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『迷い婚と悟り婚』(島田雅彦/PHP新書)

『迷い婚と悟り婚』(島田雅彦/PHP新書)

島田さんなりの、結婚のススメ。結婚生活のススメ。最後には
非モテ女子代表?な、光浦靖子さんとの対談。

 第一章 結婚をためらう人のために
 第二章 恋愛、結婚マニュアルを越えて
 第三章 結婚を深く掘り下げる
 第四章 結婚生活をいかに楽しむか
 第五章 あなたの悩みにお答えします!
 終章  特別対談「結婚はしたいのに、なぜできないの?」

って感じですが。でもあんまり結婚に向けて役に立つ実用書に
なりえているって感じでもない気がするなあ(笑
何言ったって、島田センセ、イケメンリア充若くして結婚なクセに!
と、ひがみねたみそねみ呪詛の気持ちで読む性格真っ暗なワタシww

でもね、もちろんフラレたりうまくいかなかったり修羅場も越えてきた、
っていう、そういう数こなしてきているからこそ、リア充なんだよねー
というのもよくわかる。モテる人はモテになるため、モテでいるための
努力をちゃんとしてるのだ。ダメになることを恐れながらも突き進み、
ダメだった時に落ち込んでもまた立ち直ってモテを手に入れるのだ。
何もしてない私がただ僻んでいるのとはわけが違うのだ。

結婚、への自分の思い込みや、理想的イメージにとらわれず、考え方
を変えてみよう、というのは納得です。

「結婚は幸せになるための手段ではない、ということを肝に銘じなければ
ならない。幸せになれるかどうかは誰もわからないからだ」(P62)

だとか、当たり前のことなんだけど。結婚すれば幸せなわけじゃなくて
相手が幸せにしてくれるとかじゃなくて、先のことはほんとは全然わから
なくて、始めてみなければわからないことで、それがわかるのは死ぬ時
くらいなんだろうなーと思う。

「一度でも恋をしたことのある者は知っている。恋をしてなかった時には
味わわずにすんだ、嫉妬とか悲しみ、怒りとか虚しさ、すべて味あわなけ
ればならないことを。ネガティブな感情もすべてひっくるめて、”恋”だ。
恋もまた、生きてゆく上で必要不可欠な ”毒”といえる」(P85)

だとか。痺れるねえ。
人生には毒が必要、ですね。
決して恋愛結婚ばかりをすすめているわけじゃないけど、さらっとこういう
ことを書いているのが魅力的。島田雅彦かっこいー。

最後の光浦さんとの対談はなんか長時間おしゃべりしてたみたいで、凄い
羨ましい!いいなー。
でもあんまり役に立ってはなさそうだなー(笑)

島田さんちの事情、というのがあとがきがわりに(?)あり。
門限が朝の8時だそうです。へー。そんで締め出された時の話。
島田さん可愛い。そして奥様は大物、って感じ。素晴らしい。島田さんが
こういう風に書こうと思い思わせる結婚生活を過ごしてきたのねー。いいな。

とってもさらっとすぐ読めちゃう。実用的ではないかもだけれども(笑)
なんかこう、結婚ってことに身構えてしまうよりは、違う考え方してみなよ、
という感じはあって、面白かった。

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『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル/創元推理文庫)

『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル/創元推理文庫)

図書館の棚にあるのを適当に借りて読んでいるホームズ。
これが、長編二つ(『緋色の研究』『四つの署名』)のあとストランド誌
に連載された短編集、ってことですね。

「ボヘミアの醜聞」「赤髪連盟」「花婿の正体」「ボスコム渓谷の惨劇」
「五個のオレンジの種」「唇のねじれた男」「青い紅玉」「まだらの紐」
「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石宝冠事件」「ぶなの木立ち」

という12編。一年間分の連載で一冊出たってことらしい。あーこれこれ
知ってる読んだ読んだ有名~というお話いっぱい。子供向けの本になってる
のはこの辺だったのね。
蛇はミルクで金庫の中じゃ飼えないだろうとか、ホームズの変装にワトソン君
騙されすぎだろうとかはともかく、ほんと、短編として切れ味よく面白く、
事件そのもののバリエーション豊富だしそこに少しずつ描写されるホームズの
様子でだんだん魅力増してくるし、ワトソン君いいやつーだしとても楽しい。
もちろん私の脳内キャストはBBCドラマ版。シャーロックはほんっと
ぴったりだなあ。もえる。

