« 『リトル・ピープルの時代』(宇野常寛/幻冬舎) | Main | 映画「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」 »

『ラーメンと愛国』(速水健朗/講談社現代新書)

『ラーメンと愛国』(速水健朗/講談社現代新書)

 第一章 ラーメンとアメリカの小麦戦略
 第二章 T型フォードとチキンラーメン
 第三章 ラーメンと日本人のノスタルジー
 第四章 国土開発とご当地ラーメン
 第五章 ラーメンとナショナリズム
 
ラーメンから現代史を読み解くスリリングな試み!
という帯。
ラーメンの歴史というよりは戦後日本の歴史の流れな感じ。
アメリカの小麦戦略から始まるか。戦前にもラーメンはもちろん
あったようですが。中華そばとかですね。今のラーメンの
イメージ的なところは、戦後。チキンラーメンが一気に広まって、
というところから、かな。
すごく読みやすく分かりやすくふむふむと思う。読みやすすぎて
わかりやすすぎて、単純化しすぎているのかな、と思うけど
ざっくりした感じではいいのかなー。

田中角栄が道路つくって地方への観光が始まって。
札幌ラーメンのブーム。喜多方ラーメンというご当地ラーメンの
成功、というのはなんだかとても納得した。
B級グルメもかなりそうだと思うけど、ご当地グルメは観光の
ためにつくられ仕掛けられたもの、というメディアの在り方なんか
がわかりやすい。

貧乏下宿のお手軽夜食、というインスタントラーメンから、
今はご当地ラーメンならぬご当人ラーメン、店主が職人的になり
こだわりのラーメン道、ラーメングルメになってきた流れ。
ラーメンポエムは、根拠なんてない日本の職人こだわりのイメージ
を勝手に演出するヘタウマ筆書きの人生訓みたいな。作務衣の演出
みたいな。私はあんまりそういうのに乗り切れない。
美味しいラーメンがいっぱいあるのは嬉しいけど、店主のこだわりで
敷居が高くなるとかいうのは無理ー。
ラーメン二郎のコミュニケーション消費、というのもわかるけど、
自分は参加できないー。
そういうのも遊びとしてやってるんだろうけど。カメラがなくても
リアリティショーのようにふるまう感じ、が、なんだか無理なんだけど。

ラーメンだけが単価を上げてきている、というのも凄い。
昔はラーメンもっと安いものだった。今確かに、こだわり麺屋の一杯は
1000円近くになってきているよなあ。
安いチェーン店というのもあるけど。

メディアの流れ、という面も書かれている本で、そういうのも面白かった。
不況の後のプチナショナリズム、というのも。ラーメンの表記がカタカナ
が減ってひらがなになったり、「麺屋」「麺処」になったり、というのも
言われて見ればそうだなあ。
ラーメンポエムが書いてあるような、こだわり麺屋に行きたいな。
店内をじっくり観察しに行きたい。
美味しいラーメンが食べられればほんとはどうでもいいんだけど。
面白かった。

|

« 『リトル・ピープルの時代』(宇野常寛/幻冬舎) | Main | 映画「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 『リトル・ピープルの時代』(宇野常寛/幻冬舎) | Main | 映画「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」 »