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未来八月号より

とっくに九月じゃん!というのはさておき。

八月号での新人特集にとりあげていただいております。
わーい。
批評は黒瀬珂瀾さんにいただいてました。
わー。。。い。と、喜んではいられないところです。
甘えるな、ということを心して、これからもがんばろうと思います。
有り難いことです。


特集用に提出した歌は20首ですが。連作「ヒミコのために」
遊子に出した15首です。


   ヒミコのために       

                        千坂麻緒

        映画『メゾン・ド・ヒミコ』を見る。水曜日。

                    
 伝説のゲイバーマダムの愛読のエド・マクベインまだ読み終えず

 老醜のあなたに見せつけるために選んだシャツの純白がある

 死に至る病を宿すあなたから暴力として奪うくちづけ

 きらきらと海がひかっていることをねむったままのあなたに語る

 白く大きく風を孕んだカーテンを瞬きもせず見つめるうつろ

 音楽を消して僕らは踊りだすあなたの乾いた手にあるちから

 ゆっくりとしかしゃべらないしゃべれないあなたの声を奪う諦念

 迎え火をたく死者たちを迷わせずまっすぐここへみちびくために

 潮騒をきいているのか 抱きしめて僕を今すぐ抱きしめてくれ

 ひとり ただ さりゆくものがありました ただしいことはわからないまま

 わかってたはずだったいついまだってわかってたはずわかっていたはず

 僕は歌う僕は演じる僕は泣くあなたのためにあなたのために

 静寂の満ちてゆく部屋今はもうあなたがいない静寂の部屋

 白い壁一面に書く大きく書く魔法のことば 会いたい 会いたい

 不機嫌な顔がはじめてほころんで 海辺の家にひかりふる 風

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