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2008年2月

TITLE: 『思春期ポストモダン』
AUTHOR: シキ
DATE: 02/26/2008 23:08:45
STATUS: Publish
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BODY:
『思春期ポストモダン』(斎藤環/幻冬社新書)

成熟はいかにして可能か
というサブタイトル。
現代は、思春期が長く、成熟は遠い世の中だ。という感じ。

なんというか、斎藤環ってそうだなあ臨床の精神科医なんだなあと
改めて思った次第。
実際にひきこもりとかに悩んでる家庭向け、という本でした。
もちろん社会分析みたいのもあるので、そうでない人も読んで、ふーん
とか思っていいんでしょうが。

ひきこもりとかは、家庭環境問題が大きいので、とにかく環境を
変えてみる、というのがかなり有効だったりする。そうです。

今、コミュニケーション能力って、すごい重要なことなんですね。
自分自身があまり、というかかなり、コミュニケーション能力ないほう
だと思うので、どっちかというとひきこもりになりたいところですが
環境がそうはさせなかった、というとこかなあ。
まあたぶん。自分自身が成熟してるとか大人になっているとか思わない
けれども、かといって思春期ってわけでもないなあと思う。情けないながら。

成熟してる人ってでも今いるのかしらね。
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TITLE: 『黒山もこもこ、抜けたら荒野』
AUTHOR: シキ
DATE: 02/25/2008 23:12:52
STATUS: Publish
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BODY:
『黒山もこもこ、抜けたら荒野』(水無田気流/光文社新書)

デフレ世代の憂鬱と希望
というサブタイトル。
著者は私よりひとつだけ年上。つまり私もデフレ世代、なんですね。
個人史を語っているわけで、そこからちょっとだけ世代論っぽく
格差論っぽい文章。
これはなんていうのかなあ。エッセイでもあり評論でもあり?

いろいろ負け、で、いろいろ貧乏くじで、目の前で最終バスが
いってしまった(バブルの崩壊)感じとか、書いていることはかなり
共感できるというか、わかる気がするなーと思う。んでも、共通して
感じるところがあるぶん余計に、でも著者よりももっと私のほうが
ミジメって思って、いっそうブルーに(^^;
希望、ってサブタイトルつけてますが、そこがもう全然わからない。
希望??なんですかそれは。と思う。
著者は、そうはいっても、御立派な学歴、知的フリーターみたいに
いってるけどもそのへんのコンビニでバイトってわけじゃないし、
結婚してるし出産してる。こうして本を出している。御立派な勝ち組
なのでは??

やはり出産っていうのが人にとってものすごく大きいことなのかなと
思う。出産する。子どもを愛しく大事に育てる。必然的に未来を思う
のだろう。
未来はあなた方にまかせるよ。

ま、そんなこんなで、僻んでしまってますが、さくさく面白く読める
本でした。腐女子はゆるーくフェミしてます、という感じとか、あはー
そうそう、と思う。別に誰に喧嘩売るでもなく、世の中ずらして
ひっそり楽しんでいます。
そのへんのことはほっとけ、と思うね(^^)
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TITLE: 映画「スウィーニー・トッド」
AUTHOR: シキ
DATE: 02/24/2008 22:22:22
STATUS: Publish
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BODY:
映画「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

ベンジャミン・バーカー。うぶな理髪師。
美しい妻と赤ちゃん。幸せだった。しかし、妻は美しすぎた。
悪い判事に目をつけられ、ベンジャミンは無実の罪で追われる。
若くうつくしくかよわい妻は、どういしようもなかった。
十五年ぶりに、ロンドンへもどってきたベンジャミン。名前を
スウィーニー・トッドと変えて、復讐を企む。

ジョニー・ディップ主演。ミュージカル。
もう公開が終わってしまうーと思って見に行きました。
期待したほど、は、面白くはなかったかなあ。ほどほどに満足、かなあ。
娘はどーなったんだ?とか、なんか、いろいろ中途半端に終わった感じ
がしますが。ああいうもんだったのかな。
あの若者とか、まさに都合のいいようにしか扱われてないなー。うーん。
なにかと、もうちょっと物足りない感じ。。。
さくさく殺人はしてるし、どばどば血も出てますが。もっとなんかこう
じっくりたっぷり猟奇殺人にしてくれ。と思う私がヘンかしら。。。

ま、ジョニーを見て満足はしました♪
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TITLE: 映画「転々」
AUTHOR: シキ
DATE: 02/23/2008 22:55:41
STATUS: Publish
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BODY:
映画「転々」

