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『死せる獣 ―殺人捜査課シモンスン―』(ロデ&セーアン・ハマ/ハヤカワポケットミステリ)

*具体的内容、結末まで触れています。


『死せる獣 ―殺人捜査課シモンスン―』(ロデ&セーアン・ハマ/ハヤカワポケットミステリ)
 
コペンハーゲン警察殺人捜査課課長、コンラズ・シモンスン。
娘との休暇中に呼び出された。
学校の体育館に、吊るされた5人の男の死体が発見されたのだ。

捜査がすすむ前に、新聞社が犯人からの動画を公表した。被害者は
小児性愛者。世論は犯人よりも被害者への嫌悪一色に染まった。
犯人逮捕への協力が得られず世論からの逆風の中、刑事たちは懸命
の捜査を続ける。

デンマークでの子どもへの性的虐待のデータみたいなのが作中で
出てくるのだけれども、かなりひどい。どのくらい本当なのかわから
ないんだけど。そして世界各国でどうなのかよく知らないんだけど。
おぞましい殺人事件を捜査し犯人を追い詰め捕まえる!という単純な
警察の正義がまるでない状況が続いてなかなかつらい。
殺人犯たちのほうが悪い、と、思えなくなる。殺された奴らの酷さが、
子どもを性的虐待するものたちの酷さが辛い。
かといってヒステリックに小児性愛者への一方的暴力ってのもダメだ
と思うんだけど。
警察の中でも犯人逮捕へ一丸となれない、刑事たちもノイローゼっぽ
くなっていくのが辛い。
首謀者のピア・クラウスンは仕組んで、自分はさっさと自殺しちゃう。
だから最終的には本当の犯人は捕まえられないしー。
子ども虐待するやつら思い知れ!という主張、こんなやり方ではなく
声をあげることはできなかったのか。こんなやり方だからこそ世論を
激しく動かしたとも言えるし。重くて難しい問題だ。。。
 
キノボリを捕まえたあとのシモンスンの、トラウマえぐるような
やり方も辛いし。シモンスンも娘を脅迫のだしに使われたという怒り
があり、事件に捕らわれすぎておかしくなりつつあり、みたいなこと
でもあり、なのだろうけれどもー。でもー。
いろいろかなり辛かった。

登場人物では、まだ少年ぽいらしいギークらしい、マーデ・ボールプ
くんが可愛いのかも。007のQを連想。
女伯爵、って呼び名もなんだかどうなのと思うわ。お嬢ちゃんな
パウリーネは、なんかもっとしっかりしなくていいの?と思うわ。
大丈夫なのかコペンハーゲン警察殺人捜査課。がんばれシモンスン。
シリーズですでに三作出ているらしい。次が出たら読むかなあどうかな。
ぜひまた読みたい!ってほどではないかも。

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大河ドラマ「平清盛」

一年を振り返るっていうのはあまりしないほうですが、今年は大河ドラマに熱中
したので、ぺろんとした感想書きます。
 
低視聴率だとかで、何故だかやたら叩かれた印象のある大河ドラマ「平清盛」。
画面が汚いだののイチャモンつけられたりしていましたね。王家という言い方で
もめたり、という始まりだった印象があります。わかりにくいだとか。
しかしツイッターでは大いに盛り上がっていたようで。熱心なファンになった人
と、そもそもどうでもいい人との差がくっきり出た作品だったように思います。
 
私は日本史にはまったく詳しくありません。義務教育レベル。それも遙か大昔で、
もう学生時代の記憶は曖昧。(高校の時は世界史→政経だった)
平家物語を通して読んだことはありません。古典の授業なんかで始まりのあれは
知ってる、程度。「耳なし芳一」とか?くらいのことしか、平家物語へのイメー
ジはありません。
あー、あと大河ドラマファンというわけでもありません。好きな大河ドラマは
いくつかありますが、大河ドラマへの思い入れって別にないです。

「平清盛」が始まる時に、松山ケンイチが出ていた何かの番組で、ゴットファー
ザーみたいなドラマになるんだ、という話を聞いてやってみようと思って、と
いうような話をしていたのを見た覚えがあります。
へー。と、それで私の中のイメージはできました。平安時代末期のゴットファー
ザーか。予告などを見ると海賊王かよワンピかよパイレーツ・オブ・カリビアン
かよ、とかなんだか可笑しい。確かに画面は汚かったね(笑
 
始まってみると、いろいろつっこみながら笑ってみるのがすごく楽しかった。
ジャンプだ、少女マンガだ。原作マンガで実写ドラマ化、という雰囲気に思う。
すべってるコントだとか、宮中のどろどろはまさに昼ドラのアホくささ満載。
素晴らしい!!!それらをドシリアスにたたみかけてきて、飽きない!
そしてイケメンパラダイスじゃないですか~。俳優陣みんなみんなみんな!!
すっごーーくかっこいい!痺れるねえ。

前半は一人少年ジャンプで青臭いアホの子ども清盛が大騒ぎして。がっしりと
支えるパパ盛中井貴一が素晴らしかった。
中盤は戦い。友情ごっこしたい清盛と、負けられないと生き急ぐ義朝玉木宏が
すばらしくかっこよかった。
後半は没落と崩壊。ダークサイドに堕ちてダースベイダーというかシスの皇帝
と化す清盛の姿に痺れる~。

登場人物みんなの個性が強烈でたまりませんでしたね。
山本耕史の藤原頼長。悪左府だとかって、知ってる人は知ってるキャラだった
みたいだけど、私は知らなかった。お歯黒、眉は麿なのに、強烈にかっこいい!
しかも男色全開!きゃああ。参った(笑
宮中ではまずもののけ白河院が怖すぎてたまらず。よろよろの鳥羽院とか、
あまりにも儚く哀しい崇徳さま。儚い天使の新、怨霊となる新の怪演、両方
見ることが出来て幸せでした。
終生清盛と遊びたがる困った後白河くん。松田翔太きれいで凛々しくて駄々っ子
で素敵だったなあ。
ナレーション頼朝なのか、と、始まった頃は違和感だったけれども、だんだん
終わりになるにつれ、ヘタレ若造が源氏の復活へ向かうにつれ、ああ、遠くに
いた頼朝が武士の世を継ぐものに、という感動とともに納得。岡田将生くんの
きれいな顔が素晴らしかった。あのキャラはあのきれいな顔じゃないとダメだね。
義経が神木くんってのも痺れた~~。なんという眼福兄弟。義経と弁慶は、よく
あるイメージどおりの典型かと。でもそれを直球ど真ん中で見せ付けた。痺れる。
後半のほうは、終わるのがもったいないこのキャストで鎌倉までやってーという
願いを見たけど、ほんと、このまま来年は北条政子です!というので続けて欲し
いくらいだった。
杏の政子たんが強力で素晴らしかった。
深田恭子の時子ちゃんも。夢見る文学乙女から、一族滅亡で海へ沈むところまで、
見事に可愛くうつくしく凛として素晴らしかった。
謎の便利キャラ西行も。最初は中の人、最後は外の人、として清盛の世界を見る
ものだったのかなあと。爽やかイケメンな西行素敵だった。

