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2009年5月

TITLE: 『樽』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/30/2009 15:42:11
STATUS: Publish
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BODY:
『樽』(F・W・クロフツ/ハヤカワ文庫)

ロンドン。
船で届いたワインの樽の受け取りをチェックしにいったブロートン。
船会社の若い社員だ。
一つの樽が荷崩れし、破損したところからこぼれだしたおが屑の中
に、金貨があるのを発見する。
荷札からすると、彫像が入っているという樽。
不審感から樽の中を確認しようとすると、そこには、手がのぞいていた。
彫像の手なんかじゃない。死体の、手が。

これが発表されたのは1920年だそうで。
江戸川乱歩が瞠目した、とかいう、古い話ですね。どんなもんかなあと
思って読み始めると、本気で面白かった。
ロンドン、パリ、またロンドン、と、舞台の移り変わりも素敵。
まずは警察の捜査。綿密なアリバイ供述の裏付け。情報収集。
犯人とみなされた男。
次にその男を弁護しようとするもの。
逮捕された男を救うのは絶望的に思われたが、他に犯人とおぼしき人物
の、鉄壁なアリバイを、いかに崩していくか。いかに糸口を見つけ、
暴いていくか。
面白かった~!

名探偵、ってほどの名探偵じゃない感じだけど、(探偵が出てくるのは
最後のほうだ)ミステリ史上もっとも重要な作品といってもよい、って
のもなるほどと思う。よくこんなにアリバイくみ上げて、さらにそれを
暴いていくこと丁寧に書いてるな~。読んでるうちに、ええと樽は
どっちなんだどうなんだ、とか混乱するバカな私。でも面白い。
ロンドンやパリ、素敵~って思うし。いいなあカフェで食事したり~
社交とかもなんかかっちょいいわ。
手を出してみてよかった。
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TITLE: 栗本薫さんの訃報を知って(3)
AUTHOR: シキ
DATE: 05/29/2009 18:14:59
STATUS: Publish
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BODY:
(1、2、からの続き)

訃報を知ってから、もうずっと本を読んできていないにもかかわらず、自分で
思いがけないくらい動揺し、深い喪失感を覚えた。
今、腐女子やらボーイズラブやらがたっぷりある中、それでも私はなんか違うと
思い続けている。今でも、私はどうしても何かだとあえて言うとしたら、JUNE系、
という風に言うしかないか、と、思っている。きわめて個人的勝手な思い入れ。
それは、あの頃小説JUNE(小ジュネといってた。大ジュネはマンガメイン)が
大好きだった、というのが自分の根本だと思っているから。そして小ジュネは
もちろんいろんな人の手によって創られていたとはいえ、やはり、中島梓に、
栗本薫に生み出されたのではないかと思う。

ありがとうございました。

本を読まなくなって、癌のことをちらほら知り、たぶん遠くないうちにその死が
予感されていたとはいえ、でもそうはいっても大丈夫なんじゃないの。
グインを書き続けてどうにかして完結させるんじゃないの。と、思っていた。
私なんかよりももっともっとファンの人、愛してる人は山ほどいるだろう。
私は、あまりよい読者でもなく、熱心でもなく。勝手な思い入れをもっているだけ。

ありがとうございました。

大ファンでもなんでもないけれど。やはりそう言うしかない。あの頃JUNEがあって
出会っていてよかった。

ありがとうございました。

ありがとうございました。

それでももっと、書いてみせてほしかった。グインをどう決着つけるのか見たかった。
世界の誰も成し遂げてないことを、完成させて欲しかった。読まなくなったくせに
勝手なこと言ってるけど。

ありがとうございました。

ありがとう。

JUENの世界をつくりだしてくれてありがとう。

ありがとうございました。

どうぞ安らかに。
ご冥福をお祈りいたします。
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TITLE: 栗本薫さんの訃報を知って(2)
AUTHOR: シキ
DATE: 05/29/2009 18:13:44
STATUS: Publish
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BODY:
(*1からの続き)

