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『The 500』(マシュー・クワーク/ハヤカワポケットミステリブック)

*結末まで触れています。

『The 500』(マシュー・クワーク/ハヤカワポケットミステリブック)

わたし、マイケル(マイク)・フォードはハーヴァードの学生だった。
誰もがあこがれるゼミ。ヘンリー・デイヴィスが講義をしている。彼は
ワシントンでもっとも力を持つ男だった。影の力を。
エリート学生の中では変わった育ち、毛色をしていたマイクは見込まれて
ヘンリーの会社で働くようになる。デイヴィスグループはロビー活動を
していた。人間にはすべて値段がつく。誰のどんなところを梃子で押せば
望みの結果が引き出せるか熟知している。
会社の、ヘンリーのやり方を懸命に学び、働き、夢でしかなかった豊かさ
を手に入れたマイクだったが、ヘンリーの裏側を知りはじめ、引き返せない
ところまで走り出してしまった。
 
ザ・ファイヴ・ハンドレット。
500人くらいのパワーエリートで世の中は動く。決まる。それを上手く
操るロビイストは影の権力者。みたいなの。ちょうど最近、五輪でレスリ
ングが正式種目から外れるかもしれない、ってんで、ロビー活動が足りて
なかったみたいな反省の弁があったりして、そっかオリンピックにもロビー
活動がいるものなのねーなんて思ったばかりでちょっとタイムリーな気分
で読んだ。

訳者あとがきによると、著者の処女作。2012年刊行。すでに映画化権
買われているそうです。
映画みたいだなーと、読んでいる最中にすごく思いました。さくっと
ぺらっとした映画になりそうな。アクション、素敵なヒロイン、陰謀、
貧しい暮らしから這い上がった昔ちょっと悪いこともしてた優秀で独特の
正義感ある若者が巨悪を打ち砕く。家族愛もあるよ。

どうしてそこでやめとかないんだー。長いものに巻かれておけー、と
つっこみながら読んだ。ま、いろいろ大変な目にはあってるけど、何事も
マイクに都合よくすすむよねー。まあそうでなくては話が進まないのだが。
特に、秘密のファイルの名前がわからない、わからなくてはどうしようも
ない、ってのを、アニーがさくっと立ち聞きしてわかる、とか。ええ~。
それそんなあっさりわかっていいわけ?とびっくりする。
まあでも結果的にそのファイルは見つけ出せず、保管庫(だっけ)ごと
火をつけられて燃やされてしまうから、結局ファイルの名前はどうでも
いいんだけど。
でもあまりにも、やっぱり主人公に都合よすぎないか、と、ひく。
どっかんと派手な映画にしちゃえば、もう細かいことはどうでもええやん!
ってことになるのかなあと思いましたが。

それに、ヘンリーもさ。こんなにあっさりマイクにしてやられるって。
今まで君が築きあげた会社ってそんな程度かよ、と、なんか巨悪としての
重みに欠ける気がしてしまった。ちょっとしょぼいなー。がっかりだなー。

なんだかなーと物足りなく思いつつも、読んでいるとわくわく感はそれ
なりにあって、終盤は一気読み。めでたしめでたしでした。しかしこの
めでたしめでたし、も、そんなもんですか~?となんか脱力でした。

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