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『ススキノ、ハーフボイルド』(東直己/双葉社)

『ススキノ、ハーフボイルド』(東直己/双葉社)

ハードボイルド、の、ハードの「ド」をくしゃっと鉛筆で潰して
「フ」に変えてるようなタイトル。
表紙の見返しには「青春ユーモアハードボイルド」てなことが
書いてある。
主人公は松井省吾。高校三年生。受験生。北大を受験する、というと
北海道じゃ独特の尊敬を集めるみたい。受験勉強をクイズのように
こなしつつ、ススキノを自分の街として飲み歩くことを覚えつつある
途中。素敵なきれいな年上のホステスの恋人、真麻のうちに泊まる
こともしばしば。

進学校の高校生くんでしょ。ススキノ飲み歩いてていいわけ?(笑
ススキノ探偵シリーズ、『駆けてきた少女』と同じ時間を共有してる。
探偵のほうにもちらっと出てきた。こっちにも探偵は、便利屋だよ、
ということで少し登場している。
衝撃なのは、高田くんもいるんだけど、松井くん視点からの描写だと
トドみたいな男、ってことらしい。えええー。私の脳内では高田は
松田龍平なのに~。トドなの~~~。探偵もたしかに太った太った、と
反省はしてるような日々だったわけだけど。そうかー。そーなのかー。
トドねえ。いやあ。まあ、私の脳内では松田龍平でいくから。

話は大部分は『駆けてきた少女』とかぶるのかな。松井くん視点の話
なので、高校生なので、なにがなんだかわからない、というままで。
最後に真麻が話してくれるまで何やってるのか何が起こってるのか
わからない。粋がってなんとかなりたい高校生がススキノをうろうろ
する、という話かなあ。
素敵な年上の恋人、というのがほんとうに好きなんだなあと思う。
探偵の時にもあったね。
探偵はまさに自分の若い頃を見る気分で松井くんを眺めただろうし、
気のいいおっさんが息子のように可愛がる、とかね。
ボコられたりして痛い目にも多少あってるけど、若者よ、可愛がられて
いるなあと、なんか微笑ましく眺める感じ。

東さんの小説って主人公の一人称で一人視点だから、ほんとに最後の
ほうまでなにがなんだかわからないのが面白い。
残りページが減っていくのになんかわかんないままじゃん、と、読んでる
こっちが不安になる。事件、どうなるんだよ。
また事件があんまりすっきりきっぱり終わったりしなかったりもする。
(一応のところは終わる、けど。なんとなくなんかどうにかなったみたい、
という感じだったりする)
個人が絡む出来事って、そういうものかもなあ、と思う。。。

『駆けてきた少女』より出版年は先になるのかな?2003年。
真麻と松井くんの出会いとかわかって面白かった。勝呂さんとか柏木薫織
とか同級生。勝呂、つまり駆けてきた少女の子はこっちにはほとんど出て
こなくて、彼女が麻薬絡みで警察に、退学に、というあたりからの話なの
で、駆けてきた少女より時系列はちょっとだけあと。
これとあわせて読むと、駆けてきた少女ももう少しよくわかる感じだなあ。
旧友は―にもちらっと出てきたっけ、松井くん。北大には行かなかった
のかな??ウィキで見るとハーフボイルドシリーズ、でもう一冊あるみたい。
うーん。
そこまではおいかけないでおくか。

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