借金抱えた大学8年生。借金取りの男。
あと三日だけ待ってやる。といったその男が、突然、ちょっとつきあえ、
といってきた。
借金を返してちょっとおつりがくるくらいの、100万円やる、と。
散歩。
歩いて、目的地は霞ヶ関。

吉野朔実さんの『シネコン111』(あーこの本のメモまだ書いてないか)
でみてすごい面白そうだなあと思ってて、ちょうど上映かかっていたので。
久しぶりに映画に行った。寒い間はなかなか出かけられなかったなあ。

で。
ほんと、すっごく面白かった!
なんか、とても、テンションは低め~、だけど、さりげなくすごくヘンな
ことがちりばめられていて笑う。可笑しい。
オダギリジョーと三浦友和。三浦友和だよー。久々に見ました。むっくり
しててすっかりおじさん、つか、おっさんになってたなあ。まあそういう
役でもあったわけで。でも三浦友和~。なのにすごくヘン~。
出演のどの役者もみんなみんなみーんなすっごくよかった。

淡々と散歩していくんだけど。
散歩。
目的地がある場合、散歩じゃないんじゃないか。とモノローグがありました。
散歩。
散歩のほんとうの目的地は、家、なんじゃないかなあ。
冒険、も、そうだよね。
ほんとのハッピーエンドは。
ゆきてかえりし物語。無事におうちに帰ってくることが。何よりもすてきな
ハッピーエンド。
でもいつも、無事に家に帰っていけるとは、限らない。
家は、いつもあたりまえにあるものではない。
ささやかなかりそめの疑似家族でも。あああれは、楽しかったね。

くすくすいっぱい笑って、エンドロールの暗闇の中で、ぽろぽろ涙3粒こぼす。
いい映画見た。
帰り道、いっぱい歩いて帰りました。
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TITLE: 『子規句集』
AUTHOR: シキ
DATE: 02/21/2008 23:58:07
STATUS: Publish
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BODY:
『子規句集』(高浜虚子選/岩波文庫)

正岡子規は35年という短い生涯の間に多彩な文学活動を行ったが、
その文学は俳句にはじまり、最後まで片時も俳句から離れることは
なかった。
と、表紙にありますが。そうかなあ??てなことを思ったりするほどに、
子規のことはなんかまあまあ知っていて、思い入れとかあったりして、句に純粋に萌~となるのがむずかしーと思っちゃいました。虚子の選、ってのも、なんか私の好みとはあわないんじゃないか?と思ったり。
たぶん、蕪村のほうが、句集、面白い。
でも、子規の句をまとめてたくさん読んでみると、やっぱり、こんな句を
読んでるのかあ、知らなかったと思うのも多々あり、面白かった
し、読んでよかった。
漱石がきたことによせて、とか、私の大好きな、真之への送別の句とか、
詞書に激しくもえもえ♪いいよねえ。

 君味噌くれ我豆やらん冬ごもり ←←そんなの勝手に決めないでよねっ。強引!
 鶯の覚束なくも初音哉 ←←やはり鶯ってドジっこキャラなのね。
 短夜のまことをしるや一夜妻 ←←一晩だけの思い出。。。
 喘ぎ喘ぎ撫し子の上に倒れけり ←←ぼ、僕もう、ダメ。。。(表記出せませんでした)
 其のまゝに花を見た目を瞑がれぬ ←←色っぽい。ソフトSMかしら。
 冬ごもり男ばかりの庵かな ←←男ばかりで、いいいったい何をっ。
 短夜を眠がる人の別れかな ←←碧梧桐を送る、とのこと。碧、可愛いよ碧。
 行く我にとどまる汝に秋二つ ←←漱石と別れる。きゅんきゅん。
 桔梗活けてしばらく仮の書斎哉 ←←漱石んとこに。ああもうっっ。
 梅活けて君待つ菴の大三十日 ←←漱石が来るって約束で待ってるのね。
                 ああああもううううっっ。きゅんきゅん。
 五月雨やしとゞ濡れたる恋衣 ←←ずばりえろす。
 月に来よと只さりげなく書き送る ←←詞書はずばり「恋」べ、べつにどうしても
                   来てっていってるわけじゃないんだからっ。
 君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く ←←真之を送る。これ大好き。
 寒からう痒からう人に逢いたからう ←←碧梧桐天然痘にかかりて。
                    碧、大丈夫かい碧。可愛いよ碧~。
 
そんなこんなで、もちろん他にもいっぱい付箋つけました。俳句読むのも
楽しい(^^)えーとえーと、次は芭蕉かな。
 
 
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TITLE: 『蕪村俳句集』
AUTHOR: シキ
DATE: 02/10/2008 23:51:01
STATUS: Publish
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BODY:
『蕪村俳句集』(尾形ツトム校注/岩波文庫)

