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2008年9月

TITLE: 『探偵ガリレオ』
AUTHOR: シキ
DATE: 09/30/2008 23:28:39
STATUS: Publish
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BODY:
『探偵ガリレオ』(東野圭吾/文藝春秋)

草薙刑事は大学時代の友人、現在は物理学者である湯川学に事件の謎を
相談した。
突然、人の頭が燃え上がったというのだ。

短編集、かな。ドラマの原作、だけども、ドラマはお話くっつけたりなんだり
して、いろいろ派手に演出してたのね、と再確認。
なにより、本だと、基本男ばっかで淡々としてます。でもそれがいい~。
しかしかなりしっかりドラマみたので、湯川先生はもう福山としか思えないし、
草薙は北村一輝だなあ。ドラマもこの二人で淡々とやってくれたらよかったのに。。。
まーそれは無理なんでしょうが。。。

ドラマではクライマックスの、木島先生も、別に湯川と対立するわけでもなんでも
ないじゃないですか。。。むしろシンプルにかっこいいです。
あんなヘンな爆弾つくってヤケクソになるような人物じゃないです。。。ヒドイワ。

で、まあ、当然ながら、湯川先生は、事件のあとからやってくる、しかも草薙の
要請で協力ちょっとするだけ、というわけで、あんまり名探偵とか主役、って
感じでもない。タイトル的には『探偵ガリレオ』だし、事件解決に導くわけなので
主役といえば主役、なのかなあ。
どっちかというと草薙刑事のほうががんばってる。でもあんまり熱い男ではないので
好き。
短編だしね。湯川先生が名探偵でもないしあんまりそんな奇人変人でもないし、
キャラづけとかされてるわけでもない。
初出、96年ですね。12年前??
まだラノベラノベとかじゃないころ、かなあ。すべてがキャラ化する前かなあ。
このくらいのテンションのほうが読みやすいと、私は思う。

あともう一冊、かな。読もう~。
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TITLE: 五條瑛さんの本、2冊
AUTHOR: シキ
DATE: 09/29/2008 11:00:49
STATUS: Publish
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BODY:
五條瑛さんの本二冊。文庫と新刊♪立て続けに出てうれしかった。
文庫は再読になるわけですが。まーそれでもうれしい。

『蝶狩り』(五條瑛/角川文庫)

桜庭は調査会社の所長兼事務員兼調査員兼、つまり一人でなんでもする仕事。
人探しが主な仕事だ。
ある日消えてしまったキャバ嬢のキリエのことを気にかけ、探し続けている
うちに、キリエが陥ったトラブルはとても手におえないようなものだとわかる。
しかし、キリエの潔さは、うつくしかった。

桜庭と檜林のかけあいがやっぱりとっても楽しい。ヤクザな渚ちゃんもいい。
裏社会に生きる潔さがかっこいい。
どうしてもっと要領よくやらないんだよバカ。というところが魅力だなあ。
これ、どうなるのか。。。続き読みたいと思う。
で、できれば檜林のほうのことも、もっと読みたーいと思う。

『天神のとなり』(五條瑛/光文社)

鏑木。元大学の准教授。
わけあって現在は、ヤクザの下請け的にトラブル調査やパシリめいた名ばかりの
社員として暮らしている。

というわけで、こっちも桜庭調査会社と似たような。。。といえる。
鏑木の魅力ってのがもうちょっと掘り下げて伝えて欲しい~と思う。
これもぜひぜひ続編を。長編を読みたいところです。
脇キャラもいろいろおいしい感じでそろってるし。金払いのいいヤクザなんて
素敵じゃないか。
若くてハンサムで色事にうとい(とみせているだけなのか??)京二とか。
いろいろ妄想の余地たっぷり♪で面白かったけども、でもこれだけ単純に読んでも
ちょっとものたりないかなあ。
短編集的だからかなあ。
五條さんはがっつり長編のほうがすきだ。
もっと読ませてくれと切望。