アイリーン・アドラーは、こんな最初に登場だったのね。
そして彼女本人の出番といったらとても少ないのね。なのにあんなにいろいろ
脚色される重要人物なのね。面白い。

この文庫は1960年が初版。1971年に新版、ってなってる。1997年
83版だって。すごいw 
訳者、阿部知二、1903年生まれ、って。もう百年以上昔の人。そうかあ。
なんとなく感慨深い。訳者さえもそんな昔の人か。
うしろに、「コナン・ドイルの生涯」という訳者の人の短文がついていて、
ドイルがなんか超人ぽいよーに紹介されてる。医者としてはいまいちだった
みたいだけど、スポーツ万能、母のために爵位の辞退をやめた、とか。
病気になった妻を最期まで看病したとか。でもその前に、十年ほど愛し合う
ジーン・レッキーという女性がいた、そうで。えー。それいいの?(笑
ま、いいんだろうね。妻には誠実につくし、妻の死後、ジーンと再婚した
らしい。へー。
訳者はドイルが素晴らしい人、として紹介してまとめてるけど、なんかこの
短いとこで知っただけでも、ドイル超人というか変人だと凄く思う。パワー
あるんだなー。ホームズは、ドイルの恩師?ベル教授がモデル、ってこと
らしいけれども、ドイル自身もたぶん反映されてるのだろうなーと、勝手に
想像。でもそう想像されるのがイヤだったのかなーとも想像。
また他のも読むー。楽しみ。

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『亡命者はモスクワをめざす』(フリーマントル/新潮文庫)

*具体的内容、結末まで触れています。

『亡命者はモスクワをめざす』(フリーマントル/新潮文庫)

チャーリー・マフィンシリーズ、6作目。

刑務所にいるチャーリー。ここでも孤高の存在である。暗黙のルールを
知りながら微妙にそこに服従するばかりではない。
チャーリーは待っていた。捕まる時にウィルソン部長と約束したはずだ。
いつまでも刑務所にいるはずではない。
ある日、スパイ容疑として刑務所にきたウィリアム・サンプソンと同室
になった。決して仲良くなったわけではないが、サンプソンに脱獄計画を
打ち明けられる。
これをネタに、再度ウィルソン部長との面会を図るチャーリー。
だがそこで頼まれたのは、そのまま脱獄し、ロシアへ渡り、ロシアの謎の
内通者と接触し亡命させることだった。

なんだか本格的なスパイ小説って感じでかなりわくわく面白かった。
脱獄。ロシアでの尋問。さらにそこで信頼を得ること。スパイ学校の
講師(?)にまでなること。
ロシア側のベレンコフや、カレーニン将軍を騙しきれるか。
カレーニン、でも前回チャーリー利用してたじゃないのーと思う。
でもチャーリーにはまだ好意的なんだね。ベレンコフは素直にチャーリー
のことを信頼しているみたいで、なんか気の毒。
で、また、女かよw
尋問官だったナターリヤと、ついには愛し合うように。
だがチャーリーも、ナターリヤも、国を捨てることはできないっ。
って、別れることになるんだけど、そこでナターリヤが罪に問われない
ように、と、彼女を守るために講じた手段が、実はサンプソンが裏切り者だ、
と、ロシア当局に言え、という打ち合わせ。
がっ。
チャーリーが英国に戻ると、サンプソンは実は超優秀で英国がロシアに
送り込むために周到に長年かけて用意してきた作戦で、とかいうのが明らかに。
ええーっ。
え~~~~チャーリー、結局あんた物凄い疫病神!ヒドイ!台無し!!
おめーが女にうつつを抜かしたばっかりに!
まあチャーリーにも実は、って作戦教えておけば、とはいえ。ウィルソン部長
ものすごく気の毒。あーあ。
英国情報部からのチャーリーへの仕打ちもひどい、とはいえ、チャーリーの
はなあ。現場の人間はつらいよ、っていうよりもチャーリーはやりすぎな感じ
がして同情はできないよなー。でも生き延びる力はあるんだよなー。
このあとウィルソン部長はどうするんだろう。チャーリーは情報部復帰なるのか?
でもチャーリーなんか使うとろくなことないような気がするからもうほっとけば
いいのに、と、勝手に心配してしまう。

主人公がきらいなのに読み続けちゃうシリーズ。
これからはウィルソン部長がんばれ、と(まだ次出るのかどうか知らないけど)
思いながら読んでみよう。

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『追いつめられた男』(フリーマントル/新潮文庫)

*具体的内容、結末まで触れています。


『追いつめられた男』(フリーマントル/新潮文庫)

チャーリー・マフィンシリーズ、5作目。

よれよれにくたびれていたチャーリー。そこへ、またルウパート・ウィロビー
から保険調査の仕事の依頼を受ける。
ローマで大使夫人の宝石の警備が万全になされているかどうかの確認。

