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2008年11月

TITLE: 『わたしを離さないで』
AUTHOR: シキ
DATE: 11/28/2008 01:04:27
STATUS: Publish
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BODY:
『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ/ハヤカワepi文庫)

わたしの名前はキャシー・H。
介護人を11年やっています。

という、独白で始まる。ずっとモノローグなので、何が、何の、どうして
なのか、というのがなかなかはっきりしなくてもどかしい。
キャシーの語る世界。
子どもの頃から、ヘールシャムという、隔離された寄宿学校のようなところで育ち、教育をうけてきたらしい。
隔離?
それは単なる学校なのか。

いったい何が、隠されているのか。

前々からなんとなく読まず嫌いをしていたカズオ・イシグロですが、ついに
手を出してみました。
プレミアムカバーエディションだそうで、なんか素敵なイラストカバーで
積み上げられていて。
旅先で読むものがなくて本屋めぐりめぐって結局やっぱり気になるこれを。

読んでいくうちに、少しずつぼんやりと事情がわかってくる。

なんで、キャシーは、介護人としてそんなに長くやっているんだろう。
トミーや、ルースも、介護人として長くやるのはつらくなってくる、
いっそ早く提供するほうになりたい、というようなことを言ってたと思うけど、
私もそう思う。
自分の運命を知ってしまった後、ならば、提供者に早くなってしまいたいと
いうほうが納得いく気がするけれどもなあ。
癇癪を起こし、叫びだすトミー。なぜ、キャシーは淡々としていられるのか。
大事な思い出を、大事なままに、覚えておくことができるのか。

とても、静かな物語。
ありそうかも、と思わせる。たぶんこんな未来は遠くないのではないか。
たぶん、ほんのわずかの違いでしかないのではないか。

これは、恐ろしい物語なのだろうか。
これは、うつくしい物語なのだろうか。
これは、ほんとうのことなのではないだろうか。

すばらしい読み応えありでした。
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TITLE: 市街劇 人力飛行機ソロモン 松山篇
AUTHOR: シキ
DATE: 11/24/2008 23:36:50
STATUS: Publish
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BODY:
市街劇 人力飛行機ソロモン 松山篇

正午搭乗。

というわけで、市街劇って何だー、とわけがわからないなりに
見てきました。
寺山修司はもちろん好きですが。
いろいろ、わけがわからなく。。。
もちろん全部見るわけにはいかず。(同地多発市街劇。。。)
でも、街が、日常と、非日常の異空間とのふたつの時間を実感して、
面白かったです。

非常にローカルに歩きまわる。
よく知ってるはずの街が、なんなんだかわけがわからないことに。
あっちにもこっちにもいってみたいのに、いけない。
そういうどうにもならない感じを味わわせるのも芝居のうち、ってことか。

エピローグ、ホールから外へ、そしてあの空き地へ行ったのは
さすがに凄いと、感動。

今日は雨。
いや、やんだり、降ったり。
夜の雨の中、観客として劇へ参加した!という一体感。

大失敗なのか?
トラブルさえもドラマチックに成功なのか?
私にはわけがわからないし批評もできないけれど。

見に行ってよかった。参加できた。楽しかったなと、思います。
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TITLE: 買ったマンガなど
AUTHOR: シキ
DATE: 11/22/2008 22:39:14
STATUS: Publish
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BODY:
『胡桃の中』1、2巻 川唯東子 リブレ出版 ゼロコミックス

『パタリロ師匠の落語入門』 魔夜峰夫 白泉社

くるみのなか、は、リブレですから、BL、の範疇でしょうか。
でもやってるところはあんまりなくて、突然亡くなった祖父の「胡桃の中」
という画廊をついでいる谷崎、と、大学のときからの友人(かつ恋人)
の、映像クリエーター(??みたいな?)の中居二人が、絵画にまつわる
ちょっとした事件、出来事を解決してく話。

谷崎くんが普段はむさくるしい無精ひげ男だけど、実はフォトジェニック
で素敵、とか、なんかわけあり、で、孤独の影が、とかで、しかし
無邪気な中居に救われてる、とか、中居はけなげで無垢で可愛い、
とかで、まあ、そういうのはしっかりBLかなあ。

で、絵画がらみの物語。谷崎は絵の修復とか請け負うんだけど、
(画廊なんで売買もあるけど)まあ、裏の仕事、的に、天才的贋作づくり
の腕前の持ち主、だったりします。
おお~。極個人的私の絵画贋作マイブームにぴったり。
と思って、全然知らないながらも表紙買いしてみました。

短編なので、さらりと。面白く読みました。
谷崎くんはかなり好み♪買ったことを後悔しないだけの満足あり。
よかったよかった。
なかなかいい話になったりしてるのが多く、ほのぼのですねえ。
らぶ~♪

しかし、これ、新刊ってわけでもないのに(奥付みたら、わりと古い本
だった。。。)なんで平積みでおいてたんだ。。。担当者さんの
お気に入り??まあ、手にとるきっかけになったのでいいんですが。

