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『ケンブリッジ・シックス』(チャールズ・カミング/早川文庫)

*具体的内容、結末まで触れています。

『ケンブリッジ・シックス』(チャールズ・カミング/早川文庫)

ロシアに詳しい歴史学者、サム・ギャディス。妻とは離婚。離れて暮らす
娘のために、また自分の税金のために、まとまった金の必要に迫られていた。
古くからの友人、シャーロットから、かつて大事件だったスパイ、ケンブリ
ッジ・ファイブの他に、もう一人いたらしい大物スパイの噂を聞く。
シャーロットは記事を書く。そのあと、共同で本を出す、ということにした
矢先、シャーロットは死んでしまった。
彼女のメモから秘密を知る男にたどりつくが、男は秘密をなかなか明かさず、
この件に関わった人間が死んでゆき、サムの身にも危険が迫る。

イギリス!スパイ!裏切りのサーカス!わくわく!
と、かなり期待して読んだせいか、なんか、えー、とがっかりな感じ。
面白くない。

ギャディスが、本当に命の危険にさらされて、自分でも人を殺してしまった、
とガクガクブルブルになって、しかしそれでも謎を追いかけ続ける、という
のが納得できない。
一応金のため、ということもある。シャーロットを殺されて許さない、と
いうのもある。むしろこうなったら自分の身の安全のためにも秘密掴みたい
というのも、まあいいとしよう。でもなー。一般人な歴史学者が、本当に
命のやりとりの恐怖を味わったあとに、続けられるか????
娘使って脅迫されたりもある。でも、それ、ギャディスがこれ以上首を
つっこまなければいいってことで。娘のためにでもやめられない?
どんだけ自分勝手なマッチョ思考なんだよ。アホかバカかボケかクズめ。
という気分になってしまった。主人公なのにギャディス、魅力ないー。
それに結局あんまりお金に困って必死、みたいなこともなかったし。

一応、テレビ映えするらしいハンサムらしい、けどな。女性と出会いが
あったらすぐに一回やりたいなーということばかり考える40男。
まあねえ。それを考えるってところが愛嬌になればいいけど、なんか、
このキャラ設定には愛嬌も魅力も私は感じられない。
裏切られた!とか勝手にプンスカ怒っておいて、結局頼りまくるくせに
ターニャに対する態度は一体なんなんだ!自分から問題に巻き込まれに
突き進んでおいて、ターニャに八つ当たりってどういうことよ。げんなり。

そしてすべての元凶は、自己顕示欲にかられた老人、もと情報員の
トーマス・ニームなわけで。SISもさー、関わってしまった一般人殺す
はめになるくらいなら、こいつに安楽死してもらえばいいじゃん。最後に
もまた次のターゲットに手紙出してましたよ。早くこの老人に消えて
もらってー。

スパイのお話じゃなくて、過去のスパイを探る話、だった。
暗号名やら偽名やらで、ただでさえ名前をすんなり覚えられない私は
誰だっけ、と、何度も混乱してしまった。これは私の頭が悪い。

主人公の行動にいちいち、なんでやねん、とつっこみながら読んで
それはそれで楽しかったかもしれない。でも期待してしまったのが
悪かった。登場人物誰もかっこよくも魅力的でもなかった。
もしも映画化されたりなんかして、ものすごくハンサムかっこいい人が
演じたりするところっと脳内設定がかきかわるかもしれない。
でもなー。
やっぱりお話としても説得力も魅力も足りないと思うなあ。

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