小説道場。
JUNEを読む少女たちが、自分も男同士、男の子同士の恋を書きたいのだ。という
情熱をもって投稿した場所。中島梓は投稿を呼びかけ、小説の書き方を指導し、
読者を書き手に育て上げた。
角川がルビー文庫をたちあげたとき、目玉にされたのは富士見交響楽団のシリーズ
だったと思うのだけど(たぶん)、それは小説道場の投稿に始まり、JUNEに掲載
され人気を呼び、そして角川というメジャーで本になる最初のものではなかったかと
思う。
現在の華やかなBL文庫群の始まりだ。
そういうのを目の当たりにして、私はドキドキしていた。JUNEものがこんな風に
大きくなっていくのが凄いと思ってびっくりしていた。

また、少しずつ、やおいだとかが世間の注目を集めるようになり、その時に前面
にたって、評論的文章を発表していったのを、熱心に読んだ。
そうだそうだ、とも思うし、そうでもない、とも思うし。
でも、そういう文章は中島梓のものしかなかった。今みたいにいっぱいはなくて。
ほんとうに、彼女がパイオニアだったと思う。
JUNEを熱心に読む人たちの、投稿をする人たちの、一番の代表だと、思ってた。
まったくもって勝手な思い入れです。それでも、そういう思い入れをさせてくれる
作家だった。

小説道場からは、プロとなる人が次々現れ、ルビー文庫だけでなく他にも本が
出るようになった。
もう、小説JUNEを切り取って保存しなくても、好きな作品が本になって読めるように
なったりしてきたのだ。
凄いと思った。
びっくりした。

私も、小説道場に投稿したことも一回くらいあった。でもまったくダメ。
でも、それでも、小説道場で、初歩の初歩として、小説の書き方を知ったと思う。
10代のあの頃、小説JUNEがバイブルだった。
JUNEがなくては、生きていけない、くらいの思い込みで、熱中していた。
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TITLE: 栗本薫さん訃報を知って(1)
AUTHOR: シキ
DATE: 05/29/2009 18:12:16
STATUS: Publish
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BODY:
きわめて個人的感傷たっぷりの文章になります。
栗本薫さんが、亡くなったそうです。5月26日の夕刻だったとか。
私が知ったのは27日でした。ネットをしばらくぐるぐる見て回り、その後
ニュースサイトなどにあがってきて、本当なんだ、と、思った。

私はもうここのところずっと、本を読んできてませんでした。
グインも、昔たぶん38巻くらいまで読んだ。外伝のいくつかも読んだ。
でもやめてしまいました。
ぼくらのシリーズだとか、伊集院大介とか、その他もろもろ、膨大な著作の
数々を、それこそ昔はいっとき読破していたこともありましたが、結局追いかけ
つづけることはありませんでした。
読めば一定の面白さは確実、だけれども、大好きにはならずじまいだった。

私にとっては中島梓としての活躍が、かけがえのないものだった。
腐女子、やおい、ボーイズラブ。現在でこそ堂々と書店の一角をしめるように
なったそれらが今あるのは、中島梓、栗本薫のおかげだろう。あるいは栗本薫
のせい、と。
今はこんなにたくさんのそういう類、のものが溢れているけれども、昔、
男同士、男の子同士、美少年美青年の愛は、JUNEしかなかった。ほんとうに、
それしかなかった。本屋の片隅でひっそりと、いけないもののように扱われて
いたのだ。JUNEといえば、栗本薫(中島梓)竹宮恵子なくしては成立してなかった
だろうと思う。
田舎の高校生だった私は、どきどきひっそりと、本屋に一冊や二冊しかないそれを、
当時の自分にとっては高いと思いながら、それでも何物にもかえがたく購入して
いたのだ。
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TITLE: 『乙女のトリビア』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/22/2009 14:27:45
STATUS: Publish
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BODY:
『乙女のトリビア』(嶽本野ばら/祥伝社)

雑誌、Zipperに連載されていたもの。
ファッションに関するエッセイ。
雑誌、たぶんティーンのお嬢さん向けだろうと思うので、
野ばらさまが、まだ若い乙女たちにファッションの歴史やロココなどなど
乙女の教養を教えてあげませう。
って感じでしょうか。
君に、って、読者である乙女なアタシ、いいえわたくしにむかって
直接語りかけてくれる文章です。
きゃ。

