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『スティーブ・ジョブズ』1、2(ウォルター・アイザックソン/講談社)

『スティーブ・ジョブズ』1、2(ウォルター・アイザックソン/講談社)

体験談を一つ。
私がMacに触れたのは、iMacが出た時です。
最初のiMac。ころんとしたおにぎりみたいな。スケルトンな。骸骨みたい、
と思った形。何これ!?欲しい!と、飛びつきました。喜んで踊らされた
消費者のひとりでした。
パソコンを初めて買ったのはウィンドウズ95だったけれど、iMacを見た
時の鮮烈な感動を今もはっきり覚えてます。

って、ちょっと真似っこ風に書いてみたけど。
その後それほどマック信者になるってほどのことはなく、それでも
長いこと自分で使うのはマック、会社ではウィン、みたいな感じでいて、
今はウィンドウズのを使ってて、マックのものってipodしか持ってない。
それでも、マックの製品ってすっごいなーきれいだーかっこいい!という
思いはずっとある。でも最近は使える気がしない。iクラウドとかえーと
えーと、アップルの出してくる概念に私が全然ついていけなくなってる。
頭が錆付いてるー。凡庸な消費者としてもダメになりつつあるかと焦る(^^;

ジョブズのことについて何も知らなかったので、この伝記を、とても
面白く読んだ。ジョブズのことを知らなくても、アップルの動向、製品、
ピクサーがトイ・ストーリーを、とか、ジョブズが生み出してきた製品、
仕事については何も知らない私でも知ってる、ということが多い。
読みながら、あの製品が生まれるまでにこんなことがあんなことがあった
のか!大変!凄い!怖い!と、かなりリアルタイム気分でドキドキした。

ジョブズがもの凄い人だというのがよくわかる。
もの凄い天才。
独裁者ー。苛烈ー。怖いー。
それでも、彼でなくてはなしとげられなかった、もの凄い製品の数々。
世界を変えないか、という誘惑。それをほんとうに成し遂げちゃう力。

現実歪曲フィールドとか面白い。
ジョブズの魅力であり魔力。どんなマンガのキャラ設定なんだ、と、
ただただ圧倒されるしかない。
もの凄くつきあいづらくて、意地悪で嫌味で人の気持ちがわからないわけ
じゃないのに容赦なくて。そのへんたまんない。その気になればとても
魅力的になれる、っていうことが書かれていて、あー悪魔ーと思う。
魅力的になれるときに誰も逆らえないとかね。ステキすぎる。。。
あっちこっちと喧嘩しまくったりとか、面白いけど、周りの人間はどんだけ
振り回されて大変なんだろうとか思うと、関係ないのに私の胃が痛む思い。
こわい。。。

ソニーだって、コンテンツを持ち、メーカーであったのに、何故失敗して
しまったんだろう。
この本の感触でいう限りでは、そこにジョブズがいなかったからだ、と思う。
残念だな日本。。。

アップルはモノを売る会社じゃない。体験を売る。
もの凄いモノを作り出し、それを使い楽しむ人生の時間を売る会社。
ガレージから生まれた時のままの精神を、ジョブズは奇跡的に維持してる。
世界企業のアップルがガレージで動き出した時の身軽さを維持してる。
凄い。
ジョブズはアップルが大好きで、アップルに凄いものを作らせたくて、その
モノを自分で大好きでいる。
やっぱり大好きじゃなくちゃ、大好きなことをやらなくちゃ、本物には
なれないのね。
ビル・ゲイツとのかかわりとか、最後には少し穏やかになって、という辺り
じーんときた。本当に本当に本当に、彼らにしかわかりあえない思いがある
のだろうなあと思う。反発、戦い、喧嘩も理解も、文字通り世界を変えてきた
時のトップの思いってどんななんだろうなあ。全然タイプは違うけれどだから
世界に多様性がある、と思ってみたり。憧れる~。

間違いなく世界に天才という人間がいる。
それは素晴らしい人間じゃないなあ。天才は天才。凄いんだな。

CEOをやめる、というニュースが出た時のことも覚えてる。2011年8月。
死のニュースが流れた時のことも覚えてる。2011年10月。
私はてっきり、引退してから病気治療に専念、ということなのかなあと思って
いて、死が、そんなに早いなんてまったく思ってなかった。本当に驚いた。
この本はその死の直前で終わっているけれど、死、のことを知っている。
アップルとともにあった人生、か。
最後の方を読んでいるときにはぽろぽろ泣いた。読み終わっても泣いた。
天才って、凄いね。

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