清盛の友としてライバルとして、義朝。玉木宏のいい声にうっとりしまくり。
東武者としてたらし男なのも、悲劇の王子として崩れていくのも、ほんっとに
かっこよかった。玉木くんの熱演名演。役者として成長したんだろうなと思う。
松山ケンイチをライバルとしてがんばらないと、みたいな話をしていたのを
見たけど、ほんとにそうやって現場は熱かったのだろうなあと想像。いいなあ。

そして清盛。松山ケンイチは、もともとなりきり系で上手い役者さんだと思って
いた。アホの子の少年期から、ダークサイドの老年までお見事でした。
いろんな顔を見た。ずっとずっと。大河ドラマ「平清盛」。本当に、清盛という
一人の男のドラマだったなあ。清盛の人生を一緒に生きた気分になったよー。
「平家物語」じゃないんだよ。平家一門を愛するゴットファーザーのドラマ。
ぷくぷく若々しい時から、げっそり老人となった時まで、よく演じてくれた。
もちろん老人メイクの技術すごいんだろうけれども、迫力も眼光も、凄かった。
堂々たる主役だったねえ。

お話づくりも面白かった。
最初の頃、バカバカしく笑ったシーンが、後半回想されると、きらきらと眩しい
若き日々だった、と、苦しく切なくなってしまう。そうだよ。若い頃って馬鹿だ
もんなー。一年という時間を重ねるドラマだからだなあと思った。
そして世代交代してゆくこと。これも時間を重ねてゆくからこそだなあと。
父の世代、清盛たちの世代、その息子たち。時代は変わり、受け継がれるもの、
滅びゆくもの、その移り変わりがよく見えてとても面白かった。
最初汚い汚いといわれていた画面も、平家栄華の日々との対比として、あれで
よかったじゃないかーと思う。

平安末期、という時代もね。史実的にどーこーは私は知らない。ドラマなの
だから、それなりの説得力があるなあ程度でいいんじゃないのと思う。だって
本当にその時代を知っている人なんてどこにもいない。歴史学者でも、文献等
でしか知らないわけで。このドラマの中で彼らは生きていた。それで十分満足。
みんなすっごくかっこよかった。

平家滅亡、という結果は知っているわけで、後半になってからはなにかと悲劇
への序章という感じがたまらなく切なくてねえ。面白い。歴史のドラマって
そういうことかなと思う。後世生きるものからは、その時々に起こったことを
あとから因果関係つけて見られるけれど、実際には、何がどうなってゆくか、
わからないんだよね。そういう、ああーだめだーやめてー!というハラハラを
存分に味わいました。

一年、毎回凄く楽しみに、日曜の夜の盛り上がりをありがとう。役者って
かっこいいなあ物語作りって面白いなあと、たっぷり満喫しました。

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『喪国』(五條瑛/双葉社)

*結末まで触れています。


『喪国』(五條瑛/双葉社)
 
日本にやってくる外国人は増える一方。正規の入国も、不法な入国も。
日本人と多国籍との対立は深刻化し、あちこちでくすぶる火種は、
ついに燃え上がる時を迎えた。
 
革命を起こさないか。という囁きで始まったこの物語。
シリーズ10作目、ついに完結。連載12年だって。長いなあ。でも
ちゃんと書き続けられて、ちゃんと完結を迎えた。とても寂しいけれど
とても嬉しい。五條さん書き続けてくれてありがとう。双葉社さん
出し続けてくれてありがとう。

ということで、今までのあれこれの火種が爆発した今作。
ここにきてまだ新しい登場人物がー、とか思いつつ。戦時下での密約、
その果て。莫大な金を手にしたサーシャ。でも、それが目的だったわけ
じゃない。サーシャが欲しいのは今はもうないもの。切ないわー。

計算された革命。天秤のバランスをとること。日本という国を守ること。
その革命の果てに日本はどうなるのか。
変わった、ようでもあり、これからまだどうなっていくかわからない、と
いうことであり。
今までのあれもこれも、いろんな、本当に沢山のことが絡み合いいろんな
決着がつき、また広がり。
世代交代してゆく完結編だった。素晴らしい。サーシャが、戦時下の傑物
たちが撒いた種の広がりがあり、一旦終わり、そしてまた開かれるという
この終わりにとても納得。

たくさんの人が死んだ。
彫翔は大川と櫂の決着を見届けることができるのだろうか。というかほんと、
大川死んでくれ。たまらんねえ。ぞくぞくきた。大川は凄まじい。亮司に
手を出しかけたときには震えたわー。
リャンは、それでも亮司の腕の中で死を迎えて幸せだったろうか。
パイトゥーンは死ぬつもりはなかったろう。死にたかった鳩が生き残って
しまった。裏切り者の血、なんてこだわらなくていいのに。泣いちゃう。
井口やモーリンの側で穏やかに生きる道を選べないのか。選べないんだと
わかるけど。でもどうか。この先も、彼らのことは、すみれやキラ含めて
どうか、彼らのことだけは、裏切ることなく生きてくれ鳩。
長谷川の後継者は日本人じゃなくなったわけだけど、受け継がれていくのか。
向季はついに堂々たる後継者になったけど。でも、いくら田沼がいても向季
一人になっちゃったのでは。
でももうその密約、その運命は、消えて新たになるってことかなあ。
すみれやキラは新しい世界をつくることができるだろうか。
日本は、軍を持つことになるだろうか。
日本の革命は、革命足りえるのか。
田沼の子どもが変わりゆく日本に戻ってくる。世代交代。その子どもは、
日本をどう見るのか。どう生きる子どもになるのか。
痺れる~。
 
そして!亮司ー。みんなに愛されまくりな亮司。よかった最後までサーシャ
の手を離さなくて!
最後までハラハラドキドキで読んだ。亮司がサーシャの手をちゃんと掴んで
ゆけるのか。よかった。よかった。よかった。
二人で穏やかに暮らしなさいよ~~~~。
サーシャには無理だろうけど~わかってるけど~~。
サーシャが手にした莫大な秘密の金。サーシャが狙われ追われることになる
のか。それとも新たな動きを仕掛けるか。
  
  「―革命を起こさないか、この国に。誰も計算できない本物の革命を。
   今度こそ、本当の革命を」
 
うっとり。
亮司は断らないだろう。サーシャが見たい夢のためなら。
愛だろ愛っ。なんかものすごく愛の告白なこと喋ってたような気がするなー。
それに、サーシャの亮司の扱いもねー。いつも抱えきれないほどの花束。
それに好みの甘いもの持ってく、なんてねー。もう完全にらぶらぶすいーと
はにーへの扱いでしかないじゃないか。なんなの花言葉「愛の絆」とか!
亮司がああいう話したりしちゃったりしてるからまたそういう意味だった
けども、でもでも、愛の絆持ってくとかもう、どんだけ!二人はもう離れない
でらぶらぶいちゃいちゃすればいいじゃない!
まー、サーシャが落ち着けるわけないんだろうけどなー。 
 