今までにもほとんど野ばらさまの本を読んできているので、うんうん、って
今までにもあったお話とかの復習って感じでもあるのだけれども、
それでもさらさら飽きずにやさしく可愛く語ってくれてうれしいな~と
満足の一冊です。
最後の、原宿の話。
書き下ろしですが。
野ばらさまも心がくじけそうになったときにはおしゃれして原宿にいって
自分らしくカッコよくなるんだ、って、いう話は、きゅんときますね。
ダサくてもヘンでも自分で考えてチャレンジしたスタイルならそれで
胸をはれ。チャレンジするんだ。
安いお洋服しか買えなくっても。
原宿が遠くて行けなくっても、心に原宿あればいいんだよーって。

君は君の為に生きればいい。
ってね。たぶん100万回言われてる自分らしさの話でも、野ばらさま
がいってくれると、まっすぐ受け取れるのは何故でしょうね。
誰よりも野ばらさまが自分で自分のために、自分の好きとか可愛いとか
かっこいいとかのために戦ってるのを信じられるからですね。

野ばらさまにサイン会とかイベントとか、で、逢える自分でいるように
がんばろー。
もしも実際に逢えなくても、野ばらさまの本を読める自分でいるように
がんばろー。
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TITLE: 『ダイバーシティ』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/21/2009 18:21:22
STATUS: Publish
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BODY:
『ダイバーシティ』(山口一男/東洋経済新報社)

豊かな個性は価値創出の泉
生きる力を学ぶ物語

ダイバーシティってなんだろう?と思ったのでした。
私はなんとなく社会学とかいうものに興味がありつつも、
実際に何かを学んだことがあるわけじゃなくて、
サブカル絡みの本をちらほら読んでいる程度。
なので、この本で解説されているいちいちに馴染みはあまり
なくて、へ~、と思ったりでした。
まあでも、解説されていることは、なるほどそうですね、と思って、
なんとなくぼんやりとは知ってるかなあという感じ、かな。
用語だけが新鮮に感じたというか。
ダイバーシティ は、多様な人々の多様な価値、って感じか。
金子みすずの、みんなちがってみんないい なんだったら、それで
いいじゃないか。。。と、思ったり。

前半は、ファンタジーっぽい物語仕立てになってますが、
うーんん。

後半は、日米比較的な。大学での授業風景での教育劇?
教育劇って。それも言葉を新鮮に感じました。
お話は。
ふむう~~ん。

私にとっては、文章の魅力があんまり感じられなくて、読みやすく
すらすらいけちゃうけど面白い!というほどではなかったです。
社会学ってこういう感じ、というのの、たぶん初歩の初歩、をさわれた
のは、よかったです。
でもたぶん、私こういう本来的な感じの社会学に興味があるわけじゃ
ないのかな~と、思った。
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TITLE: 映画『MILK』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/20/2009 17:21:13
STATUS: Publish
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BODY:
映画「MILK」

1970年代のアメリカ。
ゲイでありながら、初めて公職に任命されたハーヴィー・ミルク。
同性愛者であるという理由で、差別されることに声をあげ、自分達はここにいる
ことを、知らせるんだ。差別をなくすんだ。
ゲイだけでなく、有色人種、シニア層、弱者、マイノリティの差別問題を解決
すべく政治にのめりこむハーヴィー。
その声を、届けてくれる映画。

もうね、すごくすごくすっごくよかった。
ドキュメンタリーっぽいシーンも、ミルクとスコットがラブラブするのも。
政治的なところよりは、私は、スコットと愛し合ったりすれ違ったり別れたり
するところがすごくすごくよかった。
ちょっとおバカで依存的なジャックも。ジャックはやめとけ、って、はらはら
しちゃった。哀しかった。
スコットがすごく素敵だったし。
なんで別れちゃうんだよミルクーと思ったり。でも、すれ違いって、そういう
ものなんだね。哀しかった。
ゲイの描き方がさすがセクシーで素敵。うっとり。

