たくさんあると思って買ってしまった。可愛い~。
芸大美術館のグッズ作成能力が凄いのか、でも、もともと吾輩のデザイン
が素晴らしかったのか。両方だろうけど、あのグッズ売り場はおそろしい
ところでした。。。散財させる場所だ。。。

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『フェア・ゲーム』(ジョシュ・ラニヨン/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)

*具体的内容に触れています。


『フェア・ゲーム』(ジョシュ・ラニヨン/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)

元FBI捜査官、エリオット。銃で膝を撃たれ、現在は大学教授になっている。
歴史を教え西部劇をを講義する平穏な毎日。
だが、ある学生が行方不明になったことで、力を貸して欲しい、という父の
友人からの頼みにこたえることになった。現在どう捜査が進んでいるのか、
確かめに行くと担当は元同僚、かつ元恋人の捜査官、タッカーだった。

これは舞台がシアトル。FBIがらみってことで、事件もかなりシリアス。
命の危機があったりして面白かった。
膝をやられて、必死のリハビリの時に背を向けたかつての恋人タッカーが
17ヶ月たった今も許せない。忘れられないエリオット。もともと体だけの
相性のつながりだった、と自分に言い聞かせるものの、再会して動揺して
しまうエリオット。可愛いー。二人とも30半ばって感じだけど、そのいい
大人が、うまく気持ちを伝えられないもどかしさ、みたいのに苦しんでるのが
セクシーだった。タッカーも不器用くんかよ。もー。

そして単なる一学生の失踪、単に家出なんじゃないのかというところから、
だんだんシリアルキラーの疑いが、ってなっていくのも面白かった。
最後のほうはかなりハラハラドキドキで。い、痛いし。
エリオットは膝がまだ痛むのに、無理しちゃって意地はっちゃって、ああー
タッカーが心配するだろ~も~~~と、そういう面でもハラハラドキドキで。
ツンツンデレくんだね、エリオット。可愛い。らぶらぶしーんもよかった。

事件の解決もエリオットのアドバイスが冴えて、タッカーも警察も仕事して
無事できてよかった。それなりにちゃんとみんな優秀なのが素晴らしい。
 
このモノクローム・ロマンス文庫というのはまだいろいろ、MMとゆー
翻訳小説を出していくのかなあ。表紙は、まあ、うーん。もうちょっと
なんかなーという気がする。あと中のイラストは無理に入れなくていいの
ではないか。微妙にBLっぽくしたいのかどうなのかなんか中途半端な感じ。
文字だけでもえるからこの微妙な絵なら私はいらないー。そこだけが
ちょっと不満でした。

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『恋のしっぽをつかまえて』(L・B・グレッグ/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)

『恋のしっぽをつかまえて』(L・B・グレッグ/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)
 
ニューヨーク。ギャラリーでのオープニングパーティを企画したシーザーは、
ここにいるはずのない人物の姿を捉えた。元彼のシェプ。
パーティはめちゃくちゃに盛り上がった。翌朝、ギャラリーから目玉の展示品、
ガラクタの寄せ集めみたいな彫像が消えていた。 

M/M、というようなジャンル?があるらしい。二次創作カップリングでは
なく、(二次創作はスラッシュ、っていうみたい)オリジナルで男同士カップル。
日本でいえばBLかなー。ゲイ文学、という従来からあったものよりは、もう
ちょっと軽いような。BL的。ハーレクインロマンス的な。

この小説も、シーザーのかわい子ちゃんぶりと、元警官、現在私立探偵の
ダンとのらぶらぶがとっても楽しかった。
裏表紙には「NYのアートギャラリーが舞台のセクシー・コメディ!!」って
ことですが。ほんと、セクシーコメディで楽しい。

軽いミステリとしてもちゃんと楽しかった。意外な犯人もけっこう意外だった。
盗みとか脅迫ではあるものの、実際に人が死ぬほどのことはなくて、盗まれた
のも、えーとー、アートって言い張るけどガラクタ、みたいな感じが面白く
読めて、ああ翻訳だなあという感じも楽しい。

