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『言語都市』(チャイナ・ミエヴィル/新☆ハヤカワ・SFシリーズ)

*結末まで触れています。

『言語都市』(チャイナ・ミエヴィル/新☆ハヤカワ・SFシリーズ)

辺境の惑星、アリエカ。そこにもともと住む、ホストと呼ぶ種族には口が
二つあり、二つの口で発する「ゲンコ」で会話する。ヒトが機械を通して
その発話を真似ても、アリエカ人にはノイズでしかない。ヒトが二人一組
になって「ゲンコ」を発声した時、初めて会話が成立した。「ゲンゴ」は
嘘の概念、抽象の概念がない。アリエカ人と会話できる大使を通じて、
アリエカの中にヒトの住むスペース、エンバシータウンを築いていた。
そこで育ったアヴィス。彼女はイマーという宇宙を旅するイマーサーになる。
結婚し、エンバシータウンに戻り、新任の大使がやってきた場に居合わせた
時、これまでとは違うタイプの大使によって、災厄が始まった。
 
SFだあー。
完全に異星人の異世界のSF読むのって私久しぶりかもしれない。
とにかく全然別世界なわけで、この小説の舞台設定を理解するのにまず
時間がかかった。というか、最後まで理解したかどうかには自信ない。
アリエカ人というもの、そこで暮らす異邦人としての人類、この宇宙、
イマーとか「ゲンゴ」とか、出てくるなにもかもがこの世界のもの、なので
読んで考えながらじゃないと見えないー。
アリエカ人は昆虫っぽい感じなのかな。なかなか不気味そうな感じ。

そして、「ゲンゴ」をめぐる物語。その「ゲンゴ」がなんなのか。
表記としても「」の中に真ん中線で両側にことばがあったりして、えーと
えーと、と引っかかりながら読む。
嘘がつけないとか、直喩になるとか、げ、ゲンゴがどうなのかっての、
結局なんとなくしかわかんない。まあでも仕方ないよね。小説の中でフランス語
説明されたってきっと一冊小説読んだってきっと私はフランス語がわかるように
なるわけじゃなくて。それがましてや全然概念が違う異星人のゲンゴなんだから
まあ、嘘がつけないとか現在しかないとか文字はないとか、まーそんな感じ、
くらいにしかわかんなくても。一応話は読んでいける。
 
新しい大使のゲンゴが麻薬となってアリエカ人たちを狂わせる、とかね。
マクロスを連想してイメージした。敵が歌声で「デカルチャ!!??」って
ビビッてうろたえまくって陶酔してとかになってたなーと。
 
ゲンゴが変わると認識思考世界が変わって革命になる、というの、面白かった。
伊藤計劃の『虐殺器官』も連想。あれは虐殺を呼ぶことばがどうこうの話。
私はそうやって似た感じ、を連想しながら読んだ。この本だけの概念で一気に
理解っていうのは私にはむずかしー感じ。

直喩から隠喩になりたい、とか、直喩からずらしていって嘘を教える、とか
そこに大興奮!とか、それが苦行とか、面白い。エウレカ!だとかいって
昔発見した感じってこう世界が変わったのかなーと思う。認識が変わった時に
世界が変わる感覚、というのはアリエカ人ほどの苦しみや激しさはないにせよ
自分でもわかる気はする。

嘘を覚えると麻薬が効かなくなる理屈はよくわからなかった。。。エズ/ラーの
ゲンゴのズレが嘘を知らない知覚には麻薬だったのか。嘘を喋れるようになると
ズレがただのズレになってもう麻薬じゃなくなるのかなあ。うーん。
サイルはどうしたかったんだろ。

戦いに向かうアブサードの群、止まってよかったね。オームをとめたナウシカみたい
な感じか、と、また連想しながら読み終わり。
結構疲れた。。。

時間の単位もこの世界の中のことなのでピンとこなくて。この革命がどのくらいで
行われたんだ。けっこう早かったのかなー。あんまり食料に困るとかいう感じでは
なかったな。でも都市もタウンもかなり壊れてるよーでもあり、よくわからない。

まあでも、エンバシータウン、新生してよかったね。終わり。


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