選挙に出るといっても簡単に当選できるわけもなく。
消耗していくのも、それでもみんなの熱意に動かされていくのも、とても
よく伝わってきた。当選決まった時にはすでにじわじわ涙してしまうくらい
ひきこまれきって見た。

ダンは、酷い。こわい。たぶん壊れてた。たぶんそれも哀しいこと。

もしも暗殺されたら公表してくれ、と、テープに自分のやってきたことを吹き込んで
振り返る、というスタイル。
最後のほうは、ちょっとだけ時間軸が混乱しちゃった私。でも、あのろうそくの行進
のシーンから、エンドロールが終わるまで。終わったあとまで。
ずっと涙が止まらなかった。

希望。
希望だけで生きるわけじゃない。
でも、希望のひかりはこんなにも力がある。

ヘンに差別反対とか熱く善悪強調とかすることはなく、テンポよく、かつ丁寧に
見せてくれた映画だと思う。ユーモアもたっぷり。
私は恥ずかしながらミルクのことを知らなかったけれどこの映画を見て知ることが
できて本当によかった。

マイノリティであることは、病気じゃない。間違ってない。かといって、もちろん
特権でもない。ごく当たり前に。普通に。それぞれに。生きる道があるといい。
ミルクの希望を、なくしたくないと思った。
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TITLE: 『青い虚空』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/20/2009 08:17:10
STATUS: Publish
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BODY:
『青い虚空』(ジェフリー・ディーヴァー/文春文庫)

ララ。護身術を指導する立場の、ぬかりない女性のはずだった。
殺された女。
犯人は彼女のコンピュータをのっとって情報を手に入れ、知人になりすまし
彼女の行動を把握し、近づき、殺した。
どうやって?

コンピューター犯罪。ハッカー同士の戦い。私は、コンピュータに詳しくないし
プログラムについて何一つ知らないので、単純にそういうものかと面白く
わくわく読んだ。
「青い虚空」「ブルーノーウェア」というのは、作者の造語。
コンピュータワールド、今こうして私もどっぷり嵌ってるネットの世界のこと。
フェイトほどはまりこんで、現実との境目なくすほどではないけれども、
ネットがないなんて無理。ヤダ、とは思っている。暇さえあればとりあえず
ネットつないでる~。

この本にあるように、ネットの世界において、優れたハッカーは魔法使いに
なれるのではないか。パソコンがなかった時より、パソコンが偏在する今のほうが、
魔法の世界に近づいたのではないか。

で。これは連続殺人犯人を追い詰める話、なので、刑事もの、誰が犯人か、
誰が裏切り者か、というぞくぞくもたっぷり、これでもかというほどたっぷり
味わえる。楽しめる。サービスたっぷり。ヒューマンドラマのほうは、まあ、
ありきたり、って感じだけれども、まあ、その分安心してワクワクハラハラ
しておけばいいわ、という感じ。
変態度というか、妄執というかドロドロというか、そういうの私には物足りない
かなあという気がする。
この本も、映画化の話がある、って訳者が書いてたけど、結局映画化はされてる?ワクワク娯楽大作になる本だと思った。

この文庫が出てるのが2002年。たぶんコンピュータに詳しければ、著述が古臭く
感じてしょうがないとか可笑しいとかになるのかも。ネットの世界はどんどん
変わるもんなあ。一応私、自分のHP、タグ書いてつくって放置、で、まあ、
最初まだそういうのでもインターネットだわーいわーい、って感じだったけど。
その前はパソコン通信、で、テキストオンリーでやってたし。その感覚で、今も
データは軽いほうがいいとか、テキストだけでいいや、って思ったまんま。
進歩についていけず(^^;それまだほんの10年前とかくらいだけど。別世界だなあ。
ネットがどこまでどうなっていくのか、見ていたいな~と思う。
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TITLE: 『バチカン奇跡調査官』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/18/2009 10:23:42
STATUS: Publish
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BODY:
『バチカン奇跡調査官』(藤木稟/角川書店)

