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2011年3月

TITLE: 『ブレードランナー』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/21/2011 16:31:41
STATUS: Publish
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BODY:
『ブレードランナー』ディレクターズカット 最終版

出かける気力なっしんぐ。
というわけで、セールになっててつい買ってしまったまま見てないDVDを見る。
劇場公開版と、完全版、と、この最終版と、3つが一枚に入ってるDVD。
公開1982年だ。
約30年前、ってことになるのか。三十年前!?80年代って三十年前かあ…。
ハリソン・フォードが若いわけだよ。

懐かしい未来。この映画の舞台は2019年。
街のごちゃつき。雨。トレンチコートのクラシックなハードボイルド探偵スタイル
だなと思うデッカード。でも、コンピューターの性能はともかく見た目はゴツイ。
薄型モニタではなくブラウン管に緑が点滅する。でもかっこいい。
自動車は空をまだまだ飛びそうにない。レプリカントの性能をあと8年で生み出せるか
疑問。でもどうだろう。実現する未来かもしれないともまだちょっと私は期待する。
レプリカントの怯えと狂気が魅力的。あの怯えが。無垢なるものと感じられる。
SFだけどクラシック。静か。

劇場版とは、たぶんちょっとラストが違う、のかな。劇場版のほう細かく覚えて
ないので見直したい。ナレーションこっちだとなし。劇場版だとあるらしい。
リドリー・スコットの一言コメントみたいなイントロダクションあり。でもホント
ひとことコメントなので、まああってもなくても、みたいな。
暴力シーンの追加ありなのか。でもそんな激しい暴力シーンがあるとも感じない。
ハリソンくんはインディまでもだけど、ずっと追い詰められ痛めつけられるぞくぞく
キャラで凄く素敵。たくましいのにどこか危うい。脆い。素敵だ。追い詰め、
相手を殺していくキャラなのに。痛めつけられる男、の印象が強い。それがたまらなく
セクシーで素敵。好きだー。
雨の日にこもってみるには鬱々感たっぷり。満足。
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TITLE: 『猫の散歩道』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/21/2011 11:27:07
STATUS: Publish
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BODY:
『猫の散歩道』(保坂和志/中央公論新社)

保坂さんとしては軽い感じ、読みやすいエッセイ。ということだそうです。
新聞での連載などが多く入っていて、一つ一つがごく短いもので、確かに
読みやすくすんなり、という感じ。
タイトルどおり、猫に関する話がたくさん。
保坂さんちの猫もだけれども、道々で出会う猫とか、迷い猫なのかな?と
気になる話とか、通い猫が子どもを産んだみたいだけどどうだろう、とか
そういう話。
猫好きというかもう猫めろめろで、猫といると「楽しいなあ楽しいなあ」と
ばかり思う、という感じがすごくよくわかる。ああ猫。猫と一緒にいたいよ、
と、私は寂しくなる。私の猫は実家でのんびり幸せにやってるみたいだから
いいのだけれど。猫~。

保坂さんの小説を読んでいた頃に比べて、なんだか保坂さんは書くことへの
こだわりがすごくある頑固親父な感じだなあと思うようになった。そのこと
に対して、自分自身がどう思うかちょっとうまくいえない。小説家として凄い
とも思うし、でもちょっと辟易するような気もするしイヤな感じもするし素晴らしい
とも思う。微妙。好きとも嫌いともいえない感じ。

発売記念(?)のトークショーに言った。トヨザキさんとの対談で。地震の前日
だったよ。3月10日。
初めて生身の保坂さんを見て、しゃべっているのを聞いて、本の感じのような
人だなあとも思ったし、まあ人前でしゃべる、という場なので、もちろんそういう
場での振舞いなのだろうなあとも思ったり。もちろんどういう人なのかわかった、
ということでは全くない。よくわからないけれども、あー、と、なんとなく
ふうんと納得はしたような。って、こう、ちゃんと書こうとすればするほどああでも
ないこうでもないになる。んむー。
トヨザキさんリクエストで朗読もしてくれた、「ただ黙ってそこにいる」の話が
私もとても好きだ。こういう感じをちゃんとしてるのはやっぱり好きだと思う。
地震の前と後では。ということを考える。その体験の前と後では。ということ。
言葉のことを考える。

