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『不死細胞ヒーラ』(レベッカ・スクール/講談社)

『不死細胞ヒーラ』(レベッカ・スクール/講談社)

ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生

ヘンリエッタ・ラックスという一人の女性。
彼女から採取された癌細胞は、培養され、分裂を続け、今もなお生きている。
世界中の科学者の研究素材となり、癌治療のための研究のみならず活用され
てきている。
しかし、彼女の家族たちは長年その事実を知らされることはなかった。

ヒーラ細胞、というのが有名でそんなに世界中で使われているものだとか
いうことは私は全然知らなかった。
なんでヒーラ細胞だけが不死細胞となって増え続けているのかはわからない、
ということ。わかんないのかあ。ヒーラ細胞が他の細胞を汚染する、とかいう
のもあんまりピンとはこない。そーゆー方面の知識ゼロなので、この話の
出発点としては六〇年ほど昔の話、から現在までなんだけど、なんとなくSF
っぽいような気がしてしまう。細胞の培養とか。その細胞が不死だとか。無限
に増えてるってどーゆーこと。とか。

でもこの本のメインは、ヘンリエッタ本人、その家族の物語。
貧しい黒人ファミリーだったヘンリエッタ。彼女の家族は、彼女の細胞が
研究に使われて生きていることを知らず、知らされた後には混乱ばかり深めて
いく。ヘンリエッタの娘のデボラの苦しみや狂気めいた不安定さ。
何故そんなにも怖れるのか、何故そんなにも母の細胞に執着があるのか。
その愛情のあり方って、正直私は共感できなかった。宗教観の違い?もちろん
生きてきた環境も違うし。ラスト近くの宗教的救いのようなシーンとか。
目の当たりにすると納得するのかなあ。不思議だった。
ともあれ、著者が誠実に綿密に取材を続け、書きあげたのだろうというのは
わかる。

自分の体組織がいつのまにか研究に利用されていくことに関して、きちんと
した定義はなさそうな。難しいのかなあ。私の細胞が私の知らないところで
培養されなんか研究され、っていうことになったら。んー。別に私は気にしない
ような気がするけど、もしも実際そうなったら、と思うとわからない。まして
それが何らかの利益を生み出すことになったとしたら。んー。でもその成果って
私のせいではなく研究者の成果だから、とも思うけど。うーん。わからない。
そしてなんだかやっぱりSFのような気がする。不思議。
何故ヒーラ細胞だけがこんなに生きて、増えてゆくんだろう。不思議だった。

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