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『二重自我―ドッペルイッヒ』『冥罰―リトリビューション』 スタンレー・ホークの事件簿(山藍紫姫子/角川文庫)

『二重自我―ドッペルイッヒ』『冥罰―リトリビューション』 スタンレー・ホークの事件簿(山藍紫姫子/角川文庫)
 
年末に4が出ていたのを知って、あれ、3がいつの間に出ていたのだ、と
慌てて二冊購入。せっかくなので1からまとめて一気読みしてみた。

『二重自我―ドッペルイッヒ』
 FILE6 二重自我―ドッペルイッヒ
 FIKE7 収集家―コレクター

『冥罰―リトリビューション』
 FILE8 冥罰―リトリビューション
 FILE9 好奇心―パンドラ
 FILE10 呪いの骨

FILE8くらいまでが続いているお話だった。9で一応終章って感じか。
「呪いの骨」は時間あいて書かれた別立ての短編らしいし。もともと
1997年のもの、「呪いの骨」が2002年。どっちにしろ昔だなー。
懐かしい感じ。BLというより耽美小説といいたいところ。

超絶美貌の警視、アリスター・ロスフィールド。アリスティア。
死者や残留思念との感応能力や微かな予知能力がある。必ずしも思い通りに
感応できるわけではない。その能力で自身も深いダメージを受ける。
精神科医のジンが全身全霊をかけてアリスティアを守る。
刑事であるスタンレーはロスフィールドに感応し、恋し、三人での奇妙な
三角関係となる。

事件はけっこう凄惨で、ミランダかわいそうだったなあ。
んが。
まーその、警察小説的モードで読みかけてしまうんだけど、すると
なんかきみらやってばかりじゃなくて捜査しろよそんな能力頼りじゃなく
スタンレーあんた刑事だろ現場たたき上げだろーやりまくってないで
捜査しろ!とつっこみたい(笑)
まあ、違うのよこれは耽美小説よ、と思いなおしながら読まないと。
一応警察で警視やら刑事やらで連続殺人事件だったりしてるからちょっと
困る。

目の前で犯されるアリスティアを自分も負傷しながら眺めて興奮するジン
のド変態っぷりが素晴らしい。アリスティアの幸せのために、とスタンレー
ひっぱりこむのも。嫉妬にかられて冷静に無茶苦茶するのも素晴らしい。
三人ともにあっちでもこっちでもやっちゃってるのも素晴らしい。
最近のBLをあまり読んでないけど、たぶん最近のっておおむね一対一での
絆、ハッピーエンド、みたいになってるんじゃないかなーと思うので、
こういうのはもう昔懐かしならではなのかなあ。
三人でやっていくっていうのはなかなか素敵だなー。常に嫉妬と独占欲と
同志的な愛もあって。アリスティアにはどっちも必要、っていうのがあって
ジンはそのためならなんでもする、ってなって、スタンレーも惚れてしまった
からには受け入れるしかない、と。
このままいいバランスでいくのもいいかと。三角形の頂点にアリスティア、
下の角二つにジンとスタンレー。安定してる。

事件的には物足りないことこの上ないし、アリスティアの幼少期とか、
一族のなんかめんどくさそうなとことか、もっとたっぷり描いて欲しい~
もっと、と、物足りない感じいっぱいだけど。
ふわふわと気持ちよく読むには面白かった。

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