らぶらぶのほうも、きみら、他人のうちに忍び込んでなにやってんだ、
やってんじゃねーよ!(笑)
シーザーくんは、今まではやる方だったけど、ダンの手にかかると、受けに
なっちゃってとまどってでも燃え上がって、とかいうのもなかなか新鮮かも。
解説にもあったけど、BLだと受攻はわりと固定な感じ。私はリバで全然平気
なので、セクシーシーンも楽しかった~。

スタバのキャラメルマキアートが、とか、ペストリーの誘惑が、とかが
なんかとても美味しそうだった。甘いものの誘惑と戦うって、ゲイっぽい
のかなあ。んー。でもなんか納得。よかったです。

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『新・百人一首 近現代短歌ベスト100』

『新・百人一首 近現代短歌ベスト100』
 (岡井隆・馬場あき子・永田和弘・穂村弘 選/文春新書)
 
「明治天皇から俵万智まで、この一冊で短歌がみるみるわかる」
って帯に書いてあるけど、明治天皇から、穂村弘までですよねー。
やっぱり俵万智の知名度か。。。
 
文藝春秋の創刊90周年記念、新年号の企画だったようです。
選者の四人はまあまちがいないですし、彼らの選ぶ近現代の百人一首。
たしかに短歌がみるみるわかるかなーと思いました。
それぞれの一首。それに選んだ人から短い解説。「さらに読みたい秀歌」
ということで二首。解説の中にも歌ひいたりしているので、なかなか
この一首、っていうのは難しいんだろうなあそうだろうなあ、と思う。
一人見開きの2ページで、とっても読みやすい。

あとに、選者たちの座談会もあり。司会?ゲスト?檀ふみさん+で。
なんだか和やかな気持ちで読む。そんな風に選んだんですね。みなさん
短歌好きなんですね。

皇后さまのお歌はうるっとしてしまった。
文系男子は皇后様好きだよね。天皇も皇后様も日本一の教養人。特に
皇后様は究極の文学少女の理想の体現だ。うつくしく清楚で優しく、それ
でいて芯のしっかりした強さがあり賢くスポーツ音楽まで万能だしなあ。

岡井隆のは
  飛ぶ雪の碓氷をすぎて昏みゆくいま紛れなき男のこころ

  *ルビ「碓氷(うすひ)」「昏(くら)」

でした。かっこいい。

単純にさらっと30分で読み終わって、でもこの歌を選ぶかーとか
この人どんな人だろうーとか、あとから何回も読み直したい一冊。
安心定番おすすめの一冊って感じだ。面白いです。
 
 

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『ぼくらが愛した「カーネーション」』(タンブリング・ダイス編/高文研)

『ぼくらが愛した「カーネーション」』(タンブリング・ダイス編/高文研)
 
朝ドラ「カーネーション」。2011年の秋、始まったこのドラマに熱中した
人々が、「カーネーション」ってすごかったよね! と語り合っている本、
でした。
奇跡のドラマ「カーネーション」。「ぼくらが愛した」というタイトルに
あるように、それまではあまり朝ドラ視聴者と思われなかったような、男性
からの文章が多く寄せられているのかな。

朝ドラは、朝、ご飯を食べたり家事をしたりの合間になんとなく見るもの、
と思われてきた。しかし、「カーネーション」はその時間うちにいないような
男性視聴者も録画してでも見続け引き込まれるドラマだった。って感じかなー。

 「カーネーション」がくれたもの~「はじめに」に代えて~ 佐野華英
 1 心を震わせた名台詞30
 2 ドラマの歴史を塗り替えた「カーネーション」
   対談:奇跡のドラマ「カーネーション」はなぜ生まれたのか
      宇野常寛(評論家)×岡室美奈子(早稲田大学教授)
   評論:観る者が持つ想像力への圧倒的な信頼があった 宮沢章夫(劇作家)
   評論:中年文系男子はなぜ「カーネーション」の糸子に萌えるのか
      石原壮一郎(コラムニスト)
   評論:奇跡の背景―渡辺あやと「カーネーション」 
      石田美紀(新潟大学准教授)
 3 語り尽くし「カーネーション」の魅力
   インタビュー:それはまさに「カーネーション・シンドロームだった」
          ほっしゃん(お笑い芸人・俳優)
   インタビュー:「カーネーション」にはグルーヴがあった
          ANI(スチャダラパー)
 4 #カーネーション
   ~Twitterのタイムラインを駆け抜けた「カーネーション」賛歌~

