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映画『ゴーストライター』

*ネタバレがあるかも。


映画『ゴーストライター』

巨匠ロマン・ポランスキー監督。
元英国首相の自伝のためのゴーストライターとして採用された男。
あまり気乗りしないながら、ギャラはよく、代理人に促されるまま
仕事をすることになる。政治に興味なんてない。だが、前任者の死
に疑問を持ち、残された写真やメモを見つけたことから、思わぬ事態
に巻き込まれてゆく。

ユアン・マクレガー演じる、ゴーストライター。超人でもヒーロー
でもなくて、あんまり冴えないただの男。ちょっとしたジョークで
笑わせてくれたりする。平凡な好青年なユアンくんがよかったー。
好き。シャツにセーター、全然おしゃれでもなんでもないただの
セーター着てるのが多くて、そういうふつーな感じ、なんかつい、
手がかりを見つけてしまったので好奇心疑問をちょっと追及してみて
しまったらなんだか大変なことに、ってのがすごいよかった。
元英国首相、ラングをやってるのはピアース・ブロスナン。007じゃん、
と思う~。でもここでは、ちょっとハンサムだけどあんまり賢くはない
引退して怒りっぽかったりして情けないダメ男な感じ。私はブレア首相
についてまったく詳しいわけじゃないけど、ええまあブレアなんだねと
いうのはモロわかり。まだそんなに古い人でもないと思うんだけど
こーゆー映画のモデル(元ネタ?)になっちゃったりするのねえ。
まー、ブレアだけがモデルってわけじゃないんだろうけど。

アメリカとかイギリスとか有名人の自伝ってよくあるよね。みんなやっぱ
ゴーストライターなのか。あの本の装丁なんかも、いかにも、ああ、ああ
いうのあるある、みたいな感じ面白かった。コネタっいぱいあるみたい。
イギリスやアメリカに詳しくて見るともっと楽しいのかも。英語の聞き分け
とか。出版のこととか。私にはあんまりわかんないけど。
ストーリーとしてはサスペンス、なんだと思うけど、ちょこちょこクスっ
と笑わせてくれたりするので、ハラハラドキドキで苦しい!というような
スピード感ではない。雨だったり寒そうだったりの閉塞感が強い。

なんでそう、ユアンくんはあっちいったりこっちいったりよくわかんない
のに喋っちゃうかね、と、見てるこっちが心配してしまう。
好奇心猫を殺す、だねえと思う。あぶないでしょ。慎重になれよー。
そんでCIAなのかすべての黒幕は?仕事がめっちゃめちゃ早いじゃないか~?
原作を読もうかなあ。もうちょっと細々書かれていたりするだろうか。
見にいって満足。結末知ってからもう一度見返したくなった。

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『契約』上下(ラーシュ・ケプレル/ハヤカワ・ミステリ文庫)

『契約』上下(ラーシュ・ケプレル/ハヤカワ・ミステリ文庫)

ストックホルム沖に漂流するクルーザーが見つかった。
そこで発見された若い女性の死体。
同じ頃、武器輸出を監督する政府の長官が自殺していた。
追われる女性。不自然な人事。背後には武器輸出に絡む陰謀があった。

ヨーナ・リンナ警部のシリーズの2作目。国家警察の警部、というのが
よくわからないけどFBIみたいなものか。公安とかもあるみたいだし。
今回もハラハラドキドキきゃーこわい誰か早く助けて助けて助けて!
とやめられないとまらないの勢い。
映画的、というか。一人の人物をおっかけて、カットバックでまた
別の人物をおっかけて、それが交差してやっと!という感じ。
ハラハラ危機一髪!のところでシーンが変わるので、ああああーっ
どうなるの助かるのあの銃声は!?どうなるのーっとひっぱられる。
ドキドキ。
心臓に悪いです。

