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「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」

横浜美術館に行ってきた。

「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」

ロバート・キャパというのは、最初は、アンドレ・フリードマンと、ゲルダ・タロー
と、二人でつくった架空の名前だった、というのを、私は知りませんでした。

NHKスペシャルで、「沢木耕太郎推理ドキュメント 運命の一枚~戦場写真最大の
謎の挑む(2月3日)」というのを見た。
キャパの名前が最初に世界的メジャーになった、「崩れ落ちる兵士」というのが、
本当は戦闘で撃たれた瞬間ではない、そしてそれはゲルダが撮ったものではないか、
というドキュメントだった。面白かったー。
 
ロバート・キャパの名前程度は知っているけれども、ゲルダのことは知らなくて、
そしてその運命の一枚のことも知らなくて。ユダヤ系だったのも知らなかった。
パリで出会った二人。恋人になった二人。一緒に報道写真家として、一緒に戦場へ
行って、一つの名前を共有して。どんなつながりだったのだろう。
そして、その戦場で死んでしまった恋人。27歳という若さだったゲルダ。
残されたフリードマン。22歳だったんだって。そして崩れ落ちる兵士の写真が
注目集めて。22歳の青年が、一人背負ったものを思うとくらくらする。もうそれ
だけでドラマチックすぎる。それからも戦場を撮り続け、一人でロバート・キャパ
になるしかない。なる、と、逃げなかった男の人生。凄い。
キャパもまた、40歳の若さで、地雷を踏んでしまい、死ぬ。
そんなにも、そんなにも、そんなにもドラマチックだったとは知らなかった。怖い。
 
写真展は、最初はゲルダが撮った写真から。
訓練する女性兵士の姿が印象的。
雑誌で、この展覧会の紹介記事見たんだよね。そこで印象的だった、ヒールの靴の
まま、銃撃の訓練で片膝ついて上体低くして逆光かな?構えてる女性の写真が凄く
心にきたの。NHKスペシャル見たせいもあるけど、この写真、見たいと思った。

スペインの内戦は、ファシズムとプロレタリアみたいな対決だったのね。
その辺歴史よく知らないです。1936年とか37年頃。女性兵士のための装備
みたいなのもありはしない。女性の社会進出始まったばかり、みたいな。
兵士たち、そろいの軍服で、とかでもない感じが、なんていうか、リアル。軍隊
ではなく市民が戦っているという感じ。
バリケードに登る少年も。死体も。眠る兵士も。普通の人が、そこにいて、そこで
死んでそこで戦ったのが伝わってくる。
 
キャパの写真もかっこいい。
すごく、物語が見える気がする。
被写体がなあ。みんなかっこいいんだよ。ふつうの兵士のはずなのに。やっぱり
西洋人はかっこいいか!と思った。
壊れた街で。瓦礫の残骸のところで、ボロボロになっているふつうの人々が、
それがやっぱりかっこいい。
映画みたいだと何回も思った。
でも、映画は、こういう事実の写真やなんかからつくっているんだった。
こっちが先なんだった。
もちろん写真に撮っている時点で切り取りがあるんだけど。絵になる場面が。
でも演出してるとはとても思えない生々しい現場な感じもすごくあって。
そこに人がいるんだなあと思う。

まあいろいろ、映画なんかで見たり、それこそいろんなドキュメント見たり。
私のほうが勝手な思い込みや思いいれを持っているんだと思う。その思い込みを
写真の中の物語として読み取っている。でもそういういろんなことを思わせる
ような、目をした、写真なんだよ。凄い。

革命記念日のパレードの日のパリ、とか。ハレの日だからかな。ふつうの人々
みんながお洒落だなーと感心。ステキ。水玉プリントのワンピースの女性とかね。
男性はスーツ。少し着崩したジャケット。昔のファッションステキ。

ドイツからの開放の日の写真とか。連合軍側のアメリカ兵のヒーローっぷり!
ドイツに協力した女を見せしめに頭丸刈りにして、っていう、ああああ。
ノルマンディー上陸の海の中の兵士。それを写真にとるキャパ。ああああ。
なんというドラマ。

イギリスで、防空壕の中での団欒な写真。これ、あの、コニー・ウィリスの
『ブラックアウト』がわーっと頭の中に蘇った。うううう。

中国や日本の写真は、ほんとうにまったく西洋とは別の国だなと思う。

写真展をこんなに面白く見られるとは自分でも思ってなかった。凄いよかった。

常設展のほうもかなり面白かった。ガラスのひかりのとかきれいだったし。
シュルレアリスムのところが一番好き。キリコ、デルヴォー、マグリット。
ダリのすーごいでっかいの。<幻想的風景>っていうのかな。

集中して見たし、たっぷり二時間半あまり歩いたしで、もうぐったり。
みなとみらいがすごいみらいな感じだ、とびびったりしてすぐ帰った。
またもうちょっとあのへんものんびりして遊びたいなあ。
ロバート・キャパのこともうちょっと、本読んだりして知ろうと思う。
面白かった。見に行ってよかった。

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