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2010年1月

TITLE: 『クォンタム・ファミリーズ』
AUTHOR: シキ
DATE: 01/28/2010 23:19:26
STATUS: Publish
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BODY:
『クォンタム・ファミリーズ』(東浩紀/新潮社)

テロ容疑男性。葦船往人(36)。かつて芥川賞候補になったこともある、
現在大学准教授。
9年前に結婚。相手は年上の元編集者、友梨花。二人の間に子どもはいない。
ぼくのもとにある日届いたメール。
文字化けだらけのそれは生まれていないはずの娘からのメールだった。
ぼくは、返信を、おくった。

面白かったー。
うーん。SFのような。文学のような。ジャンルわけは私にはよくわからないけど。
平行世界とか量子計算の可能性とか、道具立てとしてはSFっぽいのか。
テロだとか家族問題だとか、35歳問題だとか、は、社会問題的、で、文学的、
なのか。
村上春樹の引用というか、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドが
はっきりベースになっていて両方のテキスト読まなくちゃという気になる。
あと郵便的、もかな。誤配とかそういうの、今までの東浩紀の著作も当然ながら
ベースになっている、んだろう。
一応私は大体読んできてる、と思うけど、まあ、何がどれの影響でどうこう、と
いう分析をするほどには読み込めてないし気力も知力もない。

ありえたかもしれない可能性の世界。計算上ありえる、のならば、それは ある
ことと、どう違うのだろう。
接触し通信し、手紙をおくり、出会うことができるかもしれない並行世界。
時間のずれ。生まれたかもしれない子ども。生まれなかったかもしれない子ども。
過去に犯した罪。償いを選ぶかもしれない世界。すっかり忘れ果ててしまうかも
しれない世界。
別の世界の記憶が脳に降りかかってくる通信。選ばなかった可能性があるかもしれない
世界。すべての記憶が混乱して、それではなにを本当というのか。何を自分というのか。
 
35歳問題だの、家族問題だの、いろいろ自分に実感くることが多くて気持ち悪い
ようななんとも言えない気分になったりしたり。
ロリコンな変態は許せないというか、げんなり気持ち悪いし。
自分を可哀相ぶって、というか、うーん、やはり「ぼく」は「ぼく」なのか。
村上春樹だなあと思ってみたり。

凄くリアルにも感じる。こんな未来になったらどうしよう。それとももうなっていて
平行世界の記述がネットにあふれているのかもしれない。その記述が今のこの現実の
ものだと、本当に私にわかるだろうか。
今の私の現実が揺さぶられる。面白かった。
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TITLE: 映画 のダメカンタービレ 最終楽章 前編
AUTHOR: シキ
DATE: 01/26/2010 19:19:59
STATUS: Publish
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BODY:
映画 『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』

ヨーロッパでの千秋さまとのだめ。
ヨーロッパロケ!素敵~~~~~~~!!!!!

お話はコミックでもう知ってるわけですが、やっぱりオケの音楽!を
しっかりたっぷり堪能させてもらって、とても満足~。

前編は、千秋さまの、マルレオケでの勝負、ですね。
やっぱり玉木千秋さま、指揮してる姿も、ピアノ弾いてるのもヴァイオリンも
見栄えするわーー。素敵ー。かっこいい~~~。
ウィーンの、あれ、学友協会だっけ、あの、ニューイヤーコンサートやるホール
ですね。素敵だよなあ。マルレの劇場も素敵だったー。
あのロケーションで。全編クラッシック!楽しい~!

序曲1812年 って、あれは、宝塚ベルばらの、あの、バスチーユに、白旗があ~~~!!
のところの音楽じゃないかな。オスカルさまあ~~~!!!
てなことを思ったりもだけれども、マルレのみんなのこと、千秋さまのこと
素晴らしくてほろり泣けた。

のだめが、また千秋先輩においてかれる、って落ち込むのがつらい。
楽しく描かれてるけど、めちゃめちゃシビアな厳しい才能と運の世界。
宇宙への音楽。
でも、その道はまったく平坦ではないんだよね。
まさしく後編へ続く!というオワリで、あーはやく後編が見たい!

のだめのトルコ行進曲、楽しかった。
音がひかりになってはじけていくの。
演奏会とか聞きに行くとほんとにあんな感じだよね。音楽はひかりだ。素敵だ。
千秋さまとのだめがもうすっかりしっかりラブラブで、千秋さまもほっぺ赤くなったり
してるのが可愛いやら嫉妬やら(笑)いいなー。
アニメも効果的に使われてて面白かった。
なによりヨーロッパの街並み~。なんて素敵なんだろう~~。
映画化されてよかった。音楽と映像をありがとう!後編も楽しみ~。
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TITLE: 『犬の力』上下
AUTHOR: シキ
DATE: 01/22/2010 14:04:39
STATUS: Publish
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BODY:
『犬の力』上下 (ドン・ウィンズロウ/角川文庫)