スウェーデンというお国柄とかほとんど知らないわけだけど。
名前がちょっと変わってる感じはするなあ。まだ不慣れ。女性なのか
男性なのかちょっと迷うような名前もあったり。まー私は大体海外もの
はあんまりちゃんと名前覚えられない。。。字面のイメージ。誰だっけ、
とか思いつつも、ま、大体。勢いで読みきる。
一つ一つのシーンというか、章がかなり短い。だから読みやすいのかな。
スピード感ありあり。アクションもガンガン。映画にしたら派手になる
だろうねえ。
でも人物描写はすごく細々している。こういう風に人物をじっくり
たっぷり書いてくれるのは好きだな。
ヨーナ・リンナに関してはでも今後も小出しにしてひっぱるのかしら。
いろいろありそうで楽しみ。

前作の『催眠』が映画化だと役者あとがきに書いてたけどそれホントに
大丈夫なのかねーと思ったり。監督は決定してるみたいだからちゃんと
話すすんでるのかな。映画できたら見てみたい。リンナは誰がやるんだろう。
あの催眠の先生は誰だろう。アクション大作になるのかじっくりやるのか。
完成して日本でも公開になるといいなあ。

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『旧かなづかひで書く日本語』(萩野貞樹/幻冬舎新書)

『旧かなづかひで書く日本語』(萩野貞樹/幻冬舎新書)

旧仮名遣いは難しくありません。
むしろ合理的。
気楽に使いましょう。旧仮名のほうが日本語がよくわかります。
というような本。
時々、著者の意見というか、新仮名遣いがヘンだおかしい馬鹿馬鹿しい
間違ってる!という主張が強くてニヤっとしちゃう。

旧仮名の文章や本を読むのは問題なく読めるけれども、自分で使う
時にはちょっと構えてしまって、難しく考えすぎてあああ無理、と
思ってしまったりだけれども、この本を読むと、なんか気楽な気が
してくる。ハ行と、「ゐる」とに気をつけて書けば大部分カバーできる、
というのがわかって、そっかーと思う。
活用、とかね。あ~、と昔を思い出して、無理わからん、と反射的に
思うけれども、別に無理じゃないわ。苦手意識を捨てて冷静に読むと
そうなのね、とシンプルに覚えるしかない。そして、今私は誰にテスト
されるわけでもないから、覚えられなくてもまたすぐ本を見ればいいし
辞書見ればいいし。気楽~。
もちろん例外もあるわけなので、使い慣れていくうちに細々と覚えて
いけるといいんだろうな。
ま。
まだまだ私はいちいち辞書見て確認しながら、だなあ。でも注意点が
わかってきて、よかった。
気楽に読めるし勉強にもなるし、50音図もあるし。
文章を旧仮名で、とまでは思わないけれども、身構えずに使えるように
なりたいなあ。慣れろ慣れろ。

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『竹とヴィーナス』(大滝和子/砂子屋書房)

『竹とヴィーナス』(大滝和子/砂子屋書房)

大滝さんの第三歌集。2006年までの作品から430首ほど。
出たのは2007年10月。

どれもこれも素晴らしくて素敵で、付箋をたっぷりつけている。凄い。
宇宙規模の感覚がすんなり日常に混ざっていたりする。そのすんなり
具合が凄い。数学がお好きなのかしら。これを読むまで気づかなかった。
すごい好き。
壮大な、でも大地につながっているような身体感覚。女なんだなあと思う。
女神だと思う。
父の死の歌が度々出てくる。死者としての父がいる感覚。これも女神。
紀記の感じの女神。キリスト教的モチーフも出てくるけれども、やっぱり
実感としては日本の神話につながるのかなあと思う。
相聞の歌も素敵だった。ベタつく感じは全然なくて静謐。素敵だなあ。
なんかでも、思ったよりもわかりやすい歌のような。歌集にまとまると
そうなのかな?この時期がそうなのかな?読み比べていきたい。

