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『特捜部Q―檻の中の女―』(ユッシ・エーズラ・オールスン/ハヤカワポケットミステリブック)

『特捜部Q―檻の中の女―』(ユッシ・エーズラ・オールスン/ハヤカワポケットミステリブック)

カール・マーク警部補。ある事件で同僚を失い、復職したばかり。
しかしルール無視のカールのやり方に殺人課は誰もついていけず、厄介払いを
したいところだった。
未解決事件を捜査しなおす、という新しい部署をつくることになった。そこで
カールは一人で存分に働ける、というわけだ。
助手として雇われたのはアサドという経歴がなんだか不明の男。アサドの
奇妙なやる気につられて、とりあえず捜査をはじめることにしたのが、5年前、
美しく活動的な女性政治家、ミレーデ・ルンゴーの行方不明事件だった。

デンマークの小説だそうです。
北欧のミステリとかが最近流行ってるの?これがシリーズの最初。
名前に馴染みがないので、これってよくある名前ですか?みたいなことは
さーっぱりわからない(笑)。デンマークでの常識とか社会情勢みたいな
ことも全然知らないので、ふむーと思いながら読む。その点、シリア系移民
らしい(でもなんかまだいろいろよくわからない)アサドにカールが軽く
説明するっぽい感じだったりするのでなにがなんだか、っていうほどのこと
はない。日本とはいろいろ随分違うみたい、というのが面白かった。

事件が起きた当時2002年と、現在2007年が最初は交互に書かれて
いて、それがだんだん近づいてくるにつれて凄くドキドキする。最後の方
にはあうあうと思って呼吸困難な気分。面白かった。

アサドにはいろいろ秘密がありそうだし、寝たきりになっていくらしい
仲間、ハーディも今後活躍の変化があるのかもな、って思うし、カールが
特捜部Qでどう活躍していくのかとか、妻とか義理の息子とどうなるかとか
部屋貸してるモーデンも今後なんか絡んでくるのかとか、登場人物の今後の
動きにも楽しみなこといっぱい。シリーズずっと読んでいこう。今出てる
のは次までかな。この、檻の中の女 が、2011年6月。次、キジ殺し 
ってのが、2011年11月に出てるみたい。早。このまま翻訳順調に
出てくることを期待です。

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『マインド・イーター』(水見稜/ハヤカワ文庫)

『マインド・イーター』(水見稜/ハヤカワ文庫)

短編集。
 野生の夢
 おまえのしるし
 緑の記憶
 憎悪の谷
 リトル・ジニー
 迷宮

この文庫の発行が昭和59年。1984年かな。最近完全版みたいのが
出たらしい。というついったーのTLに洗脳されて読んでみた。

人類が宇宙へ出てゆくようになった時代。マインド・イーターという
謎の生物だか鉱物だか正体不明のモノに遭遇し、死や破滅にいたる、と
いう感じ。マインド・イーターと戦うハンターが養成されていたり、
その研究をすすめるものたちがいたり。
宇宙には憎悪がある。
それは人の心が生み出したものなのか。

恐怖とのたたかい、という意味では普遍的な感じかなあ。SFとして
どうなのかとかそういうのはよくわからない。
私にとっては、んーと、衝撃的に面白いとか感動するとか凄いと思うとか
そういうことはなかった。またついったーの洗脳に騙された。。。
完全版というのにはあとふたつお話があるそうで、それを読むとまた違う
のかな。でもわざわざもう一度完全版を読もうというほどには思えない。
別にSFファンじゃないな私。そんで頭悪いからよくわからないんだろう。
こういう雰囲気に酔うことができなかったのでした。

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『SQ“かかわり”の知能指数』(鈴木謙介/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

『SQ“かかわり”の知能指数』(鈴木謙介/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

SQとは、Social Quptient。幸福度を高めるような他者へのかかわりの力を
示す指数、だそうです。社会貢献をする人、身近な他人のために何かしたい、
という人は、幸せだと感じている人が多い、ようです。

幸福度に関しての社会調査をしてたり図解されたりしていて、それはとても
よくわかるし、ふーん、と納得。
ある程度のゆたかさにおいては、誰かのために何かしたい、というのは自然な
行為なのかなあと思います。

震災後、絆を深めよう、みんなでひとつになろう、という世の中のムードは、
震災がきっかけでクリアに見えるようになったとはいえ、その前からゆっくりと、
モノより心、という風に広まりつつあった認識、というのも納得。
伊達直人現象とかあったね。今年も地味にあるみたいだし。身近なところで、
小さな自分にできること、というのをしたい。そうするしあわせ、というのは
確かにあるだろうなあと思いました。