サーシャの生い立ちもあり。始まりだけはすみれと似てるのかも。辺境の地で
見出され、教育を受け才覚を現し、祖国への忠誠心だけが絶対で、他のものへ
の執着の一切を許さない。
なくなってしまった祖国だけを愛してる。
もう決して取り戻せないものを。もうどこにもないものだけを欲してる。
夢、を。絶対に手に入らない夢を求めてる。
亮司、やっかいな男を愛してしまったね。がんばれー。サーシャ、亮司の
ことだけは格別にめずらしくお気に入りなわけだから。サーシャの初めての
執着ってことかなー。にまにま。妄想がとまらない。素晴らしい~。

面白かった。
読み続けてきたこの10年、12年か、ずーっと面白かった。幸福な体験だった。
文庫も読み続けているので、文庫での完結までまだしばらくは余韻に浸りまくる
ことにする。この前の文庫書下ろしは、根岸だったね。根岸と和田の息子、か。
そのへんもぞくぞくたまりませんね。今後の文庫に書き下ろしはつくかなあ。
楽しみ。大好き。面白かった。

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中ザワヒデキ展 脳で視るアート

中ザワヒデキ展 脳で視るアート
 
武蔵野市立吉祥寺美術館、行きました。
以前から名前は聞いている人で、どういうのなんだろう?と思ってました。
脳で視る???
 
「灰色絵画」といっても、シアン、マゼンタ、イエロー、ってくっきり
鮮やかな赤青黄色で、この粒子を細かく混ぜれば灰色、らしい。
インクジェットプリンタとかそういう仕組みだっけか。。。と、脳内で
その色細かくして混ぜるイメージ。んー。よくわからないけど。
 
碁盤とか、セルとか(配色変えて同じセル(細胞?)の絵が。可愛かった)、
赤と青のセロファン通して視る懐かし3D。
セルの、真っ赤赤単色のが好きだった。目に痛いほどの赤。たっぷり厚塗り
で盛り上がってて。
 
びっくりするのは、脳波ドローイング。脳波計測?の、あの波形を、
意図的に出すようにして描いた、のだそうです。描いた、かなあ。意図的
に形出したわけだから、描いた、で、いいのか。脳で描いた波。
脳波、で。
何故ー???
なんなんだかわからない。可笑しくて面白かった。
 
芸術とかアートとか私はわからないのだけれど。なんなんだ、と、自分の
認識がぐにゃ、となるような奇妙とか綺麗不思議素敵かっこいい、という
のが、好き。なんかこう、こっちを揺すぶってくれるのがいいなあと思う。
この展覧も、なんなんだ。。。とわけがわからなかったのよかった。
ご本人の写真見るとやっぱり個性的な感じ。
手にしていた本は『本格小説』だった。その本好きなのか、見栄え的に
選んだのか。不思議。
関連イベントで展示変えとかいろいろあるみたい。行けたらいいなあ。

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映画「砂漠でサーモン・フィッシング」

*結末まで触れています。

映画「砂漠でサーモン・フィッシング」
 
水産学者であるアルフレッド・ジョーンズ博士のところへ一通のメールが届く。
イエメンの大富豪が、イエメンで鮭釣りをしたいとのこと、財産管理の仕事を
しているハリエット・チェトウォド=タルボットからのメールだった。
砂漠に鮭?無理ですありえない、とにべもなく断りの返事を出したジョーンズ
博士だが、そのプロジェクトに英国政府が後押しをかけた。中東との紛争を
抱える英国がなんとかイメージアップを演出できる「明るいニュース」だと
いうのだ。首相広報官パトリシア・マクスウェルの強引な邁進。
実際、シャイフ・ムハマンドに会ったジョーンズ博士は、単なる大金持ちの
娯楽ではなく、国に緑をもたらしたいという壮大な願いに惹かれてゆく。
プロジェクトは着々と進んで行く。
 
ジョーンズ博士が、ユアン・マクレガーで、生真面目、堅物、冴えなくて
ユーモアのセンスもいまいち、役所でどうでもよさそうな仕事を地味にして
いる中年、です。
も~~~。そのサラリーマン姿。ふっつーーーなのにその普通~~~がいい!
ほんわかした。いいなあ。いいなあ。ユアンくんにサンドイッチ作ってもって
きてもらいたいよ!いいな~。

ハリエットは、軍人の恋人がいて、付き合って三週間で彼はアフガンへ配属、
戦闘中に行方不明との知らせがきて動揺する。
もともととってもバリバリさくさく仕事できる美人敏腕女子、でも、恋人の
そんな話を聞いて仕事が手につかず、泣いちゃったりして。
そりゃあジョーンズ博士も好きになっちゃうよね!もう!
二人のプロジェクトを通じての心のつながり、恋物語であるわけだけれども、
うんうんもう人生のパートナーになるしかないよね、と、すんなり収まる
ところへ収まりました。めでたしめでたし。
でも軍人の恋人、ロバートくんもとってもハンサムでさー。せっかく彼女の
ことを思いながら生き延びて帰ってきたのにー。可哀相だった。。。別に
彼に悪いところは何もない。軍人であるのが敗因だけど、そんなの彼の落ち度
じゃないのに!
帰国して恋人との再開!みたいにマスコミにのっちゃったろーに、あのあと
英国に帰って彼はほんと可哀相だなあ。。。まあでもハンサムだし、そもそも
付き合い短かったし、きっとまたすぐにいい子ができるよね。がんばれ~。

ジョーンズ博士は、若くして結婚したらしい。妻は何の仕事かは出てこなかった
けれど、なんかすごくバリバリキャリアっぽくって、ジュネーヴへ長期出張
なんかで、博士とはすっかり気持ちすれ違い。働く妻をちゃんと応援しなよ
支えなさいよ!博士!と思わなくもないけど、そういうことを相談もなく決めた
りする関係になってしまっている、ってことで、お互い思いやりがなくなり、と
いう状況なのかなーと。この映画視点だと博士が家のことを省みない妻に寂しく
て、みたいな感じだけど。まあもう、合わなくなっていた、ということね。
それは仕方ないかなあという感じ。メアリーのほうも博士への尊敬や信頼の
気持ちなくしていたし。日本だと男女逆の感じならものすごくよくある、よく
わかる関係だなあ。

とにかく大金持ちなシャイフ、かっこよかった。魚釣りがとても哲学的な
ことになっていたよ。でも、信じるってそうなのかもね、と、思わせるイケメン
っぷりが素晴らしい。
そしてシャイフの壮大な夢や行動力をよく思わない保守的なやつら?かなんか
よくわからないけど、なんか命を狙われてたり。中東ってあぶないわー、という
なんかそこはえらく単純な風に描かれてたけど、いいのか。ちょっと笑った。

