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『WEED』 『FLOWER』

*具体的内容、結末まで触れています。


『WEED』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
 
エリート医師の若宮と谷脇。
恋人の浮気現場を見てしまった若宮は憂さ晴らしに谷脇とドライブ
している途中、雨の中ずぶ濡れのまま歩いていた男を拾う。
一夜だけの遊びのはずが、再会してしまった。
 
という、三部作の最初のやつ。若宮が主人公だった。そっかー。
最初は強姦だよねー。なんでー。岡田くん、何故その相手に惚れる。
わけがわからないよ(笑
マメになついてきて病気の看病されて、美形だからか。やっぱ美形
だから惚れるのかっ。まあそうなっていかなきゃ話にならないから
だと、わかってる。わかってる。うん。
しかし若宮くんは超絶めんどくさい!!めっちゃあの女!!(笑
ひとこと聞けばいいじゃなーい。あの女なんだよ、って普通に聞けば
すむことじゃなーーい。さんざん遊んできた男の初めての本気の恋、
って言えばなんか胸キュン的だけど、でも30って設定だよね。自分
は勝手にヤケになって谷脇とやったりするけど、岡田が女と会話する
ことすらイライラ、って、どんだけ~~~(笑)
それなのにそれでも結局らぶらぶ。うんうんよかったね。
岡田もなあ。妻子なくして、どのくらい時間たってるのかはっきりとは
わかんなかったけど、うーんでもなー。ま、お話だからいいのか。
そんなこんなで、若宮めんどくせ~~~、岡田ありえな~~い、と
何度もつっこみながら、面白く読みました。
十代くらいで読んだらこういうのに本気で胸きゅん、ときめくことが
できるかもしれないかなあ。どうだろう。今だとちょっと笑ってしまった。
1999年刊行。その当時読めたらよかったかもしれない。
 

『FLOWER』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
 
 FLOWER
 WEED~one day~
 Green Green
 SWEET  

谷脇が目をつけたのは、気弱で流されやすそうな医学生、松本。
酔いつぶれた彼を部屋につれこみ、勝手な関係をもった。
強引な谷脇の誘いを断りきれない松本をついに落としたものの、
生真面目な松本に退屈を感じる。谷脇の遊びについていけない
松本は別れ、結婚した。だが。

ってことで、前半は谷脇のお話。松本くん不憫。。。
これもなあ。もっと話をちゃんとすればいいんじゃないのー。と、
思わずにいられない。そう理性的になれないから恋なのだ、という
のはわかるけれども、でも、なんでもっと話さない。なんでそこで
いらん意地をはるのだ、と、激しくつっこみたい。
松本くん、母を亡くし、結婚したのにあっというまに妻子を亡くし。
そのお腹の子が実は谷脇の子らしい、とか、なんかもうこれでもかと
不幸漬けの松本くん。可哀相。

この世に「絶対」があるとすれば、それは死だけだ。
 
もっと時間があれば、うまくつきあう方法を見つけられたかもしれない。
もっと時間をかければ、分かり合うことができたかもしれない。
生きていれば、何年もたった後に穏やかな再会ができるかもしれない。
 
でも人は死ぬ。
思いがけない事故。病気。
死ぬ。
死は、絶対に、取り返しがつかない。 
 
最後泣く谷脇は切なかった。とても。
面白かった。 

で、「Green Green」からは、兄弟でらぶらぶになっちゃう
っていう別のお話。
まあ、らぶらぶになってよかったね。
しかしきみら、それはせっくすが気持ちよくって錯覚している!と、
やっぱりつっこみたい。
木原さんはせっくすがよくて恋になっちゃうっていうパターンがいい
のかなあ。まあいいけどなあ。先に体だから、始まりがわりと強姦
パターンで、それはなんか、ええー、と思う、けど。
そしてこの兄弟。親の気持ちとか考えちゃう年になってしまった私と
しては微妙になんか。別に悪い親じゃない感じだしな~。
いやこれはBLなんだから、余計なことは気にしちゃダメ。
面白く読みました。
 

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『恐怖の谷』(コナン・ドイル/光文社文庫)

*たぶんネタバレ。

『恐怖の谷』(コナン・ドイル/光文社文庫)

ある日ホームズのところへ届いた暗号を知らせる手紙。恐ろしい
犯罪が行われようとしているらしい。なんとか暗号を解いたものの、
もたらされたのは起こってしまった事件の知らせだった。

ホームズものの長編の最後だそうです。
これで一応私は聖典?の9冊全部読んだかな。たった9冊なのか、と
思うねえ。長編4冊といっても、緋色も、これも、後半は事件になった
男の過去、ということで半分はホームズもワトスンも関係ないね。

この事件のモデルになったらしい、という、アメリカでの犯罪結社
みたいなのとか、ピンカートン探偵社が実際の事件だった、というのが
なんか凄い。モリー・マグワイアーズっていうのが、この中のスコウ
ラーズのこと。『モリー・マグワイアーズと探偵たち』という本が
あったのね。ドラマチック~。

恐ろしい犯罪組織の元締め、犯罪王モリアーティ教授のことが、
実際姿は見せないながらも描かれているのがこの作品だったのか。
この中ではまだホームズは時間が必要だ、とじっくり恐れている
ようだったけど、でもあれ、わりとあっさりともみあって滝つぼに
落ちたじゃん。と、その先を知ってる身としては、まあ大丈夫だよー
と、ちょっと気楽に思ってしまった。