いくつか、好きな歌。いっぱいありすぎるんだけども。

 腕時計のなかに銀の直角がきえてはうまれうまれてはきゆ
 太陽とわれの年の差おもいつつ肩胛骨を灼かれておりぬ
 いくたびも万葉仮名を羽化させてきみとわれとが抱きし国あり
 「片づける」に殺すの意味があることを想いつつ部屋片づけている
 片瀬から新宿へゆく瞼あり電車のなかに闇うまれしむ
 みずからの脇を洗えりキリストは息絶えし後ここを突かれき
 君という冬にむかいて珈琲を飲みいる夏のひるさがりかな
 桃は鍵もたぬものなりひそやかに舌の上へ迎えるものなり
 素足にて夜のしずけさに昇りゆく階段はふと葡萄のごとし
 ビッグバンのころの素粒子含みいるわれの手なりや葉書持ちおり
 遮断機にとどめられつつみずからの家の外灯艶なるを見る
 きょうもまたシュレディンガーの猫連れてゆたにたゆたに恋いつつぞいる
 冥王星(プルートウ)と海王星(ネプチューン)の内外(うちそと)の位置変わる日に売られいるパン
 紅ふかき薔薇へ寄りゆく十指には関節という不可思議ありて
 躰とは脈うつ大陸それぞれの孤独な奴婢に統べられながら
 ウエストも青空もまた締められて春風さむき街あゆみゆく
 丸善へ父の匂いをかぎにゆく死にたる父よ我はさすらう
 転向者の瞳のようなドロップが路傍にころがりながら早春
 腰かがめ髪洗うときなにならむ脱皮の蛇のごとく苦しき
 スカートへもう天(おおぞら)がやって来たなんと風の強い日だろう
 われの尾が太陽系超え伸びてゆくもの想いせりつめたき人よ
 日が短くなったね(なったね)自転車のライト、御先祖さまはいないね

いっぱい写してしまった。()はルビ。(ルビじゃないのも一首ある。
漢字が一個違うのもある)
もっともっと、好きなのいっぱいー。改めて読むとますます大滝さんの
ファンになった。
 

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映画「トランスフォーマー:ダークサイド・ムーン」

映画「トランスフォーマー:ダークサイド・ムーン」

3Dで見てきた。

アポロ計画は、月にUFOが着陸(衝突?)したことを確認するという
極秘ミッションを帯びた計画だった。
50年前、月の裏側に着いたのは、サイバトロン星から逃れたセンチネル
だった。

で、えーと、なんだっけ。もう、ストーリーはどうでもええやん。
まーその、メガトロンの悪巧みで、センチネルが人類とオプティマスを
騙して、サイバトロン星を地球にもってきて復活目指すけどそうはさせない、
ってな感じです。

トランスフォームっ!オプティマースっ!!!!ビー!!!
ディセプティコンもオートボット軍団も、なんかぎゅるぎゅる悪いロボットも
みんなみーんなすっごいかっこいい~~~~~~~~~!!!!!
すっげー!すっげー!わーっ!きゃ~!どかーん!がしゃーん!かっこいー!
と、ひたすら破壊と変形を満喫。

最初のほうでチェルノブイリが出てきたり、ビルが倒壊させられたりと、
う、と、心苦しくも思わないでもないけれども、これはもうとにかく!
どぎゃーん!ぐわーん!とロボットと米軍と、がっしゃんがっしゃんこれでもかっ
とかっこいいを満喫する映画っ。
レノックス大佐相変らずかっこいいなあ。ビーはもう相変らず可愛いったら
ありゃしない。ちびロボたちも意外と役に立ってたし、マジでどーでもいい
彼女も最後にメガトロンに悪い囁きをして役にたってて、よかったねー。
というか、メガトロンがなんだか(^^;まあそういうキャラだよね。
オプティマスが現れて助けてくれた瞬間はかっこよさに涙が出そうに感激したっ。
しかしそのあと、なんか絡まってしばらく動けなかったみたいで、微妙に
頼りない感じだったりして。。。たのむよオプティマス~。でももちろん
最後にはばしっとかっこよかった。

空軍さんたちが、あの、飛行スーツ?で飛び降りていくとことか超かっこいい!
でもあの意味は一体。まー、意味とか考えるもんじゃないのでした。
映像がすごーい!ってのを堪能するのだ~。
ビーがサムとか乗せてるのに、いろいろ避けるために一瞬放り出して危機回避!
んでまた人間助けて車になって、とか。トランスフォームをめっちゃかっこよく
見せまくってくれてシビレル。ビー可愛い~すご~い~!

これは3Dで見てよかったな~と大満足。これこそ、映画館で3Dで見なくて
どーするっ、という作品。かっこよかったよおお。オプティマースッ!

