« 『螻蛄』(黒川博行/新潮文庫) | Main | 『キャッツアイころがった』(黒川博行/創元推理文庫) »

三月

      三月
                                 千坂麻緒


  あたりまえの午後だったその瞬間があたり前ではなくなった溝

  あの日ぼくらは別々の場所別々の恐怖をひとりひとりで抱いた

  繋がらぬ電話をもっていることがそれでも大事 きっと繋がる

  とりちゃんは三時間半歩いたと 寒いそれから抱きしめあった

  ゆれる、のが、続く ぼくらは何回も大丈夫って囁きあった

  いつもとは違うダイヤの満員の通勤電車平気なふりで

  平気ではなくなっていたとりちゃんは眠りが浅く夜水を飲む

  日常と非日常の境界が曖昧になるゆらゆら生きる

                              (未来 2012年3月号)


めっちゃくちゃ久しぶりに自分の短歌。
軽いというかゆるいというか。ちゃんと歌がつくれたという気はしてないけど、
自分がつくるとこうなる。フィクションをかりてつくる。
3・11を歌につくるかどうするか。
直後には一首か二首くらいか、それを思いながら、でもあんまり見えないように
つくった。歌をつくるってどうなのかなあ。
自分なりに、まだもうちょっとは続けていきたい、か。

|

« 『螻蛄』(黒川博行/新潮文庫) | Main | 『キャッツアイころがった』(黒川博行/創元推理文庫) »

「短歌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 『螻蛄』(黒川博行/新潮文庫) | Main | 『キャッツアイころがった』(黒川博行/創元推理文庫) »