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合同歌集『間奏曲』批評会 2011年10月23日(日)

合同歌集『間奏曲』批評会 2011年10月23日(日)於日本出版クラブ会館

『間奏曲』は四人の合同歌集。それぞれ100首とエッセイ。淡くテーマとして
それぞれの住んでいる土地を思わせる歌がまとめられている感じ。
参加しての私個人の覚書なので、発言のメモも私の個人的主観でのメモです。
間違っていることもあるかも。

最初にパネリストの方からの発表。
紺野万里さん。河野泰子「雨・雨」(レイン・レイン)について。
これまでの歌集、歌とは、歌が変わったなあということ。これまでとは
違う生活をしていることが歌にも現れているのか。見ていた、というのが
これまでの歌だとしたら今は自分が動く、という違いがあるようだ。

釜田初音さん。山本照子「羽衣」について。
表現のテクニックの上手さ。歴史や古典文学とのクロス。京都に住むという
ことを歌っている。近藤さんからの影響を思わせる日付のある歌。
京都に住み始めてから、京都に慣れていく作者の姿がよく見える。

中原千絵子さん。寒野紗也「雲を踏む」について。
江戸の小粋さ。「はは」が三人いるということ。幼児の作者が失われた母を
探しているような歌。ここではないどこか、芝居を愛すること。人懐っこい孤独
というような。大切なものに深入りしない照れのある歌。

田中槐さん。糸永知子「草苑」について。
小さいものへの呼びかけ。まなざしのやさしさ。日常の季節感を五感を通して
感じる歌たち。きりっと清浄な歌い口の潔さ。歳月を自然体で受け入れている歌。
さいとうなおこさんもいくつかふれていて、静かだけれど動きのある、
きっぱりとした歌のよさをお話されていた。

『間奏曲』という歌集の成立の成功はメンバーの四人のハーモニー。それぞれ
の歌人の、これまでとこれからの間にある歌として、まとめられた歌集。
パネリストの方は作者の背景にも踏み込んで、この歌集だけでなく、それぞれ
の歌人の流れのようなところも話してくださって、あまりよく知らない私と
しては面白かった。そういうのが少し見えるとまた違う発見もあるなあと。
でも、もちろん作者を知らなくても歌で見えることが十分にあって。
後で作者さんたちが、歌はこわいわ、見抜かれているということをおっしゃったり
したのも印象的。
こう、とばかりでなく、いろんな読み方があるのを聞いて面白かった。

会場からも、と、まずはゲストな日高さんから、小野澤さん、宇田川さんと
話を聞き、次々にみんなの発言。
四人いっぺんの感想は大変だろうということで二人分ずつ、とあるていど
わりふりのお願いをしていて、ずいずいとみんなにマイクが回り、みんなが
話す。それぞれが丁寧に読み込んでいて、とりあげる歌も様々で凄い聞き応え。
ほぼ全員がパネリストなのでは、という感じで凄かった。
なんですかこれ。未来の実力?
面白かったです。
私も発言の機会いただいたのですが、小心者なので緊張してあわあわ。一応
読んで考えていったけどうまくは話せず。嗚呼。精進しなくては。。。

麻生さんからノートを始めたころのお話を聞けたり。
糸永さんが、80になってもまだ自分の歌に自信がなくて、というような
ことおっしゃってた。あーそっか。私なんが自信なくて当たり前だなあと
思った。自信もって努力やめたらオシマイなんだろう。
四人でノートを回して厳しく批評しあう。その姿勢におそれいる。
一人でがんばらなくちゃいけないのはもちろんなんだけど。仲間がいるって
素敵なことね、と素直に感動した。
面白かったなー。
参加できてよかった。ありがとうございました。

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