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『虚言少年』(京極夏彦/集英社)

『虚言少年』(京極夏彦/集英社)

うつくしい青春なんてないだろう。子ども時代がよかったなんて嘘だ。
ごちゃごちゃと屁理屈をこね達観しているようでそうでもなく、単に馬鹿で
あるという「僕」は、内本健吾。小学6年生である。
クラスで目立つことなくどうでもいい存在の僕。誰にも気にされていない
けれども、嘘つきである。

とまあ、少年たちの馬鹿話。
子どもが子どもらしく、ってことはなくて、京極夏彦の語りだなあ。
この語彙は小学生じゃねーだろ、ってこともあらかじめ断り済みなので
ああもうそういうものなんだなと思って読む。
そもそも最初に、嘘つきなのだ、と宣言されている。
それが本当なのか嘘なのか、は、どうしようもないことだ。そういうものだ、
と思うしかない。
小学生でモテたい願望がなくて、クラスで目立たずあんまりあたりさわりなく
やってく、けれども、何故か馬鹿のウマがあうという校外での仲良し、仲良し
というか、仲間というか。一味というか。そういう友達がいて。平凡な毎日が
の馬鹿馬鹿しく面白い些細な日常、のお話。
もー。馬鹿男子!と、小学生なやつらである。可笑しい。みんないいキャラ。
京野達彦はちょっと京極夏彦、京極堂入ってる感じね。中善寺くんの少年時代
がこんなだったりして、と思うとかなりもえる。

時代をはっきりとは設定してないにせよ、こっくりさんが大ブーム、とか、
ノストラダムスの大予言、とか、私自身の子ども時代もそんなんありあり、と
いう感じ。昭和のどこか、ということで。京極夏彦は1963年生まれ、か。
私よりは上だけど、ノスタルジー的には共感できるところ。
最初になんだかんだ書いてたわりには、十分素晴らしく楽しい子ども時代って
いう作品になっていると思ったなあ。実際、なんにもこれといった目標や目的
があって努力して、というタイプではまったくないので麗しい青春の汗と涙と
感動、っていうのではないけどね。馬鹿だし。屁だし。
とても面白かったよ。

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『マークスの山』上・下(高村薫/新潮文庫)

『マークスの山』上・下(高村薫/新潮文庫)

南アルプス。北岳。
一家心中から一人生き残った少年。
同じ頃同じ山で起きた土木作業員による殺人事件。
それから十数年―新たな殺人が起こる。

映画化されたのが1995年だって。単行本が出たのは1993年らしい。
これで直木賞受賞なんですね。
映画を見に行ったあと、本を読んだ覚えがある。講談社文庫化の時には
読んでないので、かなり久しぶりの再読、ということになる。高村さんは
文庫化のときに大幅改稿するそうで。単行本読んだ記憶は曖昧ながら、こん
なにも濃厚ではなかった気がする。。。たぶん単行本読んだりした頃には
私はマークスに夢中で、あんまり合田とかの印象がなかった。と、思う。
記憶ぼんやりしてるなあ。ともあれ、今読むと、当然ながら、合田と加納に
もえもえらぶらぶ。二人ともめっちゃかっこいい美形キャラじゃん。何故昔
は気づかなかったのか。我が身を恥じます。でもマークスにひきつけられた
んだよ。文庫読んでもやっぱりそれはそうだった。
「講談社文庫を底本としています」と最後に書いてあったので、新潮文庫化
にあたっての大幅改稿はないんじゃないのかな。ぐぐって見ると、マニアな
方はごくごく細かい違いを発見したりしているみたいだけど。

マークスがちょっと、病気で、ということで、ミステリ的に動機がどうこう、
というのはあんまり明確じゃない感じがする。でもめっちゃくちゃ濃厚濃密
で、面白くて面白くてやめられないとまらない。もったいないのに一気読み
してしまった。合田の動き、捜査をいちいちすべて追いかけ、警察組織の末端
の一員として捜査する、あるいは勝手な独断もする、その姿をみっしり描き
見せてくれている。息がつまる。合田のひらめき、あるいは自虐自己嫌悪、
呆然、クール、すべてがぐいぐい脳髄に注ぎ込まれる感じ。苦しい。
合田シリーズはこれが最初らしいけど、最初からもう離婚してるんだー。
そんで最初から加納とらぶいえろい。まーすでにレディを読んだ後なんで
そうとしか私は見られない。加納~。かっこい~。若きエリート~。

