『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル/創元推理文庫)
『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル/創元推理文庫)
図書館の棚にあるのを適当に借りて読んでいるホームズ。
これが、長編二つ(『緋色の研究』『四つの署名』)のあとストランド誌
に連載された短編集、ってことですね。
「ボヘミアの醜聞」「赤髪連盟」「花婿の正体」「ボスコム渓谷の惨劇」
「五個のオレンジの種」「唇のねじれた男」「青い紅玉」「まだらの紐」
「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石宝冠事件」「ぶなの木立ち」
という12編。一年間分の連載で一冊出たってことらしい。あーこれこれ
知ってる読んだ読んだ有名~というお話いっぱい。子供向けの本になってる
のはこの辺だったのね。
蛇はミルクで金庫の中じゃ飼えないだろうとか、ホームズの変装にワトソン君
騙されすぎだろうとかはともかく、ほんと、短編として切れ味よく面白く、
事件そのもののバリエーション豊富だしそこに少しずつ描写されるホームズの
様子でだんだん魅力増してくるし、ワトソン君いいやつーだしとても楽しい。
もちろん私の脳内キャストはBBCドラマ版。シャーロックはほんっと
ぴったりだなあ。もえる。
アイリーン・アドラーは、こんな最初に登場だったのね。
そして彼女本人の出番といったらとても少ないのね。なのにあんなにいろいろ
脚色される重要人物なのね。面白い。
この文庫は1960年が初版。1971年に新版、ってなってる。1997年
83版だって。すごいw
訳者、阿部知二、1903年生まれ、って。もう百年以上昔の人。そうかあ。
なんとなく感慨深い。訳者さえもそんな昔の人か。
うしろに、「コナン・ドイルの生涯」という訳者の人の短文がついていて、
ドイルがなんか超人ぽいよーに紹介されてる。医者としてはいまいちだった
みたいだけど、スポーツ万能、母のために爵位の辞退をやめた、とか。
病気になった妻を最期まで看病したとか。でもその前に、十年ほど愛し合う
ジーン・レッキーという女性がいた、そうで。えー。それいいの?(笑
ま、いいんだろうね。妻には誠実につくし、妻の死後、ジーンと再婚した
らしい。へー。
訳者はドイルが素晴らしい人、として紹介してまとめてるけど、なんかこの
短いとこで知っただけでも、ドイル超人というか変人だと凄く思う。パワー
あるんだなー。ホームズは、ドイルの恩師?ベル教授がモデル、ってこと
らしいけれども、ドイル自身もたぶん反映されてるのだろうなーと、勝手に
想像。でもそう想像されるのがイヤだったのかなーとも想像。
また他のも読むー。楽しみ。
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