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『ルパン、最後の恋』(モーリス・ルブラン/ハヤカワポケットミステリ)

*結末まで触れています。

『ルパン、最後の恋』(モーリス・ルブラン/ハヤカワポケットミステリ)

レルヌ大公は自殺した。遺されたのは一人娘、コラ。大公からの手紙には、
彼女のとりまきの四人の男性の中に、ルパンがいるらしい。
コラが実は高貴な血をひく娘であり、いずれ英国の王妃ともなろうかという
縁談が持ち上がるが、彼女は他の男性を愛するようになっていた。
莫大な持参金や横恋慕の陰謀にさらされるコラ。彼女を守るアンドレ・ド・
サヴリー大尉こそ、ルパンだった。
 
ルブランが残した幻の原稿が発見され出版された、ってことらしい。
ルブランの死後70年ぶりの新刊。

私、ルパン派でした。小学3年の時だったと思うたぶん。ポプラ社の
『怪盗紳士』だったかな。プレゼントで伯母さんからもらったの。
熱中したー。初恋かなあ。小説の人物にもえもえ惚れまくるようになった
のは、ルパンのせいかもー。モテる男が好きとかフランスうっとりとか、
いろんな根源がルパンにつまってる気がするわ。

そのルパンの幻の新刊。楽しみに読んだ。けれども、完成はさせていた
ものの、まだ推敲の途中で著者が亡くなったということらしく、うーん、
確かにまだ推敲するんだったのかな~という、あらすじめいた感じがちょっと
しなくもないかも。
そして、やっぱりなんか、万能超人凄いぞルパンみたいなのがちょっと白ける
気がしてしまわなくもない。
子どもを手下に、英国諜報部とやりあったり。んでもそれ、ないわー、と思う。
まあ、それは現代の、ル・カレなんかを読み漁ったあとだから、かなあ。
もちろん時代は違う。昔は英国情報部もこんな素朴だったりしたのかなあ。
いやそれはないか。わかんないけど。

ルパンて、ルブランが亡くなったのが1941年だって。ルパンの作中の
年代は1920年あたりのような。電機仕掛けなんかがそこそこ出てくる
よなあ、とぼんやり思い出す。

ホームズは、ワトソンの手記的には1894年が「空屋の冒険」だったり
するから、ホームズのほうが年代的には少し早いんだね。
ルパン対ホームズが書かれたりしてるから、ルパンの時にはホームズは
すでに大人気名探偵だったんだ。
子どもの頃読んでた頃は年代とか気にしたことなかった。
今こういうの読んでまた違う感じで楽しいのは嬉しいなあ。

最後の恋、というわけで、ルパンはまたしてもご令嬢と愛し合いめでたし
めでたし。私はまっとうな人間ではないから、と身をひこうとするけど、
積極的お嬢様で押し切られてしまった。
今回の手下にした子どもたちが実はルパンの子どもなのか?とか。うんうん
確かにルパンの子どもってもっといっぱいいいるんじゃないの、と思ったり。
いやでも、けっこう悲恋に終わってたりもしたから、そんなには子どもは
いないかなーとか。
作品読むだけじゃなくて余計なこと考えるのが面白かったな。

でも今読んで楽しくもえるのは、ホームズかなあ。ルパンはロマンチック
だよね。フランス男とイギリス男の違いってことか(笑*個人のイメージ
ですw)

付録で「アルセーヌ・ルパンの逮捕」雑誌初出版があった。それとルブラン
の「アルセーヌ・ルパンとは何者か?」というエッセイも。
読みきりで、いきなり逮捕のルパン。シリーズとして大人気になるとは
まったく予想外だったのね。著者本人にもわからないものだ、という率直な
エッセイはなんとなく微笑ましい。人気シリーズのみならず、著者の死後、
70年も後に新刊出たりしてますよ。
ルブランは、風俗小説や恋愛小説を書いていた人だったのね。そして当時
探偵小説は低俗なものとみなされていた、とか。
時代は変わるねえ。
ともあれ、なんだか気分としては懐かしく、楽しく読みました。
愛される物語っていいよなあと思う。本好きでいるの楽しいわ。

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