英国情報部では、スパイあぶりだしが進められていた。どうやらローマが
あやしい。現在の情報部長、アリステア・ウィルソン卿は、サミットの前に
すべてを片付けるべく調査を進めた。

ソ連側、カレーニン将軍たちは、チャーリーに好意的だと思っていたけど、
今回はチャーリーを利用してスパイを守る、という作戦をたてているわけ
なのね。誰がスパイなのか。ソ連側の作戦はどうなのか。小出しになる
あれやこれやが最後に見える。保険調査ものからスパイものらしくなって
面白かった。
チャーリーがすっかり勘が鈍ってまんまと英国情報部に捕まってしまうとか。
でも自分にかけられた罠を結局は見破った、とか。終わりのところの勢いが
たまらん。
チャーリーはほんと現場の人間で大変。
でもまーたクラリッサとややこしいことになっちゃうし。ルウパートに
バレバレだし。自分のアリバイのためにルウパートとクラリッサに証言
させるし。ひどいわー。でもそれしかないからなー。ここでこう使ってくる
のか、と思うと、前作の『罠にかけられた男』の時から一年というのは
最初から決めてたのかなあ。
でもクラリッサ。愛しているのかも、って、なんかそれ、死亡フラグなのでは
ないのかしら、と勝手に思っちゃう。どうなるんだろ。ドキドキ。

そして本当のスパイを見つけ出し。さらに二重スパイにしたてるのか。
どーなるの。そして捕まり、裁判になるチャーリー。どーなるの。どうするの。

これは今までと翻訳者が違う人だった。訳者解説によると、いったんここで
シリーズ終わりになるつもりだったのかもしれない、って。
なるほど。裏切り、逃亡者だったチャーリーが捕まった、ということで一段落
ではあるよね。このあと4年ほど出なかったみたいだし。
それでも続いたんだな。
次のも読んでみよう楽しみ。

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映画「I'M FLASH!」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「I'M FLASH!」

舞台は沖縄。
新興宗教、「ライフ・イズ・ビューティフル」の若きカリスマ教祖、ルイ。
飲酒運転のあげく交通事故を起こす。ぶつかったバイクの青年は死亡。
同乗していた女性は植物状態。
教祖の身辺を守るため雇われた男たち三人。しかし、教団をやめる、といい
始めたルイを逆に殺すよう依頼は変わった。教団を実質支配しているのは、
ルイの母親であった。

藤原竜也、松田龍平初共演というのにまずひかれたし、監督は「青い春」の
人なのかーというわけでかなりの期待で見に行った。
そんな期待して見に行くものじゃなかった。なんか、監督が死について考えた
ということらしく、生と死、というか、死について、詩的に語っているような
映画だと思う。
もやもやと、考え込んでしまう感じ。
つまんない、というのとは違うなあ。もぐらなくちゃいけないのか、、、と
考え込んでしまう。

藤原くん演じるルイは、若きイケメンカリスマ教祖。死がこそがすべての救い、
というな教義みたい。祖父がつくった教団らしく、三代目。でも実質は母親が
実権を握ってるみたい。兄は男をやめている。姉は熱心に信者獲得していて、
教団の儲けをもっと増やす、みたいな野心家っぽい。
交通事故はいかに起きたか、というのをさかのぼって見せつつ。ルイは現実から
逃れるように、何度も海へ潜っては魚を銛で突き獲ってくる。

殺し屋からルイを守るはずだった男三人。ヤクザ?ってわけでもないのか?
ちょっと微妙。殺し屋?ともかく金で荒事引き受けるみたいな。
ちょっと甘ちゃんな若者永山絢斗も可愛かったけど、やはり松田龍平の存在感が
圧倒的。
セリフは少なく、ひょろっと立っているんだけど、その飄々とした様が圧倒的。
なんなんだろうあの松田龍平の特別さって。見てる私が、松田優作の息子。。。
と思っちゃってるからだとは思うけど、でもなー。
カリスマ教祖よりよっぽど人間離れしてる感じ。
ルイが神様なのに対して、新野は悪魔で、死を与える存在、とかなんとからしい
けど、うん。ルイを殺しかけた、殺したあとには、なんか、人間らしくなった。
そういうの凄い。

ルイは、逆に、悩める青年、普通の人っぽいのがなかなか切ない。胡散臭さ出て
たよー藤原くん。
でも、唐突に現れた殺し屋にあの至近距離で銃撃たれまくって当たってないって
なんか、やはりなんか実はあるのか?と思ってみたり。うーん。
最後、新野の弾だけがあたって、しかも胸に、なのにあんなに走り回って
泳いでって、超人!?そこはつっこみどころなのか、実はなにか超人的な力が
あるカリスマだった、みたいなことなのか、なんか判断しかねるよーな。