セントロザリオ教会から、奇跡の申請があった。
処女受胎だ。
セントロザリオ学院の、ホワイトプリンスと呼ばれる少年にも、
奇跡の聖痕が現れる。
バチカンから、二人の奇跡調査官が派遣された。

というわけで、調査官のロベルトと、平賀が奇跡の調査を始めて、
続々と殺人事件などが起こったりして。
えーとー。
なんか面白そうというか、平賀が美少年みたいで(年齢わかんないけど)
天然かつ天才科学者、っぽくて、コンビのロベルトは古文書マニア(?)
で平賀の世話やいちゃったりして、えーとー、萌え~となればいいんだ
けれども、なんか。。。あんまり魅力的じゃないんだよね。。。。
そうだよ。
私、この作者の本、他の読んだことあるけど、やっぱりなんていうかこう、
私の好きそうな設定なんだけれども、でも、実際読むと、なんかつまんない。。。
と、思ってしまうんだった。
文章が魅力的じゃないんだよな。私にとって。
いろいろ、面白そうな道具立てがどんどん出てくるけど、新鮮味なくて、
別に新しくなくてもいいけど、文章が魅力的ってわけでもなくて、
本の中に引き込まれない。
なんだそれ、とか、そりゃないよ、とか思って、本にちっとも説得されない。
納得できない。
文章の相性ってやつかなあ。うーん。うーん。

これも、最後にはえらく壮大な話になってるけど、なんだかなああああ、
と思って読み終わった。ペラい感じがしちゃってどうしようもない、と
私は思う。なにが足りないんだろうなあ。何もかもかなあ。。。。
人物造詣も中途半端だし。。。そんなに天才って設定のわりには天才って
感じしないし。ロベルトなんて全然何やってんだかわからん。。まあ
文書解読に役立ってるのかもしれないけど、でもなあ。
何かにつけて残念か気がする。もうこの作者に手をつけるのはやめたほう
がいいな私。
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TITLE: 映画『ウォーロード/男たちの誓い』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/14/2009 16:07:39
STATUS: Publish
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BODY:
映画『ウォーロード/男たちの誓い』

太平天国の乱、ってそういや習ったかなあというあたり。
つい先日見たレッドクリフと比べてしまうけど。

レッドクリフは、まさに娯楽大作!大昔のことでもあるし、
きゃ~☆わ~☆と堪能しましたが。
こっちはぐっさり重い作品だった。泥をすすり餓えに苦しみ
生きるか死ぬかの血塗れの戦い。
実際の暗殺事件をもとにしているよう。
アルフとウーヤンは実際の兄弟なのかな。
敗軍の中一人生き残ってしまったパン将軍と出会い、仲間となった
のは、よかったのか、悪かったのか。。。

金城くん素敵素敵!ナレーションもですね。うっとり。
やっぱり大好きです。なんて素敵。純粋でまっすぐで、強くて。
なんてかっこいいんだ。血塗れでも泥まみれでも
ボロボロでもきれいな格好しても。素晴らしかった。
あのきらきら潤む金城くんの瞳だからこその、ウーヤン
だったと思う。
どうすれば。
どのときに引き返せばよかったのか。
でも、どうしようもなかった。
あのまま盗賊でいたって未来はない。
パンの語った理想の社会、誰も一方的に虐げられたりしない未来の
ために、死ぬのなら本望だ、って言ったとき、悲劇があっても
希望があった。
蘇州を落とす時、4千人を殺しても、正しいと、自軍を
餓えさせるわけにはいかないと思った。

どの時も、正しいことを、選んできたはずだった。

戦いのどんな絆も、いずれ変わる。

パン将軍は、もともと官兵だったから、戦いのあと、出世ということ
政治ということを考えられた。(それでも、老獪な宮廷人たちの
前ではどうにもならない)
アルフは大将の器でありながら、政治ができる男ではなかった。
ウーヤンは。
ウーヤンは、目の前の出来事にまっすぐに反応する。
その純粋さは、あまりにもまっすぐで、あやうい。

