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『アイ・コレクター』(セバスチャン・フィツェック/ハヤカワポケットミステリ)

*たぶんネタバレになっているかも。

『アイ・コレクター』(セバスチャン・フィツェック/ハヤカワポケットミステリ)
 
ベルリンで起きている連続殺人事件。
子どもが攫われ、ゲームが開始される。45時間後に子どもは死ぬ。探せ、
見つけ出せ、と父親にせまられるのだ。
子どもの左目は抉り取られて発見されるため、「目の収集人」と呼ばれ
恐れられていた。
元ベルリン警察官、今は新聞記者のわたし、ツォルバッハは、事件を追って
いたが、犯人の罠で容疑者とされる。
目のみえない女性物理療法士と協力して、真犯人を追い、子どもを救うこと
ができるだろうか。
 
ドイツかあ。あまり読んだことがないかも。
著者はすでにベストセラーがいくつもあるようだけど、私は読むのこれが
初めて。この作品は2010年のものだそう。日本での刊行2012年ね。
面白かった。
章立てが、エピローグ、最終章から始まってだんだん小さい数字になって
いくようになっている。プロローグ、序章で終わる。
最初のうちはなんでわざわざそうしているのかわからなくて気にせず
普通に読み進めていくのだけれど、最後になって、う、そうなのか、と、
愕然としてしまう。この本が終わる時が始まる時なのだ。
翻弄されるツォルバッハが気の毒。。。
謎解きというか、本当の犯人は誰なのか、というのは私は途中でわかる
ことはなくて、なかなかびっくりもした。
後半、残り時間との戦いになるとハラハラドキドキの緊迫感たっぷり。
終盤はやめられないとまらないの一気読みになった。読み始めの頃は
状況が把握できなくて時間かかった。

ヒロイン、というのか、目のみえない女性、アリーナ。物理療法士。
彼女には特殊能力があって、時々フラッシュバックのように相手の
過去?記憶?見たもの?が、見えてくることがあるという。

えー。エノキヅさんなのかっ?とその辺は少し微妙な気分になりつつ。
まあエノさんとは違うみたいでした。
 
犯人の罠のひとつとして、ツォルバッハに協力することになる。彼女の
患者として偶然目の収集人がやってきたのだ。マッサージの時に彼に
触れたとき、その犯行を「見て」しまったという。
その能力、もともかく、目が見えない人のステレオタイプみたいなのを
極力なくそうとして描いているのは読みどころかも。実際に目の見えない
人へのアンケートやインタビューなどの協力を得て、リアルな人物造形を
しているらしい。でもほんとうに目が見えない世界というのはわかること
はできないんだけれど、少し、想像を広げることができる。
盲導犬?介助犬?もいて。名前が「トムトム」というのが可愛い。ドイツ
でもやっぱりそういう可愛い名前つけたりもするのね。
彼女が「見た」ものがなんなのか、わかった時の絶望が凄い。
ぞくぞくきた。面白かったよ。
 

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