という目次。
名台詞は、もーなにをとってもどこをとっても全部全部名台詞だと思うので、
うんうん、と読む。思い出してうるっとしてしまう。

対談は、朝ドラのこれまでのヒロイン像から大きく変わって、新しい女性像を
見せた、というような話など。家長制、父との戦いは前半で終わり、その後、
単なる良き母でもなくバリバリのキャリアウーマン的にでもなく、グレート
マザーとでもいうような位置での老後を描いたのが新しい、みたいな感じ。
まあそうかなあ。

評論は、ま、さらっと。評論って言うほどのものだろうか? と思いつつ。
インタビュー、ほっしゃんがあの現場にはまってたのねえ、というのがよく
わかる。でも、それもまあ、よく語られている気がするので、これで新たに
知った!という感じでもなかったかなあ。

ツイッターのは、あー、リアルタイムに読んだことあるな、と曖昧に
思うような。まあかなり今更気分にはなる。
 
私も「カーネーション」にはどっぷりはまって、一瞬たりとも目が離せない、
という思いで見続けていたので、この本すべてに、うんうんと思う。
でも、ま、それはそれだけ、という気も。ネットでいろいろな、評論家とか
大学教授とかでなく、「カーネーション」が大好き!といういろんな人と
言葉残したあの日々だなあ、という以上の本ではないと思った。
私自身も山ほどいろんなことを思い、毎日ひとこと感想書き続け、本当に
半年毎日、一瞬も見逃さないように見たのだ。この本に負けてる気はしない。
(別に勝負じゃないんだけど)

やっぱり、「カーネーション」はなんかすごい!という熱のあまり作って
みましたって本なんだなあと思う。愛があっていいと思う。
でもつまんないな~。
この本の発行、2012年12月。「カーネーション」終わったのが、
2012年3月だから、ドラマ終わって、よし本を!と企画してざくっと
作ったのかなあ、と想像するけど、でも、まー大体ネット見てたらそんな
もんかな、という以上のことはないかなーと思った。
ネットをみない人向けの本なのかしら。

今は「あまちゃん」がまたしても大熱狂な感じなので、終わったらなんか
出るのかもしれないなあ。
アニメや特撮はもう通り過ぎて、朝ドラでこういう評論家みたいな人が
なんか言い出すようになったのですね。
つまんないなー。
批評やなんかのなんだかんだが好きで面白かった時期もあるけど、私に
とってはもうそういうのがつまんなくなった気がする。
朝ドラは毎朝ツイッターで実況あり、批評家的なコメント山ほど出て、
ざっくりとそれを読んでいる。(「清盛」以降大河もそう)
評論家ってそれ以上の何か、をやれるのかな?評論家の人がつまんない
のか、私が単にそういうのに飽きてつまんないと思うようになったのか。。。
ま。
面白い批評や評論も出てくるといいな。
私は毎朝を楽しく消費します。

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映画「モネ・ゲーム」

*具体的内容、結末まで触れています

映画「モネ・ゲーム」
 
メディア界の大物、ライオネル・シャバンダーのもとで、美術鑑定をしている
ハリーディーン。しかし、無能扱いされ、腹いせにライオネルを騙そうと計画
をたてた。ライオネルの個人的コレクションにあるモネの「積みわら」。その
対になっていた幻のもう一つの「積みわら」の贋作を作成し、アメリカで偶然
見つかったことにしようとする。
その持ち主として、祖父が軍人だったカウガールのPJ・プズナウスキーに協力
してもらわなくてはならない。
50万ドル儲ける気はないか? そう言って、彼女を誘いだすハリー。
 
