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『探偵はひとりぼっち』(東直己/ハヤカワ文庫)

『探偵はひとりぼっち』(東直己/ハヤカワ文庫)

トムボーイズ・パーティは盛り上がっていた。マサコちゃんが
アマチュア・マジシャンのテレビショーに出るのだ。
マサコちゃんはオカマさん。46歳、トキタテツノスケ、が本名。
彼女の憧れだったマジックショーで準グランプリを獲得した二日後、
彼女は殺された。

ススキノ探偵シリーズの第四作、と裏表紙には書いてある。
短編集は数に入れないのかな。『消えた少年』の直後。探偵は30
そこそこ。まだ若いねー。春子さんとラブラブいちゃいちゃ中。
高田くんもまだ大学院にかろうじて在籍中といったところ。
だいぶ先のほうをすでに読んじゃったのでなんだかひどく若いねーと
思ってしまいながら読んだ。

みんなに愛されていた気のいいオカマちゃん、マサコちゃんの死。
しかし警察の捜査がどうにもはかどらずおかしい。何かの圧力なのか?
と、事件から数ヶ月後、<俺>は動き出す。
すると、何やらわけのわからない暴力に見舞われるようになり、
どうやら大物政治家が絡んでいるらしいということがわかってくるが。
しかしやっぱり何がどうなってるのかよくわからないままに探偵は
動き回り、つけ狙われ殴られたり大変。とばっちりで高田くんは
入院する羽目になったり。大変だ。
探偵はやっぱりみんなに助けられてるなあ。

そんで、大人の事情的なことに徹底的に従わない。誰もがヤバイこと
になる、と手をひいたことにつっこみ、探偵にも誰も関わりになりたく
ないような態度になってくるのに。落ち込みつつもめげない。
結果的に政治がらみの陰謀的なことはなくて、頭のオカシイ理不尽な
嫉妬野郎だとわかったんだけど。
なんだかやりきれないなあ。。。マサコちゃん可哀相だった。

悪そうな政治家っぽい人、モデルがいるらしいけど(解説によると)
北海道の政治家って私はわかんないなあ。
でも、昔は純粋に愛し合っていたんじゃないのか。
そう思うと切ない。薔薇の花束。どういうつもりだったのか、は、
わからなかったけれど。消そうとした、なんてことはなくて。
若き日を思い出してろまんちっく気分にかられたのだ、と、思いたい。
マサコちゃんに会えたらよかったのに、と思う。
それとも会わないほうがいいのか。ともかくなんだか切ない。
マサコちゃん、可哀相だよ。

春子さんとはらぶらぶ、そして赤ちゃんができた、というところで
ぶつっと終わってる。これは順番に読んでる場合気になるところでーっ
とひっぱられるかなあ。私はもうその後を読んじゃったけど。
春子さんもなんだか可哀相だけどなー。
男が男を通す、って。馬鹿で青臭い。ちょっとかっこいいけどね。

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