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映画「孤独な天使たち」

*結末まで触れています。


映画「孤独な天使たち」
 
ロレンツォ。14歳。人に馴染めず、耳をヘッドホンでふさぎ音楽ばかり
聞いている。
学校行事のスキー・ウィークに行く、と嘘をついて、地下室に一人閉じこもる。
一週間の一人の時間を持つはずだった。
そこへ、突然現れた、異母姉のオリヴィア。行くあてがない、という彼女は、
強引に地下室に居座る。ドラッグを絶つ時間と場所が必要だったのだ。
 
ベルナルド・ベルトリッチ監督が30年ぶりに母国語イタリア語で撮った作品、
だそうです。が、私はあんまりベルトリッチにこだわりも思いいれもないので
正直それがどうだとかはよくわかりません。
ポスターを見てかなり惹かれた。
横たわる少年と少女の顔のアップ。タイトルも素敵。
そして、挿入歌にD・ボウイ、と知って、見に行こうと思った。予告動画見ると
イタリア語で「スペースオディティ」歌ってる! いやイタリア語のやつは
「ロンリー・ボーイ、ロンリー・ガール」というのだけれど。
知らなかった~。というわけで勢いでボウイの40周年記念エディションを
買ったりして。名曲。
 
ものすごく端的に言うと、人付き合い苦手のマザコン少年が一週間引きこもり
するはずだったけど、強烈な仲悪い異母姉にせっかくの時間をむちゃくちゃに
されるけどそれがなんかふっきれるきっかけになる。という成長物語、かなあ。
でも、もちろんそんな単純に、青少年よかったね、というものでもなくて。

オリヴィアはロレンツィより何歳年上なのかはっきりわからないけど。
二十歳は超えてるのかなあ? 18歳で芸術的ななんか賞をとったりして
写真家めざしたりしてたのかな? 父親がオリヴィアとその母を捨てて、
ロレンツォの母と結ばれて、って過去みたい。オリヴィアは盗みとか暴力とか
なんか問題娘みたいな。今はヤク中だし。
二人はお互いのことを知っているけど、会うのは久しぶりらしい。
ともあれ、説明は少ない。セリフも多いわけじゃない。
14歳の男の子ってしょーがないな~~~~~~と思う。

地下室に篭る前に母親とのシーンとか学校とかカウンセラーとか? との
シーンはあるけれども、映画はほとんどが地下室。そしてほとんど、ロレンツォ
と、オリヴィアの二人のシーン。
二人ともオーディションで発掘した? 素人的なキャストみたい。
ロレンツォくんが美少年かと、ポスター見たところ期待してたんだけど、
ニキビ跡がきたないわっ、とゆー、ふっつーにふつーの男の子だった。
でもすごく目がきれい。
もしゃもしゃの頭もいい。
黙っている顔、特別に表情つくるでもない顔が魅力ある。なんかすごい。

オリヴィアは、薬抜くために苦しんでのた打ち回って、こわい。すごい。
ボロボロな感じでいるんだけど、ちゃんと美人なんだよなあ。

映画だなあと思った。映画。映画。
言葉とかあらすじの説明は無意味。あの画を見るしかない。
見るしかない。
見に行ってよかった。
 
ボウイの曲は、とても重要。というか、ロンリー・ボーイ、ロンリー・ガール
の歌からこの映画を作ったのか、というほどのシーンだった。
そして、エンドロールでは原曲、「スペース・オディティ」。宇宙で孤独に
浮かぶ男。
 
ラスト、ロレンツォは結構前向きに「ちゃんと生きるのよ」といわれたように
行く感じではあるけど、オリヴィアはどうなるのかなあ。
あの煙草。結局、薬買ったよね? あの煙草に、まだ入ってるよね。それ、
受け取って持ってったよね。
ボウイの曲、あれあとでめいじゃーとむはジャンキー、って歌われてるんだよね。
オリヴィア、ジャンキーに後戻りしなければいいけど。
一緒に田舎に行くという男は大丈夫なのか。信用できるのか。できないような。
そういう不安な気持ちが残ったまま終わる。
がんばれ。
 
映画館音響で、ボウイの歌声を堪能できてしあわせだった。

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