本は緑色の表紙で白い猫、翠の目の猫の可愛いイラストで持っていて嬉しい本。
サインもらって、保坂さんの猫イラストももらってにへ、と思う。猫可愛いよね。
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TITLE: 『切りとれ、あの祈る手を』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/16/2011 11:59:30
STATUS: Publish
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BODY:
『切りとれ、あの祈る手を』(佐々木中/河出書房新社)

<本>と<革命>をめぐる五つの夜話

第一夜 文学の勝利
第二夜 ルター、文学者ゆえに革命家
第三夜 読め、母なる文盲の孤児よ―ムハンマドとハディージャの革命
第四夜 われわれには見える―中世解釈者革命を超えて
第五夜 そして三八〇万年の永遠

佐々木中って誰。と知らないままに。後ろの略歴見ると、1973年生。
東大のなんかながーい名前の院を出て文学博士。今は二つほどの大学の
非常勤講師、だそうで。ついったーのTLで出た当時絶賛の嵐の、河出の
ついーと宣伝につられて図書館で予約してみた。

語り下ろしというのだっけ。話をまとめて本にしている。
その口調が私にはどうにも受け付けなくて最初から無理だーと思いながら
読んだ。こういう語り本は語る人のことを好きになれないと私個人としては
だいぶ無理な感じがする。そもそもこの人の前の著作読んでないし、知らない
のにいきなりこれ読んだのが無理なのかも。それにしても。私は受け付けない
気持ち悪い文章(語り)だった。。。いかん。。。
私は何も知らない愚かなものですよ、といいながら、自分が愚かと知ってる俺カコイイ(キリッ
としてるように感じてしまって仕方なかった。
季節の挨拶みたいのから始まって、まあ、その聞き手との雑談めいたところなんだ
ろうけど、そんで走ってますとかここまで歩いてきましたとかいうのもなんだか無理。。。
前著で述べたので、繰り返しません、というようなのもしばしば出てきて、前著
読んでなくてすみませんって感じだし。途中で話が長くてすいませんとか、大丈夫
ですかこれ、とかはさんだり。ソフトに語り始めつつだんだん熱くなっていくとか。
うーん。ハマれる人ももちろんいるのだろうが、私はちょっと。。。

話してる中身はもちろん賢い素晴らしい引用の数々、この人なりの熱い思いなの
だろうけど、たまになんでそんな当たり前のことを熱心に言うのかとかわからない。
私こそ本当に馬鹿で何も知らないから読めてないんだろうけども。
さらっと読み終わる。図書館貸してくれてありがとう。すみやかに返却します。
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TITLE: 『全貌ウィキリークス』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/15/2011 18:45:37
STATUS: Publish
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BODY:
『全貌ウィキリークス』(早川書房)

マルセル・ローゼンバッハ/ホルガー・シュタルク 著

ウィキリークス。極秘文書、内部告発文書を丸ごとネット上で公開する組織。
創設者、ジュリアン・アサンジ。
アフガン文書公開の際にメディアパートーナーとなった、ドイツ、「シュピーゲル」誌
の記者が描く現在までのウィキリークス。

2010年のことまで載ってて、え、ついこのあいだ。というのが早速翻訳で
読めて凄いと思う。
ジュリアン・アサンジ、そういや捕まるときの映像をニュースで見たな、と思うけど
すでに保釈されているらしい。今はどうしてるのか。今のウィキリークスはどうなって
いるのかもう知らない。。。
外電文書公開の騒ぎとかあったなーと、大きなリークのニュースは私でもまだ覚えてる。
でも日本じゃあんまり騒いでなかったような。いやちゃんと騒いでる人はいたんだっけか。
よくわからない。
そして。
私はあんまりそんなになんでもかんでも知りたい。公開しろ!とは思わない。
従順な平凡な飼いならされた小市民のままでいいや。とちょっと思ってしまう。
ジュリアン・アサンジに心酔する気分にはならない。
カリスマ、ではあるのかもだけれども、やはりここでも、内部崩壊、裏切り、みたいな
ことになったりもしてるみたい。あまりにも急激に大きくなるときって、組織が組織に
なってないしいろいろうまくはやっていけないんだなあと思う。
あんまりうまく組織をつくるとかやるタイプではないようだし。アサンジ。
 