どの作品でも魅力となっているのは、帯にもあるように「明日がなくて悪かったな」
という刹那な感触。
明日にそなえてきゅうきゅうとしている日常ではないところが、切なくもあり、
自由でもあり。自由は、こんななんだと思う。こわい。こわくて、素敵だ。
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TITLE: 『容疑者Xの献身』
AUTHOR: シキ
DATE: 09/26/2008 00:22:28
STATUS: Publish
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BODY:
『容疑者Xの献身』(東野圭吾/文春文庫)

高校の数学教師をしている石神。
さえない彼の隣人は母子家庭の花岡親子。近くの弁当屋につとめている
彼女から、弁当を買うことだけが石神と花岡靖子の接点。

ある日、別れたろくでもない元夫、富樫が靖子の居場所を探し当て、
つきまとってきたことから事件は起こる。
靖子たちを守るため、石神は合理的かつ緻密なプログラムを開始した。

出たときから話題で、読もうかなあと思っていた。
ドラマのガリレオはかなり楽しんだので、映画化の前に、ついに手を出して
しまいました。
天才数学者。
天才物理学者。

かといって、やっぱドラマみたいなことはなく、これはもうきっと
どうしたって本を読んだほうがいいだろう~と思う。ドラマの原作に
なったほうは読んでないけれども、こういうテイストの原作だったの
かな?と思うと、ドラマはやっぱり随分派手に脚色してるんだろうなあと
思う。
映画化、は、どうなるんだろう。
見たいような見たくないような。。。

やっぱり、どうしても計算できないものがあったんだね。
心。
少女の心。
愛。

こんなこと書くのもこっぱずかし~けれども、でも、がつんとそこに
攻めてくるストーリーはさすが。
確かにすばらしく傑作でした。
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TITLE: 映画とか本とかあれこれ
AUTHOR: シキ
DATE: 09/24/2008 21:46:41
STATUS: Publish
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BODY:
映画『20世紀少年』

見に行ってきました。
漫画を読んでないので、あんまりどういう話なのかわからないまま。
話はちゃんとわかった(たぶん)けれども、やっぱりなんかすごい
展開が早いんじゃないかー?と思った。漫画をがっつり読んで思い入れ
なり、脳内補完なりができたほうがきっとずっと楽しいだろう、と思う。
でも、あんまり漫画に思い入れあると、チガウ!とか思っちゃうかも
しれないしなあ。ん~。どうなんだろう。

最後に次回へ続く!ってわけで、予告もあり。
次回もぜひ見たい!
。。。漫画を読んでおくかどうか。。。うーん。

最近買って読んだ新書をいくつかまとめて。

『自分探しが止まらない』 速水健朗 ソフトバンク新書

中田の自分探しの旅、をはじめ、若者たちの自分探しのはまりっぷりのことなどなど。あれもこれも「自分探し」なのね。
ふむふむなるほど、と、面白かったです。

『俳句という愉しみ』 小林恭二 岩波新書
―句会の醍醐味―

復刊、ですね。『短歌パラダイス』に大いにはまった私としては、これもぜひぜひ
読みたかったもの。復刊ありがとう!!
句会っていうのもすご~く楽しそうでいいなあと思った。面白い。
そしてまた岡井隆にほれぼれ。素敵だ。

『リアルのゆくえ』大塚英志+東浩紀 講談社現代新書
おたく/オタクはどう生きるか

二人の対談。最初が2001年、最後は2008年。
大塚が東に絡んでる、という感じ、かなあ。最初、近いところなのかと思って
ましたが、なんかたぶんいろいろあったんですか。事情は私は知らないけれど
断絶があり、決別があり、なのかなあ。
面白かったですが。
対談とか対話しよう、としているのに、なってないところがなんとも。。。
どっちが悪いって。。うーーーん。たぶん私は東のほうがわかる気がするけれど
(大塚が嫌い)でもわかるってほどわかるわけじゃないしなあ。
まあ、これからもおっかけてみようかなとは思う。
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TITLE: 『またの名をグレイス』
AUTHOR: シキ
DATE: 09/22/2008 23:08:10
STATUS: Publish
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BODY:
『またの名をグレイス』上下(マーガレット・アトウッド/岩波書店)