私自身はなんもやってねーな。。。うん、自分幸せだと思ってないしね。
たぶん十分に幸せなはずなのだと思うんだけれども。自分の認識として
自分幸せじゃないと思ってる贅沢ものです。。。SQ低い、ってことか。

ざっくりではあるけれども社会の歴史的変化、というのに触れられていて、
これからの少子高齢化社会のために、ショッピングモールの活用とかいろいろ
提言もあって、面白かったです。
高度成長期的黄金時代はもうこない。社会の変化が変化しきれていない。
若者のニーズとのずれ、とか。
ものすごくわかりやすい。
とってもとってもわかりやすい。
正味一時間で読みきれる。
んが、これ読んでも別に私にとってはふーん、という以上の感想はなく。。。
えっとー。ビジネス書なのかな?マーケティング用?市役所の偉いさんとか
読んで考えてくれるといいのかも。地元商店街の会長とか?
とにかくわかりやすく丁寧に、語り口調での文章。
それがなんか私にはどうにもしっくりこないというか落ち着かないというか
気持ち悪かった。こういう文章が私は嫌いなんだなと思った。
巻末にはSQチェッカーもついてます。
私はやる気もおきませんでしたが。とことん社会貢献に興味ないんだな自分。
自分のダメっぷりをやや反省したりでした。

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映画『オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』

映画『オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』

初演が1986年だそう。25周年記念で、2011年、10月1日、2日と
ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールで記念公演が行われた。
その舞台をスクリーンで!

ってことを知ったけれども、私、映画版がとにかく好きで大好きでめっちゃ好き
なので、舞台を見なくてもいいかなあ、と思っていた。
四季の舞台は1回見に行って、それはそれで感動して満足したのですが。
去年の暮、期間限定上映みたいで、でもうーん。と見逃し続けていたのだけれども、
近くの映画館にきて、それを知ったのが水曜日。金曜日までだ。うーん、まあ
せっかくだし近いし見に行こうか。劇場であの音楽また聴きたいな。
ってわけで今日行った。

行ってよかった!
よかった!!!!!
見逃していいなんて思ってた自分のバカ!こんなにも素晴らしいのを見逃さなくて
本当によかったっ!!!

映画との違いはあるなあ、とか、舞台なのに場面転換凄いなあとか、そういうこと
も思ったりだけれども、ほんっとーーーーーーーに、とにかく音楽が素晴らしくて
素晴らしくて。キャストの歌も演技も素晴らしくて素晴らしくて。
圧倒されっぱなし。
凄い。
うまい、とか、そんなレベルじゃない。
本場のミュージカルってこういうことなのですか。完全に別世界。歌声にうたれて
涙がとまらない。死んじゃう。凄い。
毎度ながら、あの完璧なオープニング。音楽が鳴り響き、シャンデリアの覆いが
取り払われて煌き、一気にオペラ座の華麗な世界に引き込まれるところから涙が
溢れて仕方ない。

曲はさんざん聴いてて覚えてるし展開も知り尽くしているのに、まったく
目が離せない。うまい。すごい。うつくしい。うつくしい。うつくしい!
舞台ならではのセット使いも華麗だー。背景にはスクリーンをうまく使ってて
面白い。舞台上での早変わりもステキ。オケが上にいるのがまずびっくりした。
マスカレードのシーンの華やかさ最高!

舞台だと、ラウルはいまいちヘタレおぼっちゃま、という感じがしちゃうわ。
映画のラウルはとにかくハンサムで、墓場シーンでは実際ファントムと闘って
強かったりしてかっこいーんだけど。
クリスティーヌはもちろん素晴らしくきれいだし歌うまいうまいほんっとに
上手いんだけど、個人的好みとしては、映画のが好き。映画ならでは。まだ幼さの
残る少女のあやうさ、脆さ、無防備さ、無自覚であるがゆえのエロス、音楽に
囚われてゆく夢見がちな感じとか、そういうのがすごくよくって、映画のが好き。
実際舞台やるとなると、キャリアも実力もある女優さんじゃないとできないだろう
から、幼いあどけなさ、的なところは少なくなるよねー。
そして、嗚呼ファントム。
ミュージック・オブ・ザ・ナイトが至高すぎる。うっとり。死ぬ。そっちにつれて
いって。歌声で殺されるー。素晴らしい~。
映画の、ポインドオブノーリターンのシーンの方が好きだなあと思うけれど、
真っ黒の中マントの中のファントムを思うのもきゅんとくる。どんな切ない顔して
歌ってるのかと思うとたまらないです。はー。
素晴らしかった。もうほんとうに、何もかもが凄かった。感 動 っ。

