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『世界の果てで待っていて』―天使の傷跡、嘘とナイフ(高遠琉加/シャイノベルズ)

*具体的内容に触れています。


『世界の果てで待っていて―天使の傷跡―』(高遠琉加/シャイノベルズ)
 
渋谷。神泉駅近くに小さな事務所を構える黒澤統一郎は探偵。元警察。
櫂谷雪人は刑事。二人は二年前まで同僚だった。今もつきあいは続いている。

黒澤の事務所に、中学生の少年がやってきた。行方不明になった双子の兄を
探して欲しい。
それはちょうど雪人が探していたコンビニ強盗の目撃者らしい。子どもの
依頼を引き受けるつもりはないが、たったひとりのきょうだい、を、探して
欲しいという願いを、無下には出来なかった。
 
現在の事件とともに、二人の過去が少しずつ語られている。
初めて読んだ人だけれども、文章もお話もものすごくよかった。ぞくぞく
くるー。凄い色気あるー。えろいしーんはほとんどないのに、素晴らしい。
そして切なくて苦しい。

現在の事件のほうの双子の少年たちを見つけてどーこーっていうのは
まあそんなもんかな、くらいに思った。なんなの朴訥な余命いくばくもない
天才画家って。まー。それはまあきれいなお話でいいかなーと。
黒澤と雪人がめちゃくちゃよくてすごいハマッた。この味わい大好きだー。

たったひとりの家族、大事な大事な妹が強盗に殺されたという過去。
居合わせた黒澤も左目を怪我して、そして警察をやめた。壊れそうだった
心を二人で壊してまた積み上げるみたいに一度だけのつもりの痛いセックス。
どっちかというと軟派な黒澤も、大理石みたいな雪人も、二人ともストイック
でたまんないわ。
探偵さんと刑事、っていう組み合わせもとてもいい。好き。文章も言葉も台詞
もかっこよかったし抑制効いてて素敵。知らなかったけど読んでみてよかった!
 

『世界の果てで待っていて―嘘とナイフ―』(高遠琉加/シャイノベルズ) 

渋谷署で当直をやっていた櫂谷雪人。補導されてまわってきた少年が身元
引受人として「この人を呼んでくれ」と出した名刺は、黒澤統一郎のものだった。
 
続き、ですね。
現在の事件のお話はまた別の話だけど、シリーズの続き。んが、まだこれ
終わらない、続き!という。。。えええ。妹を殺した犯人として捕まったのは
連続強盗の犯人ではあるけれども、実は妹の事件だけは違う、とか。
真犯人の狙いは。警察内部から狙われたのか、とか。ものすごく気になる謎が
いっぱいなんだけど。
元公安、本庁の鷹取とか、気になる悪そうないいキャラが出てきたりして。

あ、えっと、現在の事件としては、ナイフで殺された少年の犯人として追われ
る三崎双葉くんの無実を掴む、というところ。警察に協力しない黒澤にまで
逮捕状が出そうになり、雪人が苦しむ。
ってことで、やっぱり二人の関係がーーー。もどかしくもあり、ぞくぞくと
色っぽくもあり。やっぱストイックなほうがもえるな。キスシーンしかない
のにめちゃめちゃ色っぽい。いいー。素敵ー。きゃー。

警察組織がどーこーって、ちょっと「相棒」っぽいような感触もあったりして。
そう、テレビドラマ程度にはちゃんとリアリティがある感じ。面白い。
続き、いつ出るのでしょうか。もう2,3巻じっくり描いてもらってきちんと
完結させてほしい。そして、早く~。
 
「天使の傷跡」が2005年で、「嘘とナイフ」が2010年ですね。
しかも新装版って、イラストが茶屋町勝呂さんになって出たみたい。
なんでー。私は最初の雪舟薫さんのイラストがすごくきれいでうまくて
雪人のイメージぴったり~素晴らしい~!と思ったので、イラスト変わった
のはかなり残念。茶屋町さんの絵ももちろん好きだけど。ハードボイルド
っぽい作品の感じにも似合うとは思うけど。でもなー。雪舟さんの線の細い
感じのイラストがすごく好きだったなー。
そして、そんなに間を開けないで続き書いてほしい。早く読ませて。
また5年後とかになるの? やだ。。。せめて年一回出ないかなあ。待ってます。
 
他にもこの人の作品読んでみようと思う。

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