首相広報官(だっけ)なパトリシア・マクスウェルの強引さも、でもなんか
笑っちゃってあんまり嫌味ではないのね。首相とのメール(?)のやりとりも
おかしいし。家庭では男の子四人くらい?の母親!というたくましさも好感。
いいキャラだった。

もしかしてこれ実話ベース?と思ったりもしたけど、フィクションだった。
小説原作なのね。
もちろん壮大なありえない計画。でもプロジェクトを進めよう、とすすんで
いく感じが淡々と着々としてて、オーバーなドラマチックさ!にしていない
感じが心地よかった。
ユアンくんも別にフォースの力で戦ったり窮地を救うなんてことはまったく
なくて(笑) 最後まで普通に生真面目博士だった。素敵。

ユアンくんは禿げなくていいなあ(^^)ジュード・ロウはなあ。。でも
ジュードくんももちろん素敵よ。
ごくごくふつうな、でもほんと夢の、ほんわか映画でした。満足。

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『烏丸ルヴォワール』(円居挽/講談社BOX)

*結末まで触れています。


『烏丸ルヴォワール』(円居挽/講談社BOX)
 
龍樹がこのたび請け負ったのは『黄母衣内記』という本を手にいれたい
綾織文郎の依頼。双龍会で有利になるよう情報集めに借り出される流、
御堂達也たち。
だが、持ち主綾織耕作の突然の死によって、事情は変わった。
相続人たる綾織繰子を引き取るための双龍会。
対する青龍師は、伝説的な龍師、ささめきの山月。流は山月の誘いに
のって、達也たちとは対立の道を選ぶ。
 
シリーズの2作目。
相変わらずみんなのもったいぶった台詞回し、仰々しい言葉の数々。
面白い、ってゆーか、うーん。まあいいけど、と思いつつ。
御堂くんの越天学園のころの、流との出会いみたいなとことか少し
語られたり。小出しに「戦い」ってのも明らかにされていくのかな。
流の過去の、龍師にあこがれたきっかけ?な、鳥辺野さんとの出会い
みたいなのもあったり。

私的裁判、双龍会は今回も次々語られてはひっくり返し、やっぱり、
実は、と、最後までどうなっていくのやらとひっぱられる。
んー。証拠よりは、より相手を説得しきったもの勝ち、というシステム
なので、この語りにのっていけるかどうか、で。私は、うーん、まあ
いいけど。。。くらいな感じでなかなか乗り切れない~。
事件としては、一応人一人死んでいるけれども、それについての真相、
真実は問わないのね。言いくるめたもの勝ちだから。結局なんで死んだ
のよ耕作さんは。うーん。語られてたっけ。忘れた。。。そのくらい
ひっくり返しが次々で、何が真相、とかはあまり関係ないという感じ。
私の頭が悪くてちゃんと記憶できてないだけか。。。
まあ、それはそれ、これはこういうお話だからというので、犯人が誰か
とか気にしなければいいのでしょう。
なんか、繰子ちゃんに夢を与えた、とかっていい話っぽいような終わり
になってるけど、うーん。いいの?
ミステリとかじゃなくて、キャラを楽しむ、語りを楽しむ、かな。
きらきらしいし、みんな美形っぽいしかっこいいけど、なんでかなあ。
今のところどーも私はこのキャラが好き、と、ハマれない。論語くんとか
美青年(美少年といっていいかどうか微妙かしら。18か19くらいか)
キャラなんだけど。まー基本的にみんないい子だからな。
華麗な絵で漫画化したらよさそうな感じね。決めポーズもあるしね。
 
次も出ているようなので予約中。捻り出てくるか楽しみ。

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永井祐 第一歌集『日本の中でたのしく暮らす』

永井祐 第一歌集『日本の中でたのしく暮らす』批評会 12月16日(日)

に、昨日行ってきました。
以下あくまで個人的覚書メモ。発言をきちんと把握できてなくて間違っ
てること書いちゃうかも。私の個人的主観でのメモです。

人数多かったです。130名くらいってことらしい。会場にも有名人が
いっぱいだわ、と思って怯む。時間がなくてというのはよくわかるけど
すごくわかるんだけど、でもせっかくいるのにー、会場からの発言が
あればいいのにー、と残念に思う。意見聞きたかった。二次会に参加
すれば聞けたのか、うーんでもやっぱりそれはそれで聞けない気がするし。
(参加できないし)
 
第一部パネリスト。
今井恵子、大辻隆弘、澤村斉美、瀬戸夏子  司会、斉藤斎藤

今井さんは一字空けに注目しての一首一首の丁寧な読み。近代短歌と
比較しながら。近代の短歌では凸の部分へ集約させていく感じだけど
永井さんのはあくまで相対化、流れてゆくものを歌っている、という
ようなお話だったと思う。

大辻さんはよくわかる親切丁寧な授業のようだった。さすが。時間
定点の多元化。近代短歌は過去、現在という時間を整序して歌うが、
永井さんの歌の時間は多元的、「現在」という定点がスライドして
一首できている、てなお話。日常的なナマな口語が新鮮、とか。
沢山の歌の引用と丁寧な指摘がとてもわかりやすかった。
  
澤村さん。永井さんの巻頭の歌の初出からの変化を紹介。「まぶたに
当たって」というのは始めは「まぶたを包んで」だったという。歌が
より即物的表現になっているという指摘。生活の細部、テレビ、文体
などについて。口語だけど定型との格闘のあとが見える、とか。
短歌的叙情を強烈に排除しているが、それゆえにアンチの叙情がある
というのに納得した。

瀬戸さん。文学の言語とは、というところから入って、なんか壮大。
舞城の引用があって、舞城好きなのでちょっとにやっとなったりしながら
聞く。<永井祐受容史>、だとかいう、永井祐現象みたいな話。
穂村さんの「棒立ちの歌」なんかのところは読んだことあるけど、他には
あんまり私は永井さんがどう読まれてるのか知らないので、へー、と
思いながら聞く。

  あの青い電車にもしもぶつかればはね飛ばされたりするんだろうな
  わたしは別におしゃれではなく写メールで地元を撮ったりして暮らしてる

有名ですねー。山田航さんの評論(?)の引用など。抵抗。抵抗になって
ないんじゃないの、と斉藤さん。

あと<新しい><男歌>? ということで、無意識の暴力、ずるいと
思うことがある、魅力と危険さ、などという発言は時間切れで残念。
短歌の世界ってジェンダーバイアスが強い、というのはまったくそうだと
思うので、このへんからの話をもっと聞きたかった。瀬戸さんにあと30分、
瀬戸さんと斉藤さんの対談でそこんところをあと45分、とか思ったよ。
それ聞きたいし面白そうなのに。