たぶん昔読んだ時には、合田とか加納とか、33歳っていうのが私的には
おっさんだったのかも。今読むと若いねまだ青いねって気がする。若くて
優秀、って。本の中でもまだ若いって感じだけど、昔は美少年趣味だった
青いワタシは、30代がおっさんーとしてあんまりは眼中になかった気がする。
WOWWOWでもドラマ化があったのね。マークスが高良健吾だったんだ。
それはすごくイメージ合う。ちょっと見てみたい。
でもきっと、高村作品は本が最高だ。圧倒的圧倒的圧倒的。またしばらく
ぐったりしてしまう。大満足。

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『リゾートタウンの殺人』(サンドラ・スコペトーネ/扶桑社ミステリー 文庫)

『リゾートタウンの殺人』(サンドラ・スコペトーネ/扶桑社ミステリー 文庫)

好評のレズビアン探偵シリーズ、第5弾。
友人達がロングアイランドの小さな町に買った別荘。その手入れのために、休暇
のために、ローレンとキップも一緒に出かけた。
ローレンの浮気によって、ぎくしゃくしている二人の仲。それを修復するために
休暇をとったのだが、この小さな町での殺人事件を、調査するよう依頼される
ローレン。捜査が進むにつれて、過去の子どもの連続殺人事件も浮かび上がって
きた。

このシリーズ、全部読んでたかどうかあんまり記憶が確かではない。いくつか
は読んだ、と思うけど。シリーズ第5弾、ということだけど、この後には出て
ないみたい。終わったというか、書かれなくなったのか翻訳されなくなったのか
わかんないけど。この文庫の発行が1999年だ。この前図書館のリサイクル
で見つけてもらってきた。
この前の話で、ローレンが浮気したらしい、けど、うーん、それ読んだかどうか
覚えてないなあ。この本自体も読んだかどうか覚えてないなあと思ったけど、
最後まで読んで、途中読んだことあるとあんまり思わなかったから、たぶんー
読んでなかったかな。。。
事件の捜査そのものは、なんだか行き当たりばったりっぽくって、えーと、ただ
話を聞いて周るだけで向こうが勝手にボロボロボロ出してくれて解決、みたいな
感じがする。小さな町ぐるみ、って、ありなんだろうか。んー。
でもどっちかというと、ローレンとキップとの仲がどうなっちゃうの、という
ことのほうが気になるところ、メインなのか、という感じなので、事件のことは
気にしないで読む。
長くカップルでいるって大変だよね。読んでるかぎりだとローレンのほうが
わがままちゃんだと思うけど。そういうところにもキップは惚れてるのか??
基本的にローレンの一人称だからキップの気持ちがいまいちわからなくてもどかしい。
ローレンと一緒になってキップの気持ちがわからない、ともやもやするのが
いいのかなー。でもなー。カップルでいるって不思議だ。
この後のシリーズ出てないってことは、なんだかんだいって二人は仲良く暮らし
ました、と思うしかないのか。チェッキーがせっかく警察やめて相棒になった、
ってことなのに、中途半端な気がする~。なんだか物足りないけど、まいっか。
すでにあんまり覚えてないくらい私もおっかけて熱心に読んだわけじゃないし。
レズビアン探偵というのがものめずらしく売りだった時期は終わったという
感じかなあ。かといって他にあんまり知らない。なかなか微妙な気分で終わりー。

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『あほかいな、そうかいな』(池田はるみ/ながらみ書房)

『あほかいな、そうかいな』(池田はるみ/ながらみ書房)

エッセイ集。
もうタイトル見た瞬間からにこーっとなってしまって、面白いっ、と
中身にも確信が持てる素敵な本。
雑誌に5年あまり連載されていたもので、ひとつひとつの話は短い。
3、4ページほどのエッセイ。そのどれもこれもがちょっぴり笑わせて
くれたりしんみりさせてくれたり。いいなあ。

