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『穢れた手』(堂場瞬一/東京創元社)

*具体的内容、結末まで触れています。


『穢れた手』(堂場瞬一/東京創元社)
 
収賄の容疑で拘留された刑事、高坂。しかし、あいつはそんなことを
するようなやつじゃない。子どもの頃からの親友であり同じく刑事の
桐谷は信じていた。30年にも及ぶつきあいで、互いのことを誰より
よく知り合っていると信じていた。
高坂の無実を証明しようと、一人で動き始めた桐谷だったが、高坂も
かつて世話になった上司からもやめておけと言われる。
そして謎の脅迫メッセージが届く。
 
堂場瞬一って初めて読む。長年の男の友情!とわくわくして読んだ。
うーんー。期待持ったほどはときめきはなく(笑)、お話としても
まあまあ、な感じ。やっぱりどうにも、桐谷の独りよがりが鼻につく。
なんでそう一人で勝手に突っ走ろうとするのかね。
だんだん、高坂と親友で何もかも知ってるもん!って思ってるのは
桐谷のほうだけ、ということが明らかになり、桐谷は、僕だけ仲間外れ
にしないでよ!と駄々っ子な意地の張り方してるように見えてきて、
ややひく。
ハードボイルドに決めようとしているのか、ジャズとか珈琲とかなんだ
けど、それもなんかー。鼻につく。もういい加減ジャズが渋くて素敵と
いうモードはどうにかならないものか。。。私がジャズをまったくわか
ってないからダメなんだろうけれども。

二十年前、新人警官だったときに背負ってしまった十字架、というのが
高坂と桐谷と上司村井との間の絆、みたいに書いているんだけど、
それも微妙に、なんか、そーかなあ。。。と思ってしまう。隠蔽もみ消し
はそりゃあ心の重荷だろうけど、そこは乗り越えようよ。腹くくれよ。
そして何故か、村井からも高坂からも、守られちゃう桐谷。なんで?
桐谷の手が比較的穢れてないから。というのがなんか唐突な感じで私は
なんだかなあ、という気しかしなくて。
実は二十年前の件を復讐しようとしてる被害者の息子、とかも唐突。
うーん。
これは私の希望としては、この一冊じゃなくて三巻分くらいお話じっくり
描いて読ませて欲しかった。さくさくとても読みやすいんだけど、それが
余計に物足りない気分。
桐谷がひたすら独りよがりに突っ走ってみたけど、なにかと見当違いだし
勝手な思い込みばっかりだし、おめえ結局何の役にも立ってないじゃん、
で、終わって、誰にも惚れなかったなー。
馬鹿なのか? 結局馬鹿なのか? 桐谷はたぶんこの後昇進するのだろう
けれど、少しは賢く、まわりをちゃんと見られるようになってくれること
を祈ります。終わり。

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