休憩のあと第二部。永井祐と二〇〇〇年代の短歌。
パネリスト、五島論、土岐友浩  司会、西之原一貴

ぞれぞれが、二〇〇〇年代に出た歌集のうち、一首永井さんの一首と
つがいに選んだ歌をレジュメにしていて、それを比較しながら話す。
盛田志保子、斉藤斎藤、澤村斉美、光森裕樹、雪舟えま、内山晶太、
瀬戸夏子の歌ひいて、永井さんの歌とつがいにしている。
なんか。
ゆるゆるとぎこちなくでも丁寧に細かくしゃべってる三人の感じが
よかったなあ。歌の共通項、違い、とかよくわかる。けどなんなんだ、
という気もした(笑)。これも、その話の行き着く先はどうなんだ、と
いうのをもっと、飲みながらあと3時間聞きたいよと思う。
それぞれの選んだ永井祐名歌三首。
先行世代とは違う、生きる空間の作り方とか、言葉の差異、価値への
敏感さとか、なるほどでした。
 
永井さんから挨拶。短歌を作り続ける動機は、短歌の不思議さ。
写メールで、という言葉はきっと死語になると思って、じゃあ「携帯」
(ケイタイ、かな)に変えてみると、歌が死んじゃう。動かなくなる。
音数は変わらないのにこの違いって、不思議。というような話を聞いて
面白かった。
短歌って不思議ですね。

そんなこんなでああもっと時間があればいいのにと思いつつ終わり。
ほんとに大注目歌人なのだなあ。

歌集読んでみて、うんほんとに口語だなあと思う。この淡々と直接と
歌に書いている感覚は共感もするしわかりやすくもあるし、でももちろん
そうぽいぽいやってるわけじゃないし、厳密に選んでいるし、なのだろう
なあと思う。ふわっと淡く、でも強い意志をもって歌にしてるのだろう。
この読みやすさわかりやすさ。うーん。でもトーンが同じになってて
どうなんだろう、とも思う。んー。不思議ですね。

いくつか、私が好きだった歌。
 
  月を見つけて月いいよねと君が言う ぼくはこっちだからじゃあまたね
  
  アスファルトの感じがよくて撮ってみる もう一度  つま先を入れてみる
 
  次はあの日付を楽しみに生きる そのほかの日の空気の匂い
 
  本当に最悪なのは何だろう 君がわたしをあだ名で呼んだ


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『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』上下(ELジェイムズ/早川書房)

*結末まで触れています。

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』上下(ELジェイムズ/早川書房)
 
アナは、ルームメイトである親友ケイトの急病の代理で、学生新聞の
インタビュアーをすることになった。大学への高額寄付者でもある非凡な
起業家クリスチャン・グレイ。思っていたよりずっと若く、完璧に美しく
優雅でセクシーなCEO。緊張し赤面し、なんとかインタビューをこなし、
もう会うことはないと思っていたのに、彼はアナのアルバイト先に不意に
姿を現した。
ひかれあう二人。だが、クリスチャンの望みは秘密めいていた。
 
ハヤカワが、女性向けエンタテイメンチ新シリーズ<リヴィエラ>と
いうのをつくったようで。「全世界の女性が熱狂するロマンチックで
セクシーな小説を毎月刊行!」だそうです。
えーとー。
ようするにハーレクイン?
ハーレクインを実際には読んだことないので、イメージなのだけど。
ウブで自分の魅力に自信がないバージンな、ほんとは美しいアナ。
うっとりするほどセクシーで美しくて優雅でスーパーお金持ちで若くして
成功者(27歳だってー)なクリスチャン。そんな完璧な男性に何故だか
愛され求められ、でも彼は危険な男。SM、かなりハードなSMを求め
られちゃって、困っちゃう迷っちゃう、っていう話。
初めてだから、最初は甘いバニラ・セックス。素敵最高感じまくるわ!
どうしてこのままじゃだめなのどうして支配し、支配されるという関係
に彼はこだわるの。彼のことを愛してる彼とのせっくすは最高なのに、
でもSMは無理、と、泣きながら別れを告げたところで、終わり。
どうやら三部作らしい。最後にはくっつくのか、別の男と恋愛重ねて
アナの成長物語みたいになるのかどうか、どうなんだろう。

んがっ。
まあその基本的にお互い相手の気持ちが分からなくて不安よどうしよう
とか言いつつも大好き大好き相性最高もういつでもどこでもやりたい
やりたいで、大体ずっとやってる話で、ロマンチックでセクシーって
そういうことなの~?(笑
早川のだから、なんかこうミステリ的だったりもしやSFへのどんでん
返し超展開があったりして?とか思ったけどそんなことはなかった(^^;
もしやこの後の三部作で何かある?いやないか。。。
ハヤカワのツイートに煽られて図書館予約してみたのだけど、うん、
素敵で面白く読み終わったけど、まあなんだかな。
美少年と美青年だったらもっと好きだな。でもふつうにそれ単なるBL
だしな。
個人的にはたぶんもう読まないシリーズ。
やっぱり出版社とかのツイート、リツイートに流されちゃダメだな(^^;

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『丸田町ルヴォワール』(円居挽/講談社BOX)

*ネタバレします。

『丸田町ルヴォワール』(円居挽/講談社BOX)

三年前、祖父の家で怪我の養生をしていた、中学三年生だった城坂論語。
うたた寝からさめたとき、ルージュと名乗る謎めいた女性と出会う。
会話したのはほんのひと時。心奪われ、だが彼女は何の痕跡も残さずに
消えてしまった。
その日、祖父が死んだ。
疑いをかけられた論語だったが、自然死であると認定され、うやむやに
なる。だが三年後、論語は双龍会で祖父の死について争うことになる。
論語の狙いは、ふたたびルージュに会うこと。

これが著者デビュー作だそうです。まどいばん、と読むのね。2009年。
京都大学卒業だそうで。この話の舞台も京都。京都ならでは、の舞台設定
でしょうか。
う~~~~ん。
京大系?ミステリ?なんかこう、森見とか、なんだっけ。そのへんとか。
清涼院流水とか西尾維新とかそのへんとも流れつながってる感じかな。
言葉遊びやら必殺技やら二つ名?なんかこう名前つけたりしながら戦ったり。
(*イメージです^^;)

私的裁判をする、ということで、龍師ってゆーのが弁護士みたいな。
あくまで私的、なので、科学捜査的なことはあまりなく、ひたすら言葉
による応酬で、言いくるめたもん勝ち、みたいな感じ。
私的って設定にしたことで、舞台は現代みたいなんだけれども、科学捜査
は一応圏外でただただ言葉を重ねていくレトロな対決を成立させている。
次々語られる真相はどんどんひっくり返り、最後のページまで、本当は
何だったのかひっぱりまくり。

しかしねー。なんなのそのまどろっこしさは!なんなのこんな回り道して
いろんな人巻き込んで揉めて結局初恋物語かよ!(笑)こうしなきゃ見つけ
られなかったというのはわかるけど、なんなのよそのピュア物語は!(笑)

まあ面白く読みました。美少年だし美女美少女だし、という感じはステキ。
でも流が実は女性、って明らかにされてからは個人的には興味激減。
あーまーねー。性別のミスリードとかありがち。そして個人的には女性キャラ
には興味ゼロ。ごめん私の偏った好みで。
というわけで後半はかなりだるい気分で読み終わる。

