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『消えた少年』(東直己/ハヤカワ文庫)

『消えた少年』(東直己/ハヤカワ文庫)

困った時に、電話できる相手がいるっていいな。

 ※私がすごく好きだったシーンのことを書くので、そういうの
  ネタバレかもしれない、です。

ススキノ探偵シリーズ、4作目?本としては4冊目なのかも。
長編第三作、ということみたい。
バー、ケラー・オオハタで楽しく飲んでいたところに、安西春子
という女性が訪ねてくる。中学の先生である彼女。生徒を助けに行く
手助けをしてほしい、という頼みだった。

中島翔一くん。その後たまたま映画館で再会。話をしたら結構趣味が
あう。探偵は彼を気に入る。その彼が、消えてしまった。

何度もたまんない気持ちになった。
読んで、私も中島少年のことを大好きになっちゃったから。
中島くんは中学生なりに精一杯でもの凄いことに巻き込まれちゃって
どうしようもなくなってて。助けてやらなくちゃ。と、完全に探偵と
同化して読んじゃった。だから一緒に走り回って希望もって、なのに
突き落とされて殴られて殴って走りまわって走り回って限界を超えて
がんばってなんとか、中島くんを助けたかった。
はー。
読み終わって呆然。凄いわ。

中島くんが映画好きな子で、その年頃なりに冷めてたり粋がったりして
まさに中二病全開なんだけど、実際中二なんだから当然だ。

 「ところでキミは何年生なの?」
 「二年」
 「中学二年か。俺も、昔は中学二年だったよ」
 「そりゃ、そうでしょ」

昔は中学二年だったよ。私も昔は、中学二年だったよ。

映画が好きだったり、本が好きでも音楽が好きでも、鉄道が好きでも
サッカーが好きでも、なんでもいい。昔中学二年だった、好きなものが
ある人だったら、たぶんつまり多くの人だったら、中島くんを気に入る
探偵に同化できると思う。
そして、消えた少年のために捜査を始めて、中島くんのうちに行く。
父子家庭。父親はちょっと問題を抱えてる。外見にはごく普通の家が、
中はゴミ屋敷だった。靴のままどうぞ、と、いう家。床にはゴミが散乱
しているから。
中島くんの部屋を見せてください、といって、彼の部屋のドアをあけた
時、少年の部屋は驚くほどきれいで掃除が行き届き、整理整頓されていた。
そのシーン読んだ時、私はぼろぼろ泣いた。
彼を助けてあげなくちゃ。
彼を助けてあげなくちゃ。
彼は中学二年なんだ。

それからもうずーっと泣きそうな気分で読んだ。早く彼を助けたくて。
生きてると信じて。
探偵、頼むよ。探偵、なんとかして。助けて。見つけて。

なんかいろいろ凄いことになって、変態でサイコで、探偵もボロボロに
なって痛かった。
でもよかった。
すごくひきこまれた。面白かったー。

高田くんの出番はそこそこ。やっぱすっごいかっこいい~。惚れる。
強いー!頼りになる~!
でも高田くんはあくまで助っ人。単純に相棒っていうような関係でも
ないね。でもそれもまたすごいいい。惚れる~。大好き!高田くんが
話してくれるんだったら、日帝戦時統制経済下の農業政策の話でも聴くから!
すげーつまんなさそう!でも面白そう!高田くんから聞きたい(^^)

図書館で借りたけど買おうと思った。私にとっては大傑作。読んでよかった。
ほんと映画化ありがとう。知ることができてよかったー。

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