『消されかけた男』(フリーマントル/新潮文庫)
*結末まで触れています。
『消されかけた男』(フリーマントル/新潮文庫)
チャーリー・マフィンはソ連側の諜報員、ベレンコフを捕らえる作戦に
成功した。だが、若手に追われ、かつての上司は引退し、英国情報部内
では冷遇されている。
これまで誰にも知られていなかったKGBの大物、カレーニン将軍が、
どうやら亡命を望んでいるらしい。なんとしてもその身を受け入れたい
英国。それを奪いたいCIA。新しい作戦の怪しい気配を感じながら、
次々に失敗した若手から引き継いで、チャーリーがカレーニンと接触
することになった。
これもスパイ小説。英国はスパイ小説の本場らしいってことで。
昭和54年の新潮文庫。30年あまり昔か。シリーズになってて作品
けっこう沢山出ているみたい。
サラリーマン的スパイ、ということでリアルな感じか。でもル・カレ
とはまた全然違う。秘書のジャネットが愛人だったりして。ま、ボンド
映画みたいなことは全然ない。
なんだか怪しい作戦だ、ってことは最初からたっぷり注意されるのに、
最後まで読んでびっくり。そっち!?
というわけで、すごく気持ちよく騙されて面白く読み終わりました。
でもこれ、シリーズだよね続くんだよね?次はどーなるの。
チャーリーは逃げるの?逃げられるのかな。妻、イーディスはそれで
幸せになるわけ?裏切り者夫婦ってことになるんじゃないのー?
情報部に復帰するの?でもこれほどの裏切りをして復帰できる?
それともKGB側の人間として活躍するの?えー?気になる。
シリーズ全部読もうとまではまだ思わないけど、しばらくは追ってみる。
楽しみー。
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