 菜の花や月は東に日は西に
 さみだれや大河を前に家二軒

名前と、句はこのくらいなら知ってる、かな。という程度だった蕪村です。
でもいつも本の面白話しで開眼させてもらってる「本読みHP」で、ツンデレ俳句
で読めばいいのか!!と触発されました♪面白いんだ俳句~。蕪村萌~!
というわけで、今日買ってきた。

読んでみるとほんっとに面白い!
萌える!ツンデレいっぱい!ドジっ娘とかっ。ストーカーか!?とか!
基本的に、ちいさい動物系は、かぶりもの二頭身かわいいキャラとして読みます。
なんか職人系は、三島の仮面の告白系で読みます。ををー。エロいぜ!

 筋違に布団敷きたり宵の春 ←←ふ、布団敷いてる!!やーんやーん。
 公達に狐化けたり宵の春 ←←狐!かわいいよ狐!!ハァハァ。
 小冠者出て花見る人を咎めけり ←←んま。生意気な少年が!可愛い!
 鮓つけて誰待つとしもなき身かな ←←べ、べつに誰のことも待ってなんか
                   ないんだからね!
 腹あしき僧こぼし行施米哉 ←←怒りっぽい僧、なんだって。キャラ立ってるな~。
 小狐の何にむせけむ小萩はら ←←コンコン。小狐ちゃん!!可愛い~!
 泊まる気でひとり来ませり十三夜 ←←最初から泊まる気で!きゃ。
 宿かせと刀投出す雪吹き哉 ←←強引な!スゴイ夜になりそう!
 鶯の枝ふみはづすはつねかな ←←出た!ドジっ娘!
 あちら向きに寝た人ゆかし春の暮 ←←もうっ。寝顔なんか見ないでよっ!
                   (寝た、の漢字が出せませんでした)
 待宵や女主(をんなあるじ)に女客 ←←ビアンの世界♪
 
とまあ、あれもこれもあれもこれも、すっごくモエる、素晴らしい句の数々!
俳句楽しい~!
もちろん、モエじゃなくても素敵だなあという句もいくつもあり。
というか、蕪村ですから、たいていの句はいい句なんでしょう。
俳句って読めないと思ってましたが、楽しく読めるようになりました。
(って、こんなことでいいのか、という気はしないでもないけど^^;)
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TITLE: 『現代短歌 そのこころみ』
AUTHOR: シキ
DATE: 02/09/2008 22:10:01
STATUS: Publish
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BODY:
『現代短歌 そのこころみ』(関川夏央/集英社文庫)

1953年。斎藤茂吉と釈迢空が亡くなった。
短歌の歴史が一つ終わったのだ。

という感じで始まる本。これは、評論集、といったのでいいのかな。えーと。
その二人の死の翌年、中城ふみ子、寺山修司の登場の衝撃を描くところから
始まっている。
私は短歌の歴史、流れについてほとんど無知なので、現代短歌の道筋を
一通り眺められるこの本はとってもためになるな~と思って読みました。
もちろんこれは著者によるある一面からみた流れ、試みである、という
留保はつけて。
とても読みやすいし面白い。
穂村弘と石田比呂志のところとか。素敵だなあ。
『短歌パラダイス』とか、『短歌はプロに訊け!』とかにふれたたりするのも
うんうん、と思ったりしながら。
一首で競う時、短歌にプロもアマチュアも差はなくなるかもしれない。でも
プロ、となるか否か、は、短歌を続けるかどうか、短歌を読み、詠み、知り
続けることができるかどうか、ではないかなあと私は思う。たぶん。

戦争の短歌。というのを私はむしろ意図的に読まないようにしてきた。
読みたくない。
でも、この中で、宮柊ニのことを知った。
凄い。
その死の2年前。72歳のとき、となりますか。1984年の歌。

 中国に兵なりし日の五ケ年をしみじみと思ふ戦争は悪だ

「戦争は悪だ」なんというシンプルな言葉。私はぼろぼろに泣いてしまいました。
これは、実際に戦争で前線で闘い、戦争で生身の敵兵に相対し、自らの手で刺し殺す
ことをやむなくされた兵の歌。この歌のちから。言葉の力。
宮柊ニを知ってよかった。

寺山修司を読もうかなあと思えた。中城ふみ子のは、本一冊買ってるけど置いたまま。
読もうかなあ。
そして、岡井隆、塚本邦雄は、一章ではおさまらないとして、あえて書いてない、
ということでした。ああーそれもまたとっっても素敵。ちらちら垣間見える姿が
またすっごくかっこいいです。岡井隆も塚本邦雄も読まねば。
いろんな短歌を読もう、という気にさせてくれるいい本でした。
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