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2008年12月

TITLE: 『前巷説百物語』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/28/2008 08:26:06
STATUS: Publish
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BODY:
『前巷説百物語』(京極夏彦/角川書店)

さきのこうせつひゃくものがたり。
又市、青臭いと言われる若造であるころの物語。

損料屋、の手先に見込まれる。
人の世の、一方的な損を、金で引き受け、損をなくす。
仕掛けをこらして、人死にを出さぬよう、仕事をする。

又市が、若造で、とんがってて、口先だけでなんとかやってこうとするのが
初々しくてなかなか素敵でした。
ずっと前に買っていたまま、積読してましたが、やっと読めた。
やっぱり面白かった。
しかし、どんどん次を、と、読みたくなってきて困るなあ(笑)。

周防大蟆 の話は、兄の敵討ち。でも相手は無実だと知っている。
若殿の無理強いで望まぬ敵討ちをすることになってしまった、という事件
なんだけれども。
仇とらぶっていたのは、弟のほうである、という、なかなか素敵なモエ話
だった☆
いい話だなあ。

なるべく人を殺さないように。
って、くどいくらい又市はそういっている。
若造としての威勢のいい悪口ぽんぽん具合は木場修みたいで面白かったし
仲間のみんなも面白かったのに。
やってることは必殺仕事人なのに、人を殺さないように工夫を凝らす。
妖怪を使う。
なのに、人は死ぬ。
無情だ。
こ、こんなにざくざく死んでしまうのか。。。京極夏彦ヒドイ。とか
思っちゃった。まあ、京極さんのは登場人物ざくざく死ぬよね。。。

人の世の損は、そうかんたんには取り返せない。
互いに損のかけあうことの少ないように、生きるのがいいやね。
でも、そうおもってただうすぼんやりと生きていても、あんまり面白みも
ないさね。

世界はつながっていく。
面白かった。
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TITLE: 『真珠の耳飾りの少女』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/11/2008 13:30:19
STATUS: Publish
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BODY:
『真珠の耳飾りの少女』(トレイシー・シュヴァリエ/白水社)

1664年。
わたしのうちに、二人の客がやってくる。あまり落ち着きがあるとは言えない
おばさん。わたしが切りわけた野菜について尋ねたおじさん。
あしたから、女中へ行く先の奥様と旦那様だった。
そのお宅。あの旦那様は、画家のフェルメール。わたしはあの方のアトリエの
掃除をするのだ。

映画の『真珠の耳飾りの少女』の原作ですね。
フリートの視点で語られている。
映画ではセリフも説明もとても少なかったけれど、これを読んで、フリートの
ことがよくわかった。
しかし、すばらしく映画化したものだ。と感心。この小説が素晴らしいのは
もちろんだけども、これを見事に映画化してたんだなあと思った。
フェルメールの家の空気感、ひかりは、映画が思い浮かぶ。

フリートのお父さんはタイル職人だったけれども、仕事中の事故で目を失い、
もう働けない。フリートは16才で女中として働くことになり、そのわずかの
給料で家計を助けなくてはならない。肉屋の息子のピーターとのつきあいは、
肉、という現実的な魅力をもって、フリートの母親の公認となった。
とはいえ、ひどい両親というわけではなく。貧しいだけで、いい両親では
あるのだと思う。
タイルに絵を描いていた父の影響もあって、フリートは絵や色に敏感であった
のだ。あの子どもにいたずらされて割られた、フリートが大事にしていた
タイルは、父からもらった大事なものだったんだ。
そんなことを本を読んで理解する。

フリートがどうしようもなくひかれた画家の世界。でも、画家にとっては、
絵の中のフリートこそが大事だったのか。。。でも、最後に贈った真珠の耳飾り
は、画家にとっても、フリートが大事だった証なのか。。。
ふたりで絵をかく時間は、すばらしくうつくしかった。
フェルメールのあの絵の少女は、このフリートだったのだと。思う。魅力的です。
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TITLE: 『MURAKAMI』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/10/2008 22:49:21
STATUS: Publish
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BODY:
『MURAKAMI』龍と春樹の時代(清水良典/幻冬舎新書)