大阪の生まれ、ということでやわらかい大阪の言葉、大阪の勢いで
とても素敵に書かれている。東京での暮らしが長く、それゆえに昔の
大阪、が池田さんのなかに更新されず残っているということらしい。
でもそれはある程度意図的に残してきているがゆえ、なのだと思う。
歌人として長く素敵な歌をつくり続けている人だから。言葉や人の
話、人を見ることを丁寧にきちんと考え表現してゆけるのだろう。

それにしてもほんとうに、こんなにも日常が素敵に、面白くある
ものかしら。池田さんだからなんだろうなあと思う。
嫁である。息子夫婦のよき姑である。ご近所づきあいを始める
一人である。遠い親戚とも親しくつきあう。姉の妹である。そんな
普通に暮らすひとりの女のささやかな出来事。
読んでほわっとなるし、フフってなるし、ますます池田さんのファン
になってしまう。
かなり深刻に辛いこともあるね、と思うけど、それをさらっと厭な
気持ちにさせることなく読ませるの、さすが。
こういう風に年齢重ねていけたらなあ、と思う。でも私じゃもうすで
にいろいろ無理やわ(^^;
でもこういうふわっと、すいすい、と、しゃんとするところはちゃんと
しゃんとして、生きる姿勢、視点を見習いたい感じ。
ほんとに素敵な本でした。

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『催眠』(ラーシュ・ケプレル/ハヤカワ文庫)

『催眠』(ラーシュ・ケプレル/ハヤカワ文庫)

ストックホルム郊外で一家惨殺事件が起きた。
重傷ながら目撃者である15歳の長男。行方不明の姉もまた命を
狙われているかもしれない。一刻も早く犯人への手がかりが欲しい。
警察からの強い要請によって、エリック医師は催眠で少年から話を
引き出すことになった。

スウェーデンの小説かあ。読むの初めてかも。
匿名作家としてのデビューだそうで。でも今は夫婦作家だとバレて
いるそうです。そもそも知らないのでまあそれはどっちでもいい。
映画的サスペンス、というとおり、次々に事件が移り変わり駆け回り
過去の出来事も絡み、登場人物たちの思いをしっかり描きながらも
息つく暇もなくハラハラドキドキ!面白かった!
催眠治療、という胡散臭げなものを生真面目にやっていたエリック・
マリア・バルク医師。しかし、もうやらない、と誓いをたてていた、
という過去。夫婦。家族。
捜査をひっぱるヨーナ・リンナ警部。行動的で頼りになってかっこいい。
でも決して超人的なわけじゃなくていい。
犯人たちがサイコで理不尽でとても怖かった。
映画的、だと思うけど、これ二時間の映画じゃとても収まらない盛り沢山
だと思う。映画的スピード感、だけど、登場人物それぞれのこと、を、
映画にするとするとかなりすっとばす感じなになるんじゃないかなあ。
登場人物もけっこう多いしね。

ヨーナ・リンナ警部シリーズ、ということになるそうです。
第二弾をこないだ本屋で見かけて、面白そうなのかもと思ってこの一作目
図書館で借りた。面白ーい!と満足したので次のも予約した。早く読みたいな。
楽しみです。

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『ロマンス』(柳広司/文藝春秋)

『ロマンス』(柳広司/文藝春秋)

昭和八年。春。秋。
麻倉清彬は若くして子爵を継いでいた。
唯一といっていい友人、伯爵家の子息、多岐川嘉人が巻き込まれたトラブル。
カフェーで見知らぬ男が死んでいた。

華族様たちの華麗なる世界。とはいえ、日本だし、それほど華麗なる世界
ってわけじゃなかった。
清彬はロシアの血が4分の1入ってる、放蕩者の両親に幼くしてパリを
つれまわされ、外国暮らしの長い美形超人キャラ。なかなか素敵でした。
もうちょっと不穏なことになるのかと思わせておいて、やはり「ロマンス」
だったのね。
そしてこの後やさぐれて清彬はやがてD機関に。なんて妄想しても楽しい
かもしれない。
面白く読みました。

