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『スクールボーイ閣下』上下(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)

*結末まで触れています。

『スクールボーイ閣下』上下(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)

ジェリー・ウェスタビーは工作員。香港でカーラの資金を探るべく、
呼び戻された。
任務は終えた。だか、ジェリーは戻らなかった。

スマイリーが復帰してカーラの動きを探る。CIAとの共同作戦、と
いうところかな。CIAとは書いてないけど、えーとーたぶんCIA
なんだよね?
相変わらずとっても地味に、書類作業を緻密につめてつめてつめて
金の動きからスパイを焙り出す。なんて地味なんだ!
でもこう、ひっそり閉じこもるスマイリー。その側近として付き従う
ピーター・ギラムってすっごいもえる。痺れるねえ。
護衛のフォーンも。
そして、スマイリー三部作、ってことだけども、この話のメインは
タイトルの「スクールボーイ閣下」ってあだ名のジェリー・ウェスタビー。
でもシェリーは下っ端工作員で、ジェリーに沿って読んでいると、最後
のほうには、え?え?えー??とまたしても混乱して呆然。
スマイリーが何を考えているのか、何をしようとしていたのか、下っ端
にはわからない。ピーターくんも報われず可哀相。

話は、この事件そのものが終わった、という時点で描かれているので、
時々、この時の失策は、みたいにすでに終わったことへの寸評みたい
なのが書かれて、えええ、とハラハラする。読んでいる私はまだ事件の
結末を知らないわけで、でももう終わったことで、でも結局スマイリー
の心情みたいなことは一切説明なし。比較的描写されてるのはピーター
くんなので、なんかもうほんとピーターくんタイヘンだね、と思った。
作者もスマイリーも全然説明してくれないのね。
とってもピーターくんかっこいいよ。惚れる。

ジェリーがやっぱりリジーに惚れてる欲しい、と、サーカスを無視して
勝手な行動始めてしまってからはひたすら胸が苦しい。下っ端工作員は
つらい。『寒い国から帰ってきたスパイ』みたいに。
スパイは恋をしてはいけない、なんていうとあまりにも陳腐だけど。
でも、恋なのだ。
007ボンドが気軽に女をとっかえひっかえしてるのとのなんという
違いだろう。(ボンドは映画しか知らないので本だとどうなのかわから
ないけど)
切ない。
そしてながいこと心寄せて読んできたジェリーのなんというそっけない
死に様。作者ーっ。。。こういう書きぶりが素晴らしくかっこいいけど。
この突き放す容赦なさにはまるなあ。ドM気分がふるえるわ。

ゆっくり読もう読み終わるのもったいない、とじわじわ2週間近くかけて
読んだ。面白かったー。さて次にいくぞ。

(あっ。BSで7月22、29にシャーロックの第二シーズンやるって!
シャーロックだーピーターくんだ。絶対見る見る楽しみ)

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