この本読んだからわかった、っていいきれはしないけど。ウィキリークス。どうなる
のだろう。一瞬だけのあだ花でバラバラになりそうな気がするなあ。どうかなあ。
 
そして今は。なにより先日の地震津波の直後すぎて。情報戦がどーの、とか権力の
横暴がどーのこーのとか正直。。。いや大変なことだとは思うけど。
所詮電気がなくちゃサイバースペースなんて何の役にもたたん。情報は重要だけど
本当に必要な時には結局新聞やラジオだったりするんじゃねーか。という気がして
空しい。んー。ITとか情報革命って。電力安定供給あってのものだなあ。平和な気分
の時に読んだらもっと面白かったかもだ。
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TITLE: 『評価経済社会』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/09/2011 18:13:09
STATUS: Publish
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BODY:
『評価経済社会』(岡田斗司夫/ダイヤモンド社)

ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

『ぼくたちの洗脳社会』の大幅改訂版!だそうで。
洗脳社会、読んだっけ、と自分の日記を久々に検索。読んでた。
もともとの出版は16年前、だそうで。大幅改訂版、としてはいるものの、ベースとしての予測、パラダイムシフトに立ち会っている、というのが
古びてないどころか具体的にネット社会、ついったーやらなんやらで
「評価経済社会」としてよりクリアに見えてくるようになっているのが凄い。

「お金」の時代から「評価」の時代へ。
価値観の転換期。で、たぶん私は新しいほうが好きになっていつつも
古い価値観にガチガチに捕らわれてる部分も大きくていろいろツライ、と
思ったり。もう若者じゃないし。まあ年齢はあんまり関係なく、かな。
新しいほうにどんどんいけてる人のほうがまだ少ない。し。新しい価値観、
評価経済のほうも別にラクに生きられるよ、ってわけじゃないし。
評価、なんて、お金よりもっとつかみにくくて崩れやすいものなんじゃない
のだろうか。んー。それもまだ古い思い込みだろうか。んーーー。でも評価
って貯金、というか、抱え込んで溜め込めるものじゃないしなー。
価値観の転換期だ!とわくわく楽しんでのりきっていける人はやっぱり今
その種の天才なんだろうなと思う。
と、なんだかブルーになりつつ(笑
面白いと思うけどメンドクサイ。。。あーまたしても自分のメンドクサイ病が。。。

ともあれ、やっぱりものすごくよくわかるように書いてあるしものすごく
納得させられる。信者にさせられるー。まあこうやってなるほど、と価値観を
選択、自分なりにコーディネイトしてくのが自然になっていくんだから。と。
あーこの本を鵜呑みに。。。
でも鵜呑みにはなれないところもあって、書いてないところが気になったりも。
情報過多になるからたくさんあるものをどんどん上手く使うのがかっこいい、という
ところを書いてるけど、少なくなるモノを大事にする、というところは書いてない。
『キュレーションの時代』をあわせて思うと、情報過多の今を、どう楽しくやって
いくか、ということはなるほどなんだけど、少なくなっていくモノをどう大事に
するのか、は、なくて、そっちも気になる。ま、自分で考えろなんだけど。
何が美徳になるだろう。うつくしく生きたいなあ。
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TITLE: 『大局観』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/09/2011 13:48:56
STATUS: Publish
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BODY:
『大局観』(羽生善治/角川ワンテーマ21)

―自分と闘って負けない心

「反省はするが後悔はしない」
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
そんな将棋の言葉を何度も繰り返している。
「大局観」全体を見ること。経験を積み重ねて自分の「大局観」を持つこと。
羽生さんの経験は羽生さんにしかなくて、それはもう凄いだろーと思う。
冷静だ。いつも。
いやでも、棋士の人はみんなそうなのか。みんな、ではないのだろうけれど。
何時間もかけて勝負をする。勝敗を決したあと、淡々と振り返ってその場で
感想戦だっけか、やったりしてるのがほんと凄いと思う。内心はいろいろ
あるのだろうけれども、それはそれとして、という切り替えが。