事件そのものとしては、死んだと思われていた被害者が実は生きて
いた、とか、そういうのはもう驚かないね。顔が無残に、って時点で
疑いが。ホームズの当時はまだまだ驚きのトリックだったのかな。
後半の、過去のお話は犯罪アクション!みたいな感じでそれはそれで
面白く読んだ。

冒頭の、暗号を解くためにワトスンくんとあれこれ言うホームズ。
この、本をつかった暗号ってBBCドラマでもやってた。ここから
とったのねー。
二人のやりとりは相変わらずらぶらぶに読めて凄い楽しい。
この中でのもえもえシーンは、二人で宿に泊まっていて、捜査に
出かけたホームズが夜更けに部屋に戻ってきて、っていうところ。
 
  ホームズはロウソクを手に、わたしの枕もとに立っていた。やがて、
 ひょろ長い身体をかがめてわたしの耳もとにささやいた。
 「ワトスン、きみは、頭のおかしいやつとか、脳軟化症のやつ、正気
 をなくしてしまったやつ、そんなのといっしょの部屋で眠るのはいや
 かい?」
 「いや、ちっともまわないが」わたしはそう答えながらも、あっけに
 とられていた。
 「そいつはありがたい」それが、その晩ホームズの口からもれた最後
 の言葉だった。
 
ってー。(P123)
夜中だとはいえ、二人の部屋なのにーわざわざ耳もとに囁くホームズ!
きゃー。僕はヘンかもしれないけどいっしょに寝てくれる?と甘える
ホームズ!いいよ、ってあっさり受け入れるワトスン!きゃ~。
うっとりです。
 
跳ね橋で外とは隔絶する館。無残な顔のわからない死体、というので、
パタリロを連想。首がなくなる死体の事件があったなあ。でもトリック
などなど全然違ってた。なにかにつけて私の印象が強いのがパタリロ
なんだなー。けど、後半のお話なんかも、パタリロでやって似合いそう
と思う。パタリロがミステリやハードボイルドな感じをものすごく上手く
とりいれてやってたんだな、と、いまさらながら実感。初期の頃のを
まとめて読み返したい。。。たぶん昔の引越しの頃に始めの方のは処分
したような気がするなあ。あああもったいない自分の馬鹿バカ。今も
必ず買ってるからあちこちにバラバラになってるけどけっこう持ってる
とは思うけどなー。まとめ読みしたい。。。

と、原作は読み終わってしまった。BBCの次日本で放映になるのは
いつだろう。待ち遠しい。元ネタ拾いながら録画また見よう。

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映画「ホビット 思いがけない冒険」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「ホビット 思いがけない冒険」

ビルボ・バギンス。ホビット。ある日、灰色の魔法使いガンダルフに見込まれ、
ドワーフが故郷を取り戻す旅の仲間に誘われる。
冒険なんかしたくないビルボ。戦えない彼など足手まといだというドワーフの
長、トーリン。
しかし、冒険の旅への好奇心を押さえきれず、ビルボはホビット庄を旅立つ。
トロルやオークに襲われながらも、火竜に奪われた故郷をめざす。
 
字幕3Dで見てきました。3Dの眼鏡がちょっと痛かった。。。
ドワーフの歌、すごくいいねえ。渋い。トーリンかっこいい。痺れる~。
ビルボのことをさんざん足手まといだ!と言っていたのに、結果助けられて、
一瞬せめるのかと思いきや!抱きしめる!ツンデレさんめ!

最初のほうはほんとコミカルで、突然ガンダルフに見込まれたり、続々と
ドワーフがうちにおしかけてきたり。ビルボがとっても気の毒(笑)
シャーロックのジョン~~、て思っちゃうから、あーあ、また変人に何故か
気に入られちゃって、たいへんなことに巻き込まれて、大丈夫かジョン!と
思って笑った。困った顔がこんなにもチャーミング~なマーティン・フリーマン
いいねえ。

ガンダルフ、懐かしい。でも相変わらずホビットにとってはどっちかというと
疫病神ですねー。
そして、最初はあの指輪のころでね。フロドが!懐かしい~。ああまだあの旅の
前なんだよねと、いきなり感慨深く切ない。

エルフの谷ではエルロンド卿とか、ガラドリエル、奥方さまだよね、相変わらず
うつくしいエルフ族との、私にとっては再会。嬉しい。あの月のひかりの台とか
すごくきれいだった。エルフはいいよねえ。
白の魔法使いサルマンも出たーー!!!うう。どうなの。もうこのときすでに
ダークサイドに堕ちつつあるのどうなのまだなのかな。ドキドキ。
トロルやオークがうろついていたり、茶色の魔法使いラダガストが森に暗黒の
気配が、みたいな話をしていたりして、ああもう、少しずつ邪悪がー。
なんて思って後々の指輪物語を思いながら見るのがめちゃめちゃわくわくする。

