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映画「のぼうの城」

*具体的内容結末まで触れています。


映画「のぼうの城」見てきた。
 
天下人たらんとする秀吉は、関東、北条勢へ兵を発した。
小田原城に集結する北条方。その他各地の城。そのひとつ、成田氏の
忍城で留守居をする成田長親。
でくのぼう、として領民から「のぼうさま」と呼ばれ親しまれている
長親は、戦わずして開城、という事前の話し合いから一転、石田三成
からの使者に戦う、と宣言した。
石田率いる秀吉方軍勢二万。忍城の兵、500。戦が始まる。

原作は読んでいません。
でもあの表紙の殿の横顔の絵は知ってる。あの横顔、萬斎さまそっくり
じゃないかと思った。
横顔を印象的に写していたなあと思う。かっこよかった~!!! 
 
のぼう様は、単に愛されるというよりはなんだかもう、ダメだなあ
わしらが支えてやらねば、と、周りの人を動かす愛され。奇妙で捉えどころ
なくて、浮いてて、なんだかダメだけれども、実は天才キレ者なのでは、
という凄みもあるという。奥深い魅力のある人物。
その奇妙に浮いてる感じ、ほんっと萬斎さま最高にはまり役だと思う。
素晴らしい!
ダメ殿だけど、かっこいい。声いい~。「みんなー、ごめん!」って演説
のとき、ほんとにあの広大なオープンセット、夜空に声が通りこだまみたい
な響きが冴える。すーばーらーしー!
きりっと姿勢正したときのうつくしいことといったら!所作も当然きれい。
素敵~!

そしてのぼう様長親の幼馴染というかまあ、ガキの頃から一緒で世話やいて
やってるんだろうなーという、丹波が佐藤浩市。くー!かっこいいし!
馬で駆け回るのにほんと惚れ惚れ。戦う姿も痺れる~!
長親に呆れながらも、もーすごくすごく甘やかしてると思うの!なにその
しょうがないから命がけでついてってやるよあの馬鹿!って感じ!
二人でいるシーンにときめきすぎて私モエ死んだ。可愛い。君たち凄くいい!
 
石田三成のほうも、軍略の才能ないダメ三成くんを周りが一応サポート
しますか、という。
なんかこう、戦だけどそれぞれにがんばって戦うぞー!というのがどっか
爽やかで、面白く見られた。
のぼう様と仲間たち、が、男の子ってしょーがないなーという勢いなのが
素敵なんだなー。
甲斐姫との恋愛要素みたいなのをさらっと流してるのもよかった。余計な
もんはいらねー。
 
農民たちのなかに尾野真千子。農民の中ではいい役だけど、尾野真千ちゃん
もっといっぱい出番があってもーと、もったいない気がした。まあでも女優
の出番ってものがそもそもあんまりない映画でね。
水攻めのシーン、特撮、ミニチュアセット使ったりしてたのかな。
3.11の影響で公開延期なのもむべなるかなという、押し寄せる水から
逃げる、水に全てをダメにされる感じ、迫力あった。

そして田楽踊りで敵も味方も全てをのせてまとめて、自分を殺させる、という
あのシーン!
もーーーほんっと、野村萬斎なくしてはこの映画はないね、と深く納得の
素晴らしいシーン。
原作を読んでないけど、なんか最初から萬斎さまキャストにあてがきしたのでは
ないかという気がしてしまうほどに、のぼう様って萬斎さまなんだね。
踊りも歌も萬斎さまがつくっていたようだし。いいもの見たなあと満足。 
 
言葉が完全に時代劇調ではなくて、普通の今のセリフしゃべったりしてるのも、
私は笑って楽しく見た。「そんなわけないでしょ」とか長親くん可愛いw
そういうので、テレビっぽいなーとは思ったけれども、でも合戦シーンは
しっかり迫力だったしガツガツ泥臭く殴りあい殺し合いザクザク人も死ぬし、と
いうのはちゃんとまっとうに映画してると思った。
 
最後の決戦あわや、というところで、肝心の小田原城が落ちた、という知らせ。
のぼう様たちはもう開城するしかない。
そうして、戦は終わる。
 
エンドロールのときに、忍城の名残はもうなくて、今現在、埼玉県らしいけど、
その今がうつしだされていた。
光成が水攻めのためにつくった堤防、石田堤が一部今も残っているのねえ。
それ見てうるっとしてしまったよ。
これは歴史。これはほんとうにあったこと。そして今につながる時の流れ。
田んぼは蘇り受け継がれ、稲は実るよ。
すべてがめでたしめでたしで終わるものではないけれど、見てよかったと、
大満足でした。

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