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『のめりこませる技術』だれが物語を操るのか(フランク・ローズ/フィルムアート社)

『のめりこませる技術』だれが物語を操るのか(フランク・ローズ/フィルムアート社)
 
 結局“物語”とは何だろう?
 “物語”という行為は“話者”と“聞き手”という共生関係によって成立する。

というプロローグで始まる。しかし今、「物語」が変化してきている、という
レポート的な?一冊。みんな物語が大好きだ。でも、マスメディアが一方的に
送る物語はかつての力を失い、参加型、それぞれが語り拡散するもっと刺激的
なものが求められている、と、いう感じかなー。いうまでもなくインターネット。
主にアメリカのメディアミックス的な試み実験実践のあれこれの紹介。
とりあげられている映画やテレビドラマやゲーム、映画は知ってるのもあるけど
あとはなんとなく知っているかな、って程度だったけれど、ものすごく面白く
読めた。
広告、マーケティング。これまでそんなにいろんなことがやられてきているのね、
と、知らなかったこといっぱい。
「ダークナイト」の公開前、ジョーカーの手下になる謎のメッセージを見つけて
いくと、特別先行フィルムが見られるのとかすごい面白かっただろうなー。
携帯が隠されたケーキ!その過程そのものが映画みたい!
 
 プロローグ 第1章:字が読めない語り部 第2章:フィクションの罪
 第3章:物語の奥へ 第4章:誰が物語を操るのか 第5章:分岐する世界
 第6章:無限に開いた世界 第7章:集団意識と謎の小箱 
 第8章:ゲーム化するテレビ 第9章:つながる世界 
 第10章:You Tube ブランド 第11章:片腕の盗賊 第12章:感情エンジン
 第13章:崩壊しない世界の創り方
 
作品の一方的な送りつけだけじゃなく、ゲームとして視聴者を参加させ巻き込み
中毒性を高め引きずり込んでのめりこませる。
こわいわー。
でもコアなファンはとりこめても、私みたいに、ゲームに参加するのもメンドクサイ
という人もいるんじゃないのかなー。でも大衆に向けて、より、ホントにお客さん
になるコアなファンを作り出すほうがいいのか。
確かに、私だってそれが本当に面白そう、で、今よりもっと気軽に参加できれば
のめりこみたい。はまりたい。中毒になりたい。
誰もがオタクな要素はもっている。すでに多くの人はプチオタクな趣味の一つや
二つもっているだろーし。

「オタク」の成立あたりもさらっと紹介されていて、メディアミックスに向けて
「オタク」って常識になってるのかなあ。凄いぞ未来に生きる日本w オタクw

ツイッターの手軽さ。視聴者はただ受動的に「視聴」するだけじゃなくて、
熱中した好きな番組登場人物の物語を能動的に「持ち逃げ」することもできるのだ。
って、これはなりすましが好意的に受け取られているのか。今いろんなキャラの
いろんなbotがいるもんね。ホントにbotで自動的にセリフツイートするだけのも
中の人がいて適宜ツイートするのも。ちゃんと気の利いた中の人のいるbotは面白い。
参加する視聴者にもセンスが求められるなあと思う。
 
リンク。つながる世界。ハイパーテキストとか。
その辺は私は結構めんどくさくて、あんまりリンクをたどりまくったり、自分から
リンクはったりはしない。でもちゃんと上手くリンクつなげてみせてくれる
キュレーションな人って面白い。『キュレーションの時代』なんかを連想。でも、
最大のリンクというか、情報示すのはグーグル。うーんづくづくグーグルすげー。
You Tubeもすげー。どんどんリンクたどってみてしまう時間泥棒だよね。。。
 
それから、ゲーム脳。ゲーム脳(笑)って思っちゃうけど、それじゃなくて、
ゲームをやるときのドーパミンの出方の研究とかあるのね。
ドーパミンがもっとも多く出るのは、学習や、報酬への期待なんだそうだ。
実際に報酬を手にしたときよりも。期待しているときのほう。
文化祭の前日が一番楽しい、って感じ? と思ってみたり。
ゲームをクリアすることそのものよりも、探っている過程が楽しい、のね。
納得。

これからのゲーム開発は、ゲームのキャラクターにもっと感情を持たせること、
らしい。でもその辺も、どうなのかなあ。不気味の谷みたいなのが出たりしない
のかなあ。それ乗り越えるくらいリアルな感情表現出すようになるのかなあ。
動物が可愛いとかならいいけど、人物があんまりリアルだと私はなんか嫌な
気がする。んー。
でも私はそもそも、ゲームを全然しないできない知らないので。なんかゲーム
をやってのめりこんでみたい気分。
私、いまだにドン・キホーテで、読書だけでリアルにのめりこんでしまうからなあ。
なかなかゲームに手が出ない。
それに最近のゲームはなんか通信とか、難しそうだし。トモダチいないとダメなの?
って感じがしてハードル高いし。一人でもできるんかなー。なんかやってみたい
けど、何ができるのか面白いのか全然分からん。。。でもゲームにのめりこむとか
楽しそうで羨ましいなーと思う。。。

ディズニーランド、「地上で一番ハッピーな場所」。その理想。その、理想が
現実を多い尽くす世界。
私、ディズニーってむかーーーし一回しか行ったことなくて、そのよさを理解
してないんだけど。でもなんか、こういうの読むたび、いいなーと羨ましく
思う気はする。その一番ハッピーな場所でハッピーに楽しめる人が。
 
ディックのつくった荒廃と混沌の世界か、理想のハッピーのディズニーの世界か。
現実が、どっちかになりきってしまわないことを祈る。

取り上げられている作品、「スター・ウォーズ」とか「ロスト」とか、
わかるし面白いし、アメリカじゃそんないろんな参加型広告やってるのかあ、と
知らないことが面白かった。「物語」が変わりつつある今、という感じ、凄く
面白く読めた。宣伝作る人、これからどうやっていくか、大変だろーなー。
でもいろーんなことがやれるってことで。面白い宣伝に私は巻き込まれたいし、
面白い広告にどんどん踊らされたい。消費したいよー。消費したいもの見せてー。

「欲しいものが欲しいわ」というコピーの凄さをますます思い知るわ。

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