ルイが海辺で男たち三人と話してて、
死は気持ちいいよ。死ぬほど気持ちいい、みたいな会話のときに、なんか
神様みたいっすねー、と言われたあと「うん」てほんとにごく普通にうん、って
言ったのがすごく心に刺さった。
教祖として生きてきたんだなあ。

最後のほんといきなりな銃撃戦のシーン、かっこよかったなあ。そして海辺で
松田龍平、新野のシルエット、かっこよかったなあ。
そして、何故ルイを見つけられるんだー。というかほんと、胸に、そこに銃弾
うけといて、走って逃げて泳いで、よくそこまで生きてるなルイ。こっちだよ、
と呼んでおきながら、水中から銛を。生きたかったのか。あがいて、そして
死を呼んだのか。うーん。やっぱり新野は死神な役割、なのか。
もやもやがとっても残る。

最後、植物状態だった彼女が目覚め。事故直前、互いの胸の中で生きる、という
ような話をしていたところ、っていうのがわかって。ルイが死んで彼女の中で
生きる、という奇跡みたいなことなのか。んー。ルイにとって、死は救いだった?
それも、なんか。うーんんんん。もやもやもやだー。

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『シャーロック・ホームズの回想』(コナン・ドイル/角川文庫)

*具体的内容に触れています。


『シャーロック・ホームズの回想』(コナン・ドイル/角川文庫)

シャーロック・ホームズの短編集。第二短編集、らしい。最初は「冒険」
のようです。
私は図書館の棚であったーというのをすごいバラバラに読んでますが、
ほんとは順番に読んでいったほうがいいのかも。まあいっか。

「シルヴァー・ブレイズ」「ボール箱」「黄色い顔」「株式仲買店員」
「グロリア・スコット号」「マスグレイヴ家の儀式書」「ライトゲイトの
大地主」「背中の曲がった男」「入院患者」「ギリシャ語通訳」
「海軍条約文書」「最後の事件」

という12のお話。「ボール箱」というのはセンセーショナルだった
ため、外されたりしていた、らしい。へー。何がセンセーショナルなの
だろう?と思うけど、切り取られた耳が送られてくる、ってのが、ダメ
だったのかなあ。そのくらいで?昔はセンセーショナルだったのかしら。

ホームズがワトソンの考えをちょっとしたことから読み取って、
見事な推理を披露、っていうおなじみのシーンがいっぱい読めて楽しかった。

ホームズの最初の事件の話とか、学生の頃の友人、だとかの話があったり。
変人みたいだけどちゃんと友人らしき人もいるんじゃないか。いいね。
兄、マイクロフトとの関係も、これ見る限りそんなに仲悪いって感じじゃ
ないけどなあ。今後仲悪くなるよーな描写が出たりするのかな。

この翻訳は駒月雅子さんで、平成22年初版な文庫。ほんと最近。訳者
あとがきで、ガイ・リッチー監督のシャーロック・ホームズにちょっと
触れてたりして。脳内再生あのキャスティングでもいけるわー。
でもどっちかというと今の私のもえもえはBBC版なのでそっちで。
ホームズが拗ねたり、ワトソンくんがほんとにホームズの無茶を気遣って
心配して仲良しなのがすごい楽しい。
部屋片付けようよ、っていうワトソンの気をそらすために、とっておきの
事件の話を始めるとかね。可愛いぞホームズw
二人で散歩。ロンドンの街を三時間とか。仲良しだねえ。
なんだっけ、なんかで読んだかどうかしたけど、カップルで公園や喫茶店
で、二時間話がもつなら相性がいい、か、気が合うかなんかで、いい、らしい。
ホームズとワトソンは余裕だwというかまあ、出会って最初から同居だもんね。

「最後の事件」はとても短い。
そしてワトソンくんがほんとうに落ち込み悲しみ思い出すのもつらい、
という風なのが滲み出ていて切ない。
モリアーティ教授ってこのくらいの出番なわけか。でもホームズがもう
言葉の限りをつくして悪い天才だと絶賛している。なるほど。
そしてワトソンの目の前で、というわけではなかったのね。
それに比べてBBC版ではあんな目の前で。ジョンかわいそうすぎるっ。
でも本でも、最後の手紙メモを見つけて読んで、ああ、どんなに苦しんだ
ことだろう。この手紙も素敵だったなあ。事務的冷静冷淡でありつつ。
「誰よりもワトソン、きみにつらい思いをさせるのだけが心残りだがね」
って。
きゅんとくるじゃないか!

冒険のほうも読まなくちゃ。そしてホームズの復活を読まなくちゃ。
このままじゃ悲しすぎる。
そしてBBCドラマの新作を待たねばー。

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