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『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)

*具体的内容に触れています。


『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)

ジム・ブリトーは、臨時の教員として小学校にやってきた。
トレイラーをひいたおんぼろ車でやってきたところを見ていたのは、
ビル・ローチ少年ただ一人。最初に知り合いになったのも彼だった。

雨の夜、最悪の気分で帰宅したスマイリーの部屋に、ひっそりと
ピーター・ギラムが待っていた。迎えにきたのだ。ギラムの車にのって
行く先は、情報活動のお目付け役である内閣直属のオリヴァー・レイコン
のところだ。すでに引退したスマイリーが聞かされたのは、サーカスの
内部に、裏切り者がいるという情報だった。

映画「裏切りのサーカス」の原作。
新訳が今年出てるみたいだけど、図書館で早く借りられた2006年の
文庫で読んだ。
最初出たのは1975年。1986年文庫になってたよう。

で、映画とはまた時間軸が違うのかな。やっぱり混乱しながら読んだ。
読みながら、えーと誰が誰だ。。。ビル?ジム?パーシィ?トビー?
ロイがプアマンか?ええええー?ティンカーとかテイラーとかかなり
終盤になるまでそんな呼び名出てこない。テイラーがビル・ヘイドン
だったかな。コントロール、は名前は出てこない。コントロール。
すでに死亡。かつて裏切り者の正体を突き止めようとしたけれども
ダメだった。それがチェコでの事件。ジム・ブリトー、作戦時には
エリスという名前だったジムが撃たれた事件。不祥事。コントロール
の片腕とみなされていたスマイリーが引退に追い込まれた事件。
サーカス内部での権力争い。

私は特にビルとジムがどっちがどっちなんだ、とかなり終盤まで混乱。
短い似た名前。。。ジム・ブリトーがチェコで撃たれて今小学校教師。
ビル・ヘイドンは今もサーカスで偉くなっててアンの愛人だったこと
あり。アンの一族でもある。スマイリー大変だな。
ビルがジムを見出した、という過去でいいのか。そんでジムはビルを
愛していた過去がある。今も?そこはちょっと微妙。まだ愛してる、
と、思いたいのは私の思いいれかなー。

じっくり、じっくり、スマイリーが過去の記録を調べ、過去を知る
人物と対話し、少しずつ真相に迫ってゆく。そのじわじわ具合の濃密さ、
時間の行き来に混乱しつつ、真相が見えそうで見えない、肝心の、で誰
なんだよ、というのが最後までわからずひっぱられて、最後の方は
読むのをやめられなくなりドキドキドキドキで読みきった。

ウィッチクラフト作戦とか、情報提供者マーリンとか、テスティファイ
作戦とか、それはなんなんだよーっていうのも私にはなかなかすっきり
わからなくて。
もういいやわかんなくても、と、微妙にそのへんは放置しつつ読む。
読み終わると一応なんとなくはわかった。と、思う。うん。たぶん。
わかってるか、自分で自信ないけど。
ピーター・ギラムくんはかっこいいな~と改めて惚れる。

解説によるとスマイリーは70歳みたい。『死者にかかってきた電話』
のときが50代後半だったんだって。映画のあの感じは忠実なんだな。
でも着実に進む明晰さは凄い。
面白かったなあ。
映画もう一回見に行こう。
三部作、ってことらしい続きも読もう。楽しみ。

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