せっかく生き延びたのに、なぜ死ななくてはならないの。
兄嫁の叫びも封じられる。

三人のあの戦いの間の絆は深く本物だったろう。
なのに戦いが終わって、やっと生き延びたのに。
なぜ殺しあわなくてはならないの。

どうしてなんだ。
どうすればよかったんだ。
きっと、ウーヤンが叫んでる。
自分の手で、殺したのに。

ものすごくいろんなことを考えて、帰りには泣きそうになった。

誰か、早く。
ウーヤンを殺してやってくれ。
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TITLE: 『ベルカ、吠えないのか?』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/10/2009 11:43:09
STATUS: Publish
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BODY:
『ベルカ、吠えないのか?』(古川日出男/文藝春秋)

戦争をしていたのは人間。
そして、鍛えられ命令されている犬。

犬による、戦争史、というのでしょうか。
1943年。戦地におきざりにされた軍用犬。そこから連なるイヌの系譜。
スプートニク2号の打ち上げ。宇宙に漂ったはじめての地上からの命。
ライカ犬のライカ。イヌ紀元ゼロ年。

ほとんど現在形、で語られているのがちょっと不思議な感覚。イヌよ、
イヌよ、お前たちはどこにいる?と、地の文が語りかけ、イヌのこと
が短い文章で繰り広げられて、読むというよりは見ている感覚。
映画みたい、といえばいいのか。
イヌが、うぉん、となく時、が、目覚めの時、なのか。

人間は戦争ばっかりしてるなあ、という感じ。イヌは、でも、犠牲になってる
というだけでなく、イヌはイヌの歴史を刻んでいるのか、という感じ。

ヤクザの嬢、も、よくわからない。イヌの名前を継いで、イヌになる。
でも、だから。
よくわからない。
よくわらかないままに、戦いって始まったりするのか。どうして、なんて
どうでもいいのか。

イヌの言葉も、少しはあるけれども、イヌは、イヌで、変に擬人化されてもないし、
感情的でもなくて、淡々と読みすすめていく。
この素晴らしいイヌたちの、主人になれる人間は、あまりいない。
21世紀に、どうなるんだろうか。

わたしんちにもわんこはいて、イヌだけれども。立派な番犬であり、可愛い可愛い
わんこ。お前に、うぉんと、吠えさせないようにするよ。
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TITLE: 『文学の断層』
AUTHOR: シキ
DATE: 05/09/2009 10:37:38
STATUS: Publish
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BODY:
『文学の断層』(斎藤環/朝日新聞出版)

セカイ
震災
キャラクター

2004年から 2006年にかけての小説時評をまとめたもの、だそうです。
この本の発行は2008年。単行本化にあたり、大幅な加筆を行った、そうです。

清涼院流水以降、ということで、西尾維新あたりに大注目、だったり、
セカイ系について、だったり、戦争、ニート、震災の後の文学、だったり。
毎度ながら、私が興味関心ありそうなところ、の話でありながら、やっぱり
毎度ながら、なんかこの人は違うなあ、バカだなあ、無理~、と思いながら
読む。そう思うならもう読むのやめればいいんだけど、うーん、やっぱり
興味あるかなあと思って読んでみる。私にはわらかないところにこの人の
関心があるのかなあと思う。好みはかなり似てるところがあるように思うのに、
(D・リンチ最高、って思ってるみたいだし)論を読んでこんなにも共感でき
ないのはなんでだろう。うーん。共感しなくてもいいんだけど。うーん、
なんか全然違うだろ、と、モヤモヤが残って仕方ない。でも私がバカすぎて
上手な反論とか言えなくていっそうモヤモヤするー。
あーでも、私は清涼院流水をまったく評価できないし(キライ)、西尾維新も
多少は読んだけれども(ほんと多少、だから、ほんとはあんまりなんとも言えない
んだけど)熱中はしなかったし、好みは全然似てないのかも。

ただ、やっぱり、臨床で心理学というか、精神科医としてやってきてるんだろう、
というところが読んでみたくて読むのだけれども、そのへんもやっぱり物足りない
感じだったりして、モヤモヤ不満なのかなあ。
春日先生のほうがずっと好き。って、まあ比較するところではないけど。

