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『POLLINATION』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

『POLLINATION』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

外科医、谷脇の勤務する病院に急患として運ばれてきた少年、佑哉。
精神科の医師から頼まれての診察だった。佑哉は自閉症だった。
 
前々から名前は知っていた木原音瀬。このはらなりせ、って読めない
名前の著者だった。
で、これ、実はシリーズものだそうで、この前に2冊あるんですね。
『WEED』『FLOWER』とあって、これが完結なんだって。
あー。知らずにこれを読んでしまった。単独でも読めるようにはなって
いるみたいで、谷脇に過去がなんかあるなあとは思ったけれども、
普通に読みました。
 
15の少年に手を出す勤務医とかいきなりな感じだな~~と思ったけど
シリーズ読み通してるとすんなり納得するのかな。

ともかくこんなテーマでBLやってるのか、というのがびっくりだなあ。
評判として、重い痛いようなお話を書くらしいとは思っていたけど。
自閉症の少年の無知につけこむ医者って。でもそれをちゃんと読ませる
のが凄い上手いなあと思う。
が、えろしーんをえろしーんとして楽しくは読めなかったさすがに。
いや愛だねとは思ったんだけど。
佑哉側からのお話も入っていて、それもやっぱり、愛だろ、とは思った
けれども。でも、どうしても、それ本当に? と、思ってしまった。
都合よく書いてるんじゃないかなあ。もちろん私には自閉症のことは
詳しくはわからないしもちろん自閉症といっても人によっていろんな
感じだろうし、作者はちゃんと真摯に書いているのもよくわかったけど。

子どもとか、こう、物事をよくわかってない病気の相手に、とかいうのが
ちょっと私はダメなんだなあ、と、たいへんまっとうな禁忌を持っていた
のか自分、と自分に驚く。
子どもっつっても、例えば風木のジルベールみたいな風だとちゃんと
分かってきている感じまで描かれるので好きなんだけど。
 
それと大学に行った佑哉にボランティアサークルの友達ができて、と
いうエピソードもかなりつっこんで描いてるなーと思った。責めるでも
なく冷静に描いてると。ボランティアなんて気軽に言っちゃった時の
自己満足欺瞞とか。難しいとこにちゃんと踏み込んでちゃんと冷静なの
凄いなあと思いました。

んー。やっぱ子どもにこういうせっくすはどうかなー。それだけちゃんと
佑哉のことを人間的に描かれているからこそそう思ってしまう。上手い
のが逆にえろいとこにはそぐわなーい。谷脇、ちゃんと考えていってね、
と思いました。愛だけど、でも。がんばれ、と思ったよ。

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