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        ◇

                                     千坂麻緒

  まだ熱が冷めないあんなに泣いたのにあんなに夜の蜘蛛とゐたのに

  華やかなイルミネーション少しづつ蒼ざめてゆくあなたの肌は

  真つ暗にしないと今は眠れない頭の中の影を消したい

  唇の血の味真冬一篇のシェイクスピアのソネットを恋ふ

  この目には涙が足りなくなつたのでもう青空を見るのはやめる

  珈琲をハンドドリップで淹れてみる満たされるつて錯覚したい

  夕食を一緒にとる日を重ねゆくこころはなくとも相槌くらゐ

  先に死ぬ方が幸せ冬日さす窓の汚れが白く輝く


                            (未来 2012年5月号)

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今月はタイトルつけなかったので◇。
パタリロの口、と思うことは内緒。

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