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2010年10月

TITLE: 『ぼく、牧水!』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/29/2010 21:47:27
STATUS: Publish
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BODY:
『ぼく、牧水!』(伊藤一彦 堺雅人/角川oneテーマ21)
 
―歌人に学ぶ「まろび」の美学
とのことで、若山牧水について、若山牧水記念文学館館長であり、教師である
伊藤一彦さんと、俳優、堺雅人さんが、飲みながら楽しく語り合う、という
感じの一冊。
恥ずかしながら、牧水については名前くらいしか知らず、伊藤一彦さんについても
知らず、で、堺さんは好き、だけれども、でも大ファン、ってわけじゃない、と
いろいろ中途半端なワタシでした。
高校の先生と、卒業後もこうして交流し、飲み友達になってしまっている堺さんに
まず驚愕ー。
堺雅人、知ったのは、大河での「新撰組!」での山南さんで。
その後もそこそこ好きとか気になる感じの俳優さん。この新書の写真ではかなりの短髪で
それがかっこいい(^^)伊藤一彦さんはかつての恩師、とのことで、高校生だった頃
から印象的な生徒だった、というような話を読むのも楽しかった。

まー何より、この二人で、郷土の偉人、だけとなんかちょっとゆるい感じの牧水が
とても魅力的だ。若山牧水、って、ほんと名前程度しか知らなくてごめんなさい、と
思った。そんなに恋に燃え破れそれをこんなにまっすぐに歌っている人だったとは
知らなかった。歌集読んでみたくなった。むー。若者は素晴らしいー。

堺さんが演技するときに、結局役にたったんだかどうだか、っていう勉強をしてて、
という話も面白かった。芸術論とか、大正天皇の歌を、とか読んでみたりして、でも
それがどう、っていう話でもないところとか素敵。
確かに、若者としては、啄木だとか、中也、そう、中也だろうなーと思う。
ワタシも中也です。今でも中也です。
でも楽しく酒を飲み、旅をしている牧水もいいなーと、今なら思えるねー。
堺さん本としても、牧水入門としても、楽しく気軽に読める一冊。堺さんが演技に
ついて語ってるのも楽しい。
詩歌が、ことばの結晶、っていってもらってて、すごくいいなーと思った。
結晶を暖めて、溶かしながら、できれば美味い酒を飲みながら、歌を読みたいなあ。
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TITLE: 『龍の契り』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/26/2010 21:53:55
STATUS: Publish
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BODY:
『龍の契り』(服部真澄/新潮文庫)
 
1997年。香港がイギリスに返還される。
香港返還に関して、かつて交わされた密約。一旦は消失したかと
思われたその文書が、再び中国とイギリス、世界に揺さぶりをかける。
 
面白かったー。
解説にもあったように、まさに骨太な物語。誰が、文書を持ち去ったのか。
誰が、最後に笑うのか。わかんなかったー。
国際的スパイ合戦、ってことなのに、(でもあんまりスパイでもないか)
あんまりはどかどか人が死なない。少しは死ぬけど。
どかんどかん撃ちあいがあるよりこういうくらいのほうがリアルかも
知れないなーとも思う。
ただ登場人物の魅力、つーと、いまいちかも。。。ラオはかっこいいけど
もうちょっと物足りないかなー。沢木はなんか、真面目っぽくてちょっと
頼りない感じ。。。女性陣もわりとステレオタイプな感じがしてしまった。
でもイギリスが何故香港を手放すのか!?というところはすごく面白くて
そんな文書があったとしたらーとわくわくできた。
しかしなんだかイギリス情報部(?)がめっちゃダメダメっぽい(笑)
もうちょっとちゃんとしようよ。そんな大事な文書を外部に持ち出して
あわあわしちゃうかなーまったくもー。

時事ネタとしてロイヤル結婚のことがあり。
あの頃はねえ。。。と、ちょっと感慨もってみたり。
面白かったので、引き続きこの作家さんいくつか読んでみよう。
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TITLE: 『一億三千万人のための 小説教室』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/20/2010 21:00:42
STATUS: Publish
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BODY:
『一億三千万人のための 小説教室』(高橋源一郎/岩波新書)
 
あなたは小説が好きですか?
という「少し長いまえがき」から始まる。

ベースとしては、NHKで「ようこそ先輩」という番組に出演して、小学6年生に
「文学とは何か、を生徒たちに教えてほしい」ということになり。その授業、の
感じを文章にしてお伝えします、という、この本、であるみたい。
 
でもそれものすごく難しいよね。「文学とは何か」
たぶん主張する人、それぞれ、その人なりの答えがあって、それ全部正解で
あり、全部間違いであるような問いだと思う。たぶん。
で、わかるためにやってみよう、ということで。文学ってなんだかわからない。
やってみることでわかるようになろう、っていっても、わからないことを
どうやってわかるんだよ。
で、まず始めにやることは「なんにもしない」をするの、というようなこと。
そして。それから。
と、丁寧に説明されてますが、真面目に考えれば考えるほど一歩も動けないねー。
結局は考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて、自分で自分の
小説をつかまえるしかないのです。
ねー。 
 
実例、というか参照、というかであげているのが、エロエロとかポルノ的な
ものだったりして、そーゆーのに高橋さんはまってたんだねえと思う。
思いもよらない視点、角度から書く、というのに、なんていうか、不思議ちゃん的
なものを求めるあたり。。。高橋さんは穂村さんと親和性があるみたいだけど
そういうのが好きな感じっていうのが共通してるのかなあ。まあ、そういうのが
好きな男性、多いよね。
 
