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2009年12月

TITLE: 『ノラや』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/28/2009 22:04:49
STATUS: Publish
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BODY:
『ノラや』(内田百??/中公文庫)

百?關謳カんところにちゃっかり居ついた野良猫出身のノラ。
さほど可愛がっているふうでもないように傍目には見えていたのだが
あるとき、ノラが帰ってこなくなってしまった。

ノラや。
ノラや。

百?關謳カは涙にくれる。

と、もうほんとうに、ノラがいなくなってつらい、という日々の日記と
いうか、日々泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて暮らしている様が
淡々と書かれている。
うにゃー。
猫がいなくなるなんて。
つらいよね。
先生、泣きすぎ。でもせつない。ノラや。

ノラのあとに居ついてしまった、クルツは、最期を看取るところまで。
これはこれでもうたまらなく切ない。哀しい。
いつか私も猫と別れるときがくるのだ。。。

前々から知ってはいたけど、読んでなかった『ノラや』。
ここしばらくの持ち歩き文庫としてつい買ってしまってちまちま読みました。
んむー。猫可愛い。猫可愛いよ猫。
でももうこんなに哀しいよー。
哀しかったけど、読んでよかった。

百?關謳カは、猫の一番可愛いところは耳である、と書いてる。
そうだなー。
でも前足も可愛いよ。耳も可愛いけど。しっぽも。目も。まあつまり全部
可愛いよね。
猫可愛いよー。
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TITLE: 『誘魔』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/26/2009 23:35:59
STATUS: Publish
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BODY:
『誘魔』(五條瑛/双葉社)

オカリナの音に誘われて、子供が消える。
御伽噺のような、都市伝説のような。鬼が人を攫うのか。
誘われていったものは、自らすすんで、騙されたがる。

革命シリーズ、第八作目かな。
今回サーシャの出番がなくてがっかり。
エリスとマシュとか、なかなか魅惑的な登場人物、と思ったら
この巻だけでケリがついて、ちょっと拍子抜け。
今までの登場人物たちのその後とか再登場とか、いろいろ話が終盤に
向かっていってるのかなあと思う。
ドキドキする。
どういう結末が待っているんだろうか。

すみれが随分しっかり成長してて、でも、ものすごく危なっかしく思えて
ハラハラする。
したたかだし十分賢いし、キラは信じるに足りる仲間だろうし。蘇先生も
いいお父さん役だ。
だからもう、そんな危ないほうに近づいちゃいけないよと言いたい。。。
サーシャ、罪な男~。
誰もがサーシャの手の内で踊っているようでもあり、サーシャは種をまいた
だけで何もしてない傍観者のようでもあり。
街はどうなるんだろう。
革命は、起こるんだろうか。

毎度のことながら、読み終わるとすぐにすぐにすぐに続きが読みたくなる。
少しでも早く続巻が出ることを願う!!!
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TITLE: 『ハダカデバネズミ』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/24/2009 18:09:07
STATUS: Publish
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BODY:
『ハダカデバネズミ』(吉田重人・岡ノ谷一夫/岩波書店)

女王・兵隊・ふとん係

って、ハダカデバネズミのすべてがここに!
って、まだすべてはわかってないんだねえ。

ハダカデバネズミ、私は一度上野動物園で見たことがあります。
ほんとにハダカ!ほんとに出歯!ネズミ!
まあそのー。一目で可愛い!!という感じではないんですけれども、
なんかこう、デバのよさ、可愛さを語る人の話を読んでると、なんかもう
なんなのコイツら!もう!もう!!って可愛くなってきちゃうなあ。

私が初めて知ったのは、この本でもイラスト描いているべつやくれいさんの
記事からでした。
で、この本、よく見てるHPでお勧めしてたのを見てやっぱり読んでみよう~と。

写真もいっぱい。サイズも厚みもお手軽感がありながら、研究者さん(著者さんたち)
の静かな情熱の伝わってくるいい本でしたー。

ハダカデバネズミは、脊椎動物としてはめずらしく、真社会性哺乳類、だそうです。
女王がいて、繁殖係りとか働き係りとか兵隊係りとかがいて、群れで暮らしてる。
アリとかハチとかに近い感じらしい。
女王なんかは長生きで、ここの研究室の最初の女王は38歳だとか。へーーー。
ネズミなのに!?
肉ふとん係りは、赤ちゃんデバが体温下がってしまわないように文字通り肉ふとん
としてぎゅうぎゅう寝て赤ちゃんを乗っけて暖める感じ。。。なにそれすごい。
デバは変温動物なんだってー。へー。へー。
鳴き声は17種類もあってピュイピュイいってコミュニケーションとってるんだって。
へー。へー。へー!

と、デバたちの生態が面白い。
デバたちが見つかったのは19世紀だそうだけど、真社会性であるとか、研究が進んで
るのは1981年だったりだとかで、わりとまだ未知の生物っぽい。面白いー。
まあその、見た目的に無理、って人に勧めたいわけではないですが、すごくちゃんと
面白い本です~。読んでよかった。またデバを見に行きたいなあ。
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TITLE: 『厭な小説』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/16/2009 17:17:58
STATUS: Publish
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BODY:
『厭な小説』(京極夏彦/祥伝社)

古めかしい装丁。
くろずんたページ。ページの間に小さな虫(蚊?)が潰れている印刷。
手にしているだけで、厭だ。
読むのも、厭だ。

そんな厭な小説。

厭な子供 厭な老人 厭な扉 厭な先祖 厭な彼女 厭な家 厭な小説

という7つの短編が収められている。
ひたすら不条理な厭なことが立て続けに起こり、理解できることは何もない。
厭だ、というのは感情だからだ。理屈ではないのだ。気にしない、ことが
できれば、何事もないような小さな出来事が。やがて耐え切れぬ厭な事になる。
厭だ。
厭だ。