すごくひっぱるし面白く読みました。が、私の好みの問題です。
饒舌も言葉遊びも伏線もよくできていて凄いなあと思う。
言葉遊びも必殺技も、麻雀も二つ名も、うーん。私個人の好みの問題として、
つまらん。西尾維新とかも何冊かは読んだけどのりきれなかったんだよ。
このお話にものりきれなかった。論語くんのおしゃべりのくすぐったさがー。
ねー。んー。美少年なのはステキなので、続きも読もうかな。


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映画「悪の教典」

*結末まで触れています。


映画「悪の教典」

蓮実聖司は高校の英語教師。気さくな人柄で生徒にも教師たちにも
信頼され親しまれている。だが、その本性は、サイコパス。自分の邪魔
だと思えば、なんの躊躇もなく人を殺す。本性がバレそうになり、殺人
がバレそうになり、いっそバレるおそれのある生徒全員を、文化祭準備
で泊り込んでいる学校で殺すことにした。
 
黙々と身体鍛えてるハスミン。全裸になりまくるハスミン。英語ペラペラ
でヘラヘラなハスミン。伊藤英明の無表情よかった。
原作は未読。でもまあいっかなーと思う。サイコパスっていうのはどういう
のかっていうのはぼんやりしたイメージしかないけど。
んー。
一応社会で生きていきたいという欲求はあるわけなのか。だから邪魔になり
そうな人をさくさく殺していってる、のかなあ。殺人が楽しいってわけじゃ
ないようで。
まあ映画としては何も考えずにさくさくざくざく殺されていく様をポカン
と眺める面白さかな。生徒たちの殺されゆく熱演、一方淡々としたハスミン。
面白かった。

林遣都くんが、美術教師と相思相愛な同性愛な少年役で、もえた。
なんかそんなような役のイメージがついちゃってる気がするけどいいの
かしら。個人的にはとても素敵だと思うときめくけど。

最後、まだ新しいゲームを始めただけだ、と、狂ったフリしてたハスミン。
とぅーびーこんてぃにゅー、って終わったけど、続編があるってわけじゃ
ない、よね?

予告で見た「脳男」の生田くんもまた、感情がない、みたいな感じで
なかなか素敵そうだった。昔昔原作を読んだ気がする。けどあんまり記憶
ない。映画の予告でみるかぎり面白そうだけど、面白いかなあ。んー。
あれもサイコパス的な感じなのだろうか。んん~。でもやっぱり、感情なく
ただ殺すっていうのは飽きるな。なんかこう、ドロドログログロぐちゃぐちゃ
になりながら殺して欲しい。感情が欲しいと思う私は凡人だなー。

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『ブラックアウト』(コニー・ウィリス/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

*がっつりネタバレです。
 
『ブラックアウト』(コニー・ウィリス/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
 
2060年、オックスフォード大学の航時史学生の三人が、第二次世界大戦
時へタイムトラベルしていた。市民を観察するため。疎開児童を観察する
ため。戦時下の名もなき英雄を観察するため。
しかし彼らはそれぞれの場所でずれを経験し、オックスフォードへ戻るため
のネットが開かなくなるという事態に陥った。
何が起こっているのか?彼らは戻れるのか?
 
オックスフォード史学部のダンワージー教授のもとで学ぶ学生がトラベル先
で事件に、っていう、いくつかのシリーズ、えーとー私は全部読んだかなあ。
全部じゃないかも。
それぞれ別の話、で、共通してるのはダンワージー先生くらいかな。単発で
読んでも問題なし。
だけど、これ、つづく!だった!ええー。ここで終わり~~~!どうなるの
大丈夫なのどうなのどうなの。いやきっと「最後にはすべてうまくいく」
ことになるだろうきっと。たぶん。きっと。でもどうなるのーどうするのー
何が起こっているのおおおおー。続き『オール・クリア』は来年の4月に出る
予定だそうです。ぐぬぬ。そういえば2巻ものになるとかなんだっけ。でも
この一冊も京極なみの分厚さなわけで、一冊にしたのかな、と、勝手に思って
いたよ。。。甘かった。全然。『オール・クリア』はもっと長いらしいので
分厚くて上下巻みたいに出るらしい。
私これ図書館で借りたのだけれど。。。来年覚えてるかなあ。来年、ちゃんと
続きを無事に読めるかなあ。ああもう。しまったしまった。来年まとめて読み
たかったー。

最初こそまだるっこしくて、なかなかネットの降下点が見つからないとか
衣装が、とか、行くべき時代に行けたけれどもものすごい悪ガキに悩まされて
ばかりとか仕事がうまく見つからないとか、行くべき場所とのずれが大きくて
なかなかたどり着けないとか、じれったいもどかしいもうもうーなんでうまく
いかないんだもっとちゃんと下調べとかもっとちゃんとスケジュールとかっ、
とじれったくイライラしながら読む。
でもだんだん何かがおかしい。ネットが開かない。何故?もしかして?と、
じわじわした怖さを味わうころには学生にすっかり同調。はらはらどきどき
やめられないとまらないになる。さすがの上手さ。
なのになのに、やめられないとまらないのドキドキの真っ最中なのに!続く!
うわーん。
 
ポリーというのが、ロンドンのデパートで売り子として働きながら、防空壕
での人々の観察をしようと1940年にやってきた女の子。
1945年にも行ってるみたい。戦勝のときを見たことがある、らしい。
マイクルはダンケルク撤退を見にいこうとして、巻き込まれて引き上げ船に
同乗、足に怪我を負って病院でしばらく身動きできない状態になっていた。
メロピーはアイリーンという名前で、疎開児童を受け入れていた領主館で、
メイドとして子どもたちの世話にあけくれる。はしかにかかった子どもがいて
館はしばらく隔離されることになり、その後軍の施設として使用されることに
なり、居場所がなくなって、ポリーがまたいるかどうかロンドンへ行く。
ぞれぞれが、それぞれの降下点が開かなくなったので故障かと思い、誰か他の
降下点を使わせてもらおう、と、その時代に来ていた他の学生のことを思う。
ロンドンで三人会うことができたが、しかし、どうしようもなく何が起きて
いるのかわからないことには変わりなかった。
マイクルがダンケルク撤退で、歴史に干渉してしまい、そのせいで歴史が
変わってしまい、イギリスが負けるかも? 歴史が変わってしまい、未来が
変わってしまい、二度と2060年に戻ることはできないのかも?
どうしたらいい?
何ができる?
 