茶色のラダガスト、森の動物大好きじーさんで、あのー、ハリネズミ?の
セバスチャンだっけ。助けようとあたふたするのがすごく可愛い。動物可愛いし。
魔法使いっていってもあんまり万能じゃないんだよなあ。やっぱ白のが一番
らしくって、ああでもサルマンは。。。とかもう、ドキドキするよなあ。

ドワーフは陽気な仲間たちってことなんだけど、まあとにかくみんなわっさー!
と13人出てくるわけであんまり覚えられない。かっこいいのは覚えたよ。
王たるトーリン、弓が上手いキーリ、兄弟のフィーリ。トーリンの妹の息子たち
らしい。HPとかとか読んでみた感じ。

原作は『指輪物語』よりは子供向けだそうです。まだ読んだことない。映画が
終わったら読もうかなあ。映画は子供向けってことはなくて、完全に指輪と対を
なすように作られているらしい。
指輪と似たような構図だとか、共通するようなシーンづくりとかしてるんだって。
うんうん。
一回見ただけでも、あ、と気がつくようなところがあった。

旅の仲間、っていわれたら嗚呼、と思うし、王国を取り戻そうとするトーリンは
アラゴルンみたいな感じ~と思うし。
倒れながら指輪がビルボの指にはまって、とか。

そう。やっぱりめっちゃ強烈キャラ、ゴラム!まぁい・ぷれしゃぁぁああ~す!!
動きも表情も凄いよ。ひとりなのに「わしら」っていったり自分の中の自分と
口論になったり、あの激しさも不気味さも、おっきな青いお目目の可愛さも
たまらん!!!ビルボとのなぞなぞ対決すごくいい~。ぞくぞくくるわ。

映像の迫力も凄かった。旅する広大な土地。地下のオークたちの群。いや、
ゴブリンたち、かな。あ、あんなにたくさん無理ーって感じなのに、戦い始めると
すっかりドワーフ無双!!!ガンダルフもかっこいい~!
トーリンと因縁ある、穢れの王アゾクがまた憎らしくて怖くてぞくぞく。二人の
対決のばーん!と見得をきるかのようなもっていきかた、たまらん。
いろんなやり方での物凄いアクション、3Dばっちりなカメラワーク、ほんと
息つくまもなくどっかんどっかんきて3時間飽きないわー。
 
でもさ、あの鷲?鷹?に、えっともっと最初から乗せてってもらうとかは
できないんですかガンダルフー!ピンチのときの短距離しかダメなの?(^^;
最後もあんな岩のてっぺんじゃなくて、もうちょっとはなれ山の近くまで
乗せてってもらえばいいのにぃ。
まあそれじゃ冒険の旅にならないから仕方ないんだろうけど~。
 
はなれ山は見えたけども、まだ遠い。まだ次では火竜との対決はないかな。
ドラゴンの姿がまだちゃんと見せてもらえないんだよね~~~。焦らしプレイ
が上手すぎます監督!わくわくする~。

もちろん面白いだろう、と期待してて、期待どおり、それ以上にわくわく
させてくれて、ほんと凄い。指輪物語もホビットも、今こうして映画になる
ために書かれ読み継がれてきたのだ、と、思ってしまいたいくらい楽しい。
次も、その次も、すごく楽しみです。
そしてこの三部作も完結の暁には、指輪もあわせて6作見るとかいう贅沢な
ことをしてみたいなあ。

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『傾国子女』(島田雅彦/文藝春秋)

『傾国子女』(島田雅彦/文藝春秋)
 
神楽坂で、七海は一人の女性が車にひき逃げされるところに居合わせた。
その人は「白草千春」と自分の名前を告げるとそのまま動かなくなった。
それから一週間後、よく当たるという占い師のところへ行った七海は、
白草千春がくっついている、といわれる。彼女のが語りたがっている生涯
を、聞いてやること。
ついには会社をやめて、白草千春のことを書き記すことになった。
 
千春の残した日記やノート、アルバム。千春は14の時から、女の業を
深めて生きてきていた。
 
『好色一代女トゥデイ』だそうで、千春がいかに女として頂点を極め
没落もし、そして晩年はおだやかになったかと思えばやっぱりただの
主婦で終わるわけもない、というお話。

著者のデビュー30年、渾身の長編小説、って帯にあるけど、そうか。
デビュー30年かあ。確かに私も20年以上ファンやってるな、とやや
感慨に耽ってみたりもしました。
千春が思い起こせば、と日記を残してるのが1970年ごろからで、
それがもうはるか昔のことのように描かれているんだけど、それ私が
生まれた頃だ。千春のほうが今の私よりひとまわりくらい年上だけど
なんか、そうかー遙か大昔って感じに小説に書かれるようなのが自分が
生きてる頃だったりするんだなあ、と、そういうのもしみじみしちゃった。

表紙だとか中表紙の人物イラストがヤマザキマリ、テルマエの人で、
でも私、あんまり好きな絵じゃなくて、そこはがっかり。

千春の親友、甲田由里という人物がいて、二人で一人な感じが面白かった。
名前の字面も。
千春はとても美人に生まれて「女」としての人生を謳歌する。由里は
再生不良性白血病?かなんかで、毎月の生理も命がけ、出産は危険、処女
喪失も命がけになるからってことで、結局ずっと処女。千春の「女」と
しての生き方売り方をコントロールする頭脳となる。自分が「女」に
なれない分を千春に託す、という感じ。
千春は思考を外部発注するような由里との関係に安定を見出す。その
からっぽな感じ、いいねえ。