最後の 厭な小説 が、書き下ろし。それまでの話に共通して登場する
深谷の話。それまでの短編では、主人公の友人だったり部下だったり上司だったり
するサラリーマン。
ついに、彼にも耐え切れない厭なこと、が。

そしてたぶん、読んでしまった私にも。
ああ。
厭だ。
そんな思いをたっぷり味わって読み終わる。

厭だねーーーーー。

図書館で借りました。買うのが厭だったんです。買ってうちにおいとくのが
厭だったんです。
うん。
借りることにしてよかった。
とても厭です。
お見事。
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TITLE: 『鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/12/2009 13:37:56
STATUS: Publish
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BODY:
『鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか』(布施英利/晶文社)

2003年4月3日。アトムの誕生日。
手塚治虫が描いた未来が、今となった。

2003年に出版された本ですね。図書館で借りました。
著者は、芸術学者。芸術学者??
ロボットの心、などについてのサイエンスエッセイ。サイエンスエッセイ??

アトムを作れ! というイメージで、ホンダはアシモを作った。とか、
実際ロボットを作ってる人たちへのインタビューがあったりして面白い。
現場の人はリアルだ。二足歩行をするために常にロボットは短い単位で計算を
重ねて、曲がるときに一旦とまらずに曲がってゆけるようになる、っていう
進歩。まあそういえばそうなんだなあ。アシモがゆっくり歩く姿がなんか可愛い
って単純に見た目しかわかんないけど、あれは常に計算した結果、なんだねえ。
AIBOは、単純に人間のいうこと聞かない、っていうコミュニケーション。
昆虫の反射運動をもとにして飛躍的に行動が複雑にリアルになるプログラムが
できてるとか、へー、という感じ。

手塚治虫とダ・ヴィンチが似てる、という話とか。
科学者の目と、絵を描く目。
時間を描く、とか。美、とか。
科学の美、というのはうっとり憧れ。

ロボットの心。ロボットは夢を見るのか。
アトムは夢を見ない。アトムは、完全なロボットじゃない。アトムには、
わるい心がないから。
「完全なものは
 わるいですぜ」
そんなセリフが出てくる。手塚漫画は凄い。

「美とは調和である。」科学の美、ですね。もっとゆがんだ美もあると思う、けど、
その場合もうーん、ゆがんだなりの調和はあるかなあ。なかなか。
科学における美しい、の、簡単な例として、
2+4=6 これは、別に美しくない。しかし 2+2=2×2 これは美しい。
なんか納得。いいなー。
アトムにも、科学の美がある。

アトムの誕生日をすぎて、まだロボットはアトムにはなれない。でも科学の未来が
これからも輝かしいものであってほしいと思うなあ。
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TITLE: 映画『イングロリアス・バスターズ』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/03/2009 13:50:25
STATUS: Publish
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BODY:
映画『イングロリアス・バスターズ』

ナチ支配下のフランス。
ユダヤ・ハンターのあだ名を持つランダ大佐はある酪農家を訪ねてきた。
近くのユダヤ人一家を、匿っているのではないかと、あたりをつけてきたのだ。
あくまでにこやかに、紳士的に振る舞い、会話するランダ大佐。
しかし、一切の容赦はない。

だが、一家惨殺から一人だけ逃げ出せた少女がいた。

アメリカの特殊部隊をひきいるアルド中尉。アパッチの血をひくという彼は
バスターズを率いてテロ的にナチの兵士を惨殺してゆく。頭の皮を剥いで。

それぞれに、ナチとの戦いが始まる。

えーと、少女、ショシャナは逃げ延びた4年後、フランス人、ミミューとか
になってて伯母さんから映画館を譲り受けている。
とても美人。で、ドイツ兵、ナチの宣伝映画のモデルになり主演している
英雄戦士くんに勝手に惚れられて迷惑したりする。でもそのおかげで彼女の映画館
でのプレミア上映となり、復讐計画をたてられる。

ナチもだけど、アルド中尉のほうも残虐で、頭の皮を剥ぐとか、ううわー、
いたいいたいいたいいたいきついきついきついきつい、と、怖かったけど
すっごい!
なによりランダ大佐が凄いこわいし。
いろんな言語喋るんだよねー。そういうのをすごく上手く使ってる。
この映画ではいろんな言語が聞けて、すごくうっとりする。ドイツ人はドイツ語
喋るし、フランス人はフランス語喋るし。アメリカ人は英語だし。かっこいい。
ショシャナのフランス語にうっとりしたり。
彼女が、気合で戦闘モードにびしっとドレスアップしてメイクして、って
びっくりするほどきれいにしていくのに痺れる。しかもその時、D・ボウイの
曲が!きゃ~~。痺れる!!かっこいい!!流れてきた時その声にときめいて
しまったのもあって、忘れられないシーン。

予告の感じからだと、なんかもっと笑ったりするのかと思ってたけど、笑う
というよりはシニカルだし、すんごいはりつめた緊張感ビシビシにあって、
目が離せない感じ。馬鹿馬鹿しく面白かったりもするけれども、それ以上に
凄み、迫力があった。
ブラピは、ほんっと、役によって喋り方変わるよなあ。凄いと思う。でもやっぱ
ランダ大佐の圧倒的な不気味さが凄すぎる。
女優さんたちもみんなきれいで素敵でかっこいいし。ナチの英雄くんはキモいぞ。
見応えばっちり。面白かったよ!!!
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