ハリーがコリン・ファース。ずーっと仏頂面。内心の妄想ではすべて上手く
いく楽天家。最初のほう、あれ、なんかもう騙くらかした??と思ったら
妄想だった(笑)妄想では自信たっぷり、余裕綽々。だけど、実際には弱っちく
て、口下手で要領よくなくて、でも意地っ張り。むっつり真面目くさってる
のに、どんどんおかしなことになっていって、その真面目な顔で何やってんだ、
というのが絶妙に可笑しい。コリン。かっこいいよコリン。ヘンだよ素敵だよ。
 
鼻持ちならない金持ち、ライオネルのアラン・リックマンの、全裸が!!!
ええええ~~~。そ、そんなお姿をそんなにたっぷり見られるとは!
ま、もちろん、いいスーツきてきっちり素敵な姿もたっぷりで。いいわー。
キャメロン・ディアスはカウガールで、陽気で可愛くて、ああいかにも、と
よく似合ってる役で、ライオネルがそそられるのにも納得で、さすがです。

贋作を書く、日曜画家のネルソン少佐。少佐、ね。ハリーといつ、どんな風に
相棒になったのかはわかんないんだけど。少佐のモノローグで始まって、
ちょいちょいナレーションする。おじいちゃんだけど、喧嘩強いのね。優秀な
軍人だったのかなあ。どきどきわくわく。
ハリーと少佐のコンビにモエモエ。彼ら二人のことをもっと知りたいわ!

あと、サボイホテルの人ね。彼らも好きだったなあ。彼らの前でハリーが
しゃべればしゃべるほどドツボに落ちて行くのがにやにやしちゃってたまらん。
高級ホテル、なんだよね。それらしく素晴らしく慇懃無礼でステキ(笑)

それから、おかしな日本人たち。テレビ契約でのビジネス相手だけど、
なんか集団でやってきて謎のうざい掴みもってきてて、に、日本人のイメージ
ってこうですか(笑)いやまあもちろんコメディなのでキャラ付けしてるんだ
ろーけど、でも、まー、微妙にこーなのかなあ、というのもなかなか。
80年代は日本人とオークションで争って、というのも、ああバブルね、と、
懐かしい感じになったりして、そういうのも可笑しかった。このところの円高で、
というようなセリフもあったけど、また円安になりつつもありますよ、とか、
ちょろっとした日本がらみのネタを面白く思ったのは日本人だからでしょうか。
今でも日本人、金持ちは金持ちなのかなあ。絵のコレクターもいるかね。
まあそうかなあ。

結末は、おおお、と驚きました。「泥棒貴族」という1966年? の映画の
リメイクだそうで、それもこういうもんだったのかな。お気楽にのんびりアハハ
と見ていたので、鮮やかに切り返された気がして、楽しく爽快な気分で終わって
大満足。
90分くらいだし、さくさくっと笑って見られて、いい映画だった。

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映画「ジャッキー・コーガン」

*結末まで触れています。


映画「ジャッキー・コーガン」
 
小さな賭博場。覆面強盗がやってきて金を奪っていった。
胴元だったマーキーが実は仕組んだことだったのだ。
その話から、もう一度同じことがあれば、疑いはマーキーに向く、と、
企んだ3人組。
その始末をつけるために呼ばれた殺し屋、ジャッキー。事件の真相は
ともかく、ジャッキーはなるべく優しく、さっさと殺す。
 
ブラピが出る映画~、なのに、なんかひっそりしか上映してなかった。
終わっちゃう前に行けてよかった。
内容はあんまり知らずに、なんとなくブラピが殺し屋らしい、ってこと
で行った。ネットの評判的には、あんまり面白そうではなく(^^; 

マフィアだの殺し屋だので、もうちょっと派手だと思っていたけど、
基本的にセリフ劇だった。
チンピラくんとかジャッキーとか、NYから助っ人に呼ばれたミッキー
とか。みんなだらだらとよくしゃべる。ふぁっきん○○!みたいな口調。
でっぷり太ってたぶんアル中になってるだるだるミッキーが実にどうしよう
もなくて、あー。なんかなー。と思う。
刑務所から出たばかりらしい、チンピラなフランキーとラッセル。彼らの
だるだる~としたどーしようもなーい感じも。
らりってるラッセル。銃を撃つとき、歩く時、映像面白いな~と思った
シーンがけっこうあった。殴ったりの痛そうな感じ、さくっとばしっと
撃たれるの好きだった。
これ、低予算映画なのかな。
ヨーロッパの低予算映画なのかも。っていう気がするような映画だった。
どうしようもなくアメリカ、の感じなんだけど。
原作小説があるようだけど、うん、小説ね、と思った。

