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『バーにかかってきた電話』(東直己/ハヤカワ文庫)

『バーにかかってきた電話』(東直己/ハヤカワ文庫)

<俺>がいつものようにケラーオオハタで飲んでいると、電話がかかってきた。
コンドウキョウコと名乗った女。心当たりはない。
簡単なお願いなの、と、一方的に金を振り込んだ上で頼まれたことは、事情が
さっぱりわからないながら確かに簡単なことに思えた。
ある男にあってある質問をしてその様子を教えてくれ、という依頼。
厭な予感を感じながらも受けてしまったその依頼をきっかけに、<俺>は
数ヶ月前の事件を探ることになる。

ススキノ探偵シリーズの2作目。
これで今のところのシリーズ全部読み終わり。図書館がきっと予約殺到の
ために新しく買ってくれたんだろうなーという文庫本がきた。映画の原作
です、という、早川書房編集部の解説がついてる。編集部の解説がついてる
なんて珍しいんじゃないかな。もともと本が出たのは1993年だって。

映画を見てなので、結末まで知っているんだけれども、それはそれで
なんだか最初からとても切ない気分で探偵の動きを見守る、という読み方を
した。やっぱりボコボコになる探偵。高田くんかっこいいわ。鎖骨折られた
のもかっこいいわ。素敵。
<俺>がコンドウキョウコに腹をたて、チガウ方に進んでいくのも、あああ、
と、泣いちゃいそうな気分で読む。
でもわりとしょっぱなに、腹をたてるのは「彼女が死ぬまで続いた」とあって、
たぶん映画関係なく話を知らなくてもしっかり釘を刺されているのだ。

ラストシーンは鮮烈。素晴らしい。
残りのページ数わずか、になって、手紙を読んで。そして幕切れ。素晴らしい。

映画が凄く面白くて私ははまったわけで、映画、よくできていたと思うし
映画としてみせるということでああなんだなーと思う。
でもやっぱり本を読んでよかった。
こういう味わいなんだなあ。

編集部解説、によると、プロデューサー(?)が映画化したいという思いは
16年前から抱いていたそうで、その後「相棒」を成功させ、大泉洋を見つけた
ことで実現した18年目の映画化ってことらしい。
第二段は決まってるそうだけど、映画のシリーズ化もしていって欲しいなあ。
映画をもう一回見たくなった。

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