という締め付けられるような不安と混乱の中で、続く!
ああもうーー。どうなるのー。
 
途中、救急隊に入ったメアリとか、ゴムの戦車膨らませる新聞記者のセス
とか、これ誰? という話もあって、えっとー、そういうのも次にはわかる
のかなあ。どうなんだろう。私がわかってないだけか?うーん。
時代も場所もくるくる変わる。ようやく三人がロンドンで出会えた時には
ほんっとーにほっとした。
ポリーにだけデッドエンドがある、ということらしい。戦争に勝つ日を既に
見ているから。同じ時間枠に同じ人間はいられない、ってことなのね。
どうなるんだろう。消えるの?死ぬの?
でもそれを他の二人には話せていなくて。もう何もかも包み隠さず話そうよ
話し合おうよ、と、読みながらハラハラして仕方ない。
とっても面白いです。続きが気になって気になってー。
タイムとラベルはできないから、ただただ待つよ。

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映画「ボス その男シヴァージ」

映画「ボス その男シヴァージ」
 
きゃ~~~スーパースター!ラジニカーント様~~~~!!!
COOL!!!www
 
というわけで、インド映画だわ~歌うわ~踊るわ~美女がほんっとに
ゴージャス美女できらきらくらくらするわ~素敵~~~!
とお腹一杯になる3時間あまりでした。
 
えーと、一応お話としては、アメリカで大成功した実業家?な
シヴァージがインドにもどってきて、貧しい人々のために、無料で学べる
大学と、無料の病院をつくろうとする。しかし、そこで大学、病院を経営
している悪いやつが邪魔をする。
いやいやながらも賄賂を駆使してやっと建設を始ることができたシヴァージ
だが、首相まで悪い奴のいいなりで突然許可が取り消しになり、財産もなく
してしまった。
悪い奴、アーディセーシャンへの復讐とともに、私腹を肥やす悪徳金持ち
たち、まとめて裏金をせしめ、シヴァージ財団復活をはかり戦う、ボス!

一目ぼれした古風なタミル娘、タミルセルヴィーとの恋の行方もハラハラ。

悪い奴の裏金巻き上げるために自ら悪いこと始めちゃうシヴァージ。
でもそれで自分もマネーロンダリングかな。捕まっちゃったりして。
いろいろ終わってから自首する、ってことになってたけど。
エンドロールのところで、その後シヴァージは自首、インドから裏金は
なくなり、貧しさからの脱却!みたいに、ドキュメンタリーっぽいような
感じで見せて、2015年インドは世界の主要国入り!ってやってた。
んんん? と一瞬びっくりする。
あとで確認するとこの映画は2007年のもの。
そういう未来になるといいなあ、という。夢であり理想であり希望なのね。
なんか、ちょっと切なかった。
 
きらきら歌とダンスの歌詞の中に「カーストなんかぶっとばし~♪」
みたいな感じのフレーズが出てきてて、えっとー。今インドはカーストは
なくなってる、の、かな。正直言ってインドのことって私は全然知らない。
昔みたいなことはないだろうけど、カーストな意識は今もあるんだろう、な。
貧しい人が苦しみ金持ちはますます金持ち、みたいなことなんだろうし。
コメディだし相変わらずのむちゃくちゃであははーって楽しいけど、
なんか実は社会派映画だったのか。。。と、思う。

そんな意味でも、スーパースターラジニ様は、インドの夢とロマンと理想
と希望のヒーローなんだろな~。まさにスーパースター!
インド映画カオス。面白いなあ。

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『誘魔』(五條瑛/双葉文庫)

『誘魔』(五條瑛/双葉文庫)
 
オカリナの音が聞こえて、子どもたちが消える。そんな都市伝説が広がる。
新宿の多国籍たちがどこかピリピリしている。地下銀行のプール金が紛失
したらしい。一体誰が。金はどこに。
奇妙な宗教めいた集団、アスラン教団。
消えたプール金をめぐるそれぞれの思惑。
日本という国で生きることを、誰が決めるのか。
 
革命小説シリーズ、第8弾の文庫化。
書き下ろし「海賊の蕾」というのがついてた。これは、えーとー。
誰だろう。根岸と和田の息子、だろうか。あんまりはっきりわかんない。
完結したら最初から一気読みしたいなあ。
完結の単行本がついに出ていて、今日見つけて買った!どきどきどき。
今のところ図書館本がつかえてるのでそっちを先に読まないと。完結、
読むの楽しみだけど寂しい。。。 

で、これは。
鳩がまた惚れっぽくて困るというか。エリスに夢中にそう簡単になる
のがちょっとなー。まあでも恋だから。モーリンが可哀相。モーリンの
今後が心配だよ。
最初単行本で読んだ時には面白さいまいちかなあと思った気がするけど
読み直して、そうでもないやっぱり面白い、と思った。
キラがコスプレしてたりとか、なんかいろいろサービスいっぱいだ~w

これの最初出たのは2009年。3.11の前だ。
アスラン教団の最期。自らを炎で焼き尽くし、見せつけ、復活の奇跡の
儀式への熱狂、というのが、んー。前はそういう終末への憧れみたいなの
あったよなあ。今はちょっともう終末のあと、っていう実感みたいなのが
あるからなあ、と、少し思わないでもない。でも復活の奇跡への熱望、と
いうことだから、これでいいとも思う。
 
サーシャが出番ないから物足りなくて寂しかった。すみれとキラいっぱい
でそれは楽しかった。
ともあれシリーズの完結。
完結の文庫化はまた三年後くらいかな。書き下ろしつくだろうか。
いろいろと楽しみ。
今、現実は、選挙でいろいろがちゃがちゃしてるけど。日本はどうなるだろう。
日本に革命は起きるだろうか。
ほんとうにいろいろすごく楽しみ。

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映画「007 スカイフォール」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「007 スカイフォール」見に行ってきた。
 
何者かに盗まれたコンピューターのハードディスク。そこには、NATO諸国
の情報部員のリストがあった。犯人を追うボンド。しかし、列車の上で揉み合
っているところを撃たれ、死亡したと思われる。
時代遅れの組織だと引退を迫られるM。ハッキングされ、爆破されるMI6本部。
そのニュースを見たボンドは、流れ着いていた海辺から、ロンドンへ戻ってきた。

というかまあなんというか、お話の細かいところはまあいっか、という、
ほんっとーーにゴージャスド派手スパイアクションどっかんどっかんどかーん!
超娯楽大作!
ボンドが作られるようになって50周年記念作にあたるそうで、これまでの
シリーズの懐かし小ネタがあって、とかみたい。
私、あんまり映画館で007は見てきてないなあ。テレビでやってるのはたまに
見るかなあ、くらい。なんとなく、007はまあいいか、という気分だった。
けど、ダニエル・クレイグになってからのちょっとシリアス路線にそそられた
のと、やっぱもうダニエル・クレイグかっこよすぎ!かっこよすぎ!かっこいい!
というのと、予告CMで、黒髪眼鏡くんな若者にそそられて今回は張り切って
見に行った。
やっぱりかっこよかった。すごく。すっごくかっこよかった。
 
スパイアクションっていうのは、ほんっとーに男の子の夢とロマンなのねえ。
開始早々のカーチェイス、バイクチェイス(?)、列車の屋根に飛び乗り
銃撃戦、喧嘩アクション、最初っから飛ばす飛ばす。
そしてオープニングの歌。歌も素敵だし、映像も素敵。
レトロな感じで美しいし、うつる小道具もみんな007を象徴してる。
 