そして、オバマやブッシュの演説が、テレビニュースやラジオからたっぷり
流れてくる。
マフィアとか殺し屋とかじゃなくて、そっちのほうの映画なのね。
なんだかだるだる。なんだかどうしようもない。そんなアメリカ。
ミッキーが象徴的だったのかもしれないな。
 
そんなこんなで、ブラピかっこい~!!!っていう感じではなかった。
(や、かっこいいけど)
けど、ジャッキーにいたぶられるフランキーくんが超可愛かった!バカな
チンピラ。ホントの殺し屋の前ではひとたまりもない。だんだん涙目になって
いくの。可愛い。あとでジャッキーに慰めてもらっちゃいなよ! と思って
たら、実にあっさりさっくり殺されてしまった!びっくり。
優しく殺す。苦しませずに殺す。ジャッキーはまあたしかに、優しいね。
そしてビジネス。金。納得。

私は映画館じゃなきゃ見ないかも。集中力的に。見に行っておいてよかった。
 

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『オール・クリア』1(コニー・ウィリス/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

*具体的内容に触れています。

『オール・クリア』1(コニー・ウィリス/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

第二次世界大戦中のイギリスへ現地調査をする史学生たち。ポリー、マイク、
アイリーン。
それぞれの降下点が開かないというトラブル。ロンドンのポリーのところへ
一旦集まり、話し合い、さらに別の学生が来ていないか思い出そうとする。
航空駐屯地にもう一人来ているはず。
なんとかその場へマイクが出かけるが、そこに学生は来ていなかった。
齟齬なのか。
トラブルは深刻なのか。
激しい空襲の中駆け回りなんとか未来のオックスフォードへ伝言を届けよう
とするが、あらゆることがうまくいかない。
 
1、なわけで、2へ続く!なんだよねーっ。あああもうう~もどかしい!
なんで何もかも上手くいかないのっ。なんで。なんでなのー。早く教えて~。
ダンワージー先生も1940年にきちゃったけど、でもどうなるの。どうに
かなるの?ポリーのデッドラインには間に合うの?こっちのポリーは消えて
しまうとして、でもVEデイを見学にきてたポリーは残ってまた未来へ戻る
わけだから、ん、でも、戻ってその後また大戦中へ戻るからそこでデッドライン
迎えて、えーと。ポリーに未来はなくなってしまう、と、いうことなのか。
どうなるの。ドキドキハラハラドキドキハラハラドキドキハラハラ。

救急隊のもポリーってわかったけど。コリン?コリンがきたのかなあ。
左右非対称な魅力的な笑みの軍人さん。でも彼の幼馴染がいるみたいだし
えーと、どうなんだろう。それも気になる。
コリンやダンワージー先生みたいにとっくに死んでいたとしたら、みたいな
一行があって、そこも気になる。なんなんだ。

きっと最後には戻れる。きっと最後には上手くいく。きっと最後には
ちゃんともとどおり。でないとネットはそもそも開かないはず。
そう信じてるけど、もどかしいじれったいハラハラドキドキすっごい。
この中での最後のほう、セント・ポールへなんとか行かなくちゃ!というの、
たまんなかったなあ。

大空襲の中でも、デパートは営業し、クリスマスにはなんとかプレゼント
をお互い工夫し、演劇の稽古、仕事。日常が続きながら非日常な暮らしが
面白い。面白い、って場合じゃないんだけど。やっぱり、史学生たち、
その時代人じゃない隔たりの感じが、面白く読ませるようになってる。
こんな大変な戦時下、なのに、そしてみんな大変な目にあっているのに、
軽やかに読ませるのはさすが。
結末を早く読みたい。読みたーい。

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『この胸をどうしよう』 『甘い運命』 『純情不埒』  高遠琉加

*結末まで触れています。

『この胸をどうしよう』(高遠琉加/イースト・プレス AZノベルズ)
 