カーテンコールがあって、みんなの挨拶。
そして、アンドリュー・ロイド・ウェーバーも登場。サラ・ブライトマンもサプライズ
登場。そして歌がー。
歴代ファントムな人たちも登場で、ミュージックオブザナイトが。も~~~~~~
たまらないっ!
私は舞台のこととか知らないから、だれが誰なのかとかすらわからずにただ聴いた
だけなのに、かっこよすぎて歌声だけでもう死ぬもう失神しちゃう~悶絶しちゃう~
うわあああ、と涙止まらず。凄い。
音楽の力って凄いですね。
音楽の天使が、この作品を書かせたのだと思う。この完璧な作品に出会って幸せです。
大好き。
カーテンコールでは制作に関わったたくさんの人がいて、アンドリュー・ロイド・
ウェーバーも感涙、という感じで頬が濡れてて、確かに、この舞台、セットも衣装も
プロデュースも一人じゃできなくてどれか一つでもダメだったらダメで、奇跡のような
素晴らしい舞台の完成を見て、感動しないわけないです。
自分も劇場の観客になった気分になれるし、でもスクリーンならでは、キャストの表情
までよく見えるしで、面白かったなあ。
三時間の上演時間。堪能しました。見に行ってよかった。幸せだった。大好きだ。

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『翁―OKINA 秘帖・源氏物語』(夢枕獏/角川文庫)

『翁―OKINA 秘帖・源氏物語』(夢枕獏/角川文庫)

7歳のその子を見た人相見は唸った。ただの子ではない。王の相を
持つ子だ。どのような道をゆくことになるのか、見当もつかぬ御方だ、と。

獏さんが源氏物語なのかー、と思ってわくわくして読む。
ちなみにこれも、電子書籍と単行本と文庫と同時発売。私は文庫で買った。

獏さん流、ということで、源氏物語の現代語訳というものではなく、
源氏をテーマにした新しい小説、ということらしい。蘆屋道満が出てくる。
葵の上に生霊が憑き、というあのへん。うんうん。それなら獏さん流ですね。
わくわく。
でも、道満が出てくるんなら、なんでー晴明さまに相談するのが先でしょー
筋でしょーーー、と、凄く思う。うーんそこは一緒にはできなかったか。
主人公が晴明と光の君と二人になっちゃう。獏さん的美形キャラな光の君
だから、姿の形容的にも晴明さまとモロ被りになっちゃうからなあ。

源氏物語だけどもののけの話。あやかしの話。光の君はもののけが見える。
道満と同じ側にいるひと。女を愛しながらどのおんなにも、いや、どの人間
にも冷たい。うつくしくつめたい。す、ステキ。うっとり。惚れた。この
光の君がいい。大好き。獏さん的美形キャラの流れ的にも大好き。うっとり。

源氏物語を題材にしているとはいえ、これは陰陽師だなあ。
そして仏教や古の神々の話、景教やらミダス王やら、壮大に神々の話を
絡めて、嗚呼こういうの好き、と、うっとりする。獏さんの世界だ。
ずうっと読み込んできた獏さんのブッダの話やら空海の話やらもつらつらと
連想してうんうん、と満足する。長年読み続けファンやってきてますから、
と、自分に満足。楽しいー。

道満がメフィストフェレスで光の君がファウストのような、と、あとがきに
よるとそういう感じらしい。源氏でファウストですか。あれもこれもだな(笑)
とても楽しかった。ときめいた。素敵だった。大満足。

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『ルー=ガルー 2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』(京極夏彦/講談社)

『ルー=ガルー 2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』(京極夏彦/講談社)

あれ。講談社だ。徳間から移ったのか。まいっか。

事件からあと。少女達の証言は信じてもらえず。あるいは、信じられたがゆえに
何事もなかったかのように隠蔽された。
ある日律子の家の前に、佐倉雛子がいた。
別れ際に渡されたちいさな瓶。それは、毒。

1が出たのは2000年だったよう。その時に読んだ。けど、まー忘れてる私。
しかし十年ぶりに出たのがこんなにもまんま「続き!」だとはー。とにかく
前の事件のことからのつづき、なので、えっとー前の事件どうだっけ。。。と
いうのを考えて気になって仕方ない。それなりに説明はされているのでまるで
わからないわけじゃないけれども、うーんでもこれは1を再読したほうがよかった、
とやや後悔。ま。読んじゃったけど。