登場人物のモデルをリアルにあの人とか、と想像できる。これは今
リアルタイムで生きて読んでいるからだなあと思う。100年後だったら
*1とかで、だれだれがモデルと思われる、なんて注釈がつくかもしれない。
(つかないかもしれない。あくまでフィクション)

千春のモノローグで描かれているようなんだけども、でも書いているのは
七海ということでもあり、神(作者)もいるわけであり、すべて回想だし
物語の熱はあまり高くない。文章と出来事に距離があるような感じって
いうかなあ。俯瞰的っていうかなあ。その距離感、バランスがさくさく
読みやすくて私は好きだった。
千春、馬鹿だなーというのもあり、でも正義感あふれるメッセージでも
あり、かなあ。正義感な主張にも距離があるから嫌じゃない。
ついつい一気読みしてしまった。面白かったです。

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映画「レ・ミゼラブル」

映画「レ・ミゼラブル」

19世紀。革命後のフランス。革命後、しかし民衆の暮らしは貧しく苦しかった。
妹の子どものために、たった一つのパンを盗んだ罪で投獄されたジャン・バルジャン。
彼は19年にもわたる囚人生活の後、ようやく仮釈放となる。自由ではない。
必ず決められた日に出頭せよ、と、ジャベールに執拗に目をつけられていた。法を
守る職務に忠実な容赦のないジャベール。
ジャン・バルジャンはこそ泥を働いたのを許す牧師(?)から神の愛を知らされ、
改心する。
やがて名前を変え、市長という地位まで築いたジャン・バルジャン。
ささいなことから職を失い娼婦となったフォンテーヌを助け、その娘を助けて
守ろうとするが、ふたたびジャベールから逃げることになる。
美しく成長した小さかった娘、コゼット。再び革命を起こそうとしていた学生達の
仲間、マリウスと互いに一目惚れの恋に落ちる二人。
失敗に終わる小さな革命。そして、マリウスを助け、コゼットの幸せを願いながら
一人修道院で死を迎えようとしたジャン・バルジャン。救いの導き手として現れた
フォンテーヌとともに、救いの光を見る。
 
って感じかな。ビクトル・ユーゴーの原作は、どうだろう、昔々お子様向けのを
読んだことがあるようなないような。ミュージカルの舞台は見たことがない。
それでもいくつもこの中の名曲は知っているような。
原作はじっくり描かれているのかなあ。ミュージカルだと歌ってどんどんお話が
進み場面展開して時間も進むって感じ。158分と、長い映画だけども、お話的
にはあらすじっぽくも感じる。
 
でもいいの。
歌!音楽!
 
ミュージカル映画だけれども、役者が演技をしながら実際に歌っているのを
そのまま録音して、という風につくったそうです。凄い。ほんとにみんなこんなに
実際に動きながら歌いあげたのね。
アップが多いなあ、と思ったけれど、映画的にどんどんアクションしてってわけに
いかないか、実際歌いながらだと。でもその歌う表情を、感情を、アップで見られる
というのも舞台とは違う映画ならではだと思う。いい。すごくよかった。
めちゃくちゃ上手いもんみんな。

ジャン・バルジャンなヒュー・ジャックマン。ウルヴァリンのイメージで、あんまり
別に好きでもなかったんだけど、ごめん。すごいかっこよくって魅力的。舞台出身
なんですねえ知らなかった。役作り的にけっそり痩せたりもしていて、その、マッチョ
じゃないところが実にジェントルな感じで素晴らしくステキ。宣伝で来日して
インタビューに答えてるのを見たりして、めちゃくちゃ気さくに優しくて素敵すぎて
惚れた~。歌もうまーい。
アン・ハサウェイのフォンテーヌも、ほんっと凄かった。髪を実際短ーく切られたり
ぼろぼろにやつれたり。その姿で歌う「夢やぶれて」のシーン最高の迫力と美しさ。
キャットウーマンきれい可愛いセクシーってなだけじゃなくて、ほんとーーーに
本格的に女優!!なのだ。凄かった。
ジャベールのラッセル・クロウ。彼も単なるマッチョじゃなかった。何故そこまで
ジャン・バルジャンに執着するのよー。自分で認めることができない愛だね愛だろ
馬鹿っ。かたくななジャベールよかった。

わりと最初っから涙が流れまくった。音楽の力。
ミュージカル好きだなあ。歌や音楽がいいと本当に気持ちよく涙が流れる。
理屈もなにもどうでもいい。ひたすら涙。デトックスだよねー。タオルハンカチで
右目押さえ、左目からの涙で襟が濡れてた。素晴らしく気持ちよく涙流させて
もらったよ。ロングランミュージカルなの納得。よかったなあ。

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『セカンド・セレナーデ』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

『セカンド・セレナーデ』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
 
高校。数学教師の砂原のことが、明智は苦手だった。生徒から人気ある
教師だったが、気さくで熱血タイプなノリが合わない。それなのに、自分が
密かに思っている学校一の美少女が砂原のことを好きらしい、と知った。
なんとか彼女と砂原の間に何か起こることを防ぐために、自分から砂原に
近づいていく。
たんなる計算ではじめた付き合いだったのに、心が乱れる。
 