アメリカ。メキシコ。
麻薬密売をめぐる国境を越えての戦い。
DEA特別捜査官アート・ケラー。バレーラ一族との30年ほどにわたる
麻薬戦争。
たくさんの人が、組織がかかわり、駆け引きし騙しあい利用しあい、死ぬ。
 
「わたしの魂を剣から わたしの愛を犬の力から、 解き放ってください。」

犬の力。人の中にある闇。悪。

最初誰が誰なんだ、って戸惑っちゃったりもしたけど(登場人物多い)
まあ細かいことは気にしないで読む。
文章がほとんど現在形。短い文章。臨場感というか、目の前で見ている感じで
読む。カメラ的というか、うーん。映画的?でも映画だと、演技者の表情や音楽
がついてくるけど、そういうのはないので、淡々とそっけない。感情的な言葉は
少ない。目の前でアートたちが戦っている。読んでいる私は彼らを見ている。
ずっと彼らを見ている。

アートの戦いは孤独だ。結局、勝ったのか負けたのかもはっきりしない。
麻薬は続々と密輸され続け金儲けは続き、末端のものは麻薬に溺れてゆく。
あんなにたくさんの血が流れた戦いのあとにも、変わらない。
アートだって完全な正義じゃない。たくさんの人の死にかかわり手を汚し
卑劣な手段も使った。
それでも。最後には少しの救いはあると思っていいだろうか。
ノーラとカランはいっしょに生きられているのだろうか。
祈りは、届くのだろうか。

このミスで1位だそうで。
がっつりとぐっさりと重い物語。ただただただただ読む。苦しくでも読む。
確かに、凄かったよ。
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TITLE: 『バスハウス』
AUTHOR: シキ
DATE: 01/08/2010 15:32:05
STATUS: Publish
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BODY:
『バスハウス』(石井辰彦/書肆山田)

1994年発行の歌集。
初出一覧を見ると、1987年~1992年の歌を集めているようです。

タイトルからして バスハウス だったり、「東京=ソドム」てのがあったりで、
濃厚に同性愛ー。素晴らしい。強烈なゆるぎない美意識。言葉の重層性。

上下さかさまになって二重になっている「東京=ソドム または新宿で夜を明かす」
「沈黙の野」というのがあったり。

文字列は上から下になっているのに、読むのは下から、だったりする歌があったり。
いろんなことやってるのにもびっくりする。
そもそも本のカタチが、普通な単行本じゃなくて細長く縦長で変形版だ。
いろいろ、なんだこれは、と圧倒されながら読む。

母を見舞い、その死を見取る一連。「パリサイドの日記 一九九二年六月」。
詞書の日記的なものの華麗さ。歌もまた、深い哀しみを帯びながらも華麗。凄い。

母の死。友の死。バスハウスや一夜の快楽を描きながらも濃厚な死の影。
エイズの嵐が吹き荒れたのは80年代だっけ、とぼんやり思う。日本でもそうだっけ。
別にエイズという言葉は一言も出てこないけど。

いくつか、印象的な歌。
えーと本来旧字というか正字というのかで書かれてますが、引用にあたってパソコンで
出る字にしちゃってます。出る字は出したけど大丈夫かな。()はルビ。ルビかけなかったのもあり。
ルビじゃない()のもあるよ。引用難しい。

 新しき家が建ち家家が建ち、しかもそのすべての家が燃え

 死の床の友にわが溶く葛湯濃し(詩を讀みしことかつてなき友よ!)

 ひと鉢の水栽培のヒヤシンス… 人を殺せしこと君ありや?

 色ののぼけあの舌の男るふ戀ばれさ 樂快のりき度一は死 (←これは反対から読む歌ですね)

 花ざかりの森に出會ひぬやはらかき唇ひびわれし唇と

 こころゆくまではさすがに泣かざりき眞夏亡き《盟友》の墓にて

 うら若き兵士の雙(さう)の灰色の瞳/狂氣とすれすれの無垢

 いつはりの光まぶしき街に出でて知りぬ 大氣はあまりに重し

 音たててむさぼり食うに無花果は甘し 男の舌、もっと、甘し

 ふたりづれの天使は邑(まち)の男たちに(實は!)輪姦(まは)されき。といふ傳承(つたへ)
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TITLE: 2009年まとめ
AUTHOR: シキ
DATE: 01/08/2010 14:33:24
STATUS: Publish
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BODY:
新年あけまして、も、けっこうたちましたが。
やっとこさ09年の日記数えてみました。

冊数としては120冊。マンガも含めて。
読みかけの本とか、書いてないのも少しはあるかと思うけどまあ
大体こんなところでしょうか。
一ヶ月10冊足らずです。マンガの一気買いとかしてた。
去年の1月の最初の日記には、今年はもっとちゃんと読書日記を、と
書いてあって。自分に苦笑い。
書けてないやー。

本も読めてないやー。
でもまあ、もう沢山の冊数本を読むというガツガツした気力はなくて、
それでいいと思う。
えーと今年の目標としては、歌集をもっと読むこと。
お勉強とか鑑賞とか、今までよりはしなくちゃと思っている。

もちろん小説の、面白いのたくさん読みたい。感性広げられるようにがんばろー。
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