が、どうにもキャラが類型的すぎて微妙に物足りないんだよなあ。
とくに嘉人。まーそういうアホか馬鹿かまっすぐで善良天然ちゃんなのが
愛されるというものなんだとしても、ふーん、というくらいでなんだか。
子供時代のエピソードとかもうちょっとなにか素敵に印象的なのがあると
違うのかなあ。うーんー、という感じ。物足りない物足りない。
いろいろ脳内妄想してみるのは楽しい。
好みの問題かなあ。私はこの著者とはあんまり気があわないのかも。
清彬なんてすごい好きな感じの設定なのにどうしてこうも物足りないのか。
うーんー。
万里子もなあ。そばにいて仲良くすごして、うつくしい少女だったから
好きになりました、ってだけっていうのもなー。まーそうなんでしょうね、
ふーん。ってくらいにしか思わない私の感受性がダメなのか。万里子の
魅力がなんにもわからなかった。まあ私は女性キャラには基本的に興味
持たないから私の問題なんだろうけど。
面白く読んだんだけれども、読み終わって満足感は私には少なめでした。

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映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート2』

映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート2』

3D上映。
でも3Dじゃなくてもいいんじゃないのか。見にくいと思う。3D私はまだ苦手ー。
 
さて。
ついにヴォルデモートとの戦いが終わる。
ハリーとヴォルデモートの戦い、というわけじゃなくて、ホグワーツとヴォルデモート
の戦いなのだったんだなあとしみじみ。
ハリーの活躍って、あんまりないじゃん?最後だけのような。でもまあみんなで
戦った!というお話だからいいのか。
ハーマイオニーはやっぱり可愛くて凛々しくてできる子。
ロンも地味に役立っていた。
ネビルがすごくできる子に成長していたー。

スネイプ先生が素敵じゃないか。一途!健気!可哀相だ。
あの思い出の中ではダンブルドアのほうがヒドイ人だったよーな。
なんていうか、リア充爆発しろ!みたいな感じのスネイプ先生、いいヤツなのに
報われないタイプなのが哀しい。ハリーには最後には伝わって、理解されてよかった、
かなあ。でもやっぱり哀しかった。

マルフォイはすっかりヘタレに。最初の時は期待したのに、所詮悪役としても
下っ端の小物でしかないのね。
ヴォルデモートのビジュアルはなかなかにグロくもあり、ちびっこに見せていいの
かしらと思ったりした。
ヴォルデモート。なんだかそんなに恐れられまくっているほど恐ろしい存在だった
のか?というのが私には最後までよくわからず。んー。まあ基本ハリーがスペシャル
な存在で、ヴォルデモートを倒す、という最初からの始まりだったので、仕方ない
のか。んー。本を読んだらもっと凄いとかわかるのかなあ。

それにしてもパート1と続けて見たいと思った。1ではどうだったっけ、と最初しばらく
戸惑った記憶力のないワタシ。
やっぱり映画だとあらすじ、っていう感じがどうしてもした。映画見終わって満足
したことだし、原作を読むことにしようかな。

そして、始まる前にいろいろ予告があり。
ミッション・インポッシブルが12月にあるのね。すっごいかっこいい面白そうーな予告を
見た。たっぷりと。これは、毎度のことながら予告ですべてかっこいいところ
見せられて予告が一番面白かったパターンかも(^^;と心配。でも見たい。見るー!

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夏の文学教室「いのち」を語る

7月30日に、日本近代文学館の、第48回夏の文学教室に行ってきた。
以下、あくまで私個人のメモとして覚書。

一時間目。島田雅彦。「Is life short or long?」

震災の二日後に、50の誕生日を迎えました。という話から。ちょっと
文学的感慨にふける、ということで。近代文学の先輩、というのは、
みんな若死の人が多くて、と言う話。近代文学は青春文学なんですね、と。
谷崎とか永井荷風なんかは例外的に長生きで、老人文学をつくったけれど。
漱石はわりと長生き、とはいえ、49歳だった。その年も越え、私が
死んでももう若死にとは言われないですね。
葬儀の話。若い子と付き合っておこうと、やさしくしてる。この頃は
「仏の雅」と呼ばれてまして。(って、(笑))
中上健次の葬儀は人が多くて、偲ぶ会はサウナ状態だった。とか。

