« 読書日記引っ越し | Main | 『ハーモニー』(伊藤計劃/ハヤカワ文庫) »

『男の絆』(前川直哉/筑摩書房)

『男の絆』(前川直哉/筑摩書房)

明治の学生からボーイズラブまで
というサブタイトル。
明治時代の学生たちの間で流行っていた「男色」のこと。
女学生の登場。
男の友情へ。同性愛者の誕生。
締め出される女性と「ボーイズ・ラブ」
という風に、時代をたどって丁寧に書かれていた。こういう風に時間を流れで
捉えてみると、なるほどーと思うしわかりやすい。面白かった。
ボーイズ・ラブあたりのことは最後のほうに少し、といったところ。
基原稿は修士論文だったりの論文だそうです。ちゃんと読みやすい文章になって
いるのでかなりすいすい読める。
最初は硬派学生が男色、だったのが、だんだん相手が男女かかわらず恋愛すんのは
軟派学生、ということになって、やがて恋愛要素抜きに「友情」を築くようになる、
という男の変遷。
「家庭」という考え自体がごくごく近代に作られたものであること。
女性はマイノリティの中でもさらにマイノリティだね、というようなことも少しは
触れてあった。
ヘテロセクシズムがこんなにも支配的になっているのは近代つくられたんだよ。
ということを、今のヘテロセクシズムガチガチで疑ったこともないというあたりに
読んでもらえればいいのに、と思うけれども。疑ったこともない人はこういう本を
読むことすら拒否感があるのだろうから、届かないんだろうなあ。
なんか辛い。

ちょっと関係ないながら、最近私が勝手に個人的に気になること。
「ホモ」という言葉を目にするたびに、それは蔑称だから使わないでほしい、
なんで平気な気軽な感じでその言葉を使うんだろう、と思う。蔑称だった、という
私の認識が間違ってるのか?と自分に自身がなくなる。でも。どっちかといえば
「ゲイ」という言葉を使えばいいのに。と思う。言葉狩りをしたいわけじゃなくて
使うな、と強制、矯正したいわけじゃないけど。目にするたびに、あー。と、
ガクっとグサっと私個人としてはうなだれる気持ちになる。
終わりの章に、「「日本は同性愛に寛容」というウソ」というのがある。
日本ではまともに議論にすらなっていない、というだけのこと。こういうのを、
もっとたくさんの人が知ればいいのに、と思う。
たくさんの人は知ろうとすら思わないんだろう。どうにかしてたくさんの人に
届けばいいなあ。

|

« 読書日記引っ越し | Main | 『ハーモニー』(伊藤計劃/ハヤカワ文庫) »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 読書日記引っ越し | Main | 『ハーモニー』(伊藤計劃/ハヤカワ文庫) »