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『特捜部Q Pからのメッセージ』(ユッシ・エーズラ・オールスン/ハヤカワポケットミステリ)

*具体的内容に触れています。


『特捜部Q Pからのメッセージ』(ユッシ・エーズラ・オールスン/ハヤカワポケットミステリ)

休暇あけ、カールがコペンハーゲン警察本部の地下の自分のオフィスへ
出勤すると、誰もいない。
アスベスト問題だかなんだかで、地下を追い払われることになるらしい。

山積みの未解決事件ファイルの中、さらに届いたのは古いボトルメール。
血で書かれたらしいメッセージで、読み取れるのは最初の「助けて」。
他は滲み劣化し、それでもなんとかいくつかの言葉は拾える。Pで始まる
名前の人物からのメッセージ。
カールを無視して勝手に夢中になるローセ、アサド。やがて、それは今も
なお進行中の事件となる。

シリーズの3作目。
図書館で借りた。分厚いなーと思ったけれども、面白くてやめられない
とまらない状態になってしまう。
今回もカールが見舞われるトラブルはあれもこれも。戸籍上まだ結婚して
いる妻のヴィガ。言うことききゃしない息子イェスパ。下宿人モーデンは
ひきとった元同僚ハーディの世話をしてくれるが、なかなか順調ってわけ
でもなさそう。部下のはずなのに勝手気ままなローセ。途中で双子の姉の
ユアサと変わって、えーとでもでもユアサって。つか、気付かないのか?
双子だっていわれたらそういうものかと思っちゃうの?不思議。。。
アサドはとっても役に立つたよりになる相棒といっていいかもだけれど、
個人的事情がすごくありそうでまだまだ謎のまま。
カウンセラーのモーセにめろめろだけれども、恋が叶ってよかったね、と
いう状況でもなさそうでタイヘンだね。
周りの人間に恵まれているんだかそうでないんだか。
キャラクタがそれぞれ魅力的ー。そして謎としてちりばめられていること
がちょっとずつ、ほんとにちょっとずつ見えてくるのも面白い。いっそう
何だよどういうことなのよ?と気になる~。

10年以上昔に、ある少年が書いた血のメッセージ。特捜部Qに届いた
メッセージ。それが、今現在の事件となって、ああ早くっ早く助けて
早く、間に合って、早く犯人を捕まえてっ犠牲者をこれ以上出さないで、
と、切実にハラハラドキドキさせられるのは相変わらずさすが。
シリーズも3作目なので、きっと間に合うはず、とも思うけど、でも
ダメかもしれない、というドキドキがたまらない。

登場人物の名前にまだ慣れないなあ。不思議。デンマークの労働事情とか
どうなってるんだろうとかも不思議。デンマークのお国柄とか全然知らない
んだなあと思う。結婚事情とかも、どうなってんの。どのくらいが普通な
のか基準がわからないから不思議。なんとなく、北欧、だよね?いろいろ
福祉とか行き届いた差別の少ないいいお国なのでは、とぼんやりイメージ
があるけれど、まあ、それだけなわけはないよね。
宗教的にも。あとがきによるとルター派プロテスタントが国教らしい。
けれどももちろん信教の自由はある。新興宗教もいっぱいあるみたい。
まあそういうのはどこでも一緒かなあ。日本だってあるような事情だし。
移民が多い社会事情みたいなのは実際の事件を作中に入れてたりして
結構深いんだろうなあ。アサドのようなキャラがいるわけで。
観光案内じゃわからないようなことを多少は知ることができるのも面白い。
シリーズ続きが出ればまたぜひ読まねば。
カールの事件、アサドの背景もっと知りたいです。

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