W村上。
なんか懐かしいような響き。
このごろはこの二人を並べて論じることはなくなったが、あえて
本書では二人を並べて、時代の反映(あるいは予言めいた鋭敏な感性)
としての作品たちを論じている。
二人の作品はデビュー当初のみならず、ずうっと、現在にいたるまで、
刺激を与えあっているようだ。

てなことで、久々にW村上ってな話しかあと思って面白く読みました。
龍のほうはあんまり追いかけてなくて、『悲しき熱帯』あたりからもう
読んでない。たぶんなんか読んですげえつまんね、と思ったことがあって
以来やめちゃった。最高傑作は『コインロッカー・ベイビーズ』ってこと
で私にとっては満足してしまった。
でもこれ読んで、その後の長編にも興味出てきた。読もうかなあと思う。
とくに『半島を出よ』は凄そう。

春樹のほうはなんだかんだ思いつつも、ほぼずっと全部おいかけて読んでる。
あーでも、問題作?の『アンダーグラウンド』はまだ。いい加減読むべきかー。
春樹は、長編新作が久しぶりにまた出るのらしい。
読もうかなあ。。。
この本でいうと、龍の『半島を出よ』をうけての新作、ってことになるのか。
どんなんなんだろう。

とまあ、龍も春樹ももっかい読もうか、という気をおおいにそそってくれる
本でした。
書いてあることとしてはなるほど~というすんなりわかりやすいことで、
久しぶりにW村上ってなくくりで読むのはやっぱり面白いなあと思わせて
くれていいなと思った。
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TITLE: 『日本文学史』 『フェルメールの闇』
AUTHOR: シキ
DATE: 12/10/2008 01:17:20
STATUS: Publish
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BODY:
図書館に返す期限をけっこうすぎてしまった。。。
というわけで、慌ててメモ。いろいろ読んでるけど(再読したりして)
読書日記書けてないなー。忘れちゃう~~。

『日本文学史』(小西甚一/講談社学術文庫)

わりと薄めの文庫。ですが、古代から近代まで網羅されてます。
しかしほんとーに粗筋、という感じ。。。これテキストで、講義を聞きたい
です!というところ。
文学史は一応は学校で習ってきたはずだけども、なんとなく勝手に、明治以後
の小説とかのこと、を文学史だと思っていた。ま、もちろん、万葉集やら源氏
やら、いろいろもっと昔のことも習ってますが。
和歌、連歌、のことこそがメイン、というのをあまり意識してなかった。。。
散文が好きなんだなあわたし。
和歌の世界こそ文学、であったころ、表現者と読者が同じコードで読みあう
世界、っていうことのほうがメイン。。。
なんか、うちわ受けは嫌いだ、とか思ってる自分が馬鹿みたいな。。。
そういうものかあ。
「雅」「俗」「俳諧」という理念の分け方をしてらっしゃいますが。わかった
ようなわからないような。。。やっぱり講義が聞きたい。。。

『フェルメールの闇』(田中純/マガジンハウス)

フェルメールの自画像が発見された。
イギリスの古城の片隅に埃まみれで放置されていた。
世紀の大発見か!?あるいは、偽物か!?

にわかフェルメールファンになったので(というより、贋作のことに興味津々)
図書館で借りてみたもの。小説、なのがなかなか微妙。。。あんまりは面白く
ない。。。やはりどっちかというとドキュメントな感じのが読みたい。贋作の。

帝国美術館を辞めて、サラ金会社の社長の道楽につきあう学芸員、としての
主人公、光岡のキャラが魅力なく。。。どうにもな~と思う。
表紙とか口絵はフェルメールだ。(贋作だ)、と楽しめるな、と、思った。
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