画面がきれいだなあうつくしいなあロマンだなあと強く感じた。
ケレン味たっぷりの、まさに娯楽映画ならではの派手派手ゴージャスだったり
(上海のカジノとか。大トカゲ!!??ww)素敵な廃墟だったり(軍艦島が
ロケ地だったー。外観のみらしいけど)。
ガラスのビルでの狙撃準備、外の青いネオンが闇の中で光って、シルエットで
見せる一連のシーンとか。きれい。
ロマンチックといえばボンドガールだけれども、もちろんボンドガールと
出会い駆け引きするタキシードのボンドは完璧に素敵なんだけれども、それより
も、スパイアクション!ってなるシーンのほうが、男の子のロマン全開!って
気がしたよ。
荒野の古い屋敷とかさ。
ボンドの生まれ育ち、みたいなのを少し感じさせる切なさ。郷愁。ロマンだねえ。
 
今回の敵は、かつて00エージェントで、しかしMに見捨てられたと逆恨み
しているシルヴァ。
これがもうママに捨てられたのを恨みに思う駄々っ子にしか見えないんだよねー。
ボンドも撃たれたあとちょっとやさぐれてたり、Mをつれてその故郷に帰って
とか、実にママにかまってほしい坊やな一面を見せたりしてね。
きみらどんだけMのこと好きなの。
イエスマム、というお返事が、「はい、ママ」っていってるみたいに思えて
しょうがない。

今回、世代交代か、みたいなのが何度も対比されて出てきて。
諮問に呼ばれて大臣に今時もうダメダメ、って感じで責められるM。それでも
見えない敵がいる、と演説ぶつMかっこよかった。
予告で私がつられた黒髪眼鏡くんがQ。いかにも今どきなギークっぽい若者くん。
ボンドと並ぶと明らかに体格が違う~。肩幅が~。胸板が~。可愛い~。
でも現場と後方支援ってことで上手く連携とっていったりして、そういう繋がり
が育っていくのも面白い。
ボンドが、復帰テストを受けるけど体力も狙撃も心理面でもかなりボロボロで、
ほんとなら不合格、ってのを見せられるのも、ああ、中年現場員ボンドの悲哀、
ってなんか哀愁ただよっちゃう。それでもそれもセクシー素敵なんだけど。

何より、Mが死んでしまうなんてね。結局、守れなかったのかよーボンドー!
まあそういえば大体ボンドガールって死んじゃってる気がする。さようならM。
偉大なるボンドガール、ボンドのママだったかもしれない。

そして、クラシックな生き残りボンド。世代交代したMI6。あーまたすぐ
007見たい!ダニエルなボンド見たい!きゃ~!

ル・カレとかチャーリー・マフィン読みまくったあとなので、ボンドの経費の
書類はどー書くのさ~。あっちこっちの国の政府とどー話つけるのさーあーあw
とか、こう、事務仕事をちらっと想像しておかしかった。大臣も首相も頭悩ます
よねえそりゃあ。
でもまあそういう地味なリアルをすっとばすロマン!な娯楽大作なわけで。
かっこよかった。とってもとってもとってもかっこよかった。面白かった~!

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『連禱』 (不識書院/桜木由香)

『連禱』 (不識書院/桜木由香)

著者第一歌集。
まず印象に残るのは、聖書、キリスト教のモチーフの数々。拾って数えて
みたら、ざっくり私が気がついただけでも20は超える。10ページ足らず
のうちに必ずひとつは出てくる感じ。私は聖書に詳しいわけじゃなくて、
ぼんやりしか言葉をつかめないのだけれども、著者は、その信仰のある生活
が自然なのだなあと思う。
他も、神話的だったり、星座、シェイクスピアだとか。植物も月桂樹だとか
アネモネミントメタセコイヤミモザ等等やっぱり西洋的だと思う。
読書体験も、西洋の古典という感じ。音楽もクラシック。
 
西洋美術館だなと思う。古典的油彩かなあ。上野にはいくつも美術館が
あるけれども、この歌集の世界は西洋美術館だなあと思う。
 
いくつか、好きな歌。
 
  たましいのくるしみひそかに夕映にきらきらきらとポプラ戦げり(そよげり)
  (P28)
 「きらきらきらと」にひかれる。魂の苦しみの中見たそのきらきらきら。
 夕映えのポプラは別世界な感じがしたのだろう。戦ぐ、の漢字の印象も
 ちょっとだけどきりとささってきていい。

  人ごみにまぎれてゆきし君の傘還らざる日の記号となさん(P87)

 いくつかあった気がする傘の歌。これが印象に残った。見送って君がいなくなる
 雨の日のさみしさ。もう帰ってこない日への「記号」とするというのが面白い。
 記号?アスタリスクみたいな記号かなあ。
 
  同じ曲を何十回も聴く夜のわたくしという壊れた部品(パーツ)(P131)

 自分が壊れた部品というモノになっているのに惹かれた。同じ曲を何十回も
 鳴らしている機械に自分が同化して、自分がそうしてるはずなのに壊れてる
 感じになってるどうしようもなさが胸にせまる。
 
  照る月の浸透圧に耐えながら自転車を漕ぐ木の間木の間を(P191)

  水無月の風に吹かれてひらひらと児はペダル漕ぐ電磁波のなか(P123)
  鉄塔のそびゆるそらの満月へじんじんじんと電磁波寄せる(P8)
 なんかこう、電磁波とか浸透圧とかちょっと固い、他と違う感触の言葉が出て
 くるのが好きだった。ヘンな感じがするのが面白い。「月の浸透圧」に耐える
 という感じがとてもうつくしい。深海にいるみたいな感じがする。そんな中で
 自転車に乗って木立の中を自転車のスピードで走っていくのが素敵だった。
 

昨日、『連禱』を読む会 があったのに参加させてもらった。
三枝昻之さんが最初にお話。最近の僕は深読みではなくシンプルに浅読みなの
ですよ、なんておっしゃりながら丁寧に読んでいくお話で面白かった。
抽象化の巧みなすぐれた歌集ですね、とのこと。
今の歌壇で気になる言葉表現の問題なんてお話もちょっと。歌壇の中でこもる
のではなく外からの目も視野に入れておかなければというような感じ。
いろいろ納得。
 
そして、ほんと、「読む会」だった。会場からのいろんな人がそれぞれの
読みのお話、著者との関わりやご夫君との思い出エピソードなどいろいろ。
私は個人的背景のことは全然知らなかったので、そんなドラマチック素敵
物語があるのか、と、びっくりしながら聞きました。
何故か私にもマイク回していただいたので、上記のような感想を緊張で
震えながら喋る(^^;我ながらヘロヘロでなんの深みもなくて申し訳ない。

80名超えての参加者だったのかなあ。いろんな方からのいろんな話を聞いて
面白かったです。終わってご挨拶したときに、ちょっとだけ三枝さんとお喋り
できて嬉しかった~。

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