架(かける)と耀一(よういち)は小学生からの幼馴染。
モデルとしてデビューした耀一、大学進学の架。二人は東京で同居して
いた。人見知りで他人が苦手な架を耀一はいつも守ってきた。

幼馴染ものー。2004年刊。ちょっとテンプレすぎじゃないのか、と
いう気がした。二人の過去エピソードは説明ばっかりな感じだし、架も
実はかっこいい、と、見た目変身~とか。でもその分安定安心でさくさく
読んだ。「くちづけしてくれ」は笑ってしまったけど。架くんがその時
突然男になった(笑) 俺、と僕、と、混ざってる。キャラ的には「僕」
って感じだけどなあ。ま、男の子同士ですね。可愛かった。
北見さんと桜庭さん、ショートショートがついてたけど、んー。まあ、
おまけとしてはありでしょうか。私個人的にはあんまりそそられません。
 
『甘い運命』(高遠琉加/二見書房 シャレード文庫)
 
樫崎一(かしざきいち)は高校生ながら小さなアパートで一人暮らしを
していた。幼児期母からの虐待を受けていた。担任の湯原広和は進学を
勧めるが、一は感情を殺して一日も早く自立しようとしていた。
 
「愛と混乱のレストラン」というシリーズの番外編ってことらしい。
2010年刊行。
まだシリーズ読んでないのだけど、これ一冊で読んでもさほど困らない、
と、思う。私はこの一冊で十分感動した。
すごく重いテーマを扱っている。虐待の連鎖に不安を抱き心を殺していた
一くん。それでも、ある日限界を超えてしまった感情。傷害事件で少年院。
行き場のない一くん。
湯原先生も、両親と姉を事故で一度に亡くしてしまう。冬空の中、あまり
にも孤独だった二人が一緒に暮らすようになる。
たったひとり残された姉の子どもの赤ん坊を、助け合いながら育てるために。
赤ちゃんかよーずるいなあ、と思ったんだけど、この深い孤独と絶望の
救いになるには赤ん坊くらいのパワーがないと、生命力がないと、おさまら
ないよなあ。海ちゃんのキャラは素直にいい子すぎる気はするけど。
湯原先生と一くんに大事に育てられればいい子になっちゃうか~。
チョコレートのキスもとっても色気あって素敵でした。可愛い。
一くん超素敵。惚れた。

『純情不埒』(高遠琉加/アスキー・メディアワークス Bプリンス文庫)
 
ユイジはなかなかの売れっ子ホスト。お得意様の多香子から、旦那を誘惑
して欲しい、と頼まれる。歯科医のセレブ妻として暮らすための結婚だった
が、あまりにも真面目でつまらない夫に、ゲイなのではないかという疑いを
持ち、うまく慰謝料もらって別れたいというのだ。
真面目な大学生として佐倉と出会ったユイジ。金のため、うまく誘惑する
つもりが、いつの間にか本気で恋をしてしまった。
 
2011年刊行。これは単発かな。
騙すつもりがいつの間にか本気に、てまあこれもベタなパターンだとは
思いつつ、とっても楽しめた。ユイジくんかっこいい。年下攻、甘え上手
な攻いいな~。
雑誌掲載と、書き下ろし続編。続編では5年ほど一緒に暮らして、ユイジ
くんはちゃんと弁護士になって、というところ。歯医者と弁護士か。ユイジ
くんちゃんとつりあういい男になっててすばらしい。
すれ違いながらもちゃんとらぶらぶ。
いつか終わりがくるのが怖い。と、イケメンもとノンケの年下くんとの恋に
臆病になり、自分から終わらせようとする佐倉さん。イライラする(笑)
でも可愛かった。ユイジくんがやっぱりいい男すぎるー。可愛い甘え上手で
いい男。完璧だ。楽しかったー。

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『死の泉』(皆川博子/ハヤカワ文庫)

*結末まで触れています。


『死の泉』(皆川博子/ハヤカワ文庫)
 