カナダで起こった殺人事件。
当主と、その愛人関係にあった女中頭を殺して逃げた、若い女中グレイスと
厩番の男マクダーモット。
マクダーモットをそそのかしたのは、わずか16歳だった美しいグレイスなのか。
それとも何もわからず巻き込まれてしまっただけの無垢なる少女なのか。
グレイスを罪に問うことは正当なのか。
彼女の話を、誰もがききたがった。

現実の殺人事件を元にしていつつ、わからないところに関しては想像で、という作品。
読み始めた最初は、なんだかなじめなかったけれども、グレイスの語りになるあたり
からはぐっとひきこまれ、すごく面白かった。
上下巻。たっぷりですが、ぐぐっと一気読みです。

昔の新聞記事や評伝的な、ノンフィクションのものが章の始めに少あり、実際に
あった事件なんだな、と確認されられる。
しかしその詳細というのは結局わからないまま。
精神医学をめざすサイモンは、グレイスの話を聞き、将来の自分の研究に役立てよう
としている。しかし、彼女から思うような話は引き出せない。
そもそも彼女の精神は正常なのか。異常なのか。
サイモン自身が、下宿先の夫人との泥沼な関係に陥るようになり、正常なのか異常なのか
混乱のきわみにおちいる。

グレイスのこころに、なにかほんとうのことはあるのか。
彼女の語る生い立ち、状況。ほんとうのことはどのくらいほんとうなのか。

すべてははっきりしない。
すべては、彼女の心のままに。

しっかし、サイモンくん、ダメダメじゃないか。。。
なんなんだー。主人だったキニア様とか~。マクダーモットとか~。どいつもこいつも
ろくでもない。。。。としか思えない。。。。
いい男っていないものなのか。。。

グレイスはでも最後には幸せになった、のかなあ。うーん。
ジェレマイアこそが希望だったのか。
でもそれは、決して手に入らなかったからこその希望だったのか。。。
順応することこそが、幸せだったのか。

順応すること、かなあ。
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TITLE: 『土曜日』
AUTHOR: シキ
DATE: 09/11/2008 10:09:14
STATUS: Publish
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BODY:
夏の終わりというのはいろいろあるものなのでしょうか。
なんてな。
しばらく本の感想も書いてないまに、えーと、職を失ったり楽しく旅行
したりぼーぜんとしたり飲んだりいろいろです。
ま。
人生何があるかわかんねえなあ。
いろいろ読み終わったものもありつつ。とりあえず返却にいかねばならぬ
これ。

『土曜日』(イアン・マキューアン/新潮社)

ロンドン、未明。
何故か目覚めてしまったペロウン。窓辺に立つと、最初彗星かと思った光り
は、エンジンから火を吹く飛行機だと気づく。
脳神経外科医。愛する妻がいて、詩人としてデビューを迎えようとしている
娘と、ブルースミュージシャンとして脚光を浴びようとしつつある息子のいる
幸せなヘンリー・ペロウン。
静寂の土曜日の夜明けからの、長い一日。

丁寧に丁寧に、ペロウンの一日を描いた作品。
どうみても幸せなのに、不安も悩みもある。ささいなこと、として忘れようと
したはずのことが、重大な事件の引き金になる。
それでも、とりかえしのつかない崩壊ではない。それでも、なんとか立て直して
いこうと選んでゆける。
一日、の出来事だけれども、ペロウンの人生にどっぷりつきあったかのような
読後感でした。
充実。充足。不安や怯えもたっぷり味わったけれども。
丸一日のお話だけれども、空気感としては、冒頭の、ひんやりとした夜明けの
感触、という感じがして、静かに読み進められてすごくよかった。

ペロウンめ、恵まれたヤツ!とかいい人生おくってるじゃねーか!とやっかみも
しつつ(^^;
母にたいしてのところとかが私はかなりずーんと重くきました。。。
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