アニメ映画化とかマンガ化されてるようだけど、そのへんは私は全然見てない。
そーやって続けて見て来ていれば2にももっとすんなり入れたのかも。うーん。

それと、この中で、敵、なのが、神崎ケミカルコーポレーション。
毒。
特殊な毒。小瓶。
って、邪魅の雫 の、だよね。京極堂の世界とまんま繋がるのか。1の時にも
そーいえばそうだったっけかな。
美緒がとってもエノキヅさんだあ、だったりで、あー京極堂シリーズが読みたい
あっちこそ続きだしてくれないかなあと、待ち遠しく思う。

そしてこの話も、あれまだ続くのかな?という感じ。アユミちゃんなんでそんなに
超人なんだっけ。。。やっぱり1から続けて読むべきだったー。もやもやが残る。

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『屍界』(五條瑛/双葉社)

『屍界』(五條瑛/双葉社)

<革命小説>シリーズ第9弾。

多国籍と日本人との対立。多国籍をしめつける法案に反対するため
政治にかかわってゆこうとするuk-X。
街のあちこちで起こる競り合い。対立を煽り力を握ろうとする影。
この国のバランスをとろうとする秘密のつながりは後継者を探していた。

出たのは去年の夏で、その時にはガツガツと読んでしまった。しばらくおいての再読。
いろいろな人が死んでいく。
時が流れたんだなあと思う。それでもそう長い時間ってわけじゃないか。
まだ十年とはたってないくらいかな。感慨深い。

亮司がなんだかんだいいやつで可愛くて、もうやめろよー、と言いたくなる。
この話の中の多くの人もお前はこんな世界にいちゃダメだって心配してるのに
どうしてそっちいっちゃうかね。
櫂を見捨てられない。
情を捨てられない。
そこまでしなくていいじゃないか。なんでだよー。
でもそこまでしてしまうから亮司であって、愛されてしまうんだよなあ。

櫂は一体どうなっちゃうんだ。
この革命はどこへいくんだ。あと一冊でラスト。
日本の未来。子どもたちの未来。どう生きるのか。
すごく楽しみ。
サーシャはどう見届けるんだろう。すみれの未来。鳩はどうなるんだろう。
大川は?リャンは?櫂はどうするんだ。
きっと沢山の人が死ぬ。でも未来はあるはずだ。次が待ち遠しいです。

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あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2011年のまとめ。
さるさる日記がなくなってしまったので6月に読書日記お引っ越し。
地味に感想メモ書いたのを数えてみました。

本は113冊。
おととしのまとめしたときに、100冊いってなかったので、
2011年はもうちょっとがんばろうと思っていたと思う。
一応100超えたのはよかったかなあ。ここに書きそびれてる
のがもうちょっとあるけどまあ、大体こんなもんかなと。

今年は初めて読んでみる、という新しい作家さんに手を出して
みて面白かったりそうでもなかったりでした。
柳広司は期待ほどではなかった。全部が全部面白いわけじゃないなと
あたりまえのことを思ったり。
映画にハマって、東直己のススキノ探偵シリーズをざくざく読んで
面白かった。しかし肝心の1、2作目がまだ読めてない。
図書館の順番待ち中です。早く読みたいなあ。

映画は、劇場に見に行ったのが24本。これもまあまあ。
DVDでみたりテレビので見たりももうちょっとあり。
録画したままのがまだあるので1月のうちに見たいー。

去年は震災がやっぱり大きくて、私はこれといってなにも被害が
あったわけでもなんでもないのに、あの日常が壊れた感覚は自覚が
なかなかできないほどに深くぐっさりきました。
かつて経験したことのない地震の揺れ。どうしようもない混乱。
怖いというのを自覚するのがこわくて日常をとりもどしたいというか
ふつうにしてふつうに暮らそうと懸命でした。

2012年て、すごい未来みたい。日常が今SFみたいになっている。
放射線を街でフツウの人がふつうに気にしてる。公園散歩してるのかなと
思ったら手に、あれきっと放射線計測してる機械をもってるのか、と
いうのを見た。SFみたいな世界を生きてるのか私、と不思議です。
世界はどうなっちゃうんだろう。

今年もでも、面白い本をいっぱい読んでおもしろい映画をいっぱい見て
自分なりにいろんなことがんばって、いい一年になるといいな。

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