<生命の泉(レーベンスボルン)>は、未婚のまま身ごもった女たちが安心して
出産するための施設。優良なドイツ、アーリア人の子どもを増やすため、子ども
を産むことは奨励されていた。
戦時下のドイツ。
マルガレーテは審査をパスし、入所した。
そこで出会う美しい歌声を持つ少年、エーリヒ。その兄のようなフランツ。
彼らの歌声を愛し育てようとする医師、クラウス・ヴェッセルマンに子どもを
養子にするために必要だからと求婚される。自分の子どもを守るため、二人の
少年を守るため、結婚を受けれたマルガレーテ。やがてドイツが負けていくに
つれて、彼女たちの安全も脅かされることになる。

この本の単行本は1997年。この文庫は2001年。吉川英治文学賞受賞
だそうです。
みっしり長大な物語。
戦後のミュンヘン。少年たちの復讐譚に変わり、しかし最後には誰もが死に
向かう、という感じだけれども、でもでも。ヴェッセルマンは生き残ったのか。
というかこの物語自体が物語りだから、っと。
実はエーリヒは、ミヒャエルは、と畳み掛けてくるどんでん返しの終盤かっこ
よかった。でも銃撃戦はいまいち物足りなかった。

作者、ギュンター・フォン・フュルステンベルク、訳、野上晶の『死の泉』
となっている。なので、「あとがきにかえて」を野上晶が書いている。
ご丁寧に奥付があり、そのあとで普通の「あとがき」もあった。
野上晶の略歴に『薔薇密室』を訳したことになってる。ふむふむ。
 
「あとがきにかえて」で出会った作者、ギュンターはヴェッセルマンって
ことでいいのかなー。何が、どれが、どのくらい、どこまで、物語であり
作中の現実なのか。と、最後のところでクラッとくるのが素晴らしい。

この作品でも、マルガレーテの幻想みたいなのがするっと地続きで紛れて
くる混乱の感じが不思議。
腰が癒着する双子とか、この作者のずうっと続いていくモチーフなんだなー。
耽美な世界。複雑に緻密に巧緻に作り上げられている物語。
とても面白かった。
けど、こんなに凄い好きな耽美世界なのに、好きじゃあないなあ。不思議。
色気が足りないかなあ。まあそこは作者は求めてないところだろうから、
求めたくなる私が悪いんだな。
3冊読んでひとまず皆川さんに満足。読んでみてよかった。

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『ロスト・ケア』(葉真中顕/光文社)

*具体的内容、結末まで触れています。


『ロスト・ケア』(葉真中顕/光文社)
 
殺し続けた人数、42人。<彼>は何故それほど人を殺し続けたのか。
 
体の自由がきかなくなり、認知症をわずらった老人を、家族の中で介護する、
される現実は、地獄のようだ。
そんな家庭を選び、そんな老人を注意深く選びぬいて、殺す。
それは、「ケア」なのだ。救いなのだ、という彼の主張。社会の穴に落ちて
地獄のような苦しみをしている介護する側にもされる側にも、救いなのだ。
正しいことをしてきた。
そう、彼は主張する。
 
日本ミステリー文学大賞新人賞の作品だそうです。
ミステリというよりは社会問題って感じ。社会派ミステリか。
一応、殺人があり、それを見つけた検事、という対決はあるけれども、
ひたすら描かれているのは、日本における介護問題。
介護ビジネスの矛盾。
医療現場の問題をエンタメミステリで読ませる海堂尊なんかを連想するけど、
この作品はエンタメ要素はゼロに等しい。重苦しく辛く、解決なんて見えない。
結末としては宗教的救いらしきひかりを置いてるけど、別にそれ全然解決でも
救いでもないなー、と、いうのを一冊かけて書いてるからなー。

数学的統計的な感じで、犯行に気づく、というのはなかなか新鮮に感じた。
大友の性善説信じようとする態度、悔い改めよ、と似非宗教めいた正義感に
うんざりもするけど、綺麗ごとで正義感あふれた人間がいて、理想論ぶちあげて
くれる人もいなくちゃね、と思う。
うんざり。

