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『一般意志2.0』(東浩紀/講談社)

『一般意志2.0』(東浩紀/講談社)

ルソー、フロイト、グーグル

2009年から20011年春までの雑誌連載だったそうです。
震災の直前で連載最終回。その時期でなければ書けなかったし、
本にするにあたっての加筆修正をしようとしたらもう全然違う
本になりそうなのでほぼ連載時のままに本にまとめたらしい。

これは、社会思想的エッセイ?未来への提言。未来への夢。
政治への関心が極端に下がった昨今、新しい民主主義、新しい
政治のありかたをさぐるエッセイ、か。

夢を語ろうと思う、と書き始められた第一章。

ルソーとかホッブズとか懐かしいな~と思う。高校時代だっけか
社会契約の話しとか。と、そういうレベルでものすごく分かりやすく
書かれている。すごく面白く読める。
ルソーの思想ってそうなの?と思う。政府との契約じゃなくて、
人々は一般意志を形成し、その意志に政府が従う、というカタチ
なのか。知らなかった。
とかいっても、私は原点にあたることもしてないし知らないので、
そうだったのかー、というのが正しいのかどうか。。。鵜呑みに
しちゃいかん。と、思うけど、まあさしあたりルソーだとか
いろいろな学者の説を紹介しているところはたぶんそうなんだろう
なあと受け止める。引用されてるのをいちいち自分で納得しよーと
するほど熱心にはなれない。
日本の、大澤真幸とかあたり少しは自分でも読んだことがあった
のがあったりするのはちょっととっつきやすく感じる。けどあんま
ちゃんと覚えてるわけじゃないしな。

ルソーの唱えた、一般意志を、ネットワークの発達した今、いや、
ネットワークやシステムがもっと発達してゆく未来、50年か、
100年先かの未来、一般意志2.0として、社会形成に使うことが
できるのではないか、という提言。
ネットに書き込まれる人々のつぶやき、検索などなどなどを集合知
として利用し細分化専門家した政治への感想として活用できないか。

ツイッターは、でも、この連載書いていた頃にくらべるとまた変容
してきているだろうから、この本のイメージのようにいくのかなあ?
というのは疑問だけれど、言ってることはすごく面白いしほんとに
そういう利用していけると凄いんじゃないのか、と思う。
プライバシーの問題は?とか解析するアルゴリズムを誰がどんな立場
でつくるんだ、とか、まあそもそもそういうシステムが、とか
考えることは山ほどあると思うけど。現状からしてももうここで言われて
いることが実感できるようになってきているわけで。
ユピキタス社会?今よりももっともっともっともっともっともっと
みんながネットにつながり情報を(意味があることもないことも)
あげていくようになるのは想像に難くない。
ほんとうにそうなった時には、この本で書かれている夢の話が
現実的に実用するかどうかの議論になるだろうなあ。

情報のデータ集積が無意識をつきつけてくる不快、というの、納得した。
アマゾンのあなたへのおすすめ、とか、ついったーのつながりのおすすめ?
とか、私はなんかイヤで、私が欲しいものは私が決めるんじゃーおらー、
と、アマゾンに無駄な抵抗をしておすすめ商品はなるべく無視するけど、
やっぱあれ便利ーとも思う。でも見透かされてくる感じがイヤなんだ。
あれ、無意識をつきつけられるようでイヤなのか、と思った。

この本の提言をもとに、この先どうなるのか、どうするのか、どうできるのか、
いっぱい考えることができる。
現状じゃ無理だけどこの先、には。ホントに集合知が、市民の無意識が
利用できるようになるかもしれない。
どうなんだろうー。
50年後、には生きてるかどうかわかんないから、10年後、いやまあ、
3年後にでも読み返したい。3.11の後、でも、リアルにいけるかどうか。
今もまあ、3.11後だけど、まだなんにも終わってないと私は思ってて、
これ書かれたのは前のことだしな、と思って読んでるから、この先、
というのはいろいろ保留。
思ってた以上にずっと読みやすくて、一気読みしたけど、ダメだな。
立ち止まれ。考えろ、と思う。
夢の話が夢のままかどうか、見ていたいなーと思う。

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