 水のナイフ
 ONE NIGHT
 セカンド・セレナーデ
 その後のセカンド・セレナーデ
 わがまま
 いじわる
 
と、6つの短編集って形かな。二つ三つくらいは書き下ろしおまけ的な
もので、メインは、最初の明智くんと砂原先生。砂原先生に失恋した
明智と友人だった掛川くんが性格悪い年上に新しい恋をしてしまった話。
木原さんのデビューが「水のナイフ」だったそう。1995年か。
他のは同人誌からだったり書き下ろしだったり。
もともとの出版から二回目の新装版だそうで、私が読んだのは2010年
発行。すごいなあそんなに何度も出版されて。大人気作家さんなのだ、と
改めて認識。

その、95年ごろに書かれた時のリアルタイム、なわけで、携帯ないし
映画とるって映画部やサークル、フィルムでとって編集とかしてる。
ちょっとレトロな味わい、と思って読んだので、まあ、携帯ないのか、とは
思ったものの、古臭くて駄目ってことはなかった。
あー、掛川くんがなんかステキにどんどん役者になって認められていくんだ
なーという感じはマンガチックで王道レトロな感じかも。

しかしね。
明智くん性格悪すぎるだろ(笑)そんなひどいことしておいて、砂原先生
なんで恋しちゃうんだろーかー。錯覚だろ。キスとかしてるうちになんか
むらむらしただけだろ!
掛川くんもさ。なんでそんな橋本みたいな最初から最後まで性格悪くて嫌な
奴に恋していたと気付いてしまうのか。錯覚だ錯覚!セックスがいいだけ!
とまあ、すごく、君ら一体いつ恋したのよ好きになったのようんまあ体から
始まる恋もあるとしてもね?それにしても体からだけすぎるんじゃないの
ツンデレってレベルじゃないでしょデレてないよね?ツンツンがいいいい~
っていうならなんかもう勝手にしろ!
という感じ(笑)

甘いよねえ。ロマンだねえ。恋はおちるものだねえ。
面白かった。

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『薔薇色の人生』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

『薔薇色の人生』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)
 
前科三犯。刑務所にいるうちに両親は事故で死んでいた。今度こそ
真面目になる、と決意して出てきたのに、もうなにひとつないこと
に気付いて最低最悪の気分で自殺しようとしていた男、百田。
それをとめた若い警官、浜渦論。引き止めるなら、責任持つんだ
ろうな、と、百田は論へ鬱憤をぶつける様に酷いやり方でセックスを
強要した。

とゆー、非常に最低最悪な出会いをした二人が、今はメロメロ
らぶらぶ大事な大事な恋人同士というお話だった。
これはとても素晴らしく幸福で面白くてよかったなあ。

モモは最初ほんとーーーーーーにクズでロクデナシでサイテーで
バカでダメ人間。なのに、ロンを好きになって、大事に、本当に
本気で大事に大好きになって誠心誠意尽くして尽くして愛して、
恋人同士になった。
モモからは最高の男扱いのロンも、実は不器用で堅物で自分のこと
悩んでいて、最高に愛されることを受け入れて自分にもモモが一番
何よりも誰よりも大事、と思っている。
しかし自分の駄目駄目さに自信を持てないモモは、なんとかロンちゃん
の役に立ちたくて、頼まれてもいないのに偶然つかんだヤクザの情報に
深入りするようになって、案の定危ない目にあって、もーっ、っていう。
二人とも最高に可愛かった。

モモがマジで駄目でハンサムでもなんでもなくてただ人柄の良さで
愛されるってのがねえ。おっさんじゃん。でも知り合ってみると
愛されるおっさんなのね、というのが可愛い。
堅物不器用くそ真面目ロンちゃんの、ほんとーに最後まで生真面目な
愛し方も可愛い。
モモちゃんがすぐ泣いちゃって神様ロンちゃんをつくりだしてくれて
ありがとうっていうのもわかる。そういう二人なんだなあと心から
応援したくなる。そういう二人の、ありふれた日常の奇跡が素敵だった。

先輩刑事の甚呉さんもいいキャラだ。ヤクザがらみでぼっこぼこに
されるしロンちゃんは一課の刑事らしいけど、マンガめいたアクション
なんかはないのも落ち着いててよかった。
やっぱおっさんが最高だ。
ロンちゃんは最初24とかだけど、ちゃんと真面目で落ち着いてて
すごく可愛くてよかったー。
えろしーんもそれなりに。最初こそひどいけど、でもあんまりひどく
ない感じなのはモモがうまく描かれているんだなーと思う。
あとバスルームでのあわただしいのもとってももえた。ロンちゃん
可愛い。
満足しました。

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『POLLINATION』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

『POLLINATION』(木原音瀬/ビーボーイノベルズ)

外科医、谷脇の勤務する病院に急患として運ばれてきた少年、佑哉。
精神科の医師から頼まれての診察だった。佑哉は自閉症だった。
 
前々から名前は知っていた木原音瀬。このはらなりせ、って読めない
名前の著者だった。
で、これ、実はシリーズものだそうで、この前に2冊あるんですね。
『WEED』『FLOWER』とあって、これが完結なんだって。
あー。知らずにこれを読んでしまった。単独でも読めるようにはなって
いるみたいで、谷脇に過去がなんかあるなあとは思ったけれども、
普通に読みました。
 