救いじゃなくて、命を諦めただけじゃないか、と言う正論。
でも、諦めるしかない現状。

地震、震災、原発の事故が、最後のほうにちらっと、すこーし出して来て
いるのが、なんか蛇足に私は思えたけれども。でも一応現在日本という舞台
である以上、社会問題メインにすえている以上、何も書かないほうがヘンと
いうことかなあ。んー。でもやっぱり、なんとなく一応、程度に入れてみて
いる感じなのは、私はいらんことだったように思うけどなあ。

少子高齢化。人口の推移の未来は予測できている。わかっているはずなのに
どうしようもないこと。
わかっていても、どうしようもないこと。
目の前の問題へ、でも誰も解決策を示すことができない。
リアルに我が身にくる問題で、ひたすらどんよりした気持ちになった。
私はぽっくり早く死ねるといいな。。。


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映画「HK 変態仮面」

*具体的内容、結末まで触れています。

映画「HK 変態仮面」

変態っ、なのに、かっこいい! わたしどうしたらいいのっ。

とゆー、ヒロイン姫野愛子ちゃんの言うとおりっ。きゃ~~~変態~~~(大笑い)
なのに、かっこいいっ!!!

私は、原作の漫画は読んだことがありません。別に大人気漫画!というわけでも
なかったそうな。でも、とにかく。正義の味方変身ヒーローが変態!という
見た目含めてそのインパクト出落ちだろっ、って感じなのですが。
でもすんごいよかった。
本気のふざけっぷりが素晴らしい!きゃ~変態っヘンタイ変態~!
ニセ変態仮面が出てきたら、その本気の変態っぷりで、本家変態仮面がすっかり
ノーマル仮面にっ。いやなにもかもがオカシイ!可笑しい!
男子高校生ってアホだなー馬鹿だなーみんな変態だようんうん。
 
姫野愛子ちゃんは、古めの少年漫画にありがちなヒロインね、って演技ですごく
可愛くてヘンでよかった~。
主人公、狂介くん。鈴木亮平という彼のことは私は知らなかったけれど。
スゴイwww
エライ~。
俳優さんてたいへん~。
いやほんと、すごいよかった。
日頃の冴えない真面目くんから、ぱんてぃをかぶることで変態エクスタシーに
目覚め、ありえなパワーを発揮する!ってなってからの、あのー、顔にはぱんてぃ、
おいなりさんw隠す程度の紐状態の衣装(衣装、か。衣装だよなあ)網タイツに
白い上履きみたいな、全裸に近いマジ変態な格好、そしてヘンな動き、で、
アクションこなし、肉体美見せつけるギャップね。ナイスバディ~!変態~!
自分は変態なのかっっっ、という苦悩の大真面目っぷり。変態なのにかっこいい
というキャラクターをやりきってるね!素晴らしい!
 
謎の刺客、真面目とかさわやかとか、細マッチョとか、やられキャラも可笑しい。
玉男、か。学園のっとりをたくらむアイツも気持ち悪くて最高。チキン食べてる
あの汚ならしい感じ、てめーも変態だああ。キモチワルイ~~。

そしてなんといっても、ニセ変態仮面!
安田顕さんすげえ。すげえ。すごすぎるぅ~!
まだ鈴木くんは、苦悩するかっこいい変態だけど、ニセのほうはすっかり変態です!
体も色白。無駄毛もあります!腋毛が風に~。衣装、も、えーと、あの、変態衣装、
本物変態仮面よりよれよれーとしててゆるい。ぱんてぃもゆるめ。イヤーっ変態っ!
やりきってるなあ安田顕。凄い。

突然出てくる巨大ロボット。しかし愛子ちゃんのぱんてぃパワーでさくっと片付いた!
あのー、愛子ちゃんにぱんてぃくれ!と、ドシリアスに迫って、恥じらいながら
愛子ちゃんがぱんてぃ脱ぐところが一番のえろしーんだと思いましたっ。あれは。
もえるっっっ。ヤバイ。

かなりスパイダーマンしてて、でも微妙にチープで、映像的な気合いも可笑しかった。
大真面目に苦悩したり迫力見せてくれるたびに笑ってしまう。素晴らしい悪ふざけ
でした。若者と中年のほぼ全裸の変態姿をたっぷり堪能できる映画です。
楽しかった~。

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