『B.L.T』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
*具体的内容、結末まで触れています。
『B.L.T』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
書店アルバイトの面接。北澤眞人は5年前別れた大宮雄介と再会した。
店長になっていた大宮。5年前、まだ中学生だった北澤が振り回した、
それでも真摯に好きだと告白してきた大宮。
ライン
B.L.T
dessert box
dessert box plus
と4つのお話。最初「ライン」が同人誌だったらしい。その次
本になる時に書き下ろし、dessert box は同人誌から。
dessert box plus は今回書き下ろし。私が読んだのは2010年の
新装版。もともとの本は2002年刊行。同人活動がいっぱいなのか。
一旦絶版になったのがこうして新装版ってまた出て、ってファンは
たいへんでもありうれしくもあり、なのかなあ。大人気なのですね。
中学生への痴漢が出会いって(笑)
中学生相手になにやってるんだ大宮!しっかりしろ大宮!とつっこみ
ながら読む。再会後にはなかなか現在の恋人と別れられず、ヤンデレ化
の被害者。大宮くんは振り回されるタイプなのね。
dessert box とかでその後の彼ら、というのが描かれていてそこそこ
フォローされているけれども。
なんかみんなたいへん。恋におちるって、ままならないことばかり
だよね。でもだからこそ、みんなもっとちゃんと話そうよ。
と、またしても対話のなさが原因で余計にぐちゃぐちゃになるパターン。
うーん。しっかりしろー。
あ、これはあんまり強姦ってほどではなかった。
ヤンデレ化とかには私はあまりもえないので、げんなりしてしまう。
大宮とかいい年してるんだから恋は盲目とかじゃねーだろしっかり
しろ、仕事しろ、と、どうしてもつっこみたい。もー。
いやいやこれはBLファンタジー。仕事しろじゃなくて、もっと
素直に胸きゅんしなくては、と、思う。
これ書店が仕事場だから、書店員そこそこやってきた私としては
ああもう、という気分が余計してしまったかも。
木原さんが上手くてちゃんと日常部分をそれなりに描いているから
単純にBLファンタジーとかじゃなくて、仕事しろ、とか思って
しまうのかもなんだけど。なかなかバランスは難しいですね。
ともあれ、無事ハッピーエンド。最後のはダイビングしようと
がんばってる大宮くん微笑ましくてよかったね。この先もずっと
仲良くやっていきそうな感じがして。
面白かった。
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