プロ棋士としてはその勝負が続く世界にいることが日常なのだから、というのは
あるとして、それがやっぱり凄くて。プロって、そう、勝負をつけていくプロって
ほんっと、どんな世界も凄いなあと思う。

羽生さんの将棋が何一つわかるわけじゃないけど、羽生さんは私にも伝わる
言葉を持っていてしゃべったり、本を書いたりしていて、いつ見ても凄いと
思わせるトップにいて、もう、えーと何回凄いといっても言い足りない。
将棋全然知らなくても読んで面白かったし少しは何かわかることに近づける気がする。
この本の中でも尊敬する人やら感銘をうけた映画やらいろいろ出てくるけど、
ずうっと将棋の勉強も実戦もこなしていながら、なおそういうものへもちゃんと
手を伸ばして自らの力にしていってる。凄いよなー。

40歳かあ。これから50歳になるのも60、70になるのも、どんな姿を
見せていってくれるのかとても楽しみ。ゆるぎなく間違いなく、これからも
トップであるだろう。百万分の一でも、この柔軟性強靭さ冷静さ向上心を、
見習いたい~と思って羽生さんの姿を見続けたい。
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TITLE: 『人生の法則』
AUTHOR: シキ
DATE: 03/03/2011 19:11:19
STATUS: Publish
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BODY:
『人生の法則』(岡田斗司夫/朝日新聞社)

「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人

「4タイプ判定テスト」付き。ということでやってみたよ。私は「理想型」。
なるほどなるほどと思う。もちろん100%当てはまるわけじゃない。
そういうのもちゃんと書かれていて。で。ああそういうこと考えるのも
型だな、と思ったりで上手いこと書かれてるー。
他のタイプは、「司令型」「法則型」「注目型」。
それぞれのタイプの特徴、関係を解説、するのはもちろんだけど、ある高校
の文芸部にそれぞれの部員が集まったら。という小説仕立てになっていて
面白かった。
もちろんこんなにすべてが上手くいくようにならねーだろーーー。とは思う
のだけれども、モデルケースとしてはかなり納得。
最後の、「なぜ4タイプは存在するか」というのも面白かった。
人間の本能は壊れているから、文化が存在する。岸田秀とかの話や利己的な遺伝子
の話やなんやかんやをひきながらの話。
遺伝子(ジーン)のこととは別に、模倣子(ミーム)に比重が移る、という話。
そういう視点を持つと私にはちょっとラクになることもある。

やはり今。インターネット後の社会である現在を考える、ということにまとも
にとりくまなくてはいけない気がするなあ。

文化を受け継ぐ。「受け取って」「考えて」「真似て」「伝える」
それが「人生の目的」。
すごい言い切りだなと思うけれども説得させられるわ。
もちろんそうかなあ。。。とは思う。だから自分で考えなきゃと思う。
インターネット後の社会である今、を、考えよう。
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TITLE: 映画『英国王のスピーチ』 2
AUTHOR: シキ
DATE: 03/02/2011 20:08:35
STATUS: Publish
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*1からの続き

王室ものなので、当然ながらユアハイネスとかマジェスティだとかデュークだとか
敬称、尊称?がいっぱい。教会の権威とかね。いろいろモエるたまらん。
全編大袈裟さはなくとても控え目。すごくぐっとくる。素敵だった。素晴らしかった。
アカデミー賞獲るよなと納得。王であることを垣間見た気がした。
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TITLE: 映画『英国王のスピーチ』(1)
AUTHOR: シキ
DATE: 03/02/2011 20:07:50
STATUS: Publish
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映画『英国王のスピーチ』

英国。ヨーク公であるアルバート王子。公務としてのスピーチの機会が
あるものの、吃音症のため、うまく原稿を読めない。話せない。
厳格な父王の亡きあと、兄が王位継承したものの、その兄は離婚歴のある
女性に夢中。王位より彼女をとる。退位。そして、継ぐはずではなかった
王の座につくこととなる。ジョージ6世として。