さて、と、日本は金持ちの国、だったことからこのごろ転落してる。
お金の使い方、の話とか。
人の欲望、のあり方として、永遠に若く、美しく。不老不死の願い。
しかし、「永遠」というのは人の脳がつくった観念。自然界ではありえ
ないこと。
老人の財産は未来へ投資するしかない。あの世にはもっていけませんから。
快楽、を人が感じれられる量は決まっているのではないか。
日本人の志向として、ナチュラル志向。風流、を好む。
資本主義の破綻した殺伐とした世の中、ナチュラル志向、風流のほうへ
戻るのではないか。
災害の多い国。「国破れて山河あり」。自然回帰。縄文という原点。
自然のサイクルを断つ、帰るべき自然が破壊されているのが原発問題。
チェルノブイリはまだ汚染されているけれども、森に戻っている。
放置されたスタジアムのフィールドに木が生え森になり、鳥が戻っている。
フクシマの回復そのものをビジネスとしていく方向があるのではないか。

ポスト3.11の文学は?
ほんとはヘタレですけど、アウトサイダーだから、っていっちゃう。
そこに私の倫理がある。古代に思いをはせつつ、未来を思う。
システムの寿命、サイクルは6年。12年。60年。長くは持たない。
心が初期化されて、家族とか原点に戻ろうとしている。
偽善と売名は十分やったので、これからはアウトサイダーに、不謹慎な
ことを、言いたいな。書きたいなと思ってます。
古代中国の古い神話。
昔人は、不老不死だった。年をとると皺がよってしわしわになって、脱皮
する。生まれ変わる。しかしその脱皮はとても苦痛を伴うので、神様に
訴えて、脱皮はなくして、死を与えてもらった。
個としての人間は有限、となったが、類や属としての人間は不滅。
理性や悟りは、受け継がれてゆき、不滅になるのだ。

とまあ、ものすごく大雑把に私の個人的メモの一部として。
皮肉もあり、笑いもあり、お話盛りだくさんで飽きる間がなく、なにより
とってもいい声。ああうっとり。相変らず見目麗しく、年を重ねてもますます
素敵です~。面白かった~。大好き~。満足~。

二時間目。堀江敏幸さん。「「いのち」のきざす言葉、言葉にきざす「いのち」」

最初、先の島田さんの話をうけての、復興書店の話とか。偽善、といえるのは
本人だからですね。ということで。震災後の朗読会などの話とか。

言葉を抜いた大人たち、という話。
A→B→Cというのをきちんと話さず、いきなりAからCになったりする。
それはおかしい。
まどみちおさんの詩の話。自作の話。
立ち返るときに言葉がたよりになるのではないか。
というようなお話。
私は堀江さんの本を読んだことなくて、よく知らないのですが、ソフトな話しぶり
の雰囲気はイメージする著作の感じだなあと思いました。

3時間目。岡井隆。「いのちの詩歌」
このごろは何の話をしても震災以後、ですね。というところから。先日の大会でも
新聞でも、震災の短歌が多い、というような。海、を読むのが違ってきますね、と。
『二十歳のエチュード』のお話。
表現や言葉に対する絶望。
今、何かを言う時、やすやすと表現できるような錯覚があるのではないか。
命は死のレッスン。生の後ろには必ず死がある。

宮澤賢治の詩。
「永訣の朝」を丁寧に読み解いてのお話。
賢治と妹としとの、互いが二人だけど一人、半身であるよな関係のお話。
賢治の詩としてのレトリック。詩歌は挽歌。
人は、他人の死しか経験できない。
鷗外、
一日、一篇の詩を読んら、そのあと本は閉じて、一日その日はその詩のことを
ゆっくり考えてほしい。
詩が、いのちをもし反映しているとしたら、めんどうな手続きを経てゆっくり
向き合っていくもの。

岡井先生も素敵なやわらかい声でいつ聞いてもやっぱり何度もうっとり。
医師としての経験をふまえての話、医師時代の経験、淡々とお話になるけれど
すごく迫力があってこわくなる。
死を、長い時間たくさん見てきた人なのだと思う。
賢治の詩のレトリック、について、感情的なことだけでなく、レトリックの
丁寧な解説面白かった。大好き。大満足。

すきな人の話をたっぷり聞けてとてもうれしかった。言葉。詩。文学。大好き。

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