震災後の世界。震災後の文学、というのも興味深いところだけれども、ん~。
これを読んでもあまり何かを納得できたというわけにはいかない。
ん~。そもそも私が読んでない本も多くてピンとこないか。でも読んでる本でも
ピンとこなかったりもして。。。どうなんだろう。

このごろの自分の読書が、偏ってて、あんまり新しさとかについていこうとして
なくて、新しい作家とかに手を出してなくて、いろいろ鈍化してるかもしれない。
そろそろもうちょっとあれこれ読んでみようか。ラノベもなんか或る程度は読んで
みるべきかしら。うう~~~~ん。
読みたいかどうか考えたい。
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TITLE: 『ブライヅヘッド ふたたび』 その2
AUTHOR: シキ
DATE: 05/05/2009 11:34:28
STATUS: Publish
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BODY:
貴族たちの暮らし、てのにもうっとりだし。オックスフォードじゃみんな従僕みたいの
がいるもんなのでしょうか。素敵。学生くんたちはお金ないとかみたいだけど、
そうはいってもハイクラスなんだよな~。かっこい~。

宗教についての、苦悩とか断絶みたいなのもたっぷりなのだけど、カトリックだから
どうなのかとかいうのが、私にはぼんやりとしかわからないので、そのへんはなんと
なく。。。で。ジュリアとはでも、つまり宗教上のことで、別れなくてはならなく
なったのかしら。う~~~ん。いまいち何が起こったのかよくわからない。。。
自分がバカで哀しい。
後半になると、すっかりセバスチアンは酒に溺れ異国にいっちゃってみじめっぽく
なったみたいで、人づての話程度にしか登場しなくて寂しい。でも、美しい悩める
青年だったまんまの思い出のままのほうがいいのかもな~。
チャールスのバカ。ジュリアなんかとどうこうするより、ちゃんとセバスチアンと
愛し合えばいいのに!臆病者!

そんなこんなで、素敵素敵イギリス貴族さま!と堪能しました。

これを読んだきっかけというのは、なんか岩波文庫で上下巻で積んであったので、
なんだろう?と思ったので。最近映画化されたりしてるのね。日本では公開なかった
みたいな。もっと前にはドラマ化とか、あったみたい。若い頃の二人のオックスフォード
での暮らしのあたりなんかは、見てみたいなあ。
で、岩波文庫はちらと立ち読みして、これは私好きそうかも、と思い、でも、買うのは
やめて、ネットみたりしてると、吉田健一の訳のあった。どうせなら、と、吉田健一
のほうを、図書館で借りてみた。やっぱりそう読みやすいってわけじゃないけれども、
非常にうっとりできる~。みっしりしてる。
読んでる間、別世界にいって幸せでした。素敵よセバスチアン~。
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TITLE: 『ブライヅヘッド ふたたび』 その1
AUTHOR: シキ
DATE: 05/05/2009 11:33:37
STATUS: Publish
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BODY:
『ブライヅヘッド ふたたび』(イーヴリン・ウォー/ちくま文庫)

チャールス・ライダー大尉の信仰と俗世間の両面に亘る思い出

というサブタイトル?があります。
大尉として軍隊にいるチャールスが、部隊を率いて移動していったところ。
広大な屋敷。噴水のある前庭。あんなものは見たことないと思いますよ、と
いう部下。「いや、あるよ、フーパー。私は前にここに来たことがあるんだ」

かつて、アルカディアであったその場所。時。チャールスがオックスフォード大学
に入った最初の時。親しくなる前からひときわ目立つ存在として知っていた、
美しい貴族、セバスチアンの家族が住んでいたのが、ブライヅヘッドだった。
一緒に、来たことがある。ここのことならみんな知ってる。