パタリロの落語入門は、ほんとに落語入門だ(笑)
もちろんパタリロは全部読んでるので、落語ネタが多いんですねとか
わかってますけど、落語そのものをちゃんときいたりしてるわけでは
ないのだけどもでも寄席とかいってみたいよう~と思ってるワタシには
おあつらえむきでした。
落語ブームってのはほんとにきてるのですね~。こういう本の企画が
出てちゃんと成立するんだ~。
パタリロの、落語をもとネタにする漫画と、文章での解説、軽い薀蓄、
寄席ガイド、などなど。
落語ききに行こう!という気になる一冊~。いいねえ。
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TITLE: 映画「レッド・クリフ」
AUTHOR: シキ
DATE: 11/20/2008 09:50:01
STATUS: Publish
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BODY:
映画「レッド・クリフ」

やっと見てきました!
言うまでもなく三国志!赤壁の戦い!周瑜!孔明さま!!!!
ぐはー!燃える!!!(そして萌る!!!)

映画が始める前に、ちらっと三国志の解説、みたいのがありましたが
あれは日本での親切説明なんでしょうか?
そんで、始まると、いきなり新野の戦い!!ぐおお!
趙雲かっけー!!!
関羽はなんで赤ト馬に乗ってないんだろ?とか、張飛はすごい
イメージまんま、とか。劉備もかなりイメージまんまかも。すご~い。
孔明さまは!!金城くんかっこいいいいい~~~~~~~!!!!!
素敵~!うっとり~!
しっかり男くさくもあり、でもやっぱりすっごくかっこよく美形でもあり。
おっさんばっかりのどーん!としたアップの中で、金城くんのアップは
もっと!!もっとして!!という感じ(^^)
孔明さまのイメージとしては、もっとクールビューティだろう、と思う
けれども、(金城くんはなかなかお茶目さんっぷりもちょこっと発揮して
いた)でもとにかくかっこよくって素敵でちゃんと頭よさそうだし、
やっぱりしっかり男だし、というのもあって、不満ってことはない。
魅力倍増!と思う。あーん。かっこいいよう~。

孫権もなかなか、苦悩する若き領主って感じで、ハンサムくんだった。
イメージと違うかと思ったけども、あれはあれで好きになった♪

周瑜!トニーさんは、すごく静かなる智将、って感じで素敵だった~。
琴での孔明さまのとの競演はわくわくどきどき。萌~~~。
この二人が主役、って感じですね。
むしろ今回は孔明さまか。
パート2になると周瑜のほうになるのかなあ。
今回もはりきって最後戦いに出ちゃって、矢傷うけてましたが。あああ。
もう、そこから泣いちゃう。悲劇の序曲。わーん。

曹操は、しっかり悪役つーか、おっさん。もうちょっとかっこよくっても
いいんじゃないのか。と思うけれども。まあ今回はしょうがないか。
許せないってほどでもないか。

やはり戦闘シーンはド迫力!!!地響きを体感しつつやっぱ映画館で
見る映画だああ、と感動。
ぐっさぐっさ人殺してましたが、ああああもう。戦国だ。
陣形なんかを俯瞰で見たりするのが面白くて。
ほんとのところ、実際にはどのくらいああいう陣はって動けたんだろうなあ。
水軍のほうは、今回はまだ戦闘にはいたらず。戦いはどーなるか、早く見たい!!
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TITLE: 本2冊
AUTHOR: シキ
DATE: 11/14/2008 21:58:40
STATUS: Publish
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BODY:
『となりのクレーマー』(関根眞一/中公新書ラクレ)

「苦情を言う人」との交渉術

というわけで、いろんなクレーマーの実例と、対処をどうした、というもの。
クレーマー怖いよう。
でも怖いとか、そのくらいのことで、とか、誠意ある態度じゃないとき、
というのはすぐに見抜かれるそうです。
うーん。
誠意をもって謝罪、とか、平常心で交渉とか。頭でわかってたとしても
なかなかできるもんじゃない。。。というか私には無理だった。。。と、
接客業たる書店員時代とかを振り返ってみて思う。
どんなシゴトであれ、プロになるのは厳しく、経験の積み重ねだー。

『ケータイ小説的』(速水健朗/原書房)

再ヤンキー化時代の少女たち

てなことで、ケータイ小説に見る現代の若者像、というか、少女像、かな。
ケータイ小説を私は読んでないので、まったくどうこう言えるわけではない
のですが。
ま、読んでないからこそ、こういうのを読んでみよっかーと思うわけです。

とても読みやすくて、さらっとした読み物、なのかな。
批評に自由を!
てなフレーズがあったけれども、そういうことなのか???
ちょっとそのへんはあんまり納得はできず。

ケータイ小説のブームというのは、現代における「ヤンキー文化」だ、と
いゆことらしく。
浜崎あゆみで、ヤンキーで、地元つながりで、NANA で、アダルトチルドレンで、
相田みつをなのだそうです。