吃音を直そうと、いろんな医者にかかるものの、直せない。
まっとうな医者でもないライオネル・ローグのもとをエリザベス妃は訪ねる。
夫の治療を頼みに。
えっと、お妃様ってそう気軽に出歩けるものなの?まだヨーク公妃だったけど。
よくわからないけれども、ほんとチャーミングな妻、だった。ヘレナ・ボナム・カーター。
夫にたいして一切非難がましいことは口にせず、力になるよき妻。
ヘタレダメ兄貴(でも王位と恋ってこれまたドラマチックだけど。相手がこの映画
ではまるでダメ女だったのでヘタレダメ兄貴としか思えん(笑)のせいで、王に
なることになったとき、アルバートが思わず泣いてしまったシーン素敵だった。
素晴らしい。

癇癪持ちで頑な。でも生真面目で誠実で苦しみながらも責務から逃げない。
まさにロイヤルデューティを引き受けるジョージ6世はほんっと素敵だった。
ライオネルもまた、最初は知らず、でも相手が何者であるかを知ったあとも、
ヘンにへりくだったりせず、対等に向かい合い、必ず治る大丈夫、と信じ続けるのが素敵。
まともな医者ではなく、役者に憧れるただのおっさんであるライオネル。
戦争で実績を積んだ。学んだ。
ジョージ6世の幼少期のお話もつらい。
トレーニングシーンはユーモラスで独特。罵詈雑言や猥褻語ならつっかえませんな、
っつって、大声で言いまくるジョージ6世可笑しい。
イギリスの空。
青空なんてなくて、霧が立ち込める湿気の街。
ジョージ6世の心であると同時に戦争前夜の雰囲気なのだろうと思う。
ラスト、懸命なラジオ生放送でのスピーチ。あのシーンで涙がとめられるはずはない。
BGMはベートーベンの7番2楽章らしい。あー聞き覚えあると思った。

そして戦争が始まる。その後の第二次世界大戦を見ているこっちは知ってる。
映画は終わったけれど、始まりである。膨大な犠牲の戦争の。しばらく涙が止まらなかった。
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TITLE: 『ディスコ探偵水曜日』上中下
AUTHOR: シキ
DATE: 03/01/2011 15:45:37
STATUS: Publish
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BODY:
『ディスコ探偵水曜日』上中下(舞城王太郎/新潮文庫)

ディスコ・ウェンズデイ。探偵。迷子専門の探偵。助け出した梢が、
両親に受け入れられなくなって、なりゆきで保護者となっている。
二人で住んでいる<ヴィラハピラ小島町>。6歳の梢が突然、17歳
の梢になる。未来からきた梢?大きくなったりもとに戻ったりする
梢の身体。何が起こってる?

久々に読む舞城。もー最初っからドキドキのハラハラのワクワクの
痛い痛いっ。読んでるこっちに小説の言葉がガツガツ叩きつけられてくる。
凄い。凄い勢い!どうなるのどうなってるの何が起こってる?何で?何で?
ぐいぐい引き込まれるけれども、わかんねーっ。面白い。
上中下、それぞれの巻末から次へのひっぱりが凄い。もともとは上下巻だけ
ど、どうなってたんだろ。なんにせよとにかくずうっと引っ張りまわされて
でもめいっぱい丁寧に親切にディスコの考えを展開していってくれるんだけど
私ついていけないよー。一気読みしたい気持ちを抑えて休み休み読んだ。
それでもわかったとは言い切れないか。時空を操り世界をつくるなんてもう
なんでもありだ。なのにこの感動。素晴らしい。

少女の身に起こったタイムトラベル。かと思うと奇妙な館での惨劇。
名探偵たちの推理が次々と披露され。名探偵の死。謎の声。これは何を読んで
いるのだろうか。面白すぎる。

九十九十九やルンババ12。これまでの舞城作品の登場人物たち、あるいは
作家の登場。えっと、私読んでる、けど、あんまちゃんと覚えてない。まあ
今までのことは気にしない。たぶん全部凌駕してこの作品があると思うから。

無茶苦茶な暴力。痛み。血みどろでサディスティック。やめて。でもどんなに
辛くなっても、舞城作品は強いから、愛が強いから、光がある。凄い。かっこいい。
たっぷり堪能した。やっぱり凄かった。私の期待なんて軽々ふっとぶ凄さだった。
ディスコー。ディスコ。新世界の神になるのも、ディスコならいいや(笑
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