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『飛行士と東京の雨の森』(西崎憲/筑摩書房)

『飛行士と東京の雨の森』(西崎憲/筑摩書房)
 
短編集。かな。長めの短編とほんとうに短い短編と、7つのお話。
 
「理想的な月の写真」「飛行士と東京の雨の森」「都市と郊外」
「淋しい場所」「紐」「ソフトロック熱」「奴隷」
 
どれもとても静か。
帯には「大都市東京を舞台に描かれる、死と孤独と再生の物語」と
ありまして、ええまあそんな感じ。
遠くへの憧れとか、今ここであることの淋しさとか、動けなくなって
足もとが暗闇の深遠に突然なっちゃうような感じとか。
ともあれ、いずれも語り口は静か。自分のことでも少し距離をとって
見つめているような、分厚いガラスケースごしに綴るような。
 
「理想的な月の写真」は、ある日娘のために音楽をつくってほしい、と
いう頼みをうける男の話。飛び降りて自殺してしまった娘の思い出を
音楽にしてCDをつくって欲しい。
気前よく支払われた報酬のために、という以上にその仕事に熱中して
ゆく。娘のために。最後には誰にもきかれない音楽。
言葉で音楽をつくってゆく話を綴っているのが面白かった。音楽に私は
詳しくなくて書かれているのが実際にきこえるような気がするとかでは
ないけれども、丁寧に描かれている音楽の話は素敵だった。 
 
「淋しい場所」は、父母を亡くして、仕事を休職中で、自分は淋しい
場所が好きだったのだ、と、そういう場所の写真をとる男のお話。
淋しい場所はどこにでもある、ね、というのがなかなか素敵だった。
廃墟写真のイメージ、写真集になってるようなのよりもうちょっと
ささやかな感じなのだろうと、この話では思う。最後のマンション(?)
は大きい感じだけど。
再生、できたのかなあ。
 
んー。
一応読んでみた。面白かったし素敵な雰囲気だと思った。
自分が大好き!となる本じゃないけど、読んでみるのはいい機会
だったかなー。

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