ああああ。ヤンキー的な文化とこれまで接点を持ってない私には、
ケータイ小説もあえて読んでみたいものではないなあと、思う。
わざわざ興味もてないものを読むこともないか。。。若者にもあんまり
興味ないしな。。。
私が興味あるのは乙女のロマン文化のほうだからな。

フラットでファスト風土化する郊外、って話があり。
それって野ばらさまの『下妻物語』における下妻の世間、と、ロリータな
桃子との対立そのもの。
いちこが対立したレディスたちは、ケータイ小説な世界って感じだなあ。
ジャスコだ。
『下妻物語』、すごいわ。この評論だか社会論だかをもっとずっとすばらしく作品に
してるわ。野ばらさまさすが~☆
てなことを思ったりしながら読みました。
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TITLE: 『私はフェルメール』
AUTHOR: シキ
DATE: 11/09/2008 22:34:35
STATUS: Publish
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BODY:
『私はフェルメール』(フランク・ウィン/ランダムハウス講談社)

―20世紀最大の贋作事件―

ハン・ファン・メーヘレン。
ナチスドイツに、オランダの国家的芸術作品、フェルメールの絵を
売り渡したと、拘留された男。
しかし、メーヘレンは驚くべき自白をした。
あれは贋作だ。
私が描いたフェルメールだ。
そして、疑う人々に、フェルメールの新作を、描いてみせた。

つい先日、テレビ番組で、フェルメールの特番をやっていて、それで
初めて知りました。ハン・ファン・メーヘレン。
凄い!
美術にもフェルメールにもうといもので、20世紀最大の贋作事件、という
メーヘレンのことも全然知らなくて、なにか手ごろな本はないかなあと
探してみて、図書館でこれ借りました。

面白かった。
現代美術界に受け入れられなかった、古典作品を愛するメーヘレン。
絵の才能への強い自負心と、批評に耐えることのできない臆病さ。
フェルメールに愛着し、たんなる模写ではない、たんなる贋作ではない、
失われたフェルメールの、あるはずの本物の作品、を、自分で描くこと
で、美術評論家たちを、専門家たちを、嘲笑し、自分の才能を認めさせ
ようとした。

でも、巨額の現金を手に、その絵を描いたのが自分だと名乗ることは
できなかった。
酒。煙草。女。モルヒネ。
パラノイアの病。心臓の病。
贋作の犯罪者から、ナチスを愚弄した英雄となるはずだったかもしれない。
有罪を言い渡された後、死亡。
メーヘレンの作品を、名作とすべきか、ゴミとみなすか。。。
完全な答えは出ない。

美術の世界って!
凄い。
動いてる金がすごすぎるし。いくら科学的鑑定があるとはいえ、それでも
言ったもん勝ち、的世界でもあるのかも。。。こわい。すごい。面白い。

フェルメール。
ロマンだ。

ちょうど今日テレビで「真珠の耳飾の少女」の映画をやってたのを見て。
またしてもうっとり。えろす。
あの絵にはこの物語があったのだとしかもう思えないわ~。きれいだ。
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TITLE: 『ダ・ヴィンチ・コード』上・中・下
AUTHOR: シキ
DATE: 11/07/2008 23:12:56
STATUS: Publish
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BODY:
『ダ・ヴィンチ・コード』上・中・下(ダン・ブラウン/角川文庫)

ルーブル美術館の館長であるソニエールが殺された。
死体は、異様な姿となって発見される。ダ・ヴィンチの、<ウィトルウィウス人体図>
をなぞった形。傍らには謎めいたメッセージ。
ソニエールの孫娘である、暗号解読官のソフィーとともに、ハーヴァード大学教授、
宗教象徴学専門のラングドンはソニエールが残した秘密を解くべく奔走する!

ってな感じで、えーと、映画は結局見逃したまま。
一時たいへんなブームだったこの本も、やっといまさらながら読んでみました。

その大ブームだったころに、テレビなんかでけっこうネタばれというか、謎解き
しまくっていたのを見た気がするので、謎の解明のたびに驚く!とか興奮!とか
いうことはなかった。。。
キリスト教についてはそれなりに、知らなくも無いかも、という程度で、信仰もなく
衝撃とかもあまりないし。

ん~。端的にいうと、私にとってはあんまり面白くはなかった。
話的にも、キャラ的にも。ラングドンがそんなにかっこいい感じではないしな~。
ソフィーにはもちろん興味ないしな~。
なんであんなに大ブームだったのか不思議。まっさらな感じで読んだらもっと
すごく面白かったのかもなあ。
読む時期を外さないのが大事な本というのもあるんですね。
文庫3冊にわけるほどの分量でもないだろうと思うんだけど。
そして、このくらいなのに、読むのにすごく時間がかかってしまった。う~ん。

映画もそのうち見たいけれども、あんまり期待はしないでおこう。。。
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