15の少年に手を出す勤務医とかいきなりな感じだな~~と思ったけど
シリーズ読み通してるとすんなり納得するのかな。

ともかくこんなテーマでBLやってるのか、というのがびっくりだなあ。
評判として、重い痛いようなお話を書くらしいとは思っていたけど。
自閉症の少年の無知につけこむ医者って。でもそれをちゃんと読ませる
のが凄い上手いなあと思う。
が、えろしーんをえろしーんとして楽しくは読めなかったさすがに。
いや愛だねとは思ったんだけど。
佑哉側からのお話も入っていて、それもやっぱり、愛だろ、とは思った
けれども。でも、どうしても、それ本当に? と、思ってしまった。
都合よく書いてるんじゃないかなあ。もちろん私には自閉症のことは
詳しくはわからないしもちろん自閉症といっても人によっていろんな
感じだろうし、作者はちゃんと真摯に書いているのもよくわかったけど。

子どもとか、こう、物事をよくわかってない病気の相手に、とかいうのが
ちょっと私はダメなんだなあ、と、たいへんまっとうな禁忌を持っていた
のか自分、と自分に驚く。
子どもっつっても、例えば風木のジルベールみたいな風だとちゃんと
分かってきている感じまで描かれるので好きなんだけど。
 
それと大学に行った佑哉にボランティアサークルの友達ができて、と
いうエピソードもかなりつっこんで描いてるなーと思った。責めるでも
なく冷静に描いてると。ボランティアなんて気軽に言っちゃった時の
自己満足欺瞞とか。難しいとこにちゃんと踏み込んでちゃんと冷静なの
凄いなあと思いました。

んー。やっぱ子どもにこういうせっくすはどうかなー。それだけちゃんと
佑哉のことを人間的に描かれているからこそそう思ってしまう。上手い
のが逆にえろいとこにはそぐわなーい。谷脇、ちゃんと考えていってね、
と思いました。愛だけど、でも。がんばれ、と思ったよ。

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『フリント船長がまだいい人だったころ』(ニック・ダイベック/ハヤカワポケットミステリ)

*具体的な内容、結末まで触れています。


『フリント船長がまだいい人だったころ』(ニック・ダイベック/ハヤカワポケットミステリ)
 
ロイヤルティ・アイランドは漁師の町。ワシントン州の半島にある小さな町。
冬にはアラスカへカニ漁へ男たちは出てゆく。妻と子どもたちはひっそりと待つ。
その町でただ一人本物の金持ちであるジョン・ゴーンド。カニ漁船は彼のもので
彼の先見の明によってこの町は成り立ってきたのだ。
そのジョンが死ぬ。
息子リチャードは、これまでアラスカに行ったことも漁に出たこともない。
跡を継ぐのか。どうするのか。
その時14歳だった少年カル。28歳になったカルの回想として物語は始まる。
 
タイトルの「フリント船長」は『宝島』の悪党、海賊。カルが子どもの頃夢中に
なったお話で、もっと、と父にお話をせがんだ時に、父がでっちあげに「フリント
船長がまだいい人だったころ、」と様々にお話を聞かせてくれていたのだ。
誰だって最初から悪人じゃない。いい人はどうして悪い人になってしまうのだろう。
いつ、どんな風に。何が、悪いことなんだろう。

青春ミステリ、ということらしいこの小説。
全体にとても静かで深い喪失感に満ちていた。
その頃の町の人々、カルの家族のこと、ひとつひとつ丁寧に語られている。
最初は退屈にも思えるエピソードの積み重ね。
カルが、大人たちの秘密、犯罪を知ってしまったときから、読んでいてずっと
苦しかった。切なかった。苦しくて読むのをやめられなくなってしまう。

はじめ、父親たちが、リチャードを殺してしまったのだと思った。
しかし、リチャードは地下室に閉じ込められていた。カルの家の。母がこもって
結婚の時にもってきた大量のレコードを聞く部屋に鎖でつながれていた。
この小さな町に馴染めなかった母親。父との不仲。父が漁に行ってから、母が
出て行ってからからっぽになっていたはずのカルの家。
あずけられていたジェイミーの家からこっそりもどってかすなかレコードの音を
聞いてしまうカル。地下室に母がもどってきていると思ったのに、いたのは、
リチャードだった。

ジェイミーと仲良くなる14歳らしい遊びと孤独の日々。リチャードと目の前の
問題を見ずに親しさを増してゆく地下室の日々。トランプ。レコード。
楽しいその日々がいつまでも続くわけはないとわかっているのに。その楽しさを
読みながらずっと苦しかった。

ついに、リチャードを逃がそう、と、決めたのに。
カルのその後の行動も、そしてどうなってしまったのかも、混乱する。ああ、と
思う。そうしてしまうのもわかる気がする。わからない気もする。苦しい。
14歳の少年。