ブックリスト、知ってる読んでるのもあれば、知らないのもあり。そのうち
じわじわ読みたい。ほんっと、真似をするのが大変そうです。。。
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TITLE: 『純棘』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/19/2010 22:32:43
STATUS: Publish
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BODY:
『純棘』(五條瑛/双葉文庫)
 
革命シリーズ。6作目。
文庫になってるー、と、また買ってしまった。
 
日本人の純血、外国人排斥を願う田沼。
日本にも外国人を受け入れ、混沌の中から新しいものを作りたいと願う松任。
日本と多国籍。
対立は深まり、血が流される。
 
この巻はサーシャがいっぱい出てくるので嬉しい。かっこいい~。うっとり。
さらに書下ろしがついてる。きゃ~。
亮司が健気にサーシャが気に入りそうなもの探してるのが可愛い。もー。
鎌と槌と星をデザインしたオルゴール。崩壊した国の幻の部隊。サーシャは
そこで生きてきたのだろうか。サーシャのこと知りたくもあり、でもあんまり
教えて欲しくない気もするし。今何をたくらんでいるのが知りたいけど
知りたくもない気もするし。亮司とすみれと仲良く穏やかに暮らせばいいじゃ
ないかーとも思うしそんなことできるわけないか、とも思うし。
とにかく亮司とサーシャがいるのが好きでたまらない。いいな~。

どんな革命がどう起こるのか。楽しみで待ち遠しい。
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TITLE: 『俳人漱石』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/17/2010 11:19:20
STATUS: Publish
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BODY:
『俳人漱石』(坪内稔典/岩波新書)

漱石の、俳句を、著者、子規、漱石本人、の三人の鼎談で鑑賞、批評
している、という体の本。百句選んで、三人であーここーだ言い合って
その当時の背景や子規漱石の交流なんかも語りつつ、ここがいいとか
これはダメとか言っている。
って、でも、著者が三人分、ってことで全部書いてるんだろーっ。と、
途中で突っ込みたくなるわ。
二人の書簡やエッセイをひきつつ、だし、著者は子規も漱石俳句も
みっちり勉強研究して、あたかも二人がそばにいるように思う、という
実感があるそうなので、まあ、そういうもんだ、と思って読めばいいか。
漱石俳句批評鑑賞、かつ小説、というところかなあ。
もちろん著者の足元にも及ばないながらも、子規さんや漱石先生ファン
である私は、なんか勝手に二人のセリフを~~、と嫉妬(笑)して、
自分勝手な子規漱石像にモエたりしてるので、ちがうーとか思ったりしながら
でも面白く読んだ。
月並みはダメとか、俳句的発想として古い、とかいい、とか、そういうの
勉強になりますーと思う。

私が好きな漱石先生の俳句は 「菫程な小さき人に生まれたし」
有名ですね。可愛いしきれいだし健気だしロマンティストだし好きだなあ。

そしてこれ読みながら、やっぱり漱石先生の小説を読みたくなったよ。
ちゃんと読みふけっていたのは高校生の時だったよなー。そろそろ私も
年をとったし、またもっと面白く読めると思うなあ。じわじわ読み返そう。
楽しみ。
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TITLE: 『西巷説百物語』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/03/2010 21:49:29
STATUS: Publish
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BODY:
『西巷説百物語』(京極夏彦/角川書店)

上方。
桂男 遺言幽霊水乞幽霊 鍛冶が嬶 夜楽屋 溝出 豆狸 野狐。
7つのお話。
「これで終いの金比羅さんや―」

又市と昔の馴染み、であるらしい林蔵が、大阪あたりで仕掛けをし、
人の気持ちの落としどころをつける仕事。
林蔵さんって美形キャラなのねっ。
本来の、というか、の、このシリーズらしいというか、の、ひとつの短編で、
ひとつの不思議。面白かった~。
文章のリズム心地いい。言葉ひとつひとつが味わい~。好きだ。
で、シリーズならでは、で、読んでる自分としても、どのへんからどう仕掛け
ていくのか、とか、わくわくして読んだ。あ、とか、お、とか思いながら。
やっぱり上手いなあ。
満足した。
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TITLE: 『近代の秀句』
AUTHOR: シキ
DATE: 10/02/2010 15:40:08
STATUS: Publish
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BODY:
『近代の秀句』(水原秋櫻子/朝日選書)

明治、大正、昭和の時代別に、季節ごとに、秀句をあげ、
ひとつひとつに解釈と批評を書いてある。
俳句。この短い詩を、こんなにも読むのか、とひたすら読んだ。
そんなに想像力が必要なのかー。んー。読みなれると背景の想像
しやすくなるのかなあ。まあどうしたって水原秋櫻子ほど読める
ようになるわけないな。。。と思うので、ともあれひたすら読んだ。
 
たいへんお説教くらってる気分(^^;
私がゆるゆるだめ人間だからか。。。
俳句ってやっぱりどっちかというと「道」っぽいような。
品格とか立派さとか作者が優れているからこそとか、修行つんで
いかねばならぬ、とかいう気がする。
まーでもそれはそうなんだろうなあ。
 
もちろん俳句の現場(というか、えーと句会とか)では、わいわい
楽しく遊んでやったりもしてるだろうし、でもいい句があればみんな
してうなったりしてるんだろうなあと思う。
でも俳句の敷居はとんでもなく高い気がするわー。こわいわー。
面白いんだろうなあ。
 
で、この本読んで、秀句がわかるようになったかっていうと。。。
わかるようなわからないような。いやわかんないか。
馬鹿だから。。。ま。のんびり興味は持ち続けたいところだ。
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