青春の回想の作品。
チャールスと、セバスチアンとの、深い友情愛情の大学時代。その後。
大人になったあとにも、輝く思い出。大人になったからこそ、輝く思い出。

もうね~。セバスチアンがほんっと~に魅力的。
美しいし。貴族の次男で、家族との間に憎しみを持ってるし。ばあやだけは
愛し愛され。いつまでたってもこどものようじゃありませんか、って叱られてみたり。
オックスフォードにきてるってのに、いつも熊の玩具を大事にして、アロイシアスって
名前をつけて、語り合ったりしてるの。熊の玩具、ってまあ、テディ・ベアだよね。
酒を飲み、自由奔放。チャールスとの出会いが、酔っ払ってチャールスの部屋の
窓につっこんできて吐いた、ってことからで。
二人だけで遊ぼう、って、排他的になったり。
はっきり書いてはいないけど、これってアナザーカントリーだわ~。愛だわ~。
で、どっちかというと、チャールスはわりとヘテロなんだわ~。セバスチアンに
メロメロになったくせに、そっちに踏み込んでいくことはしなかったんだわ、と、
思う。セバスチアンは、どんどん酒にハマって、よくわからんドイツ人兵士と
暮らすようになったりして。あああ~。
アントニー・ブランシュはたぶん、わりとわかりやすいゲイだったのかな~。
セバスチアンはもっと苦悩してるのかなあ。ああもううっとり~。
セバスチアンの微妙に甘ったれたセリフの感じとかたまんない。白ワインと苺ね。
天国の味がするのはきみと一緒だからなんじゃないのか。萌える~。
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TITLE: 映画 レッド・クリフ パート2
AUTHOR: シキ
DATE: 05/01/2009 17:02:15
STATUS: Publish
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BODY:
映画「レッド・クリフ パート2」

きゃ~~~!金城くんの孔明さまかっこいい~~~~~~~☆!!☆!!☆!!

と、これでもうたっぷり十分満足満喫幸せなのです。

が、まあ、あれこれ。
孫権くんがやっぱりハンサムでかっこいい~と思った。若かった頃の
渡辺謙さんみたいじゃない?と勝手な私のイメージ。
で、孫権の妹。いくらおてんば妹、ってことにしたって、敵軍に入り込んで
あんなマネは無茶すぎ。。。孔明さまの手下って感じ?で、女ってバレてない
とか、友情つか愛情つか仲間とめぐりあう、みたいになったりして。。。うーん。
で、小喬も~。いくら時間稼ぎって、でも、身篭ってるとかなのに、それはいくら
なんでも。。。ありえねえ、と思いすぎて、冷める~。
で、曹操がなんか純情青年みたくなっちゃってんのは可愛かったけど。
うーん。超伝奇エロスとバイオレンスで育った私としては、即犯されないのが
不思議。というかまあ、それは私のほうが間違ってる?(^^;
まあでもみんな無事でよかったね。そんなこんなも、まあ。娯楽大作、ってことで
いいんだろう。
超雲かっこいいし☆
なんであれで曹操殺さないんだよー。まあ、さすがに生死は変えられないか。
うーん。

で、孔明さまと、周ユと、なんの打ち合わせしてる風でもないのに、ことごとく
相通じあってて、もう、これは愛だろう愛!!!
矢を集めるついでに、祭ボウたちとかに濡れ衣を、とか。
劉備が逃げ出しちゃう、ってのでも結局は謀だったのかよ、とか。
妻がいなくなっちゃってて、で、孔明さまと琴かよ~~。えろす。素敵。
最後の別れも、もうもう、それはキスするための距離でしょううううう!!!
妻の目の前で!!も~~~っ!
うんうんやっぱ二人はかけがえのない友よね☆ライバルで。憎みあって愛し合って
ください。うっとり。

戦闘シーンもざっくざっくたっぷり見て燃える~。やっぱ映画館で見て幸せ!の音!
風が変わるシーンの孔明さまかっこい~~!
火計、もっと船が燃えまくるのかと思ったけど、陸戦のほうが長かったかな。
盾で固まっていくところとか好きだった。かっこいい。
関羽とか張飛とかの活躍シーン少なかったのは残念だけどもまあ仕方ないか。

いろいろ勝手に妄想爆発させて、すっごくすっごく楽しめました!
ありがとうジョン・ウー!素敵すぎます金城くん!!!大好き三国志!!!
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