父親たちだって、本当にリチャードを殺してしまえるかどうか、最後まで
戸惑っていた。誰も、最初から悪人だったわけじゃない。だれも。

小さな町の閉塞感とか、そこに馴染めないよそからきたカルの母の感じとか
町のことしかしらない住人たち、一人都会の大学へ行って覚悟の定まらない
リチャード。そのみんなの感じがすごくわかって、そういうのも苦しかった。

著者はこれがデビュー長編作だそうで。すごいなあ。まだ若いみたい。30代
になってるのかな、なってないくらいかな。
著者の父もまた作家で、有名らしい。スチュアート・ダイベック。私は読んだ
ことないのですが。
2012年発表のこれ、すぐ翻訳されたのね。「鮮烈なデビュー作」とある
とおりだと思う。読み終わってからもずーっと考えてしまう。それしかなかった
のか。どうすればよかったのか。もう二度と戻れないことを考えてしまった。
とても面白かった。

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『二重自我―ドッペルイッヒ』『冥罰―リトリビューション』 スタンレー・ホークの事件簿(山藍紫姫子/角川文庫)

『二重自我―ドッペルイッヒ』『冥罰―リトリビューション』 スタンレー・ホークの事件簿(山藍紫姫子/角川文庫)
 
年末に4が出ていたのを知って、あれ、3がいつの間に出ていたのだ、と
慌てて二冊購入。せっかくなので1からまとめて一気読みしてみた。

『二重自我―ドッペルイッヒ』
 FILE6 二重自我―ドッペルイッヒ
 FIKE7 収集家―コレクター

『冥罰―リトリビューション』
 FILE8 冥罰―リトリビューション
 FILE9 好奇心―パンドラ
 FILE10 呪いの骨

FILE8くらいまでが続いているお話だった。9で一応終章って感じか。
「呪いの骨」は時間あいて書かれた別立ての短編らしいし。もともと
1997年のもの、「呪いの骨」が2002年。どっちにしろ昔だなー。
懐かしい感じ。BLというより耽美小説といいたいところ。

超絶美貌の警視、アリスター・ロスフィールド。アリスティア。
死者や残留思念との感応能力や微かな予知能力がある。必ずしも思い通りに
感応できるわけではない。その能力で自身も深いダメージを受ける。
精神科医のジンが全身全霊をかけてアリスティアを守る。
刑事であるスタンレーはロスフィールドに感応し、恋し、三人での奇妙な
三角関係となる。

事件はけっこう凄惨で、ミランダかわいそうだったなあ。
んが。
まーその、警察小説的モードで読みかけてしまうんだけど、すると
なんかきみらやってばかりじゃなくて捜査しろよそんな能力頼りじゃなく
スタンレーあんた刑事だろ現場たたき上げだろーやりまくってないで
捜査しろ!とつっこみたい(笑)
まあ、違うのよこれは耽美小説よ、と思いなおしながら読まないと。
一応警察で警視やら刑事やらで連続殺人事件だったりしてるからちょっと
困る。

目の前で犯されるアリスティアを自分も負傷しながら眺めて興奮するジン
のド変態っぷりが素晴らしい。アリスティアの幸せのために、とスタンレー
ひっぱりこむのも。嫉妬にかられて冷静に無茶苦茶するのも素晴らしい。
三人ともにあっちでもこっちでもやっちゃってるのも素晴らしい。
最近のBLをあまり読んでないけど、たぶん最近のっておおむね一対一での
絆、ハッピーエンド、みたいになってるんじゃないかなーと思うので、
こういうのはもう昔懐かしならではなのかなあ。
三人でやっていくっていうのはなかなか素敵だなー。常に嫉妬と独占欲と
同志的な愛もあって。アリスティアにはどっちも必要、っていうのがあって
ジンはそのためならなんでもする、ってなって、スタンレーも惚れてしまった
からには受け入れるしかない、と。
このままいいバランスでいくのもいいかと。三角形の頂点にアリスティア、
下の角二つにジンとスタンレー。安定してる。

事件的には物足りないことこの上ないし、アリスティアの幼少期とか、
一族のなんかめんどくさそうなとことか、もっとたっぷり描いて欲しい~
もっと、と、物足りない感じいっぱいだけど。
ふわふわと気持ちよく読むには面白かった。

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『アイ・コレクター』(セバスチャン・フィツェック/ハヤカワポケットミステリ)

*たぶんネタバレになっているかも。

『アイ・コレクター』(セバスチャン・フィツェック/ハヤカワポケットミステリ)
 
ベルリンで起きている連続殺人事件。
子どもが攫われ、ゲームが開始される。45時間後に子どもは死ぬ。探せ、
見つけ出せ、と父親にせまられるのだ。
子どもの左目は抉り取られて発見されるため、「目の収集人」と呼ばれ
恐れられていた。
元ベルリン警察官、今は新聞記者のわたし、ツォルバッハは、事件を追って
いたが、犯人の罠で容疑者とされる。
目のみえない女性物理療法士と協力して、真犯人を追い、子どもを救うこと
ができるだろうか。
 
ドイツかあ。あまり読んだことがないかも。
著者はすでにベストセラーがいくつもあるようだけど、私は読むのこれが
初めて。この作品は2010年のものだそう。日本での刊行2012年ね。
面白かった。
章立てが、エピローグ、最終章から始まってだんだん小さい数字になって
いくようになっている。プロローグ、序章で終わる。
最初のうちはなんでわざわざそうしているのかわからなくて気にせず
普通に読み進めていくのだけれど、最後になって、う、そうなのか、と、
愕然としてしまう。この本が終わる時が始まる時なのだ。
翻弄されるツォルバッハが気の毒。。。
謎解きというか、本当の犯人は誰なのか、というのは私は途中でわかる
ことはなくて、なかなかびっくりもした。
後半、残り時間との戦いになるとハラハラドキドキの緊迫感たっぷり。
終盤はやめられないとまらないの一気読みになった。読み始めの頃は
状況が把握できなくて時間かかった。

ヒロイン、というのか、目のみえない女性、アリーナ。物理療法士。
彼女には特殊能力があって、時々フラッシュバックのように相手の
過去?記憶?見たもの?が、見えてくることがあるという。

えー。エノキヅさんなのかっ?とその辺は少し微妙な気分になりつつ。
まあエノさんとは違うみたいでした。
 
犯人の罠のひとつとして、ツォルバッハに協力することになる。彼女の
患者として偶然目の収集人がやってきたのだ。マッサージの時に彼に
触れたとき、その犯行を「見て」しまったという。
その能力、もともかく、目が見えない人のステレオタイプみたいなのを
極力なくそうとして描いているのは読みどころかも。実際に目の見えない
人へのアンケートやインタビューなどの協力を得て、リアルな人物造形を
しているらしい。でもほんとうに目が見えない世界というのはわかること
はできないんだけれど、少し、想像を広げることができる。
盲導犬?介助犬?もいて。名前が「トムトム」というのが可愛い。ドイツ
でもやっぱりそういう可愛い名前つけたりもするのね。
彼女が「見た」ものがなんなのか、わかった時の絶望が凄い。
ぞくぞくきた。面白かったよ。
 

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『窓、その他』(内山晶太/六花書林)

『窓、その他』(内山晶太/六花書林)

著者第一歌集。
 
去年出たもの。読んでいたけれども日記書いてなかったな。
すごくいい、という評判をたっぷり見ていたので、すごくいいに
決まってるのだろうなあと思いながら読んだ。なるほど。
とてもきれいでした。
やさしいし、美しい。綺麗という言葉が実によく似合う歌集だと
思います。いいなあ。
反吐とか嘔吐とかいう言葉が使ってあっても、歌として綺麗に
できあがっているのね。
なにもかもがこんなにも静かに綺麗に出来上がっていていいのか、
と、問い詰めたい気もしないでもないけれども、そういう風に
しずかにこつこつと歌を続けてこられたのですね、と思う。

歌をつくりはじめて二十年だそうです。すごいなあ。近作を中心
に、およそ十年間の歌357首。現代に普通に生きて暮らしている
一人の男性の姿がごく淡く見える。でも、一人の男性の姿という
よりは、歌だ。綺麗な歌が並んでいる。読んでよかった。
 
いくつか好きな歌。
 
  観覧車、風に解体されてゆく好きとか嫌いとか春の草
 
  野良猫のしずかな嘔吐、生きてゆくことのしずかな循環として
 
  わが死後の空の青さを思いつつ誰かの死後の空しかしらず
 
  カーテンはひかりの見本となりたれば近寄らず見つ昼のなかほど
 
  日雇いアルバイトの指先がひとつずつケーキに苺を置いてゆく夜
 
  ひよこ鑑定士という選択肢ひらめきて夜の国道を考えあるく
 
  ジオラマのなかにちいさき遊園地未来永劫死亡事故無し
 
  麒麟二匹やさしかりけり中空にひとつひとつの脳を捧げて *ルビ(なかぞら)
 
 

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2012年の自分まとめ。

2012年の自分まとめ。
 
本は91冊。映画は31本見に行ってました。

これは日記の分のみなので、本はもうちょっと多い気がする。感想まめに
書かないとなー。とはいえ、100冊程度というのは少なめ、かな。いや
最近はもうこんなものか。2012年は海外ものを結構読んだ感じだ。
 
今年の最初の頃だったのね。ススキノ探偵シリーズ読んだのだった。
それから黒川博行さんの疫病神シリーズ(っていうのかな。あれ)。
面白かったなあ。
高村薫の昔のから読み出していた。でも力尽きて止まってる。。。新刊を
読みたいけどその前に前のを、と思って。あれはなんだろうなあ。私には
毎回どっときすぎて、どんどん次読むぞ!ってほどの勢いがつけられない。
もちろん大好きもちろん物凄く面白いと思ってる。物凄いすぎてなかなか。
 
で、5月からはル・カレだー。幸せな読書したと思う。よかった。
フリーマントルのチャーリー・マフィンは止まってしまったけれども、
んーまあいいかなというところ。

映画もドラマも最高だったシャーロック、で、ドイルのを読んだのも
楽しかった。これもあと一冊。近々読みきってしまおう。

映画は二回見に行ってたのをわざわざ日記書いてたのが2つ。
「裏切りのサーカス」と「J・エドガー」。かなり幸せだったな。

振り返ってみると、2012年の読書、映画は、とっても楽しくて幸せな
一年だった感じです。
2013年は、買った本をちゃんと読もう(^